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『田舎の就職事情は厳しい』には続きがある

友達から長野への移住相談を受けていて、かならず聞かれるワード。

『田舎には仕事が無い』

その通りだとも言えるし、そんなことも無いとも言える。本当に仕事が無ければ田舎では誰も生きていけないしね。

田舎での「仕事が無い」を丁寧に説明するならば「就職先の選択肢が圧倒的に少ない」ということになる。

就職者が、

 ■ 企業理念に共感してこの会社を選びました!!

ということは、田舎では本当に起こりにくい。田舎だけの話ではなさそうだけど、田舎ではその度合いは圧倒的だ。

基本、”就職先を選ぶ” というより、”入れるところに入る” が、「田舎の就職事情」の説明としてしっくりくる。

就職先の選択肢が無ければ何が起こるのか

選択肢が少なく、「とりあえず働けるところで働く」という状況が何を引き起こすのか。

 ✔ 働くことはガマンすること
 ✔ 給料はガマン料
 ✔ 仕事がつまらないのは当たり前
 ✔ 背負っているもの(家族など)の為に自分を殺す

みたいな非常にネガティブな働き方・生き方。もちろんこんなケースばかりではないが、趣味の仲間と集まってもそんな話ばかりになることを考えると、働くことに対する一般的な感覚のだろう。

仕事に選択肢が無いという事実は、僕のように「働くこと」と「生きること」を同じにしたいと思っている人には、ずいぶん厳しい現実だ。

このような状況を指して ”田舎の闇” と言われても納得感が強く、挽回する言葉も浮かばなかった。

少し前までは。

「選択肢が無い田舎=不幸」ではなかった

就職先の選択肢が無いという状況を、僕自身は長い間不幸だと思っていた。

転職すること4回。

職を変えるたびに、”次こそは自分に合った職場を” と夢の新天地を求めたが見つからず、「無職」のプレッシャーには勝てず、結局入れるところに入る。を繰り返す。

この繰り返しはやがて「選択肢が無い田舎は不幸」という認識を作る。

 ■ みんな言ってるし、田舎ってやっぱり不幸なんだな。

それが変えようのない現実なんだと、当時の僕は思い込んだ。

しかし、こういった田舎の ”当たり前” が変わりつつあることを、僕は今肌で感じている。

その理由は2つ。

 1.僕自身が田舎の持つ可能性に気付いたこと
 2.デジタルテクノロジーの普及によるチャンスの拡大

*田舎の持つ可能性

田舎の可能性は「何もない」ということだ。これは裏を返せば何でもできるということ。僕自身そう思えるようになるまでに随分かかったが、実際にできないことはほとんどない。課題先進地である田舎で可能性を感じたら、起業したっていいじゃない。

何かやるにしても田舎特有の面倒くささ(地域での根回し)はあるものの、ひとたび声を上げれば協力者は現れ、物事は前に進む。

誰かが作った「田舎の常識」なるものに流され、できない理由探しがうまくなっただけだったようだ。

*テクノロジーの普及によるチャンスの拡大

たとえば高速ネット回線(光ケーブル)の普及は、働き方を大きく変えている。田舎ではまだその恩恵を受けている層は少数のようだけど、リモートワークなどが地元企業に広がるまで待つ必要は全くない。

デジタル技術を駆使すれば、都会、いや全国の仕事を地方からできる。田舎で生活コストを抑え、自然に囲まれたストレスの少ない状態で、自分の好きな分野で働ける可能性が広がったということだ。

移住を考える人ならば、「今の仕事を持って移住」という選択肢があれば、”田舎での職探し” という頭の痛い問題は解決できるだろう。

田舎の持つ可能性 と デジタルテクノロジー を掛け算できたら、田舎の日々って本当にワクワクしてくる。田舎って可能性とともに、解決や寄り添いが必要な課題だらけだからね。

無い無い、と思っていた選択肢を、実はすでに握っていたことに気付けるかどうか

これが田舎暮らしに幸せを感じられるかのキーポイントだと思ってる。

働くことは生きること、だからね。

好きなこと・得意なことで輝けない時代は終わっている

20代~30代を「プロミュージシャン」になりたいと思い続けてきた僕は、常に「好きなことで生きていけるほど世の中甘くない」という世間の声を浴びてきた。

現に音楽を本業とするミュージシャンにはなれていない。この点に関しては世間の認識(好きなことで~)は正しいのだろう。

ただ。。。

好きで書いているギター関係のBlogは、読者100万人を超え、収益化も達成。そのBlogからはセミナーの依頼もいただいたり、地元では営業せずとも年間30本程度のライブオファーをいただいている。

ここまで来ると、自分としては好きなことで生きてるってことと変わりないじゃん?と思う。キラキラ輝く何者かになろうとしなくとも、自分らしく生きていくことはできるんだ。

そこに「田舎だからできなかった」という言い訳は存在しないし、「田舎だからライバルもおらず重宝された」という側面の方が強いとすら思う。

要するに”新しい選択肢” を自分で作れる時代に、とうになっているということだ。

田舎に対するネガティブイメージからブレイクスルーを起こすことができれば、「田舎で生きる・田舎で働く」の難易度ってぐっと下げられると思うんだよね。

もし、田舎暮らしにネガティブイメージを持ちつつも、移住に向けてのアドバイスを受けたい人がいるのなら、「田舎を武器にすること」をアドバイスしてくれる人とつながってくれるといいなと思う。

いつか僕にもそんなサポート役が回ってきたらうれしいな。

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