彼氏いない歴7年、子供嫌いの社畜OLが、30歳の誕生日に卵子を凍結しようと思った話
ごく普通の家庭に生まれ、
地元の小学校を卒業し
私立の中学に入り、
そのままエスカレーター式に大学まで進学した。
ちょっと勉強すれば単位は取れたし、
人生って割とチョロいんじゃないか?
なんて思っていた。
なんとなく始めた就活では
誰もが知る有名企業の内定をもらい、
やりたかったエンタメ業界に入った。
とにかく仕事ばっかりして、
飲み会に行っては中身のない話をして、
気づいたら朝になって
毎回当たり前のように二日酔いになって、
半分酔っ払いながら仕事にいったりして。
超ブラックな職場に文句を言いつつも
それなりに楽しい日々を過ごしていた。
はずだった。
27歳を過ぎた頃だろうか。
【ご報告】が届き始めたのは。
綺麗なビーチをバックにした
自撮りのツーショット。
市役所の手作り感溢れる
結婚祝いのポップの前ではにかむ笑顔。
婚姻届にはなぜかみんな、
オリンピックのマークみたいに指輪を並べたくなるらしい。
それは段々と増え、
そして、
びっくりするくらい小さな手が、
つい最近まで私と朝までビールで乾杯していたはずの
あの子の指を握る写真になっていった。
その写真を見て、
初めて自分に母性というものがあると気づいた―
そんなことはなかった。
子供は苦手だ。
なんかこっちが人見知りする。
別に早く結婚したいとか
お嫁さんになりたいとか、
思ったこともないし、
別に仕事楽しいし、
友達もいっぱいいるし、
飲み会には毎晩のように誘われるし、
別に寂しくないし…
でもなぜか、
続々と流れてくる
友達の幸せな【ご報告】に
いいねを押しながら、
素直に喜べない自分が
確かにそこにいた。
漠然とした不安と焦り。
寂しさ。
小学校も、
中学校も、
高校も大学も、
就職も、
周りの友達と同じタイミングで、
かけっこのスタートを切って、
周りの友達よりも早く走っていたつもりだったのに。
私はいつの間にか取り残されていたのだ。
「結婚」「出産」というかけっこのスタートラインに。
そこからは、
マッチングアプリに登録してみたり、
ナンパされた人と飲んでみたり、
ステイタスに魅かれてみたり、
顔面に魅かれてみたり、
まあ何もなかったわけではない。
でも結婚はおろか、彼氏すらできなかった。
気づいたら彼氏いない歴、7年。
そして、30歳という年齢が目前に迫っていた。
この文章を読んで、
同じような不安や、寂しさや、焦りを感じている人がいたら、
どうかもう少しだけ読み進めてほしい。
どうやっても拭いきれない、
そんな私のどうしようもない気持ちが少しだけ救われた大きな出来事。
「卵子凍結しようと思ってるんだよね」
なんでもない事のように私にそう言った彼女は、
同じようにバリキャリで
同じようにこじらせている親友だった。
「海外では、
どこどこの病院がいいとか、
普通に友達同士で話すらしいよ」
「私はここでやろうと思ってる〜」
病院のURLが送られてくる。
何をするのかもよくわからないまま、
完全に勢いで、
でもどこかすがるような思いで、
私は彼女と同じ日に同じ病院の予約を取った。
そこから実際に卵子を凍結することになるのだが、
ほとんどノリだったと思う。
でも、現在32歳の私は、
本当にやってよかったと思っている。
ちなみにまだ独身だし、
仕事は楽しいし、
出産する予定はおろか、
結婚する予定も全くない。
子供は相変わらず苦手だ。
自分の将来に選択肢を増やすこと。
私にとっての卵子凍結は、
そういう意味合いのものだった。
次のnoteでは、
思った数倍大変だった
実録!卵子凍結!
をお届けしようと思う。
最後に、アラサーと呼ばれるようになって
漠然とした不安に押しつぶされそうなあなたへ。
大丈夫!
意外と、
どうにかなる。
この記事は卵子凍結・保管への理解向上のため、グレイスバンクの提供でお届けしています