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コーヒーを仕事にしようと思うまで vol.2

みなさま、vol.1をお読みいただきありがとうございます。

こんにちは。
これまで、片岡樹 個人のnoteとして主に映画感想を記してきました。
これからは、引き続き映画やさまざまなカルチャーに触れたことも述べつつ
コーヒーマンとしてコーヒーに関するさまざまなあれこれも述べていきます。

まずは、自己紹介がてら、私が今現在のコーヒー活動、それからコーヒー屋開業を目指すに至るまでのことを記していきます。
vol.1 タリーズコーヒー
vol.2 ブルーボトルコーヒー
vol.3 キッチンカーmullet
vol.4 椎谷コーヒー
構成は、上記の4本立てです。
お手隙のときに、読んでいただけたら幸いです。
今回は、vol.2 のブルーボトルコーヒー期です。
(アンダーカバーの魔女期みたいでおしゃれだね?)

「救われる〜涙」

大学を卒業して、二年間新潟のタウン誌で編集者として働いたのち、
「都内でも編集の仕事がしてみたいかも!」という理由で、
デザイン・ブランディングを主領域とする会社で、
アシスタントディレクターとして働いていました。
そこでは、それまでの取材・執筆でいろんな人とお話をする日々から一転、
社内でじっとリサーチや思考作業をする日々が続いていました。
会社に貢献できることも少なく、アシスタントなので、当然ながら
稼げる額は少ない。しかも親元を離れて友人があまりいない街で暮らす。
休日は友達と遊びにいったり、パアッと散財でストレス解消や!
とはいかない日々が続いていました。

ですので、当時は、毎週末、家の近くにある図書館で
仕事の勉強になりそうな本を借りて、
近くのカフェでコーヒーとワッフルをテイクアウトする、
というのが、文字通り「唯一の」生きる糧でした。

そのカフェこそ、ブルーボトルコーヒー・清澄白河店でした。

何回か通うと、そこで働くバリスタさんと会話ができるようになり、
人と話すってこんなに幸せなんだ、心が救われる(涙)
という気持ちでいっぱいでした。また、レジで楽しそうにお客さんと会話をしながら注文を聞き、コーヒーを淹れる姿に羨望の眼差しでしかありませんでした。

徐々に、デザイン会社で働きながら生きることに心がすり減り、
本気で身を案じたため、転職を決意。

「カフェは、数少ない娯楽」

転職先を探しているなかで、ブルーボトルコーヒーに求人が出ていることを見つけて飛び込んでみたところ、運良く採用していただけることに。

ブルーボトルコーヒーでは、大丸東京店(現在は閉店)、NeWoMAN横浜店、広尾店の計3店舗で約2年間、バリスタを経験しました。

コーヒーの専門的な知識・技術においては、数値と味覚による、毎日のドリップコーヒーの濃度・テイスト調整や、エスプレッソの粉の細かさ、抽出時間の調整。また、コーヒーのことだけでなく、ゲスト(お客様)の満足度向上のためのコミュニケーションについても多角的な視点から学ぶことができました。(お客様のことを「ゲスト」と呼ぶのはとても気に入っていて、自身のお店でも採用しようと考えています。)

ブルーボトルにいて印象的だったことは、コロナ禍におけるカフェの価値を考えたこと。
コロナ感染が縮小と拡大を繰り返し、居酒屋や夜のお店が時短営業により大ダメージを受けていたり、不要不急の外出自粛要請により、だんだんと体も思考も面倒臭く、疲弊していたコロナ禍中盤。商業施設にいくことは不要不急か否か、居酒屋に行くことは白目で見られるのか、別にいいだろ云々。
そんななか、カフェでゆったりくつろいだり、バリスタとゲストが世間話をかわす様子をみて、「カフェは、今の生活において、数少ない娯楽なのかもしれないな」と感じました。それほどクリアに、カフェの店内にはありがたい穏やかさが満ちていました。

道路や電気水道などのハード面ではなく、人の心身の健康を支える、ソフトなインフラ、といっても良いのかもしれません。2020-2021年は、強くそのことを認識しました。

「目の前の人の人生を変えるかもしれない」

ブルーボトルに入って再びコーヒーに携わることができるようになったことは、関西弁のバリスタとの、レジでの何気ない世間話がきっかけでした。コーヒーに関することでもなく、「バリスタさん:時計素敵すね!」「自分:ありがとうございます!帽子かっこいいっすね!」という会話だったことを鮮明に覚えています。
そんな会話から関係性が始まったバリスタさんはその後、僕の入社を喜んでくれて、お互い退社した現在でも、連絡を取り合っています。
彼の明るさや、何気なくかけてくれた言葉が、自分の人生を変えてくれました。

会話をして、コーヒーを淹れるというのは、半径ごくわずかの近さで行われることであり、とても責任感が伴います。YESかNOのジャッジが瞬時に下されます。それでも、目の前の人の人生に、大なり小なり、良い影響を与えるかもしれない仕事って、とても素敵だと感じています。

vol.2、ブルーボトルコーヒー期はこの辺で。
vol.3は、Uターンして入社した会社でのキッチンカーとの出会いと、そこでの気づきについて。

お読みいただき、ありがとうございました!

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