守破離でみるニンニンジャー
型破りな忍者戦隊
【問われて名乗るもおこがましいが、聞かれなくても答えてやるぜ忍びなれども忍ばない手裏剣戦隊ニンニンジャー!忍ぶどころか暴れるぜ!】(伊賀崎天晴)
忍者なのに忍ばないど派手な忍者として超絶激熱な支持を得ていたニンニンジャー、彼らの型破りな忍者像もまた祖父の型でしかない、彼らが本当に一人前になるためにはその型を破ることが必要不可欠だった。
守破離とは
【弟子はまず師匠の教えを『守る』ことで型を身に着ける、次にその型を『破る』ことに挑戦し、やがて師匠から『離れる』その考え方を守破離というんだ】(伊賀崎旋風)
そもそも守破離とは武芸や武道などの師と弟子の関係の考え方、あり方の一つとして古くから使われ来た用語であり元は千利休の言葉なんだとか
守破離という言葉がニンニンジャーの中で初めて登場したのは忍びの41話とかなりの終盤であったが物語の流れにおいて当初から意識されていたことかも…知れないと思わせる要素が多々あり
ニンニンジャーという作品において外すことのできない要素の一つである
守
【恐れるべからず、悩むべからず、侮るべからず】(伊賀崎好天)
伊賀崎流の忍びとして最も重要なこの教えを天晴達は何度も実感し実践し自分たちのものとしてきた。
ニンニンジャーとしての修行が始まった当初は基本の五遁の術を凪や風花があきれるほどになんどもなんども教わってきた。
旋風が好天に対して孫たちに甘すぎるんじゃないか?と問うほどに、この時期の好天は彼らの成長を見守っていたが少しずつ教える機会も少なくなる。
これは何よりも大切な基本の型を彼らにしっかり身に着けさせるために師としてみてやねばならない時期であったからである。
修行を続ける中で手裏剣忍法や様々な忍タリティを学び少しづつ成長していきやがて試練の時が訪れた、蛾眉雷蔵との決着である。
天晴が仲間の忍タリティを【受け継ぎ】幾度も敗れた強敵蛾眉に対して【恐れず、悩まず、侮らず】向き合い倒すことで修行の第一段階はおわったといえよう。物語終盤に語られたラストニンジャの称号を得る方法とも合致する伊賀崎流の戦い方を自分のものとしていることがうかがえる。忍びの27では迷い、恐れているキンジを指してスタートラインに立てていない(逆説的に孫たちは終わっている)としていることからも【守】の段階は終了したと考えられる。
破
【じいちゃんより弱い俺たちがおんなじやり方で、じいちゃんが作ったライオンハオーを負かした十六夜のカラクリを倒すんだろ?なんか変じゃんか】(伊賀崎天晴)
最強の覇王シュリケンジンが打ち負かされ皆がじいちゃんならどうするかを考えていたときに天晴が言い放ったこの言葉、まさしく師の型を【破る】ことを初めて意識したものである。
霞が提案し、天晴が凪の特許出願中忍術憑依合体の術を使うことをひらめくことで彼らにしかありえないゲキアツダイオーが生まれたのだ。
これまでも好天では成しえなかったことをいくつも彼らは経験してきた。
ライオンハオーとともに戦うことを選び、他人であるキンジを信じ仲間として受け入れた。
こうした彼らの経験とそれぞれの個性が導き出した先代とは違う型をなしつつあったのだ。
離
【一人前ってのは人に頼らないってことじゃねえ、巣から飛び立つためにより人の意見に耳を傾けられる大人になれ】(獅子王)
旋風から守破離の考え方を聞かされたニンニンジャーはじいちゃんの作ったお供忍である獅子王の助けを拒み自分たちでやることに固執してしまっていた。
獅子王のこの言葉で目が覚めたニンニンジャーはハリケンレッドやニンジャレッド、ジライヤの力を借りてニンニンジャーにしかできない戦いで酒呑童子を打ち破る。多くの師から学ぶことでじいちゃんのやり方から【離れ】た柔軟な大人に一歩近づき、やがて【離】の最終段階の時が訪れる。
【ラストニンジャの力は先代を倒し忍タリティを奪うことで受け継がれる。それができぬとあらばお前たちにラストニンジャを継ぐ資格はない】(伊賀崎好天)
天晴はこの提案を断り、好天は九衛門に倒され忍タリティを奪われることに…
九衛門が最もラストニンジャに近い存在となったと皆が考える中キンジだけが九衛門の覚悟を弱さだと断ずる
九衛門とニンニンジャーどちらも師の教えを脱し力を得た、彼らの間に何の違いがあったのだろうか、
その答えは守破離のもととなった千利休の言葉にある
規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな
この場合の本つまりは伊賀崎流の根源とは恐れるべからず、悩むべからず、侮るべからずである。
自らが牙鬼幻月の息子であることを【恐れ】、【悩み】そして兄弟子旋風ばかりではなく師であるラストニンジャ好天をも【侮った】。
九衛門が世界を照らし人を救うラストニンジャに本当にふさわしい存在ではない、彼は守破離をなしたのではない、ただ道を踏み外しただけなのだ。
ニンニンジャーはラストニンジャの精神を受け継ぎながら自ら身に着けた型で【NEW】ラストニンジャを目指す、これからも決して恐れず、悩まず、侮らず。
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