#匿名短文胸キュン企画 の 感想及び順位予想、投票先
タイトルの通りです。
あいさつ
智子だって、胸キュン書けるんだい。
いつも重苦しいものばかり書いてるわけじゃねえんだ!
というわけで、智子も参加しています。
智子の名前ないって?
あるんですよ。
ご存知の方はご存知かと思いますが。
基本的な活動の場は、未成年に好ましからぬ場所で活動をしているためアカウントをわけていたりします。西向く侍は大人なアカウントです。だけど、今回はそんなギリギリを攻めるような作品は書いていません(ほんとかぁ?)。
企画について
企画について、智子が長々と説明しても仕方ないので。主催者の方の企画概要を案内します。
要点を抜粋します。
いや、もう。これでしょ。参加者の皆がそれぞれに考える。
「胸キュンとは此れなり」
という性癖を叩きつけ合う企画です。
投票期間およびレギュレーションに注目したいです。あんまり期間がないので、サクッと読んで、サクッと投票しなくてはいけませんね。
さらには「短編小説」とあるので。かなりショートな作品構成になります。
企画の内容から予想する作品構成
智子が書き出し祭りで述べている。ファースト10に関してを悠長に埋めるような文字数はありません。胸キュンのための演出においても、冗長性を省いた形で作品の提出がされると予想します。
主人公 :主人公は誰であるのか?
主人公の能力:物語の主人公はどのような特性や能力があるのか?
世界観 :そこはどんな世界観なのか? 胸キュンであることから、ラブロマンスを期待できる世界観を予想しています。
異変・事件 :胸キュンに絡むイベント等
問題・課題 :(胸キュンという要素からして、ラブロマンスの端緒となるシーンなので、ここまで描ける方はいないと思います)
決意・覚悟 :胸キュンのイベントに対して、主人公の能動的な決意ないし、決断、覚悟をさす部分。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):胸キュンとされる「ラブロマンス」的要素の部分から考えた時に「胸キュン」としての細分化された楽しみ方や関係性に関しての「約束」となりそうです。
とは申していますが。上記の「ファースト10」は「あくまでも長編小説の5%以内に提示」することで読者の可読性を高める。という技術的な指標でしかありません。
短編という性質で考えるならば、短編小説としての「完成度」までを含めた方が「小説」としての評価は得られるかもしれませんが。
投票の基準である「一番胸キュンした作品はどれだ!?」という部分で見た時に投票の傾向が読めない部分はあります。
とにかく。胸キュンさせるのです。胸キュンへの圧倒的な上澄みを表現できた作品こそが、トップに躍り出ることになるのではないでしょうか。
感想(39作品)
別の匿名企画の「書き出し祭り」とは違って「胸キュン」というレギュレーションがあるので。ラブロマンスジャンルに作品は限定されない可能性があります。「胸キュン」を約束してくれる企画ではありますが。皆さんの胸キュンラインがそれぞれだとは思うので、「性癖博覧会」みたいな企画になっています。
読んでいきます。
01:UNFIRST
智子は英語が苦手です。タイトルは意味がわかりませんでした。
はじめてじゃないってことですか?
とは、思っても。こんな単語あったかしら。とおもって、智子の友達。AIに訊ねました。
やっぱり。そういうことですよね。はじめてではない。
ちょっとぉ。どういうこと。アダルティな予感しますよぉ。
本文読了後。
やっぱり、ちょっとえっちぃ。えっちぃよ。皆、性癖ド直球じゃん。胸キュンっていうか。胸ギュンじゃん。卑しい熱が全身に満ちる奴だ。
ナラティブが明確ですね。
性的な欲望をきっかけとした。スリルと不穏さを見せる短編でした。長編小説の一話目として見たら「ヒロイン」が抱えるバックボーン自体に課題があることを期待できそうです。
短編小説なのかぁ。えっちかったです。全力フルスイングの一話目でした。トップえげつないですね。
こんなこと申していますが。智子が書いてる可能性もありますからね?
02:名残
読了しました。上手です。一人称小説というのは非常に「制限」のある語りともなります。その独特な語りの部分から、二人の離別に絡む胸キュンを描いていました。
尋常小学校という単語を用いることで、ある程度の時代区分を提示したこともテクニックやムードの設定に役立ったと思います。
尋常小学校というのは明治から昭和の半ば位の話題ですが。更には「馬車」という言葉があることから、まだ自動車が普及していない時期。と思えば、まだ尋常小学校も導入したての時期だろうと予想しました。
こういう細かな文言で「世界観」を確定させてくるのが上手です。モダンボーイ。モダンガール。とでもいうのか。近代化に伴うあの時代で摂取できるジャンルとしての選好が存在します。
ああ。やんごとなきご身分のお方なのかもしれません。いいアプローチでした。
物語の結末は「よくもわるくもない。苦み走った。成功と失敗が混じったもの」が味わい深い要素として受けいれられます。
この「胸キュン」理解しました。
さては智子が書いたか?
03:大学生になった私と、まだ高校生でちょっと情けない君
はぁん。なるほど。
智子がこの企画を知った時に予想していた作品ジャンルやムードっていうのは。こういった作品を予想していたんですよ。
これだよ。これこれ。こういうのなんだよ。こういうのみんな持ってきて。
両者の視点が入れ替わりながら、展開する。ラブロマンス作品において、安定的な方法ですね。両者が抱える不安や、内心の思いを「読者が知れる」ということによって「ラブロマンス」のもどかしさを提案できています。
さらには「男性的なアプローチ」にどぎまぎする。という二人の関係性についての短編です。
胸キュンってなると。やはりこういったアプローチを想像していました。
さては、智子が書いたな?
04:ベーカリー・カタギリの昼下がり
あいあい。ヒロインの「ドアマット形式」による感情喪失からの。恋を知っていく感じ。ヒロインの友人が「それは恋ですよ」とツッコむ話しです。
ああ。無自覚なヒロインが恋に目覚めていく。更にはヒーローのご両親達からも受け入れられている。なんてことか。亜流のドアマットヒロインでした。
すごいですね。1000文字から1500文字で、きっちり性癖をプレゼンしてきますね。
片桐に対しての「生意気」発言についても。胸キュン要素を担保ですよ。
こういうちょくちょく挟まる文言だったり。友人からのツッコミだったりで。無自覚ヒロインへのツッコミを読者が代弁してくれています。いい役どころの配置でした。
ふと。これはあの人がかいたんじゃないかなぁ。というのがよぎった感はあります。まあ、智子が書いた可能性も拭えないんですけどね。
皆さんネット上に書いてあることは、嘘か真かわかりませんから。私が書いたのかもしれませんな。だって、無自覚ヒロイン好きだし。
05:惚気話待ってます。
はあ。なるほど。こうきましたか。理解しましたよ。
私達がラブロマンスを楽しむ時の態度って色々あるんですが。わたしたちも妙齢の男女と呼ばれる年齢を乗り越えた人もいれば、乗り越えていないこれからが青い春の方もいらっしゃるでしょう。
だけど、皆さんに共通する「恋愛の楽しみ方」があるんですよね。
「恋愛は自分がするより、人がしてるのを眺める方が楽しい」
という身も蓋もない話です。自分が当事者になると、いろんな思いが去来しては、様々な悩みに転化していくものですが。人の恋愛ともなれば、何の心配もなく楽しめるものですから。
そんな楽しみ方を「作中」において、展開しよう。という試みの胸キュンです。
この視点で、ラブロマンスの対象者を観察する。というスタイルによって「胸キュン」というレギュレーションを達成するのです。
よほどこじらせた性癖かと思いましたが。考えれば考えるほど、結構馴染みやすい楽しみ方をコンテンツに落とし込んだな。と感心しました。
この演出を考えた方はすごいですね。
智子かもしれませんな。
06:文化祭の最後に
ミス南雲て……
あれですね。分かる人には分かる文化なんですよね。「未成年の主張」のもじりを持ってきて、焦った感じにヒーローが告白をする。わかってるんですよ。私達はわかってます。そうなってほしい。そうあってほしい。すれ違いからの、ヒーローの決断によって、朗報がもたらされる。王道です。
そして彼氏ができたと叫びに行く。
若さよ。この企画って今できるんですかね。入場時に「スマホによる撮影は禁止」とか厳命をくださねば、炎上とかしそうですが。そんなやらしいこと考えちゃいけません。この世界は南雲学園です。そんな悪い子はいないんです。
南雲学園では全ての悪意が無効化される。だって、南雲学園だもの。
上から順に読んでいっていますが。やはり「ナラティブ(読者に約束する楽しみ方)」とされる要素を明確にしてきている作品が多いと感じました。
やっぱり、短い文字数ゆえに「描写を廃して、テンポよく。最も効果の高いクライマックスを打ち込む」という演出の作品が多いように思います。
39作品のうち6作品読んだ段階ですが。これは、投票に難儀しそうですね。
07:家庭教師のイケメン大学生に告白を。
ちゃんと。タイトルで「こういう物語だよ」といったものをアピールした作品でした。本当にもう、皆惚れっぽいんですから。智子も人のこと言えませんが。ちょっと優しくされただけですぐに好きになっちゃうんです。ええ。この娘もそうなんでしょうね。
ああ。大学生側の心情が分かるダブル視点を読みたい! だけど、それをするには演出が難しいんでしょうね。もっとも推していこうとするのが。ヒロインのコミカルさであるため。ラブロマンス寄せより、ラブコメ寄せに近いムードの胸キュンです。
大学生のイケメンは内心ドキドキですよ。それは女の子が可愛い云々ではなくて。
「教え子に手を出した」
と雇い主の親に批難されかねない上に、ここで下手に応えるとヒロインのモチベをぶち壊してしまいかねない。といった非常に慎重な対応を求められるシーンです。
めっちゃ大学生の心情読みてえ。
ええ。智子が作者かもしれませんからね。書きますよ。だって、智子が作者かもですから。
08:「ダンスは苦手?」と陛下は聞いた
ああ。こういうアプローチもあるんですね。目からウロコです。
いやいや。智子が書いたというんですから、別に驚くことはないかもしれないんですが。
私はてっきり「短編」としての起承転結を描いて、胸キュンの導線を引くのだと思っていたんですが。
ザクッと。シーンを一つ切り取ってしまう。という見せ方の作品です。
そもそもですが。「字数を割くことになる異世界転移設定」でこのレギュレーションの中でまとめてきたというのに驚きでした。そして、ちゃんと丁寧に混ぜ込んでるんですよね。
この情報で「ああ。異世界転生の女性向け作品としてのムードなんだな」というのがバチンと、テンプレ的設定を飲み込ませて、ダンスのシーンおよびイチャコラの胸キュンですよ。
セットアップを恐れずに、書くことが大事なんでしょうね。
読者は「どんなヒーローとヒロインがいて、どんな胸キュン的関係性を提示するのか」という部分を期待しているので。世界観(異世界転移もの)としてのムードをどれだけ早く提示するか。というのはタイムアタックみたいな勝負がありそうです。
ということを、智子は書きながら考えていたかもしれません。
09:胸が、きゅん。
おお。ファム・ファタール。
参加者が39人いらっしゃいますよ。似たような発想を智子はしました。心臓発作的なネタも考えました。もしかして、智子が書いてませんか?
でも、私はヒロインの「ワタシ」が能動的な、振る舞いによって男を破滅に追いやるといったものは思いついていませんでした。いや、もしかして思いついたからここに提出しているのかもしれません。
胸キュンという単語から連想される「ラブロマンス」としての正道に寄せつつも「心臓が止まる」という「ダブルミーニング」的な要素を持たせてきました。
センスがありますよね。もしかして、やっぱり智子が書いたのではないか?
もう、この調子で39作品全て、智子が書いたっていう体で言い張りますよ。
10:断頭台で逢いましょう
ちょっと読むのストップです。
タイトル物騒ですね。ちゃんと胸キュンしますか? 恐怖の方ですか? 首チョンパ的な?
読了後。
ああ。胸キュンへの布石ですね。短編としてのそれというより、長編への誘導に近いものがあります。
長編小説を丹念に書いてきた書き手のように感じます。
はい。智子ですね。智子のエッセンスがあります。主人公のバックボーンから入り、その彼女が抱える課題を救うように、ヒーローが介入してくる。
物語をやろうとしています。この文字数で「以下、続く!」といった形で「短編」としてたたむのは、胸キュンへの挑戦です。
死の間際であれば、どんなものにもすがりついちゃうでしょうね。惜しむところはヒーローのスタイルを知りたかったですね。このあと、どのように助けてくれるんでしょうか。処刑人には目視できないとのことなので、何かしらの展開が見えてくるものなんでしょうね。おそらく、中編として用意している作品になりそうな文量でした。
だめよ。智子! ゲスパーしちゃだめ。あなたが書いたかもしれないんだからね。ゲスパーはだめよ。
11:風渡る庭にて
ああ。胸キュン。アプローチとしては「異世界恋愛の世界観で遠距離恋愛中のハイソなラブロマンス」という部分です。
いやあ。世界は違えど、似たような構成としては『03:大学生になった私と、まだ高校生でちょっと情けない君』に近いものがありますよね。生活の環境が変わって、彼氏彼女の関係性からのムードの話題でしたが。
この切り口の胸キュンもかっちりしていますね。異世界恋愛だからできるアプローチの胸キュンです。
こんな遠距離恋愛をしたいですね。私の帰りを健気に待つ人がいる。私は会いたくてたまらない。
その願望を満たしてくれる。この作品も智子が書いたのかもですね。
短編としてみれば、上から順に並んでみた時に畳まれてる感はあります。
しかし「胸キュン」というレギュレーションを考えた時に。ヒロインとヒーローのカップリングに関しての情報やそこに「読者の物語経験値」に準拠することになるんでしょうね。
胸キュンってそういうことです。胸キュン一本勝負。どれを選ぶものになるのか。
悩ましいですね。
12:女の子って大変ね ~恋愛ごっこの延長戦~
ああ。胸キュン。こっちの攻め口もあるんですね。いやいや。もちろん、この作品も智子が書いた可能性が十分にある作品です。
まず。セットアップが好みではあります。課題を抱えたヒロイン像でした。
ヒロインのみーちゃんは相応に幼くあるのでしょうが。幼いながらに女の子同士の「お付き合いの恋愛ごっこ」みたいなものに辟易していて、それに一枚脱ぐヒーローの活躍っていう話です。
ちなみにですが。幼い頃の智子はドッヂボールが得意なタイプのふくよかな男の子でしたが。モテていませんでした……
この書きぶりがめっちゃ智子っぽくはあるんですが。私はこういうの書けるんですかね。
小学生低学年の一人称視点ともなると。皆似たりよったりになりそうですが。少女の視点から、ストーリーを描いて、畳んでいます。
キャラクターの活躍とか。アプローチの仕方が「女性読者向け」的な活躍だとは思います。胸キュン要素として見るならば、最後の一文あたりが胸キュン何でしょうね。
言語化できないお年頃。
ラブロマンスとしてはお約束なんでしょうけど。ユウキ君の視点も見てみたかったですよね。いやでも、語るまでもなく。ユウキ君はそういうことですよね。良い胸キュンでした。
13:“ふたくちめ”を食べさせて
ああ。すごいですね。なるほど。獣人等を含めた「動物の求愛特性」を混ぜ込んだ胸キュンです。
こういうの思いつくのって、ねえ。
ペンギンの人では? 思わぬところでゲスパー発動。
だめよ。だめだめ。ゲスパー封印。
更に、参加者一覧を眺めてみるに。あの方いないじゃない。ペンギンを主に据えてくる方が他にいらっしゃるのかしら。ああ、やっぱり智子が書いたのか?
智子が擬態して書いている可能性もあるんですから。
私はてっきり「胸キュン」というネタを抱き合わせる時は「人同士」のそれであると考えていたんですが。異世界。獣人とか「セットアップに文字数を必要とする作品が、適切に性癖をぶつけてくるのをみると技巧を感じますよね。
私がどの作品を書いたのかなんてのは。申し上げられないんですけど。こういった「独自世界」を展開しつつ、胸キュンを叩きつけるのは技ですよね。
面白かったです。
14:幼馴染みの領域
短編としての情報量に満ちたそれでしたね。シチュエーションにとどまらないで、課題に対して応じて、物語となっています。
胸キュンという要素を示すために、どんな属性を付与するか。どんな関係性を提示するのか。といった演出の話なんでしょうが。今まで読んできた作品と並べても、奥行きのある書き方ですよね。
幼馴染設定のエモさっていうのは。子どもたちの保護者同士が「子どもたちの頭の上」でつながりがある感じが良いですよね。そういった部分も上手く表現できた短編でした。
胸キュンは関係性と、それを表現する細かな技です。
ここまで解説しちゃうとバレそうですね。智子が書いたからかなぁ?
15:秘めた想いの行先を
もう。結婚しちゃえよ。
ラブロマンスや胸キュンに関しての大事な感想って「もう、君たち付き合っちゃいなよ」とか「もう、結婚確定!」みたいなコメントとともにファンファーレがなる事が大事ですよね。
セットアップから、ヒロインの情報、ヒロインの目的等を提示したあと、ヒーローとのイベント。
ヒーローの熱い視線。
はい。胸キュンですね。とにかく「両思い」であることを描写として担保しつつ「主人公がこの思いは秘めておくのだ」という物語上の決意まで示しているということは、何かしらの「誘導」が強くはあるんですが。短編として見ると、長編的な作品の書き出しには見えてしまいますよね。
長編を書くことを嗜好している書き手の方かもしれません。ああ。それは大体智子のことですね。次なる展開のための布石を丁寧に打つ。
異世界恋愛でやろうと思って、書けるもんなんですね。面白かったです。
16:コーヒーは、今日も胸焼けするほどに甘ったるい。
読んでて驚きです。皆さん結構独自の世界観で、胸キュン用意してきますね。「恋愛科」ですか。恋人がいないことの焦燥感や、愛するものを持たないことへの不安感について、先生に相談して、最終的には「君は健康だから病院に来なくていいよ」と言外に出禁にされそうです。
主人公の性別に関する描写が序盤になかったので、BLなのかNLなのか。一瞬、判じかねました。
胸キュンというのがなにかある程度、わかってきた感はあります。両片思いですな。ある程度、ラブロマンスの方向性が明示されていく情報が大事なんですね。
甘いコーヒー。恋をしたら、なんでも甘くなるんでしょうか。それとも、私が料理の味付けにみりんをいれすぎているのか。
恋愛科があれば、ご相談したいですね。智子の原体験から書き出されていますね。やはり、この作品も智子なのかもしれません。いや、でも。智子はこの独自世界から切り出すチャレンジングさはまだ習得していません。というブラフかも。
誰がどの作品なんでしょうね。
17:無回転シュート
もうそろそろ。半分というところで、ある程度の作品傾向を分類できる気がしてきました。
短編としてたたまれているか。長編としての期待感に寄せているのか。
キャラクターの立たせ方が「物語上の課題」を意識した作りで用意されています。
この部分が読後感にどのように作用してくるのか。それは結果を見る必要があるんでしょうね。
ちょこちょこ飛び出る文言や思想性によって、読者層に刺さりに行こう。といった工夫があります。
彼女は何を抱えているのか。どのような環境にいるのか。
そういった部分を回収してくれるヒーローの存在の提示。
そして、そのヒーローは純粋な称賛を、ヒロインに投げかけます。
有名なヒロインを知らないヒーローへの恋慕。
アイドルを知らないヒーローがアイドルに惚れ込まれる。みたいな「男性向け作品」としての期待される選好と「女のくせに」と蔑まれるヒロインの二つを並べることで、ミックスされた胸キュンを提示しようとしています。
ハイブリッド胸キュンと名付けます。戦略性で刺そうとしている感があるので。この作品もおそらくですが。智子が書いたんじゃないでしょうかね。
18:デートは定時退社の後で
こんな胸キュンもあるんですね。
ある程度「双方向性」のあるジャンルであると考えていたので、恋人との過ごし方や、その挙動に関する愛情の話題を持って胸キュンとする。胸キュンというものを「卑しい熱」で捉えている智子からすると盲点のような胸キュンのアプローチでした。
実は最近、智子は「お仕事もの」のアンソロジーに参加することとなりまして。お仕事ものを考えています。
このお仕事もの関連の女性キャラクター達は、ブルーカラーよりホワイトカラーが多いイメージがありますよね。今回の話もデスクワークを中心とするキャラクターであるので、そういった諸々を共有しやすい体験として、提案があるのかもしれません。
いやいや。さすがに智子もこの匿名企画でアンソロジーのための原稿をちょい見せしようだなんて。ねえ? 智子かもしれませんね。
19 :仲直りに言葉はいらない
まだ全部読んでません。
ちょっと、まって。一瞬で世界観がコメディに急ハンドルを切り替えおったぞ。
キュン子の動きにより、なんやかんやキスしおったぞ。世界は現在こんなにスキンシップにおおらかなんですか。智子は今から学生になってきます。雨よふれ!
このエモさはあれですよね。生活様式の中に、胸キュンが揃うビジュアルが良いですね。
一礼して、キスを思い出すような不謹慎さがありました。ビジュアル的にね。そういう感じです。
でも、キュン子。お前の両親に会いたい。どういう気持で娘にキュン子と名付けたのか。人をキュンキュンさせるための助言を放ちまくる運命を持っているのか。
ああ。でも、智子が書いているのかもしれないのだから。智子に訊ねるべきなのかもしれません。
20:ひいらぎの詩
この方法もすごいですね。
カップリングとしてはヒーローとヒロインの属性がそれぞれ提示されていて、それらの関係性についてのヒロインのコメントが展開されています。
おねショタですね。智子はおねショタが好きです。そして、大体、おねショタばっかり書いてます。ということは、この方は智子かもしれません。
さて。
他の方と明らかな差があるのが。短い文字数の中に「ショタが青年になる」までの流れがあるので、文字数としては変わりないはずなので、ダイナミックな感触がある作品になりました。
こういったアプローチの方法があるんですね。智子の引き出しもすごいなぁ。うん。
告白って大事なんですよね。あと、まめさも大事です。見習いたいところです。
21:誰もいない教室、放課後のカーテンの裏で。
まだ本文読んでいない段階ですが。
なんか、えっちぃ期待をしてしまっています。だめですね。智子は卑しい熱で満ちています。卑しい熱という言葉が好きになりました。『01:UNFIRST』のせいです。作者公開されたら、文句を言いに行きます。私かもしれませんが。
読みます。
読了後。
全然えっちくなかったです。まだえっちくない。描写されていないことは存在しないと考えます。
青春っぽいことをなぞるという名目で、色々と男を振り回してくれる女の子に胸キュンするだなんて。智子はちょろい奴じゃありません。嘘です。大安売りします。誰か智子と青春ごっこしませんか?
最後の部分が、ちょっと気になる要素ではありますが。描かれていないバックボーンが多めにありそうな気がします。
ファンタジー脳で考えるならば。ループものだったりするんでしょうが。胸キュンで考えるならば。二人は幼馴染で昔なにかあったんでしょうかね。
といったように、想像が膨らむ形で文章を引いているように思いました。
狙ってきましたか。こういった細工をするのは、智子も大好きです。
智子と仲良くなれそうですね。そら、そうです。智子が書いたかもしれない作品ですからね。
22:運命の出会いに、脈絡なんてなかった。
ああ。好きかも。
好きかもですが。短編ではないんですよね。長編としてのそれであって、名前のない男とのラブロマンス空間に乱入するヒーローとしてのそれを期待する書き出しです。
このヒロインはちょろいなぁ。お前はどういうわけなんだ。あったすぐの男に恋をする。なんてちょろいんだ!
智子も異性と2分電話しただけで、恋に落ちる奴です。ヒロインの気持ちわかります……コミュニケーションの不足からくる、人とのコミュニケーションによる高揚感を恋と認識するようになっている。敏感なんです。こういう「主人公の明らかな欠点」による部分から展開される感じがめちゃんこ好きです。しかし、短編ではない。胸キュンするのはわかってるんですよ。
ヒーローの変な目を知りたい。
こういう描写を見るたびに、視線には気をつけようと思っています。
長編嗜好。自戒を込めている描写。陰キャ女子のフォーリンラブ。
あれ? もしかして、やはり智子が書いていそうです。
23:その熱を映して
はいはい。女子生徒×イケメン男性教師ものですね。
古今東西。昔からある強い設定です。これでもかという位に広いカバー範囲です。一人で野球できる位の性癖展開です。
めぞん一刻ってご存知ですか?
ヒロイン。音無響子さんは愛する夫を失い、未亡人となったヒロインです。そんな彼女と夫の出会いは、学校の教師と生徒という関係性です。若く行動力に溢れた響子さんの熱烈なアプローチで、男性教師と結ばれます。
どんな時代でも「師弟関係」からの恋愛ものは強いですね。教えるもの。教えられるもの。といった関係性ですから。そういった色ごとめいたことも起きたりするものです。現実に起きたら、大概な事件ですから。物語で背徳感を楽しむのです。
ちょっと押してみたら、イケそうな感じは胸キュンポイントですよ。若さで押し通せばいいのです。
短編として見るならば、少々情報量が多いので、長編として整理していくものになりそうです。
校舎の裏で倒れる。
どこの貴族の姫君か。どうして倒れていたのか。うずくまっていたのか。持病を持っていたのか。設定上の「抜き」の要素でもって、展開を期待できるものですが。
皆知りたいでしょう? 智子は知ってるんだな。だって、智子が書いてるかもしれないから。
智子も書きながら、気分が乗ってくると人称のブレが出てきたりするんですよ。書いてる時って気づかないんですけどね。公開されて、読み始めたら気付いちゃった。
24:三択クイズ
ああ。この書き手の方は。気付いていますね。ビジュアル上の観点から「顔を赤らめさせる」ことが非常に大事なテクニックであることを。
私はそれを気付いていましたし、同じようなことを実践しているということは。やっぱり、書いているのは智子ですね。
やはり1000文字から1500文字となると。ワンシーンで書き切ることが最適解なのかもしれません。男女の二人がお互いの気持ちを伝えあって、次のステップに進むシーン。頬を染めさせて、胸キュンの約束。
私の話ではないんですけど。
相手に告白させるために、長時間の電話を行い、相手が告白するまで電話を切ることを許さない。といった形で彼氏を捕まえた友人がいます。
その時と同じ手管をこのヒロインから感じます。
攻めの姿勢のヒロイン。良いですよね。だけど、その攻めを受け止めて、攻め返す(4択目作っちゃうんだ)。ここに「ヒーローの能動性」を見せることで、胸キュンを加速させています。
現役で小学生、中学生を駆け抜けている甥っ子姪っ子達に現代の告白事情を聞いたことがあります。
「電子的なデータに残る形で告白はしない。あとから転載されるから」
という徹底したネットリテラシーに智子は震えたのをおぼえています。
この三択問題の切れ端はどこかで、丁寧に破棄されるのか。残されているのか。どっちになるんでしょうね。個人的には残して、あとから思い出として振り返るエピソードとか美味しいですよね。
25:悔しくて
あい来ました。やっぱり、このダブル視点強いですね。文字数が少ないという部分で、ダブル視点の採用を諦めた人もいるでしょうが。勇気をもって、ダブル視点を投入する。
これがラブロマンスで大事な要素です。
恋愛はシーソーゲームっていうんですっけ? 私は身も心も重いですからね。みちゆく人が振り返る。そんな巨漢の智子です。
シーソーゲームはいつも私だけ。
打てば鳴る。投げれば打つ。開けば閉じる。閉じれば開く。
対応するように、二人の胸キュンを並べることで加算ではなく乗算の効果を発揮する。それが胸キュンなんですね。こういった関係性にあこがれてやまない。古の少女漫画で育ったおっさんである智子ならば。
書いてそうですねぇ……
だけど、ダブル視点にする勇気を智子は持っていない気がするんです。ダブル視点といえば『03:大学生になった私と、まだ高校生でちょっと情けない君』もそうでした。
ダブル視点強い気がしますね。わかりやすさって大事ですわ。
26:嫌な先輩
お仕事ものじゃん! タイムリー! お仕事ものアンソロジーに参加する智子にはタイムリーな作品です。
私もホワイトカラーの仕事をしていた側なので、細々した事務関係の諸々イメージしやすいです。私は堪え性のない人間ですから、不機嫌が表に出るタイプであり、上司が超絶気を使いながら、手取り足取り教えてくれるという便利なバフ属性を持っている巨漢でした。
丈夫な体に産んでくれてありがとう母さん。あなたが作る高カロリー食は、体重と愛と威圧感を子どもに与えてくれました。
といった要素のある人間であるため、智子にとって「嫌な先輩」という存在が基本的には少なかったタイプなので、この構成は盲点でした。
故に智子は絶対に書かない。作品であり、思いつかないですねぇ。
ここまでブラフをはれば、もうそれはそれで良いと思っています。
さて。
この作品は、なかなか絡め手ではあるんですが。こういう方法もあるんですね。
どちらかというと「胸キュン」というのを、キャラクター当事者達が抱くもの。という感覚を持っていたので。
「読者に類推させて、胸キュンを担保させる」といった部分は、他の作品達と違った特徴があるアピールでした。
あと数ページあればなぁ。嫌な先輩が捨てられた子犬を雨に打たれながら拾う。という、お約束をお見せできたと思うんです。
ギャップ萌えが大事です。
27:いつもクールな寒川さんのヒミツは、笑顔がブスなこと。
なるほど。ああ。そういうことですね。
智子は知ってますよ。その昔、職場の男性の先輩から伝授された「モテる男の恋愛テクニック」によると。
「お互いの共通点を見つけて、アピールしろ」
と言われたことがあります。職場の先輩はその技術を本で習得したようですが。それを意気揚々とすぐに披露しに来る愉快な方でした。智子はわかっていますよ。恋愛テクニックによって、胸キュンを心理学的に迫ろうという試みですね。
ええ。だって智子が書いたかもしれない作品ですから。
ここまで胸キュン絡みの話を読み続けてきてわかったのが。胸キュンにもターゲットが複数分かれるんですね。
女性向けの胸キュンと男性向けの胸キュン。
ヒロインの「魅力」を周囲のクラスメイト達に言及させるために、あの演出をしています。
この演出によって、作品のムードが「男性向け作品」としての型を決めて、ヒーロー側の胸キュンとしてご用意したということでしょう。
放課後、人々からの視線を動じることなくクラスメイトの男子生徒へ物怖じせずに声をかける。クールな美人同級生。こういった属性は男の子達は大好きなんですよ。絵面でみた時に、ギャップによる魅力を提案していくタイプの作品です。
女性読者の皆さんスパダリ好きでしょ?
同じくらいに、男性読者の皆さんは「スパダリ的要素を内包しない男性と打算無しに付き合ってくれる女性」が大好きなんですよ。
野郎の心を胸キュンさせに、鋭角なコーナーを攻めてきた作品のように捉えました。
28:土曜の夜の石油王は忠犬の姿をしている
眺める胸キュン。そういう構成は一つの演出として存在しているジャンルなのかもですね。『05:惚気話待ってます。』も「憧れの先輩の惚気話を期待する」といった構成での胸キュンでした。
他人のカップリングを眺めての胸キュンとした場合。どの程度の訴求力があるのか。
主導権のあるタイプの女性の無理難題に応え続ける八条というヒーローは「紛れもなくスパダリ」であるので、それらの演出や見せ方としては、献身的な「犬系彼氏」としての属性を表現した一作ですね。
ちなみに犬系彼氏に関しては、智子はよく書くキャラクター像です。
ねえ。智子じゃないですよ? いやあ。やっぱり、智子かもしれません。犬系彼氏。スパダリ像の一つの属性として強いですよね。
29:草食系オオカミくん
すごいな。すごい作品きましたね。
ちゃんとキャラクター小説をしています。
二人の来歴。幼馴染という関係性。そして、ヒロインの男性への嗜好の開陳。そして、それをフックとして、最後の胸キュンにつなぐ。
詰将棋見てるような力のある作品でした。
何がいいって。あれです。三十路という「成人した女性」故の、男性との付き合いや「マッチョなスタイル」いわば「有害な男性性」とでもいう要素を、彼女の言葉で批判しつつも「やっぱりそういうのが好き」っと自覚的になるシーンが良いです。
ちゃんと、内心で思想の対立等が発生しているので。
「物語」としての波を感じる事ができました。
さては、一人称小説を書くことが上手な方であるようにお見受けしました。
あれ。智子ですね? 智子何人いるんですか?
30:キュンは世界を救う
ちゃんとたたんできおった。短編小説であること。胸キュンというワードを活用したキュンとなる薬のギミック。
お互いが両片思いであることを示しつつの、コミカルな世界観を提示。
文字数というものに対して、たたみに行くための構成を適切に作り込んだ作品のように感じます。
おそらくですが。海を介さねば兎は無害化出来ないとのことなので。これから諸島を含む人々から人類の復興がなされていくんでしょうね。
最近の書き出し祭りで、智子は理解したムードの展開があるんですけど。
「コメディ作品としてのアピール」を適切に行うことが出来たなら、コメディであるムードを最優先した作品はとても印象が良いです。
お互いに好意を持っている。という「勝ち確定」のシチュエーションと。好意ゆえに妙な薬を開発するヒロイン。もう、設定だけで面白そうですからね。あとはどう提示するか。という部分をこのSF要素交えて、出してきたということに驚いています。
媚薬ネタは結構好きで、私もよく擦るんですが。智子やらかしちゃったかもなぁ。ここでも、媚薬擦るか。媚薬じゃない。キュンとなる薬だから。多分、なんかやばい薬だとは思うんですよ。
すでにキュンキュンしてる人には薬はきかないってことですわな。
それにしても、三樽分を海に流しても希釈されない濃度って。ヒロインはヒーローをどうするつもりだったんですかね……まあ、智子は知ってるんですよね。だって、作者かもしれないですから。
面白かったです。コメディテイストの胸キュンでした。
31:いま思えばこれが僕のプロポーズだったのかもしれない……
おねショタものです。
智子が書きましたね。多分。おねショタは大体智子が書いています。女性たちの「優位にありたい」という願望を満たしつつ、男性たちの「年上の女性にリードされたいけど、リードもしたい」というメチャクチャな願望を二つ満たしてくれる。最高のジャンルじゃないですか。
智子が書いたと言い張っておりますが。智子以外の方が書いているのだとしたら「性癖の大海原で見つけた同士」として、好ましい挨拶を交わすことになるでしょう。
キャラクター小説において、胸キュンを表現していく時。大事なのは「属性の設定と開示」だと思うんですよね。
今回のヒーローは「理路整然とした話しぶりを行う小学生の男の子」です。そして、ヒロインは「ヒーローに愛情を示すことに抵抗のない恋する女子高生」です。
この段階で、美味しいんですが。更に美味しいところというのが。
「願掛け」に関する言及については、顔を赤らめるという羞恥心を見せるヒロインです。
「大好き」っていうのは照れないのに「結婚の願掛け」は恥ずかしい。
っていうのは、本気度の違いなんですよ。シーソーゲームで身も心も重いのはヒロインの方なんですよ。
タイトルで「プロポーズ」云々と言っているのはもうそういうことですよね。
「ラブロマンスは結末を約束する」ことによって、読後感を高めていく。
ここまでこのセオリーを踏襲出来てるってことはもう。
書いたのは智子ですね。ちゃんと匿名しなさい。
32:また
断言します。智子は書いていません。いや、こういうダイナミックな時制が動きまくる話は書くんですが。
ミステリー的な要素の強いものを智子は書きませんし、書けません。
読んでて「どのジャンルになるんだろうな」という誘導や予想はあったんですよね。
少年と病弱な少女というカップリング。少女の死が残した影を元に、少年の物語が展開する。といったものです。短編小説として畳もうとする故に、胸キュン要素としてのそれより、短編小説としての完成度の方が高まった気がします。
病弱なキャラクターによる恋愛もの。
最後の問いが気になりますよね。
なにかしらタイトルに含ませているようですね。どうせだし、考えてみましょうか。
考えちゃっていいのかなぁ。ほら、だって。実は智子が書いてる可能性があるんですから。自分で解説してるとしたら恥ずかしくて、キュン死しますよ。
まず。こういったのは。カンニングしましょう。皆さんの考察はどんなものなんでしょうか。
わからない。とのこと。生まれ変わりを連想したが、時制的に却下。
実は私もその方面を考えたんですよね。序盤の情報量で「作品の方向性」を提示しないまま、展開している要素はあったので。なにかしら仕掛けているのではなかろうか。と思いながら読んでいました。
また会おうね。問われているのは読みであるため。この回答もよぎったんですが。しっくりこないんですよね。
蒼原さんの回答がセンスがあるわ。もう、これが正解でしょう!
読みですからね。接続詞としての「また」である。と読んだってことですね。
ミステリーめいた要素としての読みを考えたんですね。迷探偵……
大丈夫。智子も今迷っています。皆さんの答えを参考に「また」を特定しようとしています。
悠井さんも困惑しているようです。こういう問があると、叙述トリックを考えますよね。一貫して、ヒーローの視点で描写が続くので、彼女のそばに寄り添うヒロインや。語り手の僕をどのように信用するか。といった視点で眺めることになりそうです。
やっぱり。ミステリー要素なんですかね。
同じ気持ちになっております。智子も「また」の意味を求めるゲスパーとなっています。
謎への言及がない。わからなかったか。わかったか。さては南雲さんが……いやいや。智子! ゲスパーはおやめ! まっとうな人間におなり!
柴野さんもおわかりになってないようですね。
最も答えに近そうなのは。蒼原さんなのかねぇ。
さて。考えてみますか。
最後の問は「正しい読み」は何でしょう?
というものなので。文字通り読むなら。
「ひらがなだから読むも何もねえよ」
といった、身も蓋もない回答をすることになります。
智子はとんでもない奴ですから。
「パンはパンでも食べられないパンはなーんだ?」
といったなぞなぞの答えに「フライパン」は定番ですが。その回答に怒りを覚えるガキでした。
「フライパンはパンではなかろう」と言い張ると、場の空気をぶち壊す嫌な奴として認識されていました。
とは言っても、私も子どもではありませんからね。謎掛けに答えてみましょう。
どういうアプローチで行きましょうか。
またの使用例を辞書から引き、そのあと、作品中に登場する「また」について考えてみましょう。
まずは辞書から。
副詞、接続詞および接頭語としての効果を持つ言葉です。
これらの謎掛けを考える時に、上記のどれかを文脈として当て込むことになろうかと思います。
それでは作品中の「また」の文脈の使用を確認してみます。
まずはタイトルに一つ。問いにもなる部分ですね。これが副詞なのか。接続詞なのか。で随分意味が変わってくる事になりそうです。
序盤の少女からの「願い」によって、主人公は応じるものです。
使用法としては。
1 前にあったことがもう一度繰り返されるさま。ふたたび。「あした—来ます」「いつか—お話を聞かせてください」「—失敗した」
1に該当します。
ここも、副詞の1に該当です。
文脈を見るに。副詞の1ですよね。
最後の引用符による「また」も、前述の要素からみるに。反復しているので。副詞の1に該当する要素であろうかと思います。
とまあ、ここまで要素を分解しましたが。
あまりひねらずにまっすぐに考えるべきなんでしょうね。
主人公の「好意」への折り合いと、それを許容するパートナーの存在であったり、死者との離別や向き合い方といったものへの「また」という部分ではないでしょうか。副詞の1としての「反復」の意味合いのまたであると予想します。
物語上のステップがあって。
1:ボーイ・ミーツ・ガールのシーン
2:ガールの病弱さによる急逝
3:急逝に伴う不安感やストレス
4:ストレスとの対峙
5:パートナーへの相談。導き。
6:ヒーローが何を辛く思っていたのか。ヒーローが自覚的になる。
7:ストレスへの向き合い方や解消としての「また、会いに来ます」という前向きなスタイルの獲得。
1で提案していた「また」を2から5に至るまでの間「また会いに来ます」という前向きな捉え方ではない反復があります。
またという言葉を活用もしていません。やってることは反復なんですけどね。ずっとお線香を上げに行くってんですから。
2で喪失した「また」の前向きな概念を。7で取り戻す。といった作中のカタルシスの話であろうかと思います。
正直に読めばこうなるんでしょうね。
でも、叙述トリックとかあるのかねぇ。
ここまで長々と説明できるのも。智子が言い訳混じりで解説している可能性もなきにしもあらず。ですね。
33:ペアガ
良いですね。現代的なラブロマンス像の機微をよく理解しています。
「私達はお互いに好意を持っているんだよ」
という社会(二人が所属するコミュニティ)へのアピールや表明に関するカタルシスを、ペア画像にする。ということで、甘酸っぱく表現しています。
能動的なヒロインからの行動によって、ヒーローがそれに応じる。といった形式ではあります。
上から順に読んでいますが。小学生ネタがあるんですね。小学校六年生の一人称。しかも、幼馴染との絶妙な距離感。安全圏から攻めたいけど。一歩出る。その一歩に悶えるのが胸キュンなんですよ。
恋に自覚的になれる。言語化できるお年頃。それが絶妙なラインの小学校6年生です。
あと何が良いって。キャラクターの関係性や、色付けのために。二人に口癖があることで、この作品の独自のキャラクターとして馴染んでいく要素がありました。
本当にありえない話なんですけど。
『12:女の子って大変ね ~恋愛ごっこの延長戦~』の作者さんと『33:ペアガ』の作者さんは同じ人では? 年齢相応の文体で、寄せて書くという癖はなかなか見受けられないですからね。
お互いの癖を叩きつけ合っているようにも見えてきます。
あれ。この作品も一人称を書きたがる智子は好きな作品であるし、おそらく書くだろうネタなんですよね。
「私には恋人がいる」
という「パートーナーの在および不在」によって、コミュニティ内での自尊心を高める。っていうのは余りよくない楽しみ方なんですけど。皆、そういうこと気にするお年頃なんですよね。そういった部分をつまんで書くのって、智子好きなんですよ。
やっぱり、この作品も智子が書いていますね。
34:大型犬とネイル
本文読む前に。タイトルに言及したいんですけど。
女性向け読者の作品の中で、スパダリないしヒーローの属性を分けるときに。忠犬ハチ公さながらの「女性に対して紳士的で、忠実な犬のようなヒーロー」というものがあります。これは、以前からよく取り上げている。
「有害な男性性を排除しつつも、スパダリ的な要素を内包した。女性にとって居心地の良いキャラクター像」であることを予想しています。
大型犬ってそういうことでしょ? とワクワクしながら、本文に当たります。
読みました。ああ。優勝ですね。この作品が優勝です。智子に深々と刺さりましたよ。だって、智子が書いてますから。そら、もう自分が書いたかもしれない作品は優勝ですよ。
さて。
この作品の良いところって「主人公の課題」をぱつんと提示して、それを解消してくれるヒーローの提示。という「物語」の一山を作って見せているので。読後感が最高でした。
露骨な胸キュンじゃないんですよ。
スパダリの胸キュンじゃない。主人公が本当に求めていた「内的な課題」に類する不安感や孤独感。ストレスを解消してくれる存在として「大型犬彼氏」が登場です。
ああ。智子です。優勝いただきました。ありがとうございます。
この文字数でたたみまで、できる。胸キュンとの相性の良さのあるジャンル。
だれですか。この胸キュン書いたのは?
良かったです。
35:名もなき脇役の俺が主役になった時
ストレートでぶん殴られるのが一番胸キュンだわ。
どうしよう。ああ。投票先は決めたつもりだったのに。
ここに至るまで35作品読んできたんですが。「世界観」を飲み込ませるための工夫に満ちた作品ばかりですよね。
今回の場合は、騎士というものが存在する異世界恋愛の「男性視点」によるものです。
その「騎士団長の補佐」として尽力しているヒーローに思いを寄せる少女からの告白のホットスタートです。
そもそもですが。「胸キュン」ってラブロマンス的な期待が強いワードでして「恋の始まり」って「興奮期」に当たる時期なんですよね。付き合い始めなんて、何をしても初々しく見えるし、愛らしく見えて仕方ないんです。その興奮期をエンタメコンテンツ的に切り取る行為が「胸キュン」であるため。全力でパートナーにどぎまぎするシーンをえがくことが「読者の望む胸キュンスタイル」であるのだと思いますし、智子は「これだよ。これこれ。胸キュンってやっぱこういうのだよな」といった、思いになりながら読んでいます。
智子の望むものを用意してきている。それは、大体、書き手は読み手でもあるんです。このストレートさは、智子も好むところです。
皆さん、好きなものを好きなように書いています。ということは、多分、この作品も智子なんでしょうね。
後半になるにつれて、票の投じ方に悩んできますね。
36:たゆたう水面に映るのは
まだ読んでません。タイトルからなにか不穏さを感じますね。大丈夫ですか。胸キュンできますか?
読みます。
あい。不穏じゃなかった。ちゃんと胸キュンでした。めっちゃ胸キュンでした。こういう方法の胸キュンもありますか。
水面に映る顔つきや視線から、彼女の態度の変化や、好意への気付きといったものが胸キュンとしての提案です。
この気持ちわかります。とっても分かる。
私も風の噂で「◯◯さんが智子君のこと好きみたいだよ?」と聞かされたその日の放課後に告白をする位にはちょろい奴でした。
「相手が自分のこと好きかもしれない」と思った時の高揚感と、相手に対して見えてくる印象ってがらっと変わってしまうんですよね。
その二人の関係性を序盤に描写し、終盤においてその「変化」に気づく幼馴染のヒーローって奴です。
幼馴染強いですねぇ。皆、幼馴染大好きなんですね。智子も好きですよ。結構皆さん智子ですね。自分でも何申しているのかわかりません。皆さんも大体智子です。
37:とある女性の(非)日常
おおん!!
人間どうしようもない、感情の渦に巻き込まれた時ってニャンちゅうになりますよね。
ニャンちゅうをご存じない方はお許しくだせえ。
ヒロインの危機に颯爽と駆けつけるヒーロー(女性だけど)という、かなりアグレッシブな世界観の胸キュンでした。ヒーローが存在する世界観の現代ファンタジー作品であることを序盤に示し、主役級の活躍をするであろうヒーロー達の名前をそうそうに出して、次のイベントで会わせる。
順当な「ピンチを救い出すヒーロー(女性だけど)」としての提案ですね。
作者の方は百合好きですな。私がBLもGLも嗜んでいないタイプの読者であるので、最後の情報提示(百合属性の提示)がどのような効果を発揮するのか。はちょっとわかりかねますが。
他の作品でもあるんですが。「独自世界」による胸キュンを提案しようという作品結構ありますね。
どうしても字数の制限があるので、みんなが共有できる世界観でかっちり、シチュエーションで勝負してくるかと思っていたんですが。王道も王道。ヒロイックな活躍による胸キュンを提案された作品です。
私が今までにないジャンルで新たな挑戦を行おうとしている。として、全力で擬態している可能性はあるので。智子である可能性も拭えない作品です。だって、智子もヒーローものをかぶりつきで見てる子どもでした。次の時間帯に放送される「おジャ魔女どれみ」を見るためにテレビから離れたくない子どもでもあったんですがね。
続きを展開することを期待しやすいセットアップでした。
38:青春の始まり
智子のかわいそうな恋の実体験披露しますか?
「智子君は良い人なんだけどねぇ……友達から始めよう?」
と言われて、めちゃんこ友達が多い学生でした。友達から先に進むことはほとんどありませんでした。
そんな智子が心を慰めるために、アリもしなかった実体験をでっち上げてる可能性を考えて。智子は胸を痛めています。
智子が書いたとしたら、悲しい。
さて。
体験ベースにした小説作品であるということのようです。であるからこそ、フィクション的な過剰表現や、シチュエーションによる「胸キュン」を「現代学生もの」として寄せていったというわけですね。
まえがきとしてある部分の文体と、場面転換してからの文体にある程度の「差」があるので、当時の記憶や、感情を思い起こしながら書いているものなのでしょうか。それともムードの転調のために、描こうとしたのか。
プレゼントとともに。そして、女性の方からアグレッシブな返信。
本当に、そんな世界が現実に存在するんですか。もう、違う意味で智子の胸を締め付けています。
ああ。そういう胸キュンなんですね。
39:軽薄な公爵令息様に「絶対君を虜にしてみせるから」と甘やかされて困ってます
良いですね。良いですよ。
私はこの企画に参加するときに「どういった作品が跳ねるのか?」というのを考えていたんです。
「胸キュン」を約束しつつ「短編」としてのまとまりができた作品であること。
と予想していたんですが。実際のところ「胸キュン」というレギュレーションゆえに「セットアップ」と「胸キュン」シーンにとどまる作品が大半でした。
しかし、この作品はちゃんと「胸キュン」させつつ「短編」としてまとめてきました。
告白自体を結末とする。ラブロマンスと相性が良いというのもあるんでしょうね。
この方向性で作品を作ろう。とお考えってことは。智子と同じ考えで取り組んでいる方がいらっしゃったってことですかね。
ヒロインがヒーローを拒絶し続けていた。主人公が「パワーフォビア」的な要素があるのかもですね。それも一つのキャラクターとして作り込めそうでしたが。文字数が苦しいのもあって、ばっさり切ったんでしょうね。智子はわかりますよ。かなり絞った作品ですね。
だって、智子が書いたかもしれない作品だからですね。
全部読みました。
順位予想
どれにしましょうか。まだ考えます。
5/28 追記
いつまで悩んでも仕方ないし、次の原稿も待ってるので。サクッと投票先決めてしまいます。
いつもならば、投票先とは別に。
順位の予想まで含めるんですが。祭りの読者とは違って「シチュエーション」を表現できた作品の秀逸さだったり。刺さった性癖だったりが絡みあうので、予想はし辛いところがありますが。やってみます。
順位予想の検討
反応は良いだろうなぁ。という指標はある程度予想がつきます。
いいねボタン(応援ボタンっていうのかな)の数は随分影響がありそうですよね。
あくまでもこの「応援ボタン」は「ログインしているユーザー」によるもののみなので、企画を通して興味を持った方々が全員押しているわけではないと思うんですが。参考となりそうです。
5/28 23時時点での応援数を目視で確認してみました。これって、読者側で一覧で確認する方法ないんですかね。
こちらが。タイトル順です。応援数については、目視確認なので。ミスってても「智子間違えてら。げらげら」と見逃してやってください。
せっかく表計算のデータに落とし込んでるので、他の並べ方もしてみましょう。
応援数の数で並べ替えました。
書き出し祭りでも同じ様な傾向はいくらかあるんですが。会場内でも前半の方が読まれやすい。という傾向を感じています。私がカクヨムに詳しくないので、閲覧数とかも見えてこないところですが。
応援数20以上の作品は軒並み会場の前半に並んでいるようにも感じられます。
応援数27の『06:文化祭の最後に』は注目したいですよね。
位置取り的なバフもあるんですが。「未成年の主張」というある程度の年代の人々には深々と刺さる文化的体験をもって、読者たちを鷲掴みました。
39作品読んでましたが。やはり、この作品は印象が強かったですね。
告白のシチュエーションに関するものなので「学生のラブロマンス」って告白の時点がクライマックス。と言ってもおかしくない位に盛り上がるところです。
カップリングのわかりやすさ。後の展開(やっぱり、主張に行ってくるね!)という明快な結末は応援数にあらわれていると思います。
次に注目したいのは『04:ベーカリー・カタギリの昼下がり』です。
シンデレラストーリーであること。ドアマット形式の作品であるが。ヒロイン自身が淡白であり、恋愛に対して無自覚であること。など、キャラクターに課題を与えていて、彼女を包む環境によって、彼女が感情を取り戻していく。などの期待感をもって、作品を展開できました。更にはバチバチのドアマットというよりかは、ヒロインが強いタイプのドアマットなので。悲壮感を持たずにコミカルに胸キュンを楽しめるセットアップでした。
「シチュエーション+ナラティブ」の二つでもって、読者を広く掴み取れてきているんじゃないでしょうか。
他にドアマット形式の作品はあっただろうか。
そうだ。ドアマット形式と言えば『01:UNFIRST』も取り上げたいですね。
シンデレラ等からも分かるように。古今東西。「可愛そうなキャラクターが報われる話」というのは、コンテンツの消費者達が好む物語形式です。
可哀想は可愛い。とまで言うほどの考えがあるものでして。
そして、大事なことというのは。「後々の展開に対してのムードや読後感」がきっちり固まっている。というのは短編として、いい読後感を与えたと思います。
ハッピーエンドじゃないとだめ。とか、バッドエンドじゃないとだめ。とか。ここらへんは人それぞれの趣向であるため、あまり気にする必要はありません。
一番大事なのは。
1000文字から1500文字という文字数の中で「これはどういう作品ですよ」と説明できるほどの情報量を持って、提示すること。これで、適切に「性癖にストレート」を打ち込むことができるわけです。
そして、この作品は「性癖にストレート」を打ち込んできた作品でした。
みんな「卑しい熱」の話題好きなんですね……
何作か。取り上げてみましたが。応援の数については、やはり、位置のバフも強い感じはします。
後半の作品の中でも、前半の作品と構成や狙いが似通った作品は十分にあるからです。
この企画も当然のように「全部読む」という人の方が少ないと思うので、タイトルで興味を持てた作品。及び「人々の間で話題になった作品」というのが読者の方達の中で、浮き上がってくる気がしています。
というわけで、智子が予想する順位を次のように整理します。
1位予想:『06:文化祭の最後に』
話題にもなってましたし。明快さと、胸キュンに期待されるハッピーエンドの要素を提示していることは明らかなので。上にのぼってくるんじゃないでしょうかね。
2位予想:『04:ベーカリー・カタギリの昼下がり』
応援数は大きな参考にしていますが。正統派なドアマット形式の作品が少なかったので。ジャンル被りが薄いというのは影響しそうです。
3位予想:『39:軽薄な公爵令息様に「絶対君を虜にしてみせるから」と甘やかされて困ってます』
ログラインがはっきりしたタイトルであること。会場最後尾による位置のバフ等も加味し、短編としてのまとまりがあること。これらは「女性読者向け作品」の傾向としてあるものですよね。
短編で興味を引いたあとは、長編化への誘導といったならいが、なろう小説のランキングには存在しているので。そのムーブの一つだと思います。丁寧にまとまっていて、タイトルでも期待していた展開を約束できた一つの作品でした。
4位予想:『08:「ダンスは苦手?」と陛下は聞いた』
正直なところ1位から4位までさほど差はないように思います。3位と4位はタイトルでログラインが分かるもの。は一般的に読者の誘導が期待されますし、そのタイトルに期待した読後感の作品であれば。票がある程度見込めると予想したからです。
実はこのルールで考えた時に『12:女の子って大変ね ~恋愛ごっこの延長戦~』も考えたんですが。タイトルでログラインが示されているわけでもなくて、サブタイトルに多少の情報はあります。しかし、本文を読んでみないと主人公がどこのムードの世界観なのか。予想がつかない。といった部分では長文タイトルとしての、期待できる効果が他の作品ほど多くないのではないか? と予想して、除外しました。
予想順位は上記の通りです。
次は智子の投票先を決めましょう。
投票先のメモ
ああ。ある程度は決まってます。
おねショタに決まってるでしょ。年の差のある男女のカップリングで順位を決めたいですよね。
性癖なんだよ! いいじゃねえか!
読むものも。書くものも。この男は呪いがかかっているんですよ!
あなた達に分かるか!?
おねショタ民の危険性が!?
意気揚々と書き、掲載したら「ちょっと君の作品は世相に照らし合わせるとグレーだから。R-18に引っ越してくれ」となろう運営直々にメールを頂いた男の悲劇を知らないでしょう。
私は下手したら、一発で垢BANを受けかねない危険なアカウントなのです!
故にミッドナイトの民なのです。
脳内の西向くと、智子の会議により。
おねショタ含む年の差(一年や二年では満足しません。世間の評価が気になる位の年の差じゃないと味がしないんだ)のカップリング作品を並べてみました。
投票先選好の過程(おねショタないし年の差)
上から順に
『07:家庭教師のイケメン大学生に告白を。』
年齢によっては、智子好みのそれとして。カウントできそうだったんですが。イケメン大学生藤野の年齢が読み取れませんでした。
多浪生で三十路手前のイケメン大学生とかだったら、全力BETでした。
「ああ。いや、ほら。僕たち年の差があるし」といったように、困難を予想させる年の差が欲しかった。
ラーメンのトッピングに注文つける厄介な客じゃないですか。
『18:デートは定時退社の後で』
おねショタないし年上のパートナーの魅力というのは。加齢相応の余裕といった要素が絡むことが大変好ましい要素として、捉えています。
だけど。社会人になってしまうと。多少の年の差など障壁になってくれないんです。ヒーローの果敢な年の差ゆえの攻め口までを見たい。おねショタスキーは注文が細かいなぁ。
『20:ひいらぎの詩』
はい。優勝。一途な年の差。優勝。満点。
こういうおねショタを待っていた。ヒーローの一途にほだされる。一心不乱なヒーロー。年下ゆえのそれしか見えていない感じ。とても大事。
『29:草食系オオカミくん』
はい。この作品も優勝。三十路のお姉さんにフルアタック。いなせないお姉さん。
こういうのを待ってた。こういう作品をかける人が39人の参加者の中にいて、智子と西向くが抱えた「おねショタ」しか供給できない、摂取出来ない。そんな呪いを抱えた読者の救いです。
『31:いま思えばこれが僕のプロポーズだったのかもしれない……』
はい。この作品も優勝です。3つ目の優勝がきちゃいましたね。だけど、どうしましょう。選ばなきゃいけない。包容力のあるお姉さんとショタじゃないんです。しっかりもののショタと、余裕があるけど、ここぞという時に顔を赤らめてしまうお姉さんなんです。
おねショタの中にも、アドバンテージの取り方で、おねショタスキーの中にも派閥がありますからね。
お主はショタおね村の出身であるな?
ぶっ刺さったおねショタないし年の差は5作品中3作でした。
『20:ひいらぎの詩』
『29:草食系オオカミくん』
『31:いま思えばこれが僕のプロポーズだったのかもしれない……』
上位の1位から3位の候補は決まったので、4位を決めねばなりません。
実はもう一つ、智子には癖があります。
「子どもたちのコミュニティ内部における自尊心とか、大人への成長にかかる見栄であるとか」そういう「精神的な未熟さ」故に発生する対立や、葛藤が大好物なんですよね。
実はその点で見た時にそれに引っかかる作品が二つありました。
『12:女の子って大変ね ~恋愛ごっこの延長戦~』
『33:ペアガ』
の2作品です。
4位票を決めるために、かなり酷な決断をする必要があります。おねショタは落とせないので。どちらかを落とします。
よって、それぞれの作品について整理します。
『12:女の子って大変ね ~恋愛ごっこの延長戦~』
非常に秀逸な作品です。読んだ方々の他の方の感想も触れてみれば。おわかりかとは思いますが。小学校低学年なりの語彙や、感情の発露で、子どもなりにコミュニティでの立ち回りとか、そういったものを表現しようとしています。短編という文字数の中で、幼馴染との関係性や、ヒーローの立ち回り、それによって展開するストーリー。良かったです。さらにはタイトルとサブタイトルを仕込むことで、読者の獲得も意識している様に捉えることができました。
『33:ペアガ』
衝撃が走りました。年齢は違うんですが。小学校六年生ともなると。低学年とは語彙もムードも変わってくるんです。しかし、絶妙な空気感。少女の不安感。そして、後半に至るまでの感情の振れ幅が最高でした。
コミュニティに「自分のパートナーを紹介したい」という「俗っぽい」考えではあるんですが。それは皆が共有できる感情や体験の一つです。
それに幼馴染を誘う勇気。そして、その勇気にサクッと答えるヒーロー。胸キュン度合いで言うならば、こっちのほうが強めにアピールがありました。
12も33もそうなんですが。口癖とも言える形で、キャラクター達に文言を与えています。こういった細かい部分で智子に刺さる要素が複数被っていたので、かなり選ぶのに苦労しました。
とは言いますが。選びました。
1位票:『29:草食系オオカミくん』
はい。優勝です。おめでとうございます。語りが最高です。ヒロインが拒みつつもやっぱりこういうの好き。っていう、思想のコンフリクト(対立)を見せることができました。智子のための作品ですね。ありがとうございます。
2位票:『20:ひいらぎの詩』
残念! 準優勝です! だけど、もう。こういうのは好みだから。おねショタスキー内部での派閥の争いだから。気にしないで、気分的には同率1位よ!
3位票:『31:いま思えばこれが僕のプロポーズだったのかもしれない……』
お主はショタおね村の香りがする。ヒロインの方がアグレッシブではあるんですが。理路整然としたショタ。ショタおねの香りがする。故に三位となった。許されたし。
4位票:『33:ペアガ』
あなたの作品は十分である。完成度が高い。作品群の中におねショタがなかったならば、あなたは堂々の1位だ。
しかし、読者の性癖の前には小説の技巧や、理論など吹き飛ぶのです。あなたの小説は面白い。だけど、おねショタには叶わなかったんだ。4位票で満足されたし。
投票先のリンク
ちゃんと皆さん投票しましたか? 智子は頑張って選びましたよ!
終わりに
智子は投票をしたぞ!
めっちゃ悩んだ!
39作品もあると、選ぶの大変かなぁ。と思ってはいたんですが。じっくり選べば。ニッチな性癖であっても、満たしてくれる書き手や作品が見つかりました。
楽しい企画でした。
作者発表が楽しみですね。全作品、智子の作品の可能性があるんですが。さて、私の作品はどれでしょう? おわかりになった方は当ててみてください。
投票まで行き着いた皆さん。
お疲れ様でした。
投票してない皆さんもお励みください。
ご自身の性癖と見つめ合ってください。性癖もあなたを見つめています。
記事は以上です。
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