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【ダニ媒介感染症】SFTS(重症熱性血小板減少症候群)【致死率10〜30%】

休日ハンターのちょーすです。

猟期は先日終わりましたが、暖かくなりマダニの動きが活発になっています。

私も3月下旬だけで数回咬まれていました。

今回はマダニに刺されることで、感染・発症する可能性があるSFTSについてまとめました。

SFTS (重症熱性血小板減少症候群)

SFTSはマダニを介して感染する疾病です。

病原体
ブニヤウイルス科フレボウイルス属の重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome : SFTS)ウイルス
感染経路
主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺咬されることで感染する。
潜伏期
6~14日
診断と治療
①臨床症状:
発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)を主張とし、ときに、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴う。
血液所見では、血小板減少(10万/㎣未満)、白血球減少(4000/㎣未満)、血清酵素(AST、ALT、LDH)の上昇が認められる。致死率は10~30%程度である。
②診断:血液、血清、咽頭拭い液、尿から病原体や病原体遺伝子の検出、 血清から抗体の検出
③治療:対症療法
予防
草の茂ったマダニの生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボンを着用し、サンダルのような肌を露出するようなものは履かないことなど、マダニに咬まれない予防措置を講じる。

日本国内で感染する可能性が高いダニ媒介感染症の中では、ダニ媒介脳炎と並んで致死率が高い感染症です。

現時点では明確な治療法がなく、対症療法しかないため、まずはマダニに咬まれないように事前に対策をしておくことが重要です。

虫除けや殺虫剤を使用する際には、成分表示でディート(DEET)、ユーカリ油(レモンユーカリ油)、ピカリジン(イカリジン)が含まれているものを選びましょう。

ディートには年齢制限や利用制限があるので、小さな子供に使用する際はイカリジンが含まれているものを使って下さい。

イカリジンには年齢制限や利用制限が設定されていません。


もし咬まれた場合は医療機関を受診するか、しっかりと取り除きましょう。

そのまま取り除こうとすると、口が残って化膿したり、ダニの体液が逆流する可能性があります。

まとめ

マダニに咬まれることで、SFTS以外にも日本紅斑熱等の様々な感染症に感染するリスクもあります。

クリミア・コンゴ出血熱や回帰熱は日本国内での可能性は低いですが、特にクリミア・コンゴ出血熱は治療法もなく、致死率も20%以上と高いので、海外では特にマダニに咬まれないように警戒が必要です。