趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.004 映画 クリント・イーストウッド「荒野のストレンジャー」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は映画クリント・イーストウッドの「荒野のストレンジャー」 (1972/米)について。
最近テレビで放送された映画ばかり見ているので、結構西部劇を観るんです。
西部劇はもちろん名作も多いのである程度は見ていますが、ものすごい数なのでまだ全然見ていないと言っても良いでしょう。
その西部劇の中でもクリント・イーストウッドは特別な存在です。
セルジオ・レオーネの「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」や「続・夕陽のガンマン」で主演し、西部劇の顔に。
そんな彼が監督2作目の作品が今作。
今では現役世界最高の天才映画監督ですが、まだまだ2作目。
一風変わった実験精神に溢れた西部劇でした。
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まあ普通西部劇は伝統的なジャンルなので、勧善懲悪な世界観が多いです。
もちろんいろいろな天才監督たちが新しい表現を挑戦していますが、
今作の変わったところは、なんだかホラーのような、幽霊もののような感じなんです。
それも明確な答えを出さず、
見終わった後「?」と不思議な余韻が残りました。
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物語は
流れ者(クリント・イーストウッド)がある街にやってきます。
街の床屋に入った彼に絡んできたならず者3人を瞬く間に射殺してしまう。
そしてまた絡んできた娼婦を犯してしまう。
そんな彼に街の住人たちは恐れて何も言えない。
射殺したならず者3人は街が雇った用心棒で、実はそろそろ出所してくる無法者のためだったのだ。
仕方なく、街の住人は流れ者に街の用心棒になって欲しいと頼む。
最初は渋っていたが、「なんでもいうことを聞く」という約束を結んで用心棒を引き受ける。
彼は料理も酒も泊まるホテルも無料で、保安官や市長も変える。
そして街の住人に射撃訓練をさせる。
不満を持った住人も出てくる
そしてついに極悪人が出所して村にやってくる。
という話。
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まあここら辺は普通の筋だが、妙な緊張感と、ホラーぽいサウンド、
善人なのか悪人なのかわからないイーストウッド。
たまに挿入される意味深なリンチにされるシーン。
そして
まるで生活感のない作り物のような街。
何か秘密を持っている住人。
流れ者が最後に住人にやらせたあれは何の意味?
最後も、ん?どういうこと?という感じで終わってしまいました。
答えは観客の想像に任せるということですか?
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不思議さを感じさせる作品で印象に残りました。
今日はここまで
即興で作ってみて、それを脚色していくと、圧倒的なものができるんだ。
/クリント・イーストウッド