Yeti-file.15 転勤は突然に -カップラーメンでぬっぺほふ爆誕事件- 中
前回までの流れ、夫の置き忘れたカップラーメンを汁まで飲み干したウミサチに襲いかかる悲劇とは……
最初は、夕方に目が痒くなりました。
ウミサチは子供の頃からのアレルギー持ちなので、目が痒くなることには慣れています。
寝不足と引っ越し準備で疲れたのだろうと、洗ったり、冷やしたりいつもの対処をしてやり過ごしました。
しかし、夕飯を食べしばらくすると、目だけでなく右手首からどんどんかゆくなってきました。(寒冷じんましんはよく手首にプツプツ出ていた)
夜になってさらに痒みは増し、右手だけでなく身体中掻いたところが太いみみず腫れになり、皮膚が凸凹になっていきます。
このままでは祟り神になってしまう…ちょっと恐怖を感じましたが、氷で冷やして気を紛らわせて寝ることにしました。
痒くて仕方ないけど、明日になれば治るよね…そう思いながらその夜は眠りました。
結局、治りませんでした。
次の朝には顔も体もパンパンに腫れていました。2倍マンです。目が開きません。
仕方がないので、ぬっぺほふは病院に行きました。
「わー!!パンパンだねえ。どうしちゃったの!?」と、お医者さんに指を刺される程に腫れていました。
「それを知りたいです」と心の中で悪態をつきつつ、もうすぐ転勤する事情とこれまでの経過を説明すると、
キツめのお薬と副腎皮質ホルモンをガッチョリ投与し、短期間で抑え込む作戦をとってくれました。
同時に原因を探るために、アレルゲンの項目を増やして検査してくれましたが、原因物質は特定できず。
先生は首を捻りつつ
「なんでだろうねぇ、わかんないねぇ…。 刺激物、唐辛子やたくあんを食べて日光に当たると蕁麻疹になりやすいから、カップラーメンと太陽の光が引き金じゃないかな!?」と診断されました。(20年前の話です)
こうして私は、晴れて太陽の光にアレルギーの体質になったのです。
仕方がないので、短期間クスリで抑え込み作戦をやれるだけやり、きび団子のように薬を持たされ、オンボロ社宅を後にして次の街へと旅立ちました。
その後の症状は、薬を飲んでいればたまに夜間救急に行って「濃いめの点滴500ml」を一発打ってもらえば大丈夫、な感じに落ち着いていました。
しかし、大好きなお肉やお酒・お菓子は禁止となり、毎日毎食、宮沢賢治みたいなご飯を食べていました。
ここでSちゃんに「だからホメオパシーやれって言ったんだよー」と言われ、ホメオパシーの先生にかかりました。
産婦人科の病院の「メンタルケアの外来」のような所に予約をして、カウンセリングを受け、ホメオパシーの「白い粒々」を処方されました。
(今から20年前の話ですので、現在と違う点があることはご容赦ください)
まずは体の中の「薬や毒素を排出する粒々」を飲んでから、「治す粒々」を飲んでいくそうです。
同時にマクロビオティックで、食事方面からも体の毒素を出していきます。
「白い粒々」はほんのり甘くて、これで猛毒タイプの私も体の中からクリーンで清浄になり、欲とか毒とかが無くなる気がします。
しかし、つい最近までの食生活がアレだったので、チョコレートを食べたくて食べたくて震えたりしましたが、マクロビオティックで作る代用おやつを食べて気を紛らわしていました。
バターの代わりにオリーブオイルを使い、砂糖ゼロで甘くなく、涙が出そうな程不味くて仕方なかったのが、やがておいしく感じ始めたのです。
人間の適応力ってすごい。
文明が滅び、ディストピア飯を食べることになっても生き残れそうです。
そのうちにマクロビを通り越して、ビーガンにまで辿り着きそうになりましたが、食事のおかげで味覚が敏感になった息子が ”海原雄山化” し、
「このままでは子供が、世の中の普通のご飯や給食を食べられなくなってしまう!!そして母の手料理が、『なんだこの料理は!!』とか言われてしまう!!」
と思い、目玉焼きから娑婆飯リハビリを開始しました。
そのリハビリの中で、私は大好きなコンビニのシュークリームを食べ、デキストリンなどの「化学調味料の味がわかる能力」に目覚めたことがわかったのです。あと、毛穴が消えた!
ここから、体に良い食べ物を求めて、さらなる我が身を使った人体実験が始まりました。
ただ、食い意地が張っているので、食べたいものを「いけるんじゃね」と占っては食べていくだけです。
調子に乗って食べたはいいが、エピペンがなく呼吸困難になりかけた時、
気道確保のために危うく夫に喉にボールペンを刺されかけたのですが、これは人命救助講習から得た知識ではなく、
「ジョジョの奇妙な冒険」から得た知識だったということが、今回のブログを書くにあたり発覚した 個人的に今回のお話の最大の山場だと思っております。
しかし、この蕁麻疹の話の裏には、日本の食生活を脅かす都市伝説が隠されていたのです…
その都市伝説とは…
次回に続く