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心を言葉にして吐き出す
ここ数週間、これまでの人生で珍しいほど落ち込んでいた。
頭では誰かが悪いわけではないとわかっているのに、心がなかなか追いつかない状況だった。
メンタルが先か、体調が先か、よく分からないけど、両方とも不調に陥っていく。
追い打ちをかけるように、自分が頼られていないと感じる出来事がおき、ついにやる気の糸が切れた。
「体調が悪い」ということにして、休みをとったり、ゆっくり仕事をしたりして、回復を待ってみるものの、切り替えることが出来ずに、気づくと同じ思考・モヤモヤに陥って抜け出せない。
数日経っても解消されず、これは一過性のものではないと判断して、言葉にして不調の原因の張本人と思われる職場の先輩に伝えてみることにした。
最初は上長に伝えようとも考えたが、その先輩は私を無下にしないと信頼していたので、直接伝えた方が変に曲がって伝わらない気がしたので、緊張したけれど直接伝えることにした。
私はこういうとき、メールで気持ちをまず送ることにしている。
確かに話す方が感情やニュアンスを伝えやすいが、それ以上に負の感情によって本当に伝えたいことが伝わらないことが多いからだ。
くわえて、メールの文章を作る過程で、自分が何に思い悩んでいて、相手に何を求めているのかを整理することができる。
今回もメールの文章を考えていくと、頭の中だけでぐるぐる考えていたときに気づかなかった、自分の負の感情の要因や、結局相手に何を求めているのかが明らかになった。
関係を壊すためではなく、強固にするために送る文章なので、失礼のないよう、2、3回読み返しては手直しをする。
翌日仕事だと相手にも触るように思ったので、(週末に響くのは申し訳なかったものの、)金曜に送ることにした。
自分の負の感情はこの段にきて、相当に落ち着きをみせていた。
そして、先輩は予想通り本当に優しくて、その文章をしっかり受け止めて、とても暖かい文章をくれた。
返事をみてから週末を過ごして、送ったことを少し申し訳なく感じる程度に、メンタルが回復した。
それでも先週末のメンタルを考えると、送って良かったと思う。
そして、我ながら、大人になったと思う。
負の感情を認めてあげて、でもそれを人にむやみやたらにぶつけるのではなく、言葉に昇華させて、比較的落ち着いたかたちで人に伝えられるようになった。
本当に若い時は、人に感情をぶつけていた。
少し成長すると、感情を押し殺すことを覚えたけれど、早々に人に伝えることを諦めていた。
今は、感情のコミュニケーションが適切にできるようになった気がする。
もちろん、これらは周囲にとても優しい人がいるからこそ出来るということを、忘れてはいけない。
環境にしっかり感謝して、大切にしていきたいなと改めて感じた。