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『美大式 ビジネスパーソンのデザイン入門』の「はじめに」本文公開!📕


2024年5月に刊行した、『美大式 ビジネスパーソンのデザイン入門』の「はじめに」をオンライン初公開です!🎉
ご興味のある方は、ぜひ書店・オンラインにて、本書をご覧いただければ幸いです☺️


はじめに


ほとんどのビジネスパーソンはデザインがわからない


「デザインってあいまいなもの」
「デザインは、センスがある人だけの特別な世界」
「デザインは、主観的なものだから、議論なんてできない」

そんな風に思っていませんか? これは「デザインがわからない人」に共通する、よくある思い込みです。 しかしこれらは全て、間違った考えです。

「デザインはあいまいではなく、理論的なものです」
「デザインは、誰でも学ぶことができるものです」
「デザインは、客観的に議論できるものです」
本書は、それをみなさんに知っていただき、「デザインがわかる人」になってもら うことを、一つの目的としています。

今、ビジネスの世界でデザインは大きな注目を浴びています。
それは、VUCAの時代と言われるようになった今、新しい視点を持って、アイデ アを出せる人が必要になっているからです。
今や、デザインは、全てのビジネスパーソンにとって必須のビジネススキルになっ ています。
けれど、そんな中、多くの方が「デザインがわからない」と、コンプレックスを抱 え続けています。

「デザインって結局なんなの?」 と思っても、「デザインがわからない人」というレッテルを貼られるのが恥ずかしくて、なかなか聞けない。
なのに、誰もわかりやすく説明してくれない。 そんな風に、モヤモヤし続けているのは、あなただけではないのです。
本書は、そんなみなさんのモヤモヤを、一気に吹き飛ばすための本です。
私が、みなさんを「デザインがわかる人」に変えてみせます。

私は、ビジネスパーソンのためのデザインの学び場として、2016年に、私の母 校でもある武蔵野美術大学と共同で、日本初のデザイン経営の学校「WEデザインス クール」を立ち上げました。
そのスクールに通うビジネスパーソンのみなさんも、学びを経て、大きな変化を感 じてくれています。

「デザインについてたくさんの誤解があったことに気づいた」
「はじめて、デザインが明確にわかった気がする」
「デザイン発想とは何か?がやっと腹落ちした」
「デザインを経営に活かす方法が具体的に見えてきた」
「これからデザインをどう習得すればいいか、道筋が見えた」
「もっと早く知っていれば人生が違ったのに」
これは、実際に受講したみなさんから、いただいたフィードバックです。
こういったフィードバックをいただく度に、この仕事をしていてよかったなと心か ら思います。

私は、美大を卒業しましたが、実は大学受験の時、最初は法学部志望でした。
祖父母も父母も会社経営者で、兄姉は有名大学に進学。
私自身も、夏目漱石の『坊ちゃん』の舞台になった、旧藩校でもある、県随一の進学校に通っていました。
法学部進学は、社会をよくしたいという思いや、そんな環境の中で身につけた価値観や判断基準で、自然と考えた進路でした。
けれど、一年浪人生として過ごす時間の中で、本当にこの進路でいいんだろうかと、自問自答しはじめました。
「もしかして私は、他者や社会といった、自分以外の価値観に強く影響されて、人生を考えているんじゃないか?」
「このまま進んだとして、自分らしい人生を生きていると言えるんだろうか?」
「本当に、自分の生き方に後悔はないんだろうか?」
そんなことを、たくさん考えました。

そして、ある時、ふと思い出したのです。
自分は、アートやデザインが好きで、雑誌などでそういうものを見ては、心ときめかせていたことを。
素敵なインテリアを見て、将来の家を妄想したり、自分でDIYをして、海外のオシャレな部屋を真似てみたりしました。
アート作品のポストカードを買って、部屋に飾ったりもしました。
その度に、ワクワクして、自分らしく自由で解放された気持ちになったのです。
なのに、なぜ、自分の人生を、そういった自分らしさと共に生きようとしていないのか。
「私はアートやデザインが好きだったはずなのに、なぜその道を選ばないのか?」 「自分の心が求める方向に進むべきだ」
「アートやデザインに関わる人生にしたい!」
そう思うようになったのです。

けれど、美術大学は「美術部の人がいく場所」というイメージがありました。
美大にとって、自分はよそ者で部外者なんじゃないか。 果たして、美大に馴染めるんだろうかと、不安に思いました。
そもそも、法学部を目指したのは、論理的思考が得意だという自覚があったことも大きな理由でした。
そんな自分に、アートやデザインがわかるようになるんだろうかと、自信がありませんでした。

それに、絵が上手くない自分は、入学できないとも思いました。
しかし、実は、美術大学には少ないながらも、絵を描く以外の方法で、入学する方 法があったのです。
私は、学科と論文で美術大学に挑み、合格することができました。
しかも、あんなに不安だったのに、入学してからは、取り組む課題のほとんどで、 とても高い評価を受け、優等生街道まっしぐら。
そして、見える世界も大きく変わりました。 自分でも驚きました。

でも、あとで、なぜそうなったのかわかりました。
そもそも、絵の上手い下手は、デザインやアートを理解するセンスとは無関係。
自分は感性が弱いと思い込んでいたけど、実は潰されていただけで、ちゃんと刺激 すれば回復できた。
そして、アートもデザインも、感性だけの領域だと思い込んでいたけれど、実はそ こには論理的思考も大事だった、ということです。

私は、感性と論理、そのどちらも持っていたからこそ、良い成果が出せたのです。

私のこの経験は、おそらく、これからデザインを理解したいと願う多くの人にとっ ても、希望が持てる話だろうと思います。

絵が下手でもセンスは磨ける。
論理的思考はデザイン力を磨く時にも必要。
感性は回復できる。


これをぜひ、みなさんにも知ってもらいたいと思っています。
そして、そんな経験を持つ私だからこそ、みなさんに伝えられることがある、とも 思っています。
なぜなら、
「デザインがわからない人が、なぜわからないのか」
「どこに自信がないのか」
「どんな点を不明瞭だと感じるのか」
私には、みなさんの気持ちが、自分のことのようにわかるからです。
みなさんの悩みは、かつての私の悩みなのです。
だから、いつも、そんな昔の自分に伝えるような気持ちで、「絶対にわかるように させてあげたい」と、全力でデザインについてお伝えしています。
本書も、昔の自分に手渡す手紙のような気持ちで、思いを込めて書きました。

本書では、他のデザイン書では語られない、「そもそも、デザインってなんなの?」 という、基本のキからお話ししています。
初学者の多くが、いつも疑問に思っていることばかりですが、これまで誰にも聞け なかった、誰も説明してこなかったことです。
また、誰も取り残さず、あいまいさを残さないために、できる限り優しく丁寧に言 語化しました。
だから、きっと、みなさんも、これまでないほどに、デザインがわかるようになる はずです。
さぁ、デザインへの新しい扉を、一緒にひらきましょう!


続きはぜひ、『美大式 ビジネスパーソンのデザイン入門』にてお読みください😊


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