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日本テーマパーク史研究ノート5〜富士ガリバー王国について5:富士山麓とゴジラ、あるいはサティアンの方へ

はじめに(この記事を書こうと思った理由が書いてあるよ!読みたくなければ飛ばしてね!!)

日本にはかつて数多くのテーマパークがあった。

それらはバブル期を中心として全国に作られたが、多くはバブル崩壊といった経済的な危機や他の娯楽に押され、閉園に追い込まれる。一方で一部のパークは現在でも営業を続け、日本における代表的な観光地として知られている場所もある。
その数の多さにも関わらず、日本においてこれらのテーマパークを「1つの文化」として包括的かつ通史的に扱った言葉は、今のところ、まだ、ない。

このNoteでは日本のテーマパーク史について、研究ノートのように書く。あらかじめ断っておくと、筆者は専門でテーマパーク史を研究しているわけではない。いくつかのサイトで記事を書くライターでしかない。
ただ、ライターとしてデイリーポータルZLOCUST+などで書く機会があり、今後そうした媒体でテーマパークについて書くと思うから、そのための研究ノートだ。取材ノートでもいい。したがって小さな事実誤認や、思い違い、調査不足などは多めに見て欲しい(というよりそもそも、日本のテーマパーク、特に閉園してしまったテーマパークについては資料そのものが残っていないことも多いのだが)。ここに書き記すのはあくまでも調査の過程だと思って欲しい。もちろん修正点が見て使った場合は適宜修正していくが、それも含めて一つの調査の過程だと思って欲しい。

タイトルは「日本テーマパーク史」。ちょっと範囲が大きすぎるのではないかとも思ったが、とりあえず全体のテーマはこうした。大きく構えていても、一つのテーマパークについて、少しずつ回数を分けて書いていくことになる。いきなり日本のテーマパークについてその見取り図を書くことなどできないし、そもそも「テーマパークとはなにか」という定義さえ、私の中でも決まっていない。
おそらく、少しずつ個別のテーマパークについて書きながら、徐々にその全貌が見えてくるのだと思う。

したがって、その調査の過程を楽しんでくれれば、と思う。

幻の富士ガリバー王国を求めて5

さて、富士ガリバー王国の土地所有者について、不動産登記簿の到着を待っている最中である。

今回は、いつもとは趣向を変えてまた異なる角度から富士ガリバー王国の謎に迫ってみよう。

映像アーカイブを見てみよう

というわけで今回はネットで探せる限りの「富士ガリバー王国」についての映像をここにアーカイブしておくことにする。

▲4つ目の動画は8:59~から富士ガリバー王国のCMが始まります

一般人が撮影した映像にテレビCM、テレビでのレポートなどいろいろな種類の映像が残っており、在りし日の富士ガリバー王国を見ることができる。まあ、これしかないといえばこれしかないわけだが、ちょっと注目して欲しいのは、2枚目のCMである。

ここでは最初にでっかい怪獣的なやつが現れてわー大変、ということになっていて、その後に少年が「ガリバー助けて!」とガリバーを呼ぶ。元々ガリバーは普通の人間のはずだが、ここでは富士ガリバー王国中央にある巨大化したガリバーを呼びたい呼びたいのだろう。

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▲これ

しかしガリバーはリリパットたちに体を縛られてるので助けに行けない!というオチである。怪獣にやられていた街がどうなったのかが気になるところだが、ここで私が思い出すのは「ゴジラ」のことである。

もちろん、巨大な怪物ということで思い出しただけではない。

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▲これもめっちゃゴジラっぽい感じがする

ゴジラは、その戦いの舞台で富士山麓が選ばれることは多い。というか、富士山麓で戦闘をしている(勝手な)イメージがある(この辺りはもう少しゴジラ関連資料を読む必要があると自分でも思っているけれども)。

▲これとか

▲これを読まねばという決意

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▲CMではゴジラ的ななにか?が都市で暴れてますが

で、このCMの背景にはなんとなく、富士山麓で戦うゴジラとその他の怪獣、的な構図が念頭にあると思うのだ。もちろん製作者側が意図したかどうかはここでは分からないが、やはり「富士山麓で戦う怪獣」というゴジラ以来のイメージがここには現れていると思うのだ。

そして富士ガリバー王国のCMとゴジラの構図がどこかしら似通っているというのは、理由がないことではない。それらを可能にしたのが、富士山麓という土地である。

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▲CMで出てくる富士山麓の土地。いつも思うが、富士ガリバー王国から富士山、とてもきれいだ

そして、この「富士山麓」という土地に魅せられてこの土地にやってきたものはゴジラだけでも、富士ガリバー王国だけではない

富士ガリバー王国が4年という短さで閉園することになった遠因であるオウム真理教の秘密施設「サティアン」もまた、富士山麓という土地に魅せられてやってきたのである。

さて、ここから話はサティアン・富士ガリバー王国、そしてゴジラを招き入れた「富士山麓」という磁場を探る物語になっていくだろう。「富士ガリバー王国」をテーマパークとして語るとき、その「磁場」はあまりにも重要な問題なのだと思う。


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