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住み慣れた場所を離れ、新しい街へ

引っ越し、それはとても大変なこと。
荷物の整理から荷出し、大掃除、各種手続き。
その中でも1番大変なのは、気持ちの整理かもしれない。

私はとても寂しがり屋だ。小さい頃からだけど、大人になっても変わらなかった。
新しい土地へと旅立ち、両親や愛犬そして友人達と遠く離れてしまったことへの不安や寂しさがまだ心の底の方にじんわりと漂っている。

だけど、同棲・結婚を期に実家を離れ、少しずつ帰省の間隔が伸びてきた頃だったから、よかった。

ついこの間まで住んでいた街だって、最初は慣れなくてなんだかよそよそしい気持ちでいた。それが、よく見かける近所のおじいさんや話こそしないけれどお馴染みになっていくコンビニの店員さんなど、それなりに生活範囲内の「いつもの人」達が出来てきた頃にはこちら側がホームとなり、気持ちもすっかり馴染んでいたのだった。

『住めば都』とはよく言ったものだ。
実感している。

新しいこの街では、どんな出会いがあるだろう。直接の関わりはなくとも、「いつもの人」が出来るんだろうか。

金木犀の香りにセンチメンタルになりながら、今日も眠りにつく。

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