セーターを買ったよ
木曜日のバイト終わりの夕方、セーターを買いに原宿のニコアンドに行った。ニコアンドのセーターは可愛くて好きなので去年も一着買っていた。
渋谷駅から歩くと、原宿が近づくにつれて街がお洒落な感じになってくる。私はユニクロのジーンズに無印良品のグレーのパーカーを着ていた。私はこの服装をわりと気に入っていたが、周りがお洒落っぽいのでなんとなく少し緊張した。
前を歩いていた女の人の後姿が可愛かった。髪は濃いミルクティー色のミディアムボブで、グレーの膝丈スカートに紺のセーター、上側に幾つか黒のラインが入ったクリーム色の靴下、薄めのブラウンのローファーといった服装だった。髪色にとても似合っていると思った。高校の制服っぽい感じがあるからか、トラディショナルな感じがした。なんというか、昔の洋画から出てきたみたいな感じだった。
普段の私は道を歩いていても石や草木ばかり見ているのに、この街のせいで、前を歩く人のファッションを吟味することになった。変な感じだ。
店に着き、セーターを物色していたら、店員さんが挨拶してくれた。優しそうな話し方のお兄さんで、日本語のイントネーションには少し異国の感じがあった。質問したら色々な種類のセーターの説明をよくしてくれたし、試着したセーターにほつれを見つけたときも優しく対応してくれた。服屋の店員さんはどうしてこんなに良い感じなんだろうか。
レジで会計をしているときに私の後ろに並んでいた女性二人組が「ニコアンドに来るような男の人っていいよね」と言っていて、自分のことを特別言われたわけではないけど嬉しかった。自分はまだこういうことで喜べるんだなと思った。
その日の帰りはいつも通り混雑した電車だったけれど、セーターの入った袋を持っていたので温かい気持ちを保ったまま帰宅できたので良かった。
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