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3泊4日の富士登山(後編)

0合目から5合目まで登った翌日。

18時とか19時に床についたものの、
20時半くらいになんとか就寝できて
起きた時間は朝2時。

もはや朝じゃなく深夜だし、
普段ならやっとベッドに入るくらいの時間です。

若干の寝不足・筋肉痛の体をよいしょと起こし
干してた服やら朝ごはんの弁当やらをつめて
防寒着・ヘッドライトをつけていざ出発!

5合目〜8合目

小屋の方々は寝ていたため
挨拶せずに出ていきました。
出発前に写真撮りましょ!と言って撮った1枚。
ヘッドライトつけてると臨場感あるな〜

ここでシゲさんとはお別れ。
総勢6人で山頂へと歩き始めます。

シゲさんは宿の人に
「せっかくだから6合目まで登りなよ!」
と背中を押され、
夜が明けてから6合目の景色まで見て
帰っていかれたそうです。

富士吉田の夜景が綺麗だった…✨

当たり前ですが、とにかく暗かったです。

ライトがないと足元が見えないので、
ごろごろした岩があると
滑ったり引っかかったりして危なかったです。

5合目までのように
歩きながら写真を撮るなどは
難しい状況でした。。

いきなりがれきになるのかと思いきや、
狭い道の両側にみっしりと木や草は生えているし
虫もぶんぶん飛んでました。

途中途中振り返って、
だんだん明けていく夜の空を眺めました。
とても静かで心が穏やかになる時間でした。

夜景と朝焼けのコラボレーション。綺麗。。

5合目の途中、いきなり森がふつっとなくなり
がれきとの境界線が現れました。
これを「森林限界」と呼ぶそうです。

さっき書いた、
宿の人の「6合目まで」というのは
この景色のことを指してたんですね。

後にTV番組で見たのですが、
富士山は「森林限界」が他の山より低いことで
冬には雪化粧をした美しい姿になるそうです。

しばらく歩くと6合目に着きました。
そこには受付のような場所があり、
検温をされて
リュックにバンドをつけられました。

寒かったから表面温度測っても意味ないと思うんだけど、、

ちょっとだけ休んでから出発。
ひたすらギザギザとした
同じような道を進むこと20分。

「あれ…?」
左のひざが痛い。
気のせいだと思って歩き続けるも、
やっぱり痛い。

他のところがかばってしまう前に、
一度休憩させてもらい、
緑さんからサポーターをお借りしました。

退屈な上り坂もあったけど、
こんな感じの岩場も出現。

かなり1歩1歩に高低差があったけど
ストックも使うため意外にラクで楽しかった。

ただ、足を痛めた状態で
山頂まで行けるのだろうか、、
という不安が心を支配してしまい、
息が上がってきてしまいました。

それを見かねたニゴ先生。
「7合目まででストップしてもいいからね」

うーん、そうさせてもらおうかな。
そんなことを話しながら歩いてました。
心肺が心配だとか何とかギャグも入れつつ…笑

何やかんやで7合目。

岩場は道中こんな感じだった!
7合目からの景色。
山中湖が写真でもよく見える

東洋館の人たちが優しくて、
チェックイン時間より早いけど
荷物を預かってくれるとのこと。

いらない服などを全部ひとまとめにし
リュックから出しました。

とにかく寒くてしょうがなかった。
末端から冷えていくのを感じながら、

しかめっ面のまま
雨避けできる場所で
みんなで1列に並んで朝ごはんを食べました。

不思議と食べると元気が出るもので、
体が温かくなるのを感じました。

「8合目までは行っても最悪降りられる。
とりあえず8合目まで行ってみよう。」

と、頑張って進むことを決めました。

脇にある岩場をひたすら登っていくと、
各ポイントに休憩所と山小屋が出てくる
というような道でした。

目の前のがれき、麓には緑、空には光のシャワーが。
8合目の宿の一つ。
さらに登るとまた宿が。

これの繰り返しなので、
「どれが本物の8合目なの!?」
とブーブー言いながらひたすら歩きました。

9合目〜頂上

この階段を登ると…
大きな鳥居が出現。

ここまでで鳥居をいくつ見たことでしょうか。
祠も含めて10くらい見た気がします。

富士山は神様の領域なのだということを
つくづくと感じさせられました。

ついに来たな、という気持ちでした。

ここまで来てしまえば、
あとはもうすぐ見えてくるであろう
頂上を目指すのみ。

「頂上はあそこかなー?」
なんて話しながら、
ひたすら続く岩場を登っていきました。

岩に座っての休憩。
ちょっとソワソワした
なお、これは確かやらせです笑

登り始めてから何分経った頃だろうか。
ちょうどお昼になりそうだったから、
8時間後?

やっとのことで登頂しました。

圧巻の景色!!
ゆみ、やったね!!
いい笑顔!
変顔もいつもより開放的に笑

富士山の上で食べる
あったかいうどんは格別でした。

お鉢巡り

ただ、富士山の頂上はまだ終わりません。
頂上では「お鉢巡り」と言って、
火口を一周するルートがあるのです。

ぐるっと回るのに
2時間もかからなかった気がする。

久須志神社から
最高峰の地、剣ヶ峰まで行き
そのままほぼ一周してきました。

この道がまた大変でした。
途中下り道もあって、
ずっと登ってきた分違和感がありました笑

ここが日本一の山の頂上かと、
噛みしめながら歩きました。
火口を間近で見ることは貴重な体験でした。

だんだんガスってきて、
風もビュービュー真横に吹き付けてきて、
今まで体験したことない感覚でした。

さっきまで青い空が広がっていたのに、
日が隠れて寒くなる。
それどころか大量の雲が迫ってきて、
雨に打たれるのと同じくらい濡れました。

寒いの苦手な私にはこれまた堪えました😅

それでも呼吸を整えて
元気を出そうとひたすら歩き続けて
ようやく、ようやく、
3776m地点の剣ヶ峰へ到着しました。

「着いた…!来られた…!」

安堵と達成感に、
涙と嗚咽が抑えられませんでした。

私の体重をずっと支えてくれてたストックと、
快く貸してくださったニゴ先生。
仲間と涙して抱き合い、喜び合いました。

どっしりと建てられているこの石碑と
対面できたときの気持ちを、
私は一生忘れないと思います。

7合目まで下山

当たり前ですが、
登ったら降りなければいけません。

下山がいちばんしんどかった。。

もう青い空は完全に見えなくなり、
風はどんどん強くなっていきました。
途中で雨まで降ってきて、
しまいにはひょうが降りました🌨

(と書いてますが、寒いのと疲れで
私自身はあんまり覚えてません。。笑)

どうにか力を振り絞って歩いていくと、
奥宮が見えてきました。

中でお参り。
大切な仲間たちと、神様のおかげで
道中の天候にも恵まれて、
ここまでたどり着くことができたことに感謝。

こんなガスってますが
それでも富士山にしては恵まれた天候だったんです。

お参り後はお守りを物色。
富士山らしい青いお守りと、
妹の高校受験合格祈願でオレンジのお守りを購入しました。

さらに進むと、いよいよ下山口が見えてきました。
登ってきたような岩場を
ひたすら降りる、降りる。

と、私の前を行くニゴ先生。
「なんかおかしい。
道が見えるはずなのに降りすぎな気がする」

なんと、降りる出口を間違えていました。
すれ違う人にも確認し、
降りたかった出口ではなかったことが判明。

この件でニゴ先生はずっと謝ってくれてますが、
むしろ早めの段階で
よくぞ気づいてくださいました。。

ずっと着いていくだけだった私。
違うのか、よしやり直そうという気持ちで
頑張って降りてきた道を引き返しました。

降りた時間は2時間あったかなかったか。
どれだけ歩いてもニゴ先生は
「あと30分だよ!」しか言わない。

本当はあと何分なの??
早く着け、早く着け…と思いながら
必死に歩きました。

ようやく8合目の太子館に到着。
なんと私、ここが東洋館だと思っていたため
「やっと着いた」と思ったら、

今まででいちばん険しい岩場が
待ち構えてました。

この太子館から結局40分くらい歩いてたと思う。
はっきり言って地獄でした🤣🤣

ここを降りればあと数分で着く!
という段階で限界が来てしまい。

「もう無理!しんどい!」
と言って泣いてしまいました。

いや泣くな、
あとちょっとじゃんよ…
と思いながらも、精神的に限界に達しました。
思い出すとちょっと恥ずかしいんですけど笑

なぜかもらい泣きしてくれる七さんと
楽に進めるようにサポートしてくれた
TOMOさんに助けられて、
やっとのことで到着!!

ご覧の通り、ボロ泣きです。


達成感ももちろんあったのですが、
とにかく疲労感満載で、
早くご飯食べて寝たいと思ってました。

このあと食べたけんちん汁が最高で😭😭
あったかい汁とゴロゴロ野菜が染み渡りました。

硬い寝袋の中でも余裕で寝られました。
前の2日連続ですっと眠れなかったのに…
相当安心感と疲れがあったんだと思います。

シゲさんにもらった赤ワインも最高でした

下山(7合目〜富士スバルライン)

長々と書きすぎて、
ちょっと疲れてきちゃったので簡潔に。

「昨日一昨日は見られなかった」
と宿の人が言っていたご来光を、
この日私たちは拝むことができました。

我ながらいい写が撮れた
満天の星が徐々に消えていき
太陽が出るのをじっと待ち構えました

星も見られて、雲海もご来光も見られて
なんて恵まれているんだろう。。

早起きのおかげで余裕ある出発。
前日の頑張りのおかげで、
脚が筋肉痛でした。

ななさんがこの日も
ストックを1本貸してくれたおかげで
ずっと続く急な砂利の斜面を
降りることができました。

もう、多くは語りません。
下山中の素晴らしい景色をご覧ください👇

シルエットかわいい
今見ても鳥肌が立つほど壮大な景色

帰りもすこしガスったけど、
晴天の中歩けたことは本当によかった。

森林限界を超えても、
ポツポツと小さな植物が根を張っていて、
なんだか強い子たちだなと感じました。

やっぱり木が好き
途中乗馬の人たちとすれ違った!びっくり!
出発から2.5時間くらいで到着!
タクシーで降りてく途中の展望台。
お楽しみ様でした!


このあと、なんと富士急があったので
FUJIYAMAに乗りましたww
73歳、年齢オーバーのナナさんも
ご満悦のご様子でした。

(彼は元自衛隊員です。
年齢制限は守りましょう🤣)

帰りに温泉でじっくり体を温めました。
2日ぶりのお風呂、最幸でした!!

富士登山で学んだこと

・人に助けを求める立場も「お役目」として、チームに必要とされることがある
・少しの遅刻が命取りになる
・日々のトレーニングは大事
・「山登り=人生の縮小版」である
・一歩一歩進めば、いつか必ずゴールに着く
・「自分で」考えて行動する

今回特に感じたのは、
山登り=人生
ということです。

計画から実行すること
自分の頭で考えて行動すること
仲間と協力して達成すること
自然と向き合うこと
自分と向き合うこと

人生の全てが、山登りにはつまっている。

逆に、山登りみたいな人生にしたいなと
思うことができました。

ゴールを決めて、中間ゴールを決めて、
ルートを決めて、
あとは着くまで一歩一歩進むだけ。

よし、また次の山に向かって頑張ろう!!

3週間越しの下山祝い

ここまで拙い文章を読んでいただき、
ありがとうございました☺️

皆さんの人生のどこかで
何かのヒントになりましたら幸いです✨

もえか

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