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今年も義実家には帰省しません!
「もう絶対に帰省しない!」
久しぶりに会った義妹の第一声は、予想外の言葉だった。2年ぶり九州の義実家への帰省。楽しかったはずの旅行が、こんな言葉で幕を閉じるなんて。
義妹の気持ちは痛いほどわかる。独特の慣習、そして義実家独自のルール。わたしも経験済みだ。
九州の義実家は、いまだに男尊女卑の慣習がある。ちなみに、夫は三兄弟の真ん中。義父や義母の兄弟も男性が多い。そのため男尊女卑がまだ浸透しているのかもしれない。
顕著なのは、席順だろう。自宅で食事をするときも男性が上座に座り、女性は下座。そして、女性はかならずキッチンの近くに座るのがルール。以前(20年も前だけどww)、年末に帰省したとき、ダイニングにわたしを含め女性の席はなく、キッチンで食事をした覚えがある。
いまなら図々しく席を確保できるだろうけど、当時20代だったわたしは、家族の一員として認めてもらえないんだ、と悲しかった。義父に従っている夫にも腹が立った。女性が虐げられて平気な人なんだ、と残念な気持ちでいっぱいだった。
もう二度とそういう思いをしたくないから、なるべく帰省しないようにしている。特に、人が集まる年末年始やお盆には絶対に帰省したくない。
そういえば、昨年末に当時を思い出してnoteを書いていた。
義妹がわたしをランチに誘ったのは、慣習や義父のことを打ち明けたいのかもしれない、となんとなく思っていた。しかし、その想像ははるかに超えていた。
レストランでのランチ中、義妹は鼻息あらく、まくし立てる。店内のお客さんは、まるでわたしと義妹がケンカでもしてるように見えたのかもしれない。見てはいけないものを見る、チラリズム的なソレだった。
原因は、義父による席順の指示だったらしい。それは男女がハッキリと分かれる席で、キッチン近くに座るように指示されたという。やっぱり……。
「わたし、夫の横でいいんですけど!」
強気な義妹の言葉にも、義父は耳を傾けてはくれず
「〇〇さん(義妹)は動くでしょ!」
と一蹴されたらしい。
義実家のハッキリと男尊女卑が残る慣習。都会育ちの義妹には、到底受け入れられないことだったのだろう。
「わかるよ!イヤだよね!わたしなんて、席がなかったこともあったよ、悲しすぎるでしょー!」
義実家での苦労は、わたしだけのものではなかった。
いままで我慢していたけど、思わず義妹に打ち明けてしまった。すると、義妹は、
「席がないって、どーゆーこと?それウケるんだけど」
と大爆笑していた。もう自虐ネタにするしかない、と思い、
「わたし存在感なかったのかもね」
と苦笑いした。
予想外の反応に戸惑いつつも、共通の悩みを持つ同士としてお互い共感した。
3時間のランチは、あっという間に過ぎた。義妹は「今日は楽しかったー」と帰っていったので、わたしはホッとした。
義妹は夫には話せないのだろう。話したくないのかも…。だから、わたしのような存在が必要なのかもしれない。
わたしと義妹は「お嫁さん」同士。お互いを頼りながら、関係性を保ち仲良くしていきたい。
とはいえ、義妹と会った後はおなかがゆるかった。笑って話せるけど、それだけ今回の出来事は、わたしにとっても大きな出来事だったのだろう。
そして……
今年の年末も義実家には帰省しません。
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