趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.343 映画 マーティン・ブレスト 「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は映画 マーティン・ブレストの 「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」についてです。
アルパチーノが盲目の元軍人を演じ、寄宿学校の若者との交流を描いた感動作。
この作品も有名で、なんだかいかにもアカデミー賞を取りそうな感じだったので
今まで避けていました。
観たら今までなぜ観なかったのかと後悔するほど、タンゴのシーンの素晴らしさと、アルパチーノの雄叫びが印象的でした!
女性の香水の匂いでその種類を当てたり、盲目のパチーノがフェラーリーを運転したり、幼い女の子との交流だったり、密告しろと言ってくる学校側との戦いだったり、
若者と盲目の軍人の数日間の短い時間の交流ですが、とっても密度の濃い時間を感じました。特にタンゴのシーンは、その時だけ別次元のような。
死を望んていた軍人が、生きている実感をこの青年との交流の時間で得たことを、如実に表すシーンはやはりこのダンスシーンなのではと思います。
もちろん数日間の小さなことも含めて全部なのですが、やはり記憶に残るのはタンゴ!です。
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物語は、主人公のチャーリーは全寮制の名門校に奨学金で入学した苦学生。
学校の同級生はお金持ちの子ばかり。
クリスマスの故郷に帰るため旅費を稼ぐためにアルバイトをする。
そのアルバイトは家族の休暇旅行に同伴を拒否する盲目の退役軍人フランクの世話をすること。
彼はとても気難しく最初チャーリーは困惑するが、報酬の良さと家族の熱心な願いからそのアルバイトを受けることに。
感謝祭の前日の夜、大学で同級生が校長の車にイタズラをしているのを見てしまう。
次の日、校長から犯人の名前を言えばハーバード大学への推薦をするし、言わなければ退学させると二者択一させると言われ、休み明けに回答しなくてはいけなくなった。
そんな苦悩を抱えたまま、フランクの元へ。
フランクはチャーリーをニューヨークに連れ出しある計画があるから手伝えと強引に進める。
高級レストランで食事をし、服を買い、美しい女性とタンゴを踊り、夜は娼婦と寝る。
フランクとチャーリーは共に過ごしていくにつれて、お互いに信頼し合い友情が生まれる。
そんな豪遊の最後の方に、ある計画を実行しようとする・・・。
そしてチャーリーにも友達を密告するかどうか全生徒の前で校長から公開尋問が始まる。
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アル・パチーノと言えば「ゴッドファーザー」などマフィアなイメージがあるが、
タンゴの踊りを見て、こういう本物の大人の洒落た男性も見事に演じられ
より彼の魅力を再発見しました。
そう、無骨なイメージがあったんです。
そしてアルパチーノの魅力全開な映画ですが、この映画のテーマである
絶望から希望への心の移り変わり、若者への教育、密告の卑怯さなど。
結構しっかりとした内容で単なるエンターテインメントではないんです。
人間としてのプライドを取るか、保身を取るか、確かにその天秤は難しいです。
自分は今まで自分の良心の思うまま行動してきたのか。
現実は映画のようには行きませんが、いろいろと考えさせられる映画でした。
まあ良心もとっても大事ですが、それより香水を当てるのとタンゴを踊れるようになりたいw
今日はここまで。
「私にも目が見えるときがあった。ここにいる者たちよりも若い兵士たちが腕をもぎ取られ、足を引きちぎられるのを見てきた。しかし、一番の悲劇は魂をつぶされた者だ。潰れた魂に義足はつかない」
/「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」より