【セミナーレポート】20200903_楠木健氏_戦略講演会【殴り書き】
田舎暮らしをする経営戦略コンサルタントのちょーすです。
オンラインで「ストーリーとしての競争戦略」を書かれた楠木建氏の講演会に参加しました。非常に面白い内容だったので、そのときのメモを備忘録として、共有します。
セミナー自体が有料なので、こちらの記事についても一部有料設定をしています。
withコロナにおける経営
そもそも経営は法則がない。法則がない世界で成果を出そうとするのが商売。
「今こそ激動期」と言いたくて仕方がないおじさんがたくさんいる。「コロナ危機」ではなく「コロナ騒動」。江戸時代の米騒動と状況は同じ。
人間の適応力は驚くほどすごい。戦時中であっても数ヶ月が経つと、空襲に適応する人が出てきた。コロナ禍でも人間の適応力は発揮される。
コロナ騒動はいつか終わるが、それがいつかは分からない。そのため、リスクにおいて時間の経過は危機になるが、今回はそうではない。
【今必要なこと】
①コントロールできることとできないことを見極める
②コントロールできないことはじたばたしない
③人間の本性を基軸に考える
本性と因習
大体のことは元通りになるだろう。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」のが、人間の本性。本人でさえ、その時の苦痛は忘れる。
SNSが流行ったのは、人間の自己愛の強さという人間の本性を突いていた。
一方でオンライン飲み会は続かない。なぜなら人間の本性に沿っていない。人間の本性として、飲み会をしたいという目的を満たさない。
リモートワークは新現象ではなくて、すでに起きていたことが加速しただけ。だからコロナ終息後も一定程度定着する。これは、「面倒なことはしたくない」という人間の強力な本性に沿っている。
本性と因習は似て非なるもの。
リモートワークの本質は因習によって制限されていた、本性の回復である。
今はコミュニケーションの価値が試されている。今後、アナログヒューマンコミュニケーション能力の重要性はますます大きくなるだろう。
ここまで、PC・携帯電話とインターネットの普及により、文章能力の著しい低下が起き、その結果、文章能力の希少性が増した。今後、オンラインが増えれば、面と向かってコミュニケーションが取れる人材の希少性が増すだろう。
不要不急といわれるものの多くは、人間の本性を突いている。だから、不要不急とされているものほど回復が早い可能性があり、確実に元通りになると考えている。きっと接待を伴う飲食店も、今は大変だが、一気に需要は戻るだろう。
星野リゾートの星野佳路氏は、「大変だけど大丈夫だ」と言っていた。なぜなら、旅行というのは人間の本能的・本性的需要だから。既に状況が落ち着いたと言われる台湾ではホテルの予約が一杯になっているらしい。これが半年か1年後の日本の姿ではないか。
商売と経営にとって最も大切なものは、人間洞察である。
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