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【ライフハック】登記先住所【安易に自宅にするのは要注意】
経営戦略コンサルタントのちょーすです。
法人登記の登記先住所とするのは、様々なリスクの観点から注意が必要です。
登記先住所
起業等をされる際に法務局へ登記をしますが、その住所に自宅を記載するのは、以下の3点から注意が必要です。
物件用途の問題
プライバシーの問題
許認可の問題
1つずつ確認します。
物件用途の問題
賃貸物件の場合
居住用物件として登記している場合、家賃に対して消費税は非課税となります。賃貸借契約書の金額に消費税表記がないのはこのためです。
しかし、事務所用物件に変更すると、賃料に消費税が課税となり、併せて固定資産税や都市計画税も変更になります。
これらは「住宅用地の特例措置」で税負担が軽減されています。
また用途を居住用から事務所用に変更する場合は、用途変更の申請にも費用が発生します。
居住用で登記した物件に、入居者が勝手に登記を行い事務所として利用した場合は、物件所有者側が「現状を黙認して脱税している」と税務署に捉えられてしまい、追徴課税となってしまう可能性があります。
賃貸借契約書に「居住用として利用」や「事務所用途は不可」などの文言が入っていることが多く、この物件で登記したり、開業先住所として利用すると賃貸借契約違反となり、退去を迫られることになります。
また大家が建物に掛けている火災保険も居住用の建物は「住宅物件」、事業用の区画が1つでもあれば「一般物件」として区別され、保険料が変わります。
もちろん、賃借人が加入している火災保険も、住居として借りる場合と事務所として借りる場合では、保険の種類が異なるので、確認が必要です。
区分所有の場合
自己所有のマンションの場合でも、管理規約の確認が必要です。
理由は賃貸物件の場合と同じく、物件用途が定められており、居住用ではなくなってしまうと、脱税と見なされる可能性があるからです。
また不特定の来客が頻繁にあると、住民から不安がられる可能性も高いです。
マンション管理規約に「主として居住用として利用する」という文言が入っていることが多いです。
この文言が入っている物件に、登記先住所として利用すると、管理規約違反になり、退去を迫られる可能性があります。
自己所有の場合
自己所有の戸建て物件であっても、注意が必要です。
もし、住宅ローン減税が適用されている場合、「居住用でなくなった場合には、期限の利益を喪失する」と記載されていることが多く、事業用で使用してしまうと契約違反となり、減税の対象外となる可能性があります。
住宅ローン減税は、居住用の土地・建物だけを対象とした制度で、当然ながら事業用の土地・建物については、住宅ローン減税の対象外です。
登記先住所として利用すると、事業用に転用されたと判断され契約違反になり、住宅ローン減税が受けられなくなり、過去に減税された金額を請求される可能性があります。
プライバシーの問題
登記先住所は、公開情報と指定されており、誰でも閲覧可能な情報です。
国税庁の法人番号公表サイトで会社名や登記先住所などで検索すれば、誰でも 確認できるようになっています。
登記先を自宅にしてしまうと、自宅住所が公開されてしまいます。
突然、面識のない方が、自宅に訪ねてくる可能性が出てきます。小さいお子さんがいる家庭は不安になる可能性もあります。
許認可の問題
これは事業を営む上での問題です。
許認可によっては、居住部分とは明確に区分した事務スペースを確保することが求められたり、玄関に商号を表示させる必要があります。
まとめ
自宅を登記先住所として申請するには、様々な問題があります。
もちろん開業直後は経費を少しでも抑えたいかと思いますが、ルールを破ってしまうとそれ以上のペナルティが科されてしまうので注意が必要です。
最近では、法人登記が出来るシェアオフィスやコワーキングスペース、バーチャルオフィス等がありますので、是非検討されてみては如何でしょうか。
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