呪いの温度。

多分、誰にでも思い出したくないことってあると思う。
私にもある。

社会人2年目の夏。
配属されてから1年経ってないくらいの時だ。

職種柄、勤務地や一緒に働く人が変わることがよくある。
そんな一コマの話だ。

今となっては、尋常ではなかったし、
毎日最寄りから泣きながら帰っていたのも普通ではない。
なぜあの時に仕事を辞めずに今の今まで続けているのか、
自分でも理解に苦しむときさえある。

今でも、あの時のあの状況を思い出す時がある。
私はなんて言われたのか、周りの人がなんて言われてたのか、
言葉は全く思い出せない。
だけど、あの時のあのなんとも言えない、
息苦しいあの温度だ。

今となっては、私は少し大げさだった可能性もあるのかな、
なんて思うけど、
その時の私には出勤することだけで精いっぱいだった。

今でも似ている人を見つけると身体に力が入るし、
大きい声で誰かを非難する人を見かけると苦しくなる。

一方で、なんでこんなにも配慮できない人のために、
自分が苦しい思いをしないといけないのかと怒りに近い感情も湧いてくる。

結局あれから数年経っていても、私の中では終わっていないみたいだ。
今年こそ転職するぞと思っている根底にはあのなんとも言えない呪いの時間がある。
半年とちょっとで3回も胃腸炎になったが、
なんとか乗り越えたあの時の自分をほめてあげたいと思う。
でも、今、あの時の自分に声をかけるなら、
逃げていいし、仕事はここ以外にもたくさんあるよ、だから、大丈夫だよ。
と言いたい。
そして今、私は後輩に向けてよくこの言葉をかけている。
会社からしてみれば、
離職率が問題になっている昨今、こんな言葉をかける人は迷惑な話だろう。

でも、本当に思う。
心を病むくらいなら逃げていいし、休んでもいい。

今、やっと言えるけど、
あの時、とーーーーーーっても苦しかった。
普段ほとんど泣かない私が人前でも泣くくらいには、苦しかった。

今度こそ、もう失望していまのままここに居続けることを辞める。
次が決まっていなくても辞める。
自分が幸せな気持ちで日々を過ごせるように。

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