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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.028 映画 フレッド・M・ウィルコックス「禁断の惑星」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は映画 フレッド・M・ウィルコックスの「禁断の惑星」 (1956/米)についてです。

はい、題名やこのロボットのブリキのオモチャは見たことがある人は多いと思います。

このロボットロビーのオモチャは、持っていませんでしたが、

たまにオモチャ売り場や、収集家のご自宅などで見かけたことがあり

斬新なかっこいいデザインだなと思っていました。

そしてこの映画の存在も題名も、映画マニアなら一度は耳にします。

SF映画、ロボット映画の原点のような存在。

ただ1956年と古すぎて、なかなか見る機会がありませんでした。

1968年に「2001年宇宙の旅」、1977年に「スターウォーズ」ですからかなり前ですね。

1902年の「月世界旅行」、1927年の「メトロポリス」、ここら辺はまだモノクロです。

1954年の「ゴジラ」はまだモノクロ日本でやっと特撮ができた頃、

「ゴジラ」とほぼ同じ頃、オールカラーの幅広のシネマスコープで宇宙ものでロボットが出てくる映画を作るとは物凄く先進的な作品だったと思います。

もう今見ても十分おしゃれなデザイン、先進的な科学技術、物語の面白さ、哲学の深さが感じられるやはり歴史に残る傑作でした。

特にロボットロビーのおかしさと不気味さが印象的。

惑星に博士と取り残されていた娘の無自覚なるセクシーさにクラクラしました。

サウンドも電子音楽でおしゃれで不気味さも演出していました。

また機会があれば何度か観てみたい、レトロポップな美しさを備えた作品です。



物語は宇宙移民が始まった未来、20年前に移住したが突然消息を立った惑星へアンドロメダ号が捜査に行く。

惑星には移民団の博士と、惑星で生まれた娘、博士が作り上げたロボットだけが生き残っていた。

この惑星には昔極度に科学技術が発達した先住民がいたが滅亡したと、博士は言う。

移民団はある日謎の怪物に襲われ自分達以外は死んでしまって 

残った自分は先住民たちの科学力を使って自分の知力を倍増させ、ロボットを作り出した。

また怪物がやってくるので君たちはこの惑星から退避したほうがいいと警告する。

その怪物の正体は実は・・・。

というお話。よくできている。自分は読んでいないがシェイクスピアの「テンペスト」を土台にしているそうです。



ロボットロビーはアシモフのロボット三原則の影響を受けていて、あるシーンで人間を殺せと命じても殺せないところが面白い。

まあ近年はターミネーターやスターウォーズなどロボットがばんばん人を殺していますが。

現代ではドローンが兵器にもなっています。

そんな万能なのに人を殺したり主人の命令に背いたりできない昔のロボットがなんとも魅力的。

ドラえもんのように、主成分を解析すれば無限にお酒まで作ってしまう!



ロボット良いけど、博士の娘もとっても魅力的。

移民仲間たちも死んでしまい、惑星生まれで、父親の博士と二人で暮らして何も知らない。

捜査団の男性を見るのも初めて。

キスも知らない。

そんな短いスカート大丈夫ですか!けしからんと思うほど、

捜査団の男性たちはこぞってアプローチw 船長までw

昔の宇宙飛行士って仕事中にでもロマンス良かったのでしょうかw

キスを教えてもらうシーンはドキドキしました。

そうこの映画はSF映画の名作ですが、そんな優等生的な作品ではなく、

今の時代のオタク心をくすぐる”ロボットと美女”という黄金パターンを持っているのです!

オタク映画です!

今日はここまで。



人間はなんて美しいのだろう。/シェイクスピア「テンペスト」より

(無人島で育った娘が初めて父親以外の人間と出会った時の言葉)