つぶやきメモ4:「紙芝居」について
こういう感じで「紙芝居」に興味を持っている。
紙芝居と〈不気味なもの〉たちの近代 - 姜 竣(著)|青弓社 https://t.co/g2zpDsA9EO @seikyushaより 未だにちゃんと読めていないんだけど、これ見てから、紙芝居研究に分け入って学んでいくと解説動画カルチャーのことを紙芝居カルチャーと接続していろいろ考えられるんじゃないかって思っている。
— 江永泉 (@nema_to_morph_a) October 15, 2023
出版社の紹介ページはこれ。
前も同じ本に言及していた覚えがあり、検索したら見つかったのが以下。
労働組合結成エンタメにたまに出会う。アイマス二次創作でひとつ。オリジナルやる夫スレでひとつ。『俺の家の話』はとてもよさそう(教わり感謝)。マンガ動画の裾野が広い(教わり感謝)。『紙芝居と〈不気味なもの〉たちの近代』を読む必要を感じている。高価だと感じた記憶。いまや相対的に安値だった。
— 江永泉 (@nema_to_morph_a) March 18, 2023
上の「アイマス二次創作」については、別作品と合わせて、ひとに紹介していた。
ついでに、上と直接の関係は無いですが、前に法律関係のことやってたひとに紹介したらメッチャうけてたネタ紹介します。アイドルゲームの二次創作小説で労使関連の法律の運用込み解説作品ありました。https://t.co/zgo7ty3UUT https://t.co/KRjxnZk4YW あと憲法談義とかも。https://t.co/CiTktDpSMV
— 江永泉 (@nema_to_morph_a) September 10, 2023
もう少し話の中身に触れた紹介もしていた。
自分がアイマス(アイドルマスター)のSS(二次創作小説)を読んでいて面白く感じた事柄の一つに、法律を扱ったものが見られたというのがあった。例えばこれhttps://t.co/3iLW2MCeaA (おそらく2012年に出た改憲草案を背景に、憲法ってどういうものか、読者らと確かめ直そう、という企図で書かれたSS)
— 江永泉 (@nema_to_morph_a) July 30, 2023
あるいは、2014年のこれhttps://t.co/KRjxnZk4YW (プロデューサーとアイドルが労働組合を結成して社長と団体交渉をするSS。作者自身が労使関係のあれこれでの実務を経験してたっぽい)。こうしたSSが、幾つかのミステリ作品と同様に、「文学における法」(「法と文学」分野の)への自分の関心を高めていた
— 江永泉 (@nema_to_morph_a) July 30, 2023
気がするのだが、振り返ってみると、自分のそういう方面の関心の下地を培ったものに、2001年放映のTVドラマ版の『カバチタレ!』(原作は1999-2005)もあったのかもしれない。『鉄人28号』の歌詞が口ずさまれるTV版独自の描写に受けた印象が、後に法と正義のことなどを考える際、種火の一つになっていた。
— 江永泉 (@nema_to_morph_a) July 30, 2023
なんでこういう方面に関心があるのか、説明するとこんな感じ。物語を通して「教養」が広まる過程とか、そもそもそういう経路があるってことに対して自分は興味がある。自分が気になる「教養」っていうのは人格を涵養して社交に役立つだけじゃなく、実際に何かする現場で使えたり今の境遇から別の境遇に移行する可能性の感覚や実際のルートを教えてくれるやつを指す。
学習漫画と同様に学習小説がありえたはずだった。学習漫画的な評価軸(啓蒙性)は漫画において一般的だ。ポピュラーサイエンス本のようだ。歴史小説や科学小説をめぐる語りは漫画のようになっていない。小説に純文学があるようには漫画に純漫画があるのではない。ジャンル区分、読解習慣の問題なのか。
— 江永泉 (@nema_to_morph_a) March 7, 2023
サイゼリヤ創業者のビジネス本やラーメン発見伝シリーズが教訓書として再評価される動きがあった。実例を用いたマインドセットやスキルの教育だ。スクショ品評と引用RTは絵解きをする説話師を無数に生んだ。SNS上を無数の琵琶法師が徘徊する。講談師や吟遊詩人だろうか。むしろ紙芝居屋と呼ぶべきか。
— 江永泉 (@nema_to_morph_a) March 7, 2023
「ためになる」性を使いそびれている感触がある。私小説が生活エッセイならどう考えても役に立ちうる。生活術ものだ。各職業ごとに「……になるには」シリーズめいたエンタメがありうる(職でなくとも、バンドをするには、在宅介護をするには、何でも)。小説・漫画・映像何でも。別の人生の疑似体験だ。
— 江永泉 (@nema_to_morph_a) March 7, 2023
近代以降はポップカルチャー研究っていう枠組みになりがちで、そういうのはエンタメ産業に寄与しようっていうモチベが高めなことが多く、そうではない古典文学(あるいは近世以前の娯楽文化)の研究とかのほうが、自分の関心に近しいような感じもしている。
ことわざ、そして、故事成語とは、何だったのか。それは権威を帯びた紋切り型のことだったのか。スローガンと説話のあいだにあるものなのか。モットー、格言と、どのように同じであり、どのように異なっているといえるのか。説話の機能。スラングの機能。符牒の機能。学知の機能。世知の機能。
— 江永泉 (@nema_to_morph_a) October 20, 2018
たぶん佐藤大輔(豪屋大介 )、支倉凍砂、橙乃ままれ、カルロ・ゼンなどの作が上記のTRPG系やる夫スレ的な政経認識・社会認識と並行しており、遡って調べれば井上泰至『近世刊行軍書論 教訓・娯楽・考証』とかまで辿れると思っていた。山下泰平『まいボコ』もそんな関心から気になっていたのだった。
— 江永泉 (@nema_to_morph_a) August 16, 2023
いわゆる近世軍書と、いわゆる架空戦記ものとの比較検討をすること。頼山陽などについて調べること(テクストの生成過程、流通過程、明治までの受容過程)。いわゆるビジネス本における軍学的修辞、軍学的知識、その背景の文脈を調査すること(明治も)。以上を踏まえて、「新文芸」を読んでみること。
— 江永泉 (@nema_to_morph_a) November 12, 2018
言及している本は、これ。
同じような関心で読めそうなものとして以下も挙げておく。フレドリック・ジェイムソンが、これが英訳が刊行された際の序文で「[訳されるのが]あまりにも遅かった」と嘆いていたらしい。
これも面白そうだなって思っている。ちなみに、こういう研究書は書籍版の元になった論文がCiNiiで何本か無料公開されていることがあり、限界は色々とあるが(読めないものは読めない、書籍版で書き下ろしや加筆修正あるものも少なくない)、重宝している。
例えばこんな感じで色々とヒットする。
(「近世軍書の研究に対するアメリカ日本研究の有効性」、本文は日本語)
(了)