雨宮優スライド_Pechakucha_night.001

沈黙と音楽 -pechakucha nightプレゼン全文掲載-

20枚のスライドを1枚20秒ずつ話す世界中で開催されるプレゼンイベント
「Pechakucha Night」でぺちゃくちゃした内容をそのまんま掲載します。

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こんばんは、ソーシャルフェスデザイナーのあめみやゆうです。

今日ぼくが話したいテーマは沈黙と音楽について。

同世代のもつ空気読みすぎ症候群に課題感を持っています。

いつでもスマホで正さらしきものが検索できるぼくらは、間違えること、他と違うこと、孤独を極端に恐れます。それはやがて、正しさらしいことや普通っぽいことを先頭にしたパレードのようになり、前に倣い列を成します。

自分自身も本当に言いたいことは言えないパレードに列をなしていました。今でもそうかもしれません。しかしそれは音楽フェスのつくる多様性を認め合う柔軟で強靭な力によりゆるやかに解放されていきました。

音楽体験の力はもっと社会にエンパワーメントできると思いました。
そしてもっとソーシャルグッドなものとして認識され、日本中に星の数ほど音楽体験の場が増えればと思いました。

そこでぼくは世界最大の課題群を音楽体験の力で解決していく事業を始めます。それがこのSDGsという課題群、ざっくり言うと地球上の重要な課題を17個のアジェンダとして集約したものです。

まだまだ日本での認知度は低いですが、世界中でこの課題に取り組む多様なアクションが生まれています。ぼくはこれらを1つずつフェスとして表現して、難しい課題を優しく、楽しく、深くする「ソーシャルフェス」というものをつくっています。

ソーシャルフェスは対象となるSDGsが達成された「後の世界」をフェスとして表現します。問題提起ではなく、まずユートピアを体験してもらうことが、この世代を動かす最大のエンパワーメントになります。

「環境問題解決講座」という言葉では決して来ることのなかった人たちも、エンターテイメントという広い間口を通って、楽しい体験のなかでSDGsへの気づきが生まれ、音楽体験の力を持ってインスピレーションを持ったゆるい共同体となっていきます。そしてその後の繋がりもデザインすることで、SDGsへのソリューションが生まれる可能性を多発させていきます。

例えばSDGs10「人や国の不平等をなくそう」のあとの世界「サイレントフェス」専用のワイヤレスヘッドホンを使い1つの音楽を共有する、周りから見ると無音に見える音楽体験です。

音楽と自分だけの世界に入るため、ぼくらの世界から言葉はなくなりますが
共通の音楽を聴き、体を動かすことでぼくらは不思議と意思疎通がとれるようになります。この世界では国籍、人種、年齢、性別を超えた根源的に眠る深い繋がりの感覚を呼び起こします。

外の音が聞こえないということは、自分を解放していくうえで重要なことです。ヘッドホンで音楽に没入した世界だから踊れるという人がこれまで何人もいました。サイレントフェスの静けさは自分のなかの静けさを打ち破るための静けさです。

また騒音問題を気にすることなく、あらゆる場所で行えるので、これまで野外フェスを開催するうえでハードルとなっていた会場代や機材代を大幅に削減し、誰でも好きな場所でいつでも音楽フェスを生み出すことが可能になります。弊社ではSilent itという事業名で全国のサイレントイベントのプロデュースや機材サポートを行っています。

ちなみに直近ですと銭湯でやるんですけど、銭湯でやるから「ダンス風呂屋」っていう名前で、男湯と女湯に分かれての2風呂ア制です。当日も何社かTV局等に取材いただけるようなのでお楽しみに。

これまでも新聞、テレビ、ラジオ等々メディアに出していただいていて、エンターテイメントならではの波及力の高さを実感しています。楽しそう!と思って皆さんに来て頂いたり、取材していただいたりするのですが、もちろん楽しいだけ終わらせるつもりはないので、優しい詐欺をしています。

それで実際に自分が想像しているような効果が、このコンテンツにあるのかどうか大阪の教育の現場に持ち込んで実験してみました。自分のファシリテーションも組み込んだサイレントラーニングというコンテンツなのですが、アンケートの結果満足度98%、本当の自分に気づき涙ぐみながら踊っている人もいるほどでした。

次にSDGs12「つくる責任、つかう責任」のあとの世界「Mad Land Fest」有機農法の畑を泥だらけにして泥だらけになるパーティーです。ここでの通貨は有機的な土壌でつくる泥だんごで、有機野菜を選ぶことは美味しくて安全なだけでなく持続可能な土壌を未来に残すということで、その価値を通貨に取り替えて表現しています

これはSDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」のあとの世界「Quantum」量子論をコンセプトとして、その世界観を前提にフェスに参加してもらいます。そこは素粒子同士のあなたもわたしもない世界。自分を労わるように地球を労わり、自分に優しくするように他人に優しく世界観を千葉県いすみ市でつくります。今年は4月8日開催です。

高度な社会体系を持つ人類は古来より音楽と踊りを通して、自分たちが共同体であることを認識してきました。ぼくらの世代は生まれたときからネットで世界中と繋がっていますが、そうじゃない、もっと感覚的な繋がりを感じられる場所が安心を生み、自由を生み、優しさを生み、居場所をつくります。

これは年末年始に行ってきたグアテマラで開催された「Cosmic Convergience」というフェスの写真ですが、フェスがぼくらの沈黙を打ち破ることはもう言うまでもないでしょうw

ソーシャルフェスは企業や団体のミッションをSDGsに当てはめて、同じゴールにコミットするアーティストやクリエーターを交えて共にフェスをつくっていきます。フェスづくりは理想の未来づくり、どうぞお気軽にご用命ください。ありがとうございました。



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サイレントフェスプロデュース

Silent it

Ozone合同会社

Ozone

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アメミヤユウ/体験作家
「こんな未来あったらどう?」という問いをフェスティバルを使ってつくってます。サポートいただけるとまた1つ未知の体験を、未踏の体感を、つくれる時間が生まれます。あとシンプルに嬉しいです。