コクソン
4/1はファーストデーなので映画をはしごしました。キングコングとコクソンを見ました。
キングコングの感想はもう書いたので、コクソンの感想も書きます。
コクソンは韓国のホラーサスペンス?(なんというジャンルだろう?)映画です。
ネタバレとかがいやだな~と思う人は映画を観てから読んでください。
・モチーフくん不可避
聖書のモチーフがちりばめられすぎているので「ムムッ、これは聖書の逸話!キリストくんだな!?」となってしまうことは不可避であった。でも聖書のことはそんなに知らないから、ここでは「キリストくんだな!?」から先に深まりません。なので次。
・國村隼
映画を観る前日譚ですが、ある日のお昼時にNHKのトーク番組をだらしなく見ていたら、國村隼がゲストで出演していた。
コクソンは、延べ700万人を動員したというお化けヒットなんだそうです。韓国の人口5000万人ということなので、これはすごい率だ。
そのコクソンにあの強烈な怪役で出演したことによって韓国映画界の助演男優賞と、国民に大人気で賞みたいな賞をW受賞し、韓国ですごい人気がでて、ベビーカーを引いた若ママ層からまでも「写真取ってください!」と言われたりしてびっくりしている、といっていた。
実際映画を観るとこれは人気が出るのもわかる…と思いました。ふんどし一枚で山の中鹿の死骸をむさぼったりして意味がわからないし怖いしおもしろすぎる。これが人気となる韓国ももしかしたらおっさんキャラの国なのかもしれない。
(おっさんキャラの国…主語がでかいのでアレだけど「日本人はスーパーマリオみたいにおっさんキャラが大好き」というのがまえにツイッターで流れてきた。こち亀、寅さん、バカボンのパパとかも確かにおっさんだし、ドラえもんやアンパンマンもどこかおっさん的な要素があるかもしれない。)
それにしても、國村隼の役は変な役だった。アレはいったいなんだったのだろうと思う。疑念というものを擬人化した役なのかな…とにかく正体不明で風変わりで不気味な役だった。でもおもしろかった。
・漢方薬
「漢方薬を飲んでいたから命は助かった!」っていうセリフ一番笑ったんだけど、のちに思い返してみるとキノコ漢方薬害問題の伏線になっていたことに思い当たったのでヒャッ!?てなった。でも一連の連続猟奇殺人事件とキノコ漢方と悪霊の釣りの関係性がまったくわからない。わからないというかはっきり何がどうなってこうなっているのか完全に惑わされていまも惑い中だよ。
・祈祷師がずるい
祈祷師はなんかロン毛でレザー着ててなんかあまりにもコワすぎ的な存在感を放つ霊能力者像だったので「こっこれは暴力の予感!」みたいな気持ちになってしまい冷静な判断ができていないのですが、コクソンはコワすぎではないので具体的な暴力はなかった。いや、一ヶ所だけあったけど、祈祷師が霊的存在に暴力するわけじゃないのでセーフです。
祈祷の場面がアッパー過ぎて受け止め方がわからないんだけど、祈祷師というのはああいうものとして韓国社会に溶け込んでなじんでいるのだろうか。わからない。
チャラ箱DJみたいに両手を広げてノリノリになっている姿おもしろすぎてずっと笑ってた。シリアスな状況であんな動きとド派手ないでたちずるいよ!
白ワンピース石投げ女の強力なちからパワーでツーッと鼻血が出る場面も、想像以上にドバドバ吐き出していてやばい。とにかくアゲ盛りな存在感を見せつけ印象に残った。
・殺を撃つ!
殺を撃つってかっこいいよね。
・ドア
韓国の田舎、ドア細くね?と思った。
・疑念
最後のクライマックスのところ、國村隼は本当は何者だったのか?祈祷師や白ワンピース石投げ女とはなんだったのか?本当に関係あるの?グルなの?誰が本当のことを言っているの?刻々変わる状況は現実なの?など謎が一気に押し寄せて、結局何もわからないんですが、不思議とストレスなく「ウーン!」とかうなって納得して映画館を出ることとなった。悪魔のような爪が生えつつ、掌に聖痕が出たりしてあやしすぎる。いったいあいつは何なの。
3人についてそれぞれこいつは悪魔なのかもという視点で見たりしていたんだけど、人間の思考回路とは違うけど、悪魔も悪魔なりに滅ぼされそうになったら抵抗するし、日々人間のたましいを釣ったり人をだましたりする小さな積み重ねを一生延命しているのかもしれない…と思った。
・コクソン
コクソンのタイトルと國村隼のふんどし鹿肉むさぼりの写真が一緒に載ってるツイートがコクソンとのファーストコンタクトだったので、しばらく「コクソン=國村」だと思っていた。
でも映画を観たら映画のタイトル「哭声(コクソン)」と舞台となる「谷城(コクソン)」のダブルミーニングとわかった。國村も追加してトリプルミーニングにしよう。
コクソン1回では消化しきれない謎めいた部分がたくさんあり、このように誰かと謎を共有してわいわい話したりするのがおもしろい映画だなと思いました。動員数がとんでもないことになったのもきっとリピーターがいっぱいいたからでしょうな。私もまた見たいです。
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