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独立して10年。焦らず信頼を育てる

2015年に脱サラして、独立から10年目がもうすぐ終わる。 ふと、なぜ続けて来れたのかを色々と振り返ってみる。


「一度のチャンスに執着せず、長い目で仕事を見つめる」

私は独立して間もない頃、いただいた仕事を何が何でも次につなげようと必死でした。「これを逃したら次がないかもしれない」「今月の収入を確保しなければ」と焦るばかりで、目先の利益にばかり目を向けていました。 でも、ある時気づいたんです。このやり方では、短期的な収入は得られても、自分の時間とエネルギーをどんどん消耗していくばかりだということに。

皆さんも、こんなふうに感じたことはないでしょうか? 「今月の家賃を払うために、とりあえず何か仕事を取らなきゃ」 「このクライアントとの関係を切らさないように、無理してでも応えなきゃ」 私も同じように感じていました。

でも、それを続けていると、長期的な視点で成長する機会を見逃してしまうんです。 例えると「目先の月8万円を稼ぐ」よりも、「年間で120万円の価値がある仕事をいただける関係性を作る」ことを意識するようになりました。

その分プレッシャーは増えますが成長の機会も増えます。毎月8万の仕事を必死に追いかけて、契約して、制作してという忙しさと、年間で120万のお仕事で120万以上の価値を提供することでは、時間の余裕とともに実施できる内容が広がります。また外注という選択肢(クオリティーはもちろん担保)も出てきます。

具体的には、クライアントとの信頼関係をしっかり築き、長期的に価値を提供できる体制を整えたのです。 たとえば、短期の小さな案件を次々に取る代わりに、一つのプロジェクトに腰を据えてじっくり取り組むようにしました。結果的に、私自身の仕事の質が上がり、クライアントから「またお願いしたい」と言ってもらえる機会が増えました。

これを実現するには、まず自分が提供できる価値をしっかり理解し、それを相手に伝えることが重要です。これが「長期で人間関係を構築する」ということの本質だと思います。

とはいえ、長期的な視点を持つためには、やはり「キャッシュフロー」の問題を避けて通れません。私自身も独立して1年目、2年目は、資金面でかなり苦労しました。無理な営業をしなくても済むように、生活費を切り詰め、プライベートの出費を徹底的に抑えていました。

ただ、今振り返ると、もっと早く創業資金を借りておけば良かったと強く感じています。実際、独立して3年目に日本政策金融公庫から運転資金を借りたのですが、それによって資金面の余裕が生まれ、仕事への向き合い方が大きく変わりました。

たとえば、それまでは「この案件の入金が3ヶ月後では遅すぎる」と思ってしまっていたところが、運転資金があることで、「6ヶ月後に入金でも問題ない」と冷静に判断できるようになりました。そうなると、焦らずに良質なクライアントや案件に絞って仕事を受ける余裕が生まれるんです。 焦らず信頼を育てる 長期的な視点を持つと、日々の仕事への取り組み方も変わります。

たとえば、初めて仕事を依頼されたときでも、「この人と長く関係を築くにはどうしたらいいか」を考えるようになりました。単に期待に応えるだけでなく、相手が気づいていないニーズを提案したり、小さな気遣いを欠かさないようにしました。 「目先の収入が不安だから、とりあえず短期案件を取ろう」と思っていた自分が、「信頼できる人と長く仕事がしたい」に変わったのです。

このマインドチェンジは、独立を続ける上で大きな転機となりました。 皆さんもぜひ、焦らず、長い目で仕事を見てみてください。信頼を育てることが、結果的に大きな安定につながると、私はこの10年で確信しました。

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