趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.207 音楽 中村佳穂 「はなればなれの君へ」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は音楽 中村佳穂さんの 「はなればなれの君へ」についてです。
細田守監督の「竜とそばかすの姫」の一番メインとなるシーンで歌われる曲。
映画自体は賛否両論ありましたが、この曲だけは別格に素晴らしい。
最初の音を聴いただけで、涙が溢れました。
もう、ずっと止まらない。
こんな体験、昔「エヴァンゲリオン新劇場版 : Q」で宇多田ヒカルさんが「桜 流 し」を歌った以来、心をとらえて離さない曲になりました。
もう何度も何度も聴いても涙が出ます。
映画の中では、主人公すずはの田舎の普通の女子高生がネットでは世界的に人気歌手ベル。ある少年を救うためにベルのアバターからオリジナルの女子高生の姿を全世界に晒して歌うシーン。
上下に街並みがあるネットの世界、遠くに夕焼けが線となって光っている。
空中に浮いていて、下には全世界の観客が固唾を飲んで見ている。
母を水難事故で亡くした女子高生が、母と同じように人を助けるために、自分を晒して歌い上げる。
会いたいもう一度胸の奥震えてる
此処に居るよ届いて「離れ離れの君へ」目を閉じた時にだけ会えるなんて信じない会いたい「離れ離れの君へ」
母へ会いたい気持ちが、竜に会いたい気持ちが、この歌には篭っています。
中村佳穂さん
天才歌手、まさに音楽そのもののような人。
心から音楽を愛している、また音楽に愛されている人。
即興でラララ〜っと歌えば音楽になるような音楽の神様に愛されている人。
こんな彼女を映画の声優と歌手として起用するなんて、
天才すぎて、下手したら映画を食い破ってしまうかもしれないのに。
もう、完璧に映画の一部、いやコアになりました。
歌が誰かを救うのを説得力のある映像で見せていただきました。
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そう、会いたいな〜。
遠くへ行ってしまったあの人に。
今日はここまで。
私自身はちゃんと聴けたことはないですけれど、奄美には「哭きうた」という、誰かが亡くなって自分の感情が止められなくなったときに即興で歌う歌があって。誰にも聴かせるわけじゃなくって、喉がかれるまでその歌を歌って、疲れたら眠ってしまうという、そうやって自分を慰める、自分の思いを吐露させるためだけの歌があるんです。そういう歌って「みんなのもの」ではないんだけど、「それも歌だ」っていう不思議な感じが私にはあるんです。それを独りよがりだって言うんじゃなくって「この歌はすごくいい歌だね」ってみんなが思っている。それって、やさしさだなって思うんです。
/中村佳穂