企業の収益性分析②(ROE)
前回の記事
ROE(自己資本純利益率)
「株主が投下した資本からどれだけの利益を得られたか?」
を表した指標がROEである。
具体的に、2007〜2018年までの各国・地域に属する企業のROE平均値は以下の通り。
(出典:経済産業省・経済産業政策局・産業資金課 事務局説明資料)
日本は、欧米と比べるとROEが低いことがわかる。
端的に言うと、日本の企業は欧米と比べて、株主資本をうまく使えていないのだ。
ROEの分解(デュポンシステム)
ROEの変動がどの指標の変動によるものか、この分解をすれば明らかになる。
先程の日本と欧米の比較をした図が下記。
日本は、売上高純利益率が上昇傾向にあるが、
総資本回転率・財務レバレッジが下降傾向にある。
特に、財務レバレッジについて、
米国は上昇傾向、欧州は横ばいであることに比べて、
日本が下降傾向にあることが原因と考えられる。
(総資本回転率はすべての地域で下降傾向)
財務レバレッジを向上させるためには、
他人資本、つまり負債の比率を増加させる必要がある。
負債を増加させるというと、日本人からすると借金が増えてマイナスのイメージを持たれがちだが、
負債をうまく使うと収益性を高めることができる。(これについては別の機会に)
まとめ
ROEは、自己資本と当期純利益の比率。
欧米と比べると日本はROEが低め。
デュポンシステムによる分析から、日本企業は負債の活用が課題。