【狩猟免許】銃猟デビューへの道#5【教習資格認定申請】
ハンターを目指す経営戦略コンサルタントのちょーすです。
先日、狩猟免許の1つである第一種銃猟免許もパスし、かなり狩猟デビューに近づいてきました。ちょうど折り返し地点くらいでしょうか。
前回の記事で狩猟免許は取得しましたが、これは以前の記事でも記載していますが、鳥獣法上の狩猟をする許可を得たということで、あくまで「狩猟免状」を取得し、所持許可証の用途に「狩猟」と書く権利を得ただけのことです。猟銃を所持するまでには、まだ銃刀法上の手続が残っています。
残っているステップとしては、「射撃教習」をパスし、「銃砲所持許可」を得ることです。
今回はそのファーストステップである「射撃教習」をするための「教習資格認定」の申請をしていきます。教習資格認定は認定を受けるだけなのですが、その過程に難易度の高い「精神科指定医が作成した診断書の提出」と「基礎調査(特に周辺調査)」があります。
狩猟免許取得までの経緯は、こちらのマガジンにまとめていますのでご覧下さい。
教習資格認定
教習資格認定は「射撃教習資格認定」と言われることもあるようですが、ここでは申請書の表記に合わせて、「教習資格認定」と記載をします。
次のステップである射撃教習では教習射撃場で実包を使用するため、銃を所持しても人間的に問題ないかと言う様な観点(警察の通達によると「不適格者を確実に排除」だそうです)から、警察署からの基礎調査が実施されます。
精神保健指定医による診断書
今回の申請で必要な提出書類でおそらく一番大変なのが、診断書です。
狩猟免許を取得する際に必要な診断書は、極論、医療機関の医師であれば誰でも良かったのですが、今回提出する診断書は「かかりつけ医(前回受診日も記載)」か「精神保健指定医(認定医番号も記載)」が作成しなければならず、医師の氏名だけではなく、医療機関名も記入しないといけないことになっています。
この書き方なので、何か起こってしまった際にその医師も責任を問われる可能性が0ではないので断るというケースが多いように感じます。
実際、かかりつけの患者が「狩猟したいから警察に提出する診断書を書いて欲しい」と言われても、頻繁にその診断書を書いており、よく内容を把握している医師でなければ、聞いたことのない診断書を書いたことで、医師個人だけでなく、医療機関にも迷惑が掛かるとなると、流石に腰が引けますよね。
また、精神保健指定医であっても、医学部で教わらないのか、狩猟について知らない医師だと、いとも簡単に断られます。
こちらの診断書は今回だけでなく、今後、銃砲所持許可の申請・更新をする度にその都度必要となるので、しっかりした医師・医療機関を見つけてお願いした方が、後々役立ちます。(診断書は保険適用外で自費なので、診断書の価格も医療機関によって異なりますので、安価な医療機関を探しましょう。)
私はわざわざ遠くの医療機関へ行くのは手間だったので、家の近所で精神保健指定医がいる医療機関に連絡しました。
病院は2件連絡しましたが、どちらも「現在、外来を制限しており、新規の方はお断りしています」ということで断られました。
診療所も3件連絡しましたが、1件は「かかりつけでない方の診断書は書けません」と断られ、2件は書いて頂けるということだったので、価格を確認しました。
最終的にはその2件のうち、家からも近く、価格が安い方にお願いしました。(安いとは言っても、6,000円だったので、一般的な相場より高かったです。)
結果的に診断書を入手できたので良かったのですが、「かかりつけでない方の診断書は書けません」と言われました。しかし、そもそも精神保健指定医にかかりつけの方(患者)の大半は銃砲所持が出来ないのではと、診断書のフォームを見ながら思っていました。
診断書を書いていただける医療機関が見つかれば、医療機関へ行き、簡単な身体測定と問診をします。
問診は大したことは聞かれないです。ちなみに「アルコールや麻薬、大麻はやらないか。」という質問については、「麻薬や大麻はしませんが、アルコールは時々しています。」と答えると、医師は「確かにそうですね。」と笑っていました。そして「朝からお酒を飲みたくなったり、やめられなくなったりしないか。」と質問を変えらえてました。
問診を終えて会計をすると、「将来的に受診される際には一緒に持って来て下さい」と診断書と一緒に、診察券も渡されました。「将来的に受診する時」というのは、猟銃が持てなくなった時になりますね。最後、医療機関を出る時には「お大事に。」との声を掛けられました。
教習資格認定申請
診断書や他の必要書類等を準備し、警察署へ提出します。
今回提出する書類のうち、「身分証明書」について、私は準備し忘れていて、慌てて役場へ取りに行ったのですが、こちらは運転免許証やマイナンバーカードといった一般的に言われる身分証明書ではなく、後見の通知がないことや破産の宣告を受けていない事を証明する公的書類としての「身分証明書」です。
必要書類が全て揃っていれば、基礎調査が実施されます。基礎調査のうち、面接調査は申請書類を提出した流れからそのまま始まりました。
警察署による基礎調査
基礎調査については、大きくは「面談調査」「周辺調査」「各種照会」の3つのようです。
「不認定」となった方が訴訟を起こした判例もありました。
基礎調査(面接調査)
私の場合、「仕事はどのような仕事か?」「出張の頻度は?」「月収はいくらくらいか?」「借金はないか?」「ギャンブルはやるか?」「家族構成や兄弟は?」と言った内容を聞かれました。
質問サンプルが記載されたような用紙を見ながら、質問をされ、答えると答えた内容をその用紙に記入していました。申請手続きの流れで始まったので、正確に時間を見ていたわけではないですが、5分程度だったと思います。
基礎調査(周辺調査)
周辺調査の居宅訪問は、日時を申請書を提出した際に調整をして、申請書を提出した翌日に家へ訪ねてきました。(特段、許可を急いでいる旨は伝えていないですが、おそらく最短ではないでしょうか。)
妻に確認された内容は「夫が銃を所持しようとしているが反対していないか?」「どのような性格ですか?」の質問が2つだったそうです。妻に対しての調査は、ものの5分程度で終わったようです。
家族以外に対しての調査は、一般的には近隣居住者へ聴取をするようですが、私の場合、引越してから2ヶ月程度と日が浅く、近隣居住者とのコミュニケーションが少なかったため、その旨を申請時に相談をしていました。
妻への聴取が終わった後、コミュニケーションが少ない中でも多少接点のある近隣2軒へ聴取をしようとしていたそうですが、1軒は不在だったようです。
その後、しばらく私の周辺で動きはありませんでしたが、申請日から17日後に警察署から連絡があり、「概ね調査が終わったが、職場の方に聴取をしたい」ということで連絡がありました。「会社の連絡先を教えて欲しい」とのことでしたが、「携帯電話でも良いか」と確認するとそれでも良いとのことだったので、指名する方の携帯電話番号を伝えました。念のため、指名した方にはすぐに「近日中に警察署から連絡があります。」と伝えてお願いをしておきました。
指名した方への聴取は携帯電話番号を伝えた当日に実施され、確認された内容は「勤務態度や性格は?」「酒癖は?」「銃を持つことで危惧するところはないか?」を聞かれたくらいで、こちらも数分で終わったそうです。
後から確認すると、これで1名でも変な冗談が出てしまい、警察が真に受けてしまうと、許可が下りない可能性があるそうです。私の身辺調査にご協力頂き、真摯に対応して頂いた皆様、ありがとうございました。
基礎調査(各種照会)
私個人の場合、交通事故等はありますが、裁判所に出頭を命じられたり、罰金刑に該当するような犯歴等はないため、特に何の問題もありませんでした。
当然のことかもしれませんが、私個人だけでなく、私の親族関係についても、過去にまで遡って調べて、反社会的勢力の関係者がいるのかなど、しっかりと調査するようです。
教習資格認定証の交付
基礎調査を無事にパスできたら、教習資格認定証が交付されます。
申請から交付までは警察庁の標準処理期間では30日以内となっています。
猟期前は申請が多くなっており、標準処理期間は超過することがほとんどのようです。私の場合は、9月上旬に教習資格認定の申請をして、教習資格認定証が交付されたのが10月下旬でした。処理期間はちょうど50日でした。(所持許可申請も同様の手順があり、標準処理期間は超過すると踏んでおいた方が良さそうです。)
交付されると、警察署から連絡があり、教習資格認定証を取りに来てくださいとのことなので、ついでに猟銃用火薬類等譲受許可の申請も山口県収入証紙2,400円と一緒にしておきます。
教習資格認定証が交付されると、いよいよ射撃教習へと進みますので、教習射撃場へ射撃教習の予約を入れます。
今回で必要な費用・書類
ここまでの手続で必要となった費用(書類取得費・切手等は除く):27,000円