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インサイトを捉えたまちづくりをーあらい商店街の人のつながりをデザインする・デザイン思考ワークショップー
あらい商店街の人のつながりをデザインする・デザイン思考ワークショップ
主催:松川町
企画運営:一般社団法人まつかわ・すたいる/合同会社伊那谷サラウンド
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令和5年12月から令和6年2月にかけ、長野県下伊那郡松川町で、「あらい商店街の人のつながりをデザインする」をテーマに、デザイン思考ワークショップが開催された。参加者は町内はもちろん、遠くは大阪や東京から足を運んだ、フリーランスや会社員、公務員など多様な仕事に就く20〜50代の約20名。
今回行われた「デザイン思考」とは、顧客などのユーザー目線に立って課題を見つけ、その課題に対してチームの力で課題解決の方法を見出す考え方を指したもの。
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今回の課題のテーマの舞台となった松川町「あらい商店街」では、長年開催されている「あらい祇園祭」においては多くの人出があり、町民の暮らしの楽しみとなっている一方、事業の後継者不足、空き家や空き店舗の増加、商店街を歩く人が少なくなっているという課題を抱えている。そんな中でも何とか活気を取り戻したいと、商店街の有志たちが集まり、町内の若者と協力しながらイベントを開催するなど、商店街活性化に向けた活動を実施していた。
一方で、今回の企画をした私、伊那谷サラウンド代表・北林は、以前4日間のワークショップでデザイン思考を体験し、商品開発やサービス改善に役立つ手法であると理解できたことはもちろん、地域の課題解決にも役立つ手法だと実感。松川町に提案し、商店街を中心とした地域活性化事業を行っている一般社団法人まつかわ・すたいるとともに、開催・運営した。
開催にあたっては、長野市に本社を構える株式会社UーNEXUSの代表であり、アイリーニ・マネジメントスクールのデザイン思考上級ファシリテーターの上野敏良氏に企画・設計から依頼。ヒアリング、現場視察を経て「人のつながりをデザインする」というテーマで4日間の内容を構築いただいた。商店街に店舗を構える店主をはじめ、有志の会「あらいで動いてみる」のメンバーたちも、新しい意見やアイデアを求め、オブザーバーとして参加した。
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上野氏のファシリテーションで、初日はデザイン思考の考え方に触れた後、参加者は3チームに分かれ、各チームのテーマを設定。1日約5時間のメニューを4日間行った。また「商店街を取り巻く人々が抱える欲求は、何なのか?」という問いを持って、身近な人やターゲットにあたる人たちへのインタビュー・調査を行うなど濃厚な期間を過ごした。
そして、課題やキーワードを整理しながら解決に向けたアイデアを形にしてアウトプットし、参加者同士のフィードバックを反映しながら再構築。そんなフローを粘り強く繰り返し、最終的にチームとして1つのアイデアを形成。最終日は商店街の店主たちを前に、参加者は充実した表情でプレゼンテーションを行った。
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ファシリテーターの上野氏の話の中で「チームとしても関係の質が重要。良いサイクルが生まれると、出てくるアイデアも、より質の高いものになる」という話が挙げられたが、今回は最終的に3チームの中で、それぞれ良いサイクルが生まれ、皆が達成感を感じながらプレゼンをする姿が印象的だった。
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発案者として私自身喜ばしかったのは、自分たちから出たアイデアを「早く実現させたい。形にしていきたい」という前向きな意見がたくさん出てきたこと。まさに、まちづくりが「自分ごと」になり、主体的な姿勢になっている。その場にいる人たちがアイデアの実現にワクワクしている。そんな理想を超えた姿がそこにあった。
ほかにも参加者の声として、「ファシリテーターの上野さんが、参加者の意見をまずは受け入れ、認め、一緒に考えてくれた。共感が嬉しかった」「この会場だけでなく、自分の身近な人にインタビューを行うなど、関係人口の多い内容。すごく良い体験ができた」という声や、「プラス思考しかない場所で、毎回楽しく参加できた」「思考してコミュニケーションを取りながら形にしていくプロセスを、松川町にインストールしていきたい」「あらい商店街を好きになれそう」といった前向きな意見が寄せられた。
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今回のワークショップを終え、デザイン思考は、ものづくり、サービス開発はもちろん、地域の課題解決の一つの導きとなる方法であり、地域活性化やまちづくりに対して、とても相性が良い思考法だということが、私自身再確認できた貴重な機会となった。
今後も、熱くなった参加者たちの思いとお互いの良質な関係を地域に広げ、デザイン思考を手軽に体験できる機会を創りながら、多くの人と「これからの伊那谷」について、ともに考えていきたい。
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文・写真=北林 南
動画:中島拓也