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廃校をもっと使いたいな

地域の粗大ごみになってしまった我が母校。僕が生まれた年に開校され、現在築40年ほど。10数年前まで使われていたので、実稼働は30年ほどになるのかな。

建物としての価値がなくなったというより、時代の変化とともに満たせない基準(建築法や消防法)が増えてきたこと、そして人口減による維持コスト削減のため、複数ある小学校の「統廃合」という形で廃校になった。

全国的にも同様の理由で増えている廃校。どのような利活用がされているのか。(以下、廃校活用事例)

✔ コワーキングスペース
✔ イベント会場
✔ 事務所 /  店舗
✔ ギャラリー / 工房
✔ 宿泊施設

なるほど。「使いたい人」と「使う人」が継続していかなければ成り立たないモデル。そもそも人が居ない田舎には厳しい活用方法だ。

やはり施設である以上、使いたい人だけが現れた時だけのためにメンテナンスし続けるのは無駄ということになる。全国の廃校利用には失敗事例もたくさんあるようで、採算が合わなければ不活用か更地にするのが一番効率的ということになってしまうのだなぁ。

実際に廃校借りてみた

僕はこの廃校になった小学校をライブイベントの会場として借りたことがある。

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当イベントではライブ以外に、各種ワークショップ(整体・似顔絵・チョークアート)、木工、パンやスイーツ販売など、地元を中心にいろんな出し物に声をかけた。各教室がそれぞれ違うブースになるっていうのは、デパートみたいで楽しかったな。

当時は自分が楽しむためのイベントで、あまり ”地域を巻き込む” という意識はなかったけど、もっとプロモーションしっかりすれば地元の方にももっと集まってもらえたのかな、と思う。

廃校イベントで一番印象的だったのは、参加者もお客さんも ”大人になってから小学校に入る” ってこと自体にワクワクしてたこと。これってすごい価値だったなーと。昔なら教室で大音量で歌なんか歌えば、追い出されてたもんね^^

イベントを開催した当時(2016年頃)は、”地元の人だから”とすんなり貸してもらえたのだが、現在は消防法の絡み(?)で、人を集めてのイベントはアウトになってるらしい。。。

学校が建てられた昭和50年代と諸々の基準が変わり、そのままでは人に貸せないことは理解できる。何かあったら責任取れないもんね。床が抜けた~何か倒れてきた~火事が出た~セキュリティが~等々。

行政としても、そんなリスクのある施設を使わずに今ある施設を使ってくれよと思うのは当然の話。「単に、イベントをやりたい」ということであれば、確かに既存の施設で十分だ。

あえて廃校を使うことになんらかのメリットがなければ、地域を動かすことは難しそうだ。

個人的には、廃校利用なんて地域のコミュニティづくりにはうってつけだと思うんだよなー。「どんな風に使おうか」なんて考えてるだけでワクワクするし。既存の施設を使うことは当たり前すぎてあまり心が動かないからね~。

何もないと言われ続けてきた田舎で、ワクワクが提供できるって、相当すごいことだと思う。これだけでも廃校を資産と捉えても良いのでは??村民の主体性、やりがい、生きがいを生み出せるとすれば、維持する価値が出てくるんじゃないかと。

僕が廃校を利用してやりたいことをチラっと書いておこう

一般的な廃校の使われ方に加えて、僕が考える我が村の廃校の利用についてやってみたいことを書いておこう。

クラファンでピアノ復活プロジェクト

音楽室で眠ってるグランドピアノをランチルームに移動し、メンテナンスしてお披露目コンサート。その費用をクラウドファンディングで集める。

そのあとはストリートピアノとしてどこかの団体に寄付してもいいし、定期的に演奏会をやってもいいと思う。地域のピアノ教室の発表場所としてもいいね。

自分が考えている事・やってみたいことを実行するとしたら、どんな課題があるのか、それを知るだけでも有意義だ。誰に聞いたらいいんだろうね。

放送室をレコーディングスタジオとして活用

廃校にかなり堅牢な作りの放送室がある。

完全防音のRecブースと、コンソールブースがガラス張りで分かれており、機材さえ入れ替えればそのままレコーディングスタジオとしての利用が可能だ。

今はだいたいPCレコーディングだから、録音機材すらこちらが揃える必要がなく、使いたいバンド・ミュージシャンに場所を提供するだけでも良いかと。

誰に相談したらいいんだろうね。

拠点利用

 ・ここに行ったら誰かに相談できる
 ・面白い人 / 情報が集まっている

そんな地域の人たちの ”交流の拠点” としての場所になるといいなと思う。オンラインで集まれる時代において、あえて対面で話せる場所。デジタル化が進むほど、そういう場所が重宝されるようになる気がしてる。

村民が先生になって何か教えるセミナーとかを定期的に開催しても面白い。「それなら、今ある施設使えよ」と言われそうだな(笑)

こういうアイデア、誰と話したらいいんだろうね。

廃校をうまく使えている地域と使えない地域。何が違うんだろう

廃校利活用に関しては、お金の問題、人の問題、地域の問題、法律の問題など、課題が複雑に絡み合っていて、一筋縄ではいかないんだろう。でもうまくやれてる地域はあるよね。

そういった課題をどんなアイデアで乗り越えてるんだろう?やはりスーパー公務員って人が居るのかな?

アイデア自体はどんな地域にも眠っているものだと思う。

ただ、眠っていれば誰も知ることが無いし、眠ったまま起こされないことも多分にある。組織でもそうだけど、思ったことを話せる相手、風土・文化が無ければ、アイデアは寝かされたままだ。

「言ってバカにされるより、言わずにそっと寝かせておこう」

この地域にも、そんな経緯で誰にも触れられずに生まれた瞬間に押し入れの奥にしまわれたアイデアがあるのかもしれない。

生まれたアイデアがちゃんと活かされる。活かされないにしても、誰かの耳に一度は入る。そんな風通しの良い地域って、どうやって作られるんだろうね。

ひとつだけ言えるのは、

誰かがやってくれるといいな、っていうのは誰もやってくれない

ということかな。

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