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日本テーマパーク史研究ノート10〜番外編:NEW レオマワールドのこと

お詫び

久々の投稿ですね。
毎日連続でやるぞ、と意気込んで自分にしては結構な日数連続で投稿できたんですが、自分が参加しているLOCUSTのメンバーとオンライン飲み会やって、めっちゃ飲んでしまい、そのまま寝てしまうという暴挙を犯してしまいました。

で、投稿しなくなるとしなくなるもんで書かなきゃ〜〜と思いつつ、ずっとかけませんでした、ごめんなさい。誰に謝っているのかはわかりませんが。

DPZの記事の裏側を話させてくれ

というわけで、今回は前回の続きで「富士ガリバー王国」の話と思っていたんですが、ちょっとその前に宣伝をしていいでしょうか。実は今年の1月よりデイリーポータルZにて月一(実はもう少し頻度が高いんですが)で書いています。大山顕さんやパリッコさんなどの有名人も書かれているサイトなのでウェブライター初心者の自分はビクビクしながら書いていますが、そこで香川にあるテーマパーク「レオマリゾート」のことについて記事にしました。

詳しくは、上記のリンクをタップしていただけると大変ありがたいんですが、要するに「バブルの頃に作られた遺跡のレプリカが歳月や経営権の推移を経て、ガチの遺跡になりつつある」という話です。

このレオマリゾート には「オリエンタルトリップ」というアジアの遺跡をモチーフにしたエリアがあります。そこにアンコールワット風の遺跡や、ブータンの寺院などのレプリカがあるのです。ただ、それは現地の職人が手作りしているので、もはや本物なのでは。。?とも思いますが。

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▲こういうのがある

面白いのは以下の部分(感想ではほぼ触れてくれる人がいないから悲しい)。1991年に誕生したレオマリゾート(当時はレオマワールド でした)は2度にわたって経営元が変わりましたが、そうした推移の中で、オリエンタルトリップに関する資料が少なくなっていったらしいのです。

いまはこんな感じで複合リゾート施設へと大変貌を遂げたわけであるが、その大きな変遷の中で「オリエンタルトリップ」に関する資料が少なくなり、現在では1991年の開業当初、瀬戸内海や香川の平野が見渡せるこの場所にアジアの遺跡をつくったという言い伝えだけが残っているらしい。

言い伝え……。

詳細がわからないのに異常な再現度の遺跡がある。
それって、由来を知らないけどなぜかある歴史的遺跡と同じじゃないか。これぞまさに本当の遺跡。テーマパークの作り物が本当に遺跡化した瞬間である。興奮する。

つまり、後続の経営陣にとって、オリエンタルトリップは、「何故だかめっちゃ再現度の高いアジアの遺跡のレプリカがある」状態だったわけです。

テーマパークの風景はニセモノなのか?

テーマパークが作り出す風景については、「しょせんニセモノ」とか「チープ」というあまりよくない評判が立つこともあります。いわゆる「景観論者」(京都とかの街並みだけが最高の街並みで、全ての街並みがそれに近づけばいいと思っている人たちのこと。あまり頭が良くないと個人的には思っている。個人的には!)の目の敵になるやつです。

そういう人たちはテーマパークの風景はめっちゃ嫌いですが、いわゆる「歴史」(カッコ付きであることに注目)がある遺跡などは「風光明媚」とか「ロマンがある」といった言葉で称揚します。

が、その人たちがいう「歴史」とは一体なんなのか? そこが、自分がすごく気になるところなのです。大体、「歴史」というが、一体何時代まで遡って考えているのか。例えば、昭和や平成初期に作られたものは「歴史」を感じさせないのか。だとしたら、大正は、明治は・・・と一体どこで「歴史」がある/ないを区切ればいいか全く分かりません。

とすれば、一般でいわれるような「遺跡」の概念もまた、私たちは捉え直さないといけないのではないか。それを考えるときに非常に良い素材になるのが、この「オリエンタルトリップ」の遺跡だと思うのです。

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▲これを遺跡と言ってはいけないのですか

この建築物が建てられたのは、1991年のレオマ開業前です。さらに立地等々を考えれば、これは明らかに歴史がある本物の遺跡ではない。しかし、上に引用したようなオリエンタルトリップの変遷を考えると、実は遺跡といえなくもないのではないか。。??

もちろん、先に「遺跡ではない」と明言したようにこれは歴史がある遺跡ではありませんが、このグレーゾーンな存在を踏まえることで、私たちの「遺跡観(あるいは歴史観)」に揺さぶりをかけることができるのではないか。

さらにその先にはこのNoteのテーマになっている「テーマパーク」について、それが本当にニセモノの風景(シュミラークルの風景とかいうと喜ばれるだろうか)と言い切れるのか? ということを考えるきっかけになるんじゃないか、とも思っているわけです。

こんなことをうっすらと考えながら、この記事を書いたわけです。
だから、このNoteは決して忘れていなかったわけじゃないのです。本当に。ずっと考えています。
ぜひぜひ、こうしたことを踏まえて読んでいただけるとありがたい限りです。

疲れました。そして、景観論者の悪口を書きました。

また、明日!



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