エンゲージメントが低すぎる日本で求められていること

 IBMなどが実施しているエンゲージメント(従業員がイキイキと仕事と向き合う度合い)の調査では、やはり日本はどの調査でも最下位に位置しいているのが現状です。モチベーションが益々希少になり、このままでは生産性の向上もイノベーションもとても期待できそうにありません。


 そんな中、会社員とフリーランスを比較した意識調査では、軒並みフリーランスが会社員を大きく上回る結果が出ています。「職業的自己イメージの明確さ」は会社員が3.09点に対してフリーランスが4.01点。さらに「主体性キャリアの形成意欲」は会社員が3.17点に対して、フリーランスが4.06点と高いスコアが出ています。(「フリーランス白書2019」フリーランス協会)
さらに別の調査ではフリーランスの大半が「このまま(フリーランスを)続けたい」と述べており、「雇われたい」と望んでいるのはわずか4%という興味深い結果も出ています。こうした調査結果からもフリーランスという働き方や姿勢にこそ、大きなヒントがあるのではと考えます。


 「個」の文化が浸透し、専門性を活かしていくという風土があるアメリカのように、いよいよ日本でも、「個」を見つめ直し、専門性を追求していくことが急務ではないでしょうか。


 そして、この大きな時代の変化においては、個人に限らず会社側も変化していかなければならない状況にあります。一例としてグーグルでは「世界のためにリーダーを育成しよう。グーグルを退社して社員として貢献できなくなっても、リーダーとして世界に貢献すればいい。むしろ積極的に応援する」CEOがこのような発言をしており、興味深いです。(「ニューエリート」ピョートル氏)。日本においても終身雇用の制度が崩れている中、グーグルのように「自分の成長のため、自分の自己実現のために会社を使おう」と応援していくことが会社側に求められています。終身雇用で市場価値を高める意識を削いでしまうのではなく、人材育成の定義を「会社の貢献できる人を育てる」から「社会に役立つ人を育てる」そんな市場価値という観点を持つ必要があります。


 個人が意識改革し、会社も変化していくことで、一人ひとりのキャリアパスが構築されて、活力、熱意、没頭という条件が揃ったエンゲージメントが高い社会、同時に生産性も高い社会が実現すると私は信じています。

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