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第二十三回 #書き出し祭り の感想依頼受付及び感想の置き場所

表題の通りです。

 いつものように、表紙は月猫ゆめやさんの素材からです。乳のデカいお姉さんが好きな智子です。


挨拶(2024.12.21)

 皆さんこんばんは。智子です。いかがお過ごしでしょうか?
 智子は日々の警戒心も発揮して、どうにかこうにか。風邪を引くことなくこの日を迎える事ができました。
 小説を毎日書くのだ。とかつかつやっているんですが、風邪でも引いたら頓挫してしまいます。健康第一。

 今回の智子は「カクヨムコンの連載あるし……」と、遠くから眺めていたんですが。「でも、連載は基本的に暦通りでやってる」という風にスケジュールを眺めていました。



 あれこれ書いていましたら、年明けの日づけまでの更新分を書き終えました。

「あれ? 書き出し祭りちょくちょくなら、読めるんじゃね」

 となったので、記事を書き始めています。智子はちょろい奴です。

書き出し祭りとは

 そもそも書き出し祭りとはなにか。というと、私がご説明申し上げるよりも。主催のご案内をみた方が早いと思いますのでリンクを。

第23回書き出し祭り 企画概要|肥前文俊 企画用アカウントの活動報告

【企画主旨】
小説の書き出しは、とても大切なものです。

物語の掴みでもあり、読者を引き込む最初の一手でもある書き出しの重要性を学び、みなさまの今後の創作に活かしていただくことを目的としているのが当企画です。

多くの方に企画が広まり、読まれ、多角的な評価が生じることが企画の助けになります。

第23回書き出し祭り 企画概要|肥前文俊 企画用アカウントの活動報告

 企画概要の「多角的な評価」という言葉を胸に。
 色々と感想を述べてみようと思います。

感想の残し方

 今回は書き出し祭りの感想の残し方は変えます。

1:タイトルで興味を持てる作品をピックアップ。
2:1の作品から、あらすじを読み、興味を持てた作品をピックアップ。
3:2の作品から本文を読む。
4:暫定的に投票先を決定(まだ投票はしません)。ここで記事にメモしておきます。

 私は「勉強にもなるし」ということで、全部読むようにしているんですが。それをすると「全部読んでみた中での投票の選好」が発生してしまいます。

 というわけで今回は「書き出し祭りの趣旨の通り」に投票選好を行おう。としています。

 非常にシビアではあるんですが。本屋に100冊の本が棚に陳列されてる。という状況で平等に選考するとしたら。そういう部分になるんかなぁ。とか思ったりもしています。擬似的にそれを再現しようとしています。

 智子の作品の性質とか。智子が描こうとしているものをある程度ご存知の方であれば、おわかりかとは思うんですが。

 タイトルから「おねショタ感」があれば、おそらく一本釣りのように引き上げられると思います。後はそうだな。外的な課題と内的な課題を内包したドラマ性のある作品が好みですが。それを予感させてくれるタイトルってどうなんでしょうね。私はよくわからんので、そういう力のあるタイトルないかなぁ。と期待しています。

5:感想依頼を受けている作品を読みます(感想依頼無かったら、ここで智子の書き出し祭りは終了です……)。
6:記事に感想を残します。
7:期間的に余裕があれば、他の作品まで触れてそれをもとに。投票先を決定します。

★感想依頼のフォーム

 マシュマロでやってます。結構センシティブなワードを除外したりするので、作品が特定できるように。上手いこと送ってください。

1)会場名とタイトル
2)感想の際に何かしらの注目して読んで欲しい部分などあれば、明記してください。ないならないで、いいですが。あると智子は助かります。

感想の内容について


・初見読書配信

 22回のときにお試しで。「初見読書配信」をしていました。
 これは結構書き手としても、参考にしやすい要素はあるんじゃないかな。とは思っていて、今回も感想依頼がある作品については導入してみます。
 感想をその場で述べるというよりかは「第一印象として、どこで読みが詰まったか。面白みがあったか」というのを掴みやすい感想の残し方と思っています。

・ファースト10の確認

主人公   :その作品の主人公はだれであるのか?
主人公の能力:主人公はどのような能力や特性をもって、課題に対応するのか?
世界観   :その作品のジャンルやムードを確定できる情報はあったか?
異変・事件 :物語が動き出すためのトラブルは確認できたか?
問題・課題 :異変や事件をきっかけとし、物語全体のテーマや。主人公が乗り越えるべき課題などは示されているか?
決意・覚悟 :上記の異変や事件に対して、主人公が決意や覚悟等を示せたか?
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):世界観とも類似する要素であるが。作品をどのように楽しむのか? それを読者に提示できたか?

 感想を書くうえで、上の要素を順にチェックしてみます。これは、システマティックに作品をチェックする方法です。どちらかというと「エンタメ作品に特化した」チェック方法だとは思うので。実際、馴染みづらい作品もあるとは思います。

 上記の情報を「うめる」ことで、読者の期待感を煽ることができる。とは感じているんですが。「連載に落とし込む」ときに、苦労している所はあります。なので、これも良し悪しかなぁ、なんて思いながら活用しているところです。

・作品全体への感想

 面白かったなら。面白かった理由を。面白みを感じ取る事ができなかったならば、感じ取ることができなかった理由を考えてみます。
 基本的には「智子の素振り。トレーニング。見取り稽古」みたいなものなので「智子の栄養になってやるよ」という優しい方はもりもり感想依頼を出してくださると、智子が助かります。


第二十三回 書き出し祭り 第一会場 感想

タイトル初見選好

 タイトルからね。おねショタっぽさを予想できる作品はどれですかね。こじつけにちかい。希望みたいな所あります。

1-01 最凶魔王の弟子になりまして
 弟子って聞くだけで。ショタ味を感じる。クリックしてみるタイトルですね。

1-02 淫魔の子を身ごもりました
 物語の起点がどこになるかですが。子がショタであれば、色々と広がります。クリックしてみるでしょう。

1-07 きっと月の子供たち
 ショタはいるでしょ。そこにお姉さんもいるでしょ。クリックですね。

1-20 敵は本能寺に、あり?
 絶対に、おねショタではないんでしょうけど。歴史ギャグかなぁ。とちょっと期待しました。自信ないんかなぁ。ちょっと気になるので。クリック対象。

1-23 幼馴染みしか勝たん!~いつしか疎遠になった僕と彼女は、異世界で絆を育む~
 幼馴染のおねショタの可能性を感じています。

あらすじ初見選好

1-01 最凶魔王の弟子になりまして

魔王大陸に暮らす魔族の小学四年生サルマン・ベイローレルは、身体能力測定でとんでもない魔力量を叩き出し、年老いた魔王から城に呼び出された。

あらすじ

 ほらきた。智子のショタセンサーすごない?

 おねショタを約束はしませんが。ショタが主人公であるということは、おねも期待してしまいます。本文チェックする作品ですね。

1-02 淫魔の子を身ごもりました
 母体の方が主役っぽいですね。私がおねショタを好む理由っていうのが。「おね」がショタに見せる執着とか。の部分が結構求める要素だったりするので。関係性的には「母子」のそれも好むところではあるんですがな。おねショタではないかもです。

1-07 きっと月の子供たち

 15才の相崎ツトムは、体外受精で出生したごく一般的な少年だった。五体満足、気力充実。頭もいい。でも行政府が割り当てた里親とはうまくいかず、何度も里親の変更を届け出て、二度親を変更していた。

あらすじ

 15才はショタであるか? という審議がまちまち起きるんですが。知り合いは「15はショタだろ」と豪語する方もおるので、ショタです。
 智子の性癖をご存知のかたであれば、智子が似たような作品を書いていたりすることご存知でしょう。
 私の場合は「父に会いに行く」ではなくて「僕をニコニコ笑顔で捨てた母親に会いに行く」というSFではあるんですが。
 自分を追求していく作品ですね。
 テーマは似通っているので、興味を持って読めそうです。

1-20 敵は本能寺に、あり?
 おねショタではないですが。少年少女が大活躍。歴史エンタメ。個人的に好きなので。興味を持っていました。幼馴染の女の子の名前を伏せているのが気になりますね。何かの隠し要素のようにも思っています。

1-23 幼馴染みしか勝たん!~いつしか疎遠になった僕と彼女は、異世界で絆を育む~
 1-20への興味からわかるように。幼馴染ネタ好きです。しかし! 情報量が少ない。少ないぞぉ。主人公たちの年齢次第で、ショタ感を期待できるかできないか。だけど、特別に記載がないということは。第二次性徴を迎え始めたキャラクターなのだと予想しました。

暫定投票先

1位票:1-01 最凶魔王の弟子になりまして
 だって、おねショタだもん。舞台装置がおねショタハーレムだもん。

2位票:1-07 きっと月の子供たち
 米原さんがおねだもん。舞台装置がおねショタなんだよ! パターナリズム的な価値観の話に集約しそうですが。「成長を期待できる主人公」としての情報提示が鮮やかでした。

3位票:1-23 幼馴染みしか勝たん!~いつしか疎遠になった僕と彼女は、異世界で絆を育む~
 ハードル高めに設定している要素が好ましい部分でした。中学生はショタですよ。あと、主人公が完全な善性ではないところも結構きますね。内的な課題もりもり。

投票先の記録(1/11 明朝)



以下、感想依頼分(感想書いたものは★マーク)

1-01 最凶魔王の弟子になりまして

タイトル感想

 魔王という言葉からファンタジー作品としての期待が持てます。弟子という言葉から「ショタじゃろ」という願いに満ちた期待をしていました。
 弟子という言葉から「成長を約束したキャラクター」です。

あらすじ感想

 舞台装置となる世界の概略が示されたあらすじです。最後の部分には「侵攻してくる勇者たちと対峙する」ために物語が展開することが示されています。

本文感想

主人公   :僕による一人称作品(サルマン・ベイローレル)
主人公の能力:魔力量が多い
世界観   :転生者の存在等が認知される。異世界ファンタジー。敵対者の勇者の描かれ方が「コミカル」なので、エンタメ色の強い作品です。
異変・事件 :魔王様のお呼びがかかる
問題・課題 :女をもとめて戦いに参ずる勇者
決意・覚悟 :不明(勇者を阻むために戦うことになるのは想像がつく。主人公は受け身
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):主人公のポテンシャルを示すことはできたけども、主人公がどの様に活躍するのか。等はまだ示されていない。魅力的な世界観を提示するにとどまった。二話目以降で「楽しみ方」が約束されると予想しました。

 面白かったです。小学4年生のショタ。それだけで、飛びつくタイプの智子です。更には、母親の情報提示だったり、美人の嫁の提示など。それとなく「おねショタハーレムやっぞ!」というアピールに智子はノリノリです。

 しかし。

 ナラティブはまだはっきりしない領域ではあります。「魔力量が大人と比較して高い」という高いポテンシャルをどの様に提示するのか。という部分まであれば「楽しみ方」がはっきりしたかもしれません。

 だけど、この点はさほど「悪い影響」を与えないと思っていて。主人公が何かしらの特殊な能力を持っていて、その能力によって物語が打開されていく。という期待感事態は損なわれるものではないからです。

 主人公の活躍よりも、舞台装置の提示に字数を割いたことは「勇者という脅威(女性を求めている)」と「僕が守りたい女性たち」という関係性を強く明示したように思います。

「女性を守るために戦う」

 というわかりやすい構図は「読者への期待感」にも通じやすい要素ですよね。しかも戦うのが「10才の少年」という部分です。これから10年かけて20才の青年になるところまで描かれることになるんでしょうかね。

 面白かったです。タイトルから「これはおねショタの香りがする」と自分でそれを見抜いた智子のセンサーに驚いた一作目でした。

 感想は以上です。

1-02 淫魔の子を身ごもりました

タイトル感想
 なんかエッチィ! 淫魔の子を身ごもる。というので、ストレートに「女性が主人公なのかな」とは思ったんですが。うがった目で「サキュバスによって男性が身ごもる話」みたいなファンタジーもちらっと考えていました。

あらすじ感想

 女性向けのラブロマンスの作品としてある。不遇な環境にヒロイン。いわゆるドアマット系のヒロインのような情報提示のあらすじでした。
 父親のわからぬ子。という部分から「不貞行為」というものか。メロドラマチックな印象をもったあらすじです。
 淫魔の子とあるので、ファンタジー的なものかなぁ。くらいに予想しています。母体となるヒロイン主体のものにも見えます。たしか、このあらすじを読んだときに「智子の考えるおねショタやママショタとは違うな」という判断をした覚えがあります。

本文感想

主人公   :私の一人称(ルシエーラ)
主人公の能力:不明(指輪がなにか関係ありそうですけどねぇ)
世界観   :女性向けのラブロマンスの作品。ラブロマンスの王道的な「勘違いによるすれ違い」を起点とした作品。
異変・事件 :夢の逢瀬(えっちなことしたんだろ!?)
問題・課題 :不明(従妹の来襲とかもあるように、母子共に危機を乗り越える!)
決意・覚悟 :子どもを産むぞ!!!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):なにか事情があって、デレデレできないヒーローと。自罰的な感情に支配されたヒロインがなんかいろいろあって、お互いの誤解をほどいてくっつく話し!! という風に捉えました。

 面白かったです。

「愛している」
 私は……愛されたかった。

本文の書き出しより

 初見感想でも触れていましたが。一文目から主人公の願望に関わる言及があることは良い書き出しだと思っています。

 直球の願いから始まれば「この作品は愛」に関する物語である。ことは明白であり「愛されること」を願っている主人公を取り巻く物語だと強く期待しています。

 この作品は「主人公の自罰感情」に関する話題がちらほらありましたよね。

 こんなに卑しい思いを抱えているから、きっと私は誰にも好かれないのだろう。だけど……。

本文より

 卑しい思いとか。淫魔とのあれそれとか。貞操に関しての厳しさを内包したキャラクターであること。等が繰り返し強調されています。

 これって、外面的にみるならば。
 物語の中で「愛されていないヒロインが愛されるようになる」と予想するんですが。

 実はこの作品ってそういうタイプじゃないように思っていて。

 一人称視点の「私」の物語であって。私の心情や受け取り方の変化によって「私」に向けられる愛情を受け止めることができる様になる。

 といった「ヒロインの内的な変化」による、イベントの変化を期待できる作品だと思っています。

 夢の中の淫魔と。婚約者は何かしらの同一性のあるキャラクターであることを示唆する描写。

 そして「ヒーローが拒絶されてショックを受けている描写」等。

 ストレスを感じている。愛に対して受け止めることができていないヒロイン。という「課題を抱えたヒロイン」及び「愛を捧げても受け入れてもらえないヒーロー」というもどかしさ。を楽しむ作品です。

「精神的な変化」に期待できる物語っていうのは、個人的にはどんぴしゃ好みの作品だったりします。課題が明白(主人公の愛の受け取り方が故障してる)というのは、読者の興味を強く惹きつけます。

2)続きが気になるような”引き”が出来ているかのご感想も頂けますと、幸いです。

感想依頼文より

 引きは十分だと思います。従妹が「ヘイト」をもたせた存在として描かれているので、従妹からの接触というのは次のイベントを迫るものとして、十分な要素があると思っています。

 従妹はどうして、妊娠を知ったんでしょうかね。医者がおしゃべりなのか。それとも、従妹がなにかのキーメイカーなのか。
 個人的には興味を持てる情報量だったと思いました。

 感想は以上です。


1-03 さよなら、北極星の花唄(うた)

タイトル感想

 良い点よりも改善点を知りたいので、可能な限り辛口批評をお願いします。

感想依頼より

 難しい相談しますね? どうしたもんか。太刀打ちできるでしょうかね。だけど、あれです。なんとか。いちゃもん付けてみましょう!

 花唄(はなうた)なのか。花唄(うた)なのか。どっちなんやろ。と思いながら読んでました。

 うた。という振り仮名に引っ張られてしまったので、この作品のジャンルを考えていくことは頭から抜けました。(うた)というタイトルからわかるように「音楽に関するもの」であることは想像がつくものだと予想します。

 鼻歌と花唄をかけてるんでしょうかね。

あらすじ感想

「──ねぇ。私、今度は何かを遺してゆけたかな」

あらすじより

 今度は。という文言から。死に戻りのループもの。とかをちょっと連想しました。

生き甲斐を失い、いまにも朽ちそうな生活を送るギター・ヤヨイのもとに、死んだはずのボーカル・エミが突然戻ってきた。一ヶ月後の大晦日までの命であることを明かしたエミは、メンバーを集めて再始動を宣言。年越し野外ライブへの出演を目指し、【ポラリス】は息を吹き返す。

あらすじより

 あらすじは何でもそうですが。「情報への補足」を入れずに、動きだけを示す。この方法は効果があるように思います。

 死んだはずのボーカルが「生き返る」というファンタジー的な導入です。
 現代ファタンジーではあるんでしょうが。ライト文芸に近いものじゃないか。とは思っています。

なぜエミは命を絶ち、そして戻ってきたのか。

あらすじより

 あらすじに「セントラルクエスチョン」が明確なので、読者の興味の軸を一本立ててくれてます。

 あらすじまで読んで「作品の楽しみ方」が明確なのは強いです。

持てる全てを歌に懸けた五人の、ひと冬の奔走の物語。

あらすじより

 五人って明示しているので主人公格の存在は複数人存在していることを期待しています。オムニバス形式って奴ですかね。ポラリスというバンドを起点に、それぞれのキャラクターまでタッチできる書き出しが期待されるアオリ文だと思っています。

本文感想

主人公   :あたしの一人称(ヤヨイ)
主人公の能力:不明(五人組の中でどのような力を発揮しているのか不明)
世界観   :ライト文芸のターゲットの作品でしょうかね。配信ではブルーライト文芸とか意識してましたが。別段「田舎」とか、ヒロインが消える(いや、消えるのか)とかの、印象とは若干違うようにも感じてはいます。
異変・事件 :ボーカルの復活!(神様のはからいですよ!)
問題・課題 :年越しライブを行うまでの諸々の障壁!
決意・覚悟 :年越しライブやっぞ!!!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):具体的には不明。まだ良くわからん所はあります。ファンタジーと現実の領域のなかで、提示されている「障壁」の難易度が見えてこないからかも。だけど「クライマックスの年越しライブ」という目標地点があるので。なんかエモい感じになるんやろ! という、強い印象はあります。

 さて。

 良い点よりも改善点を知りたいので、可能な限り辛口批評をお願いします。

依頼文より

 二回引用しましたよ。これ難しい相談なんですよね。実際のところ。的外れかもしれない部分はあるので。眉唾と思って聞いていただければとは思います。

 改善点とはどうみるか? っていう話なんですけど。

 基本的に「誰かの好きは誰かの嫌い」っていう所はありまして。

 こういった感想のときに。読者の好悪の領域の話とかなら、あんまり気にする必要はないです。
 好きなものを好きなように書く。とそのジャンルが好きな人達が集まってくる様になってるもんです。

 なので「改善点」という観点で考えるならば。「長所をもっと太く、もっと鋭く」という方が「そのジャンルのターゲットに深々と刺さる」と考えます。

 そういった部分から仕方なく「御作の良い点」を触れていく必要があります。ご趣意に添えない部分もあるかもしれませんが。良い点を触れさせてくださいよ。

 御作の良い点

・矛盾を内包したキャラクターが存在している
 ボーカルのエミは、とても危ういキャラクターです。バンドのすべての要になるようなキーキャラクター(彼女の不在がみんなを別れさせる。彼女の復活でみんなが集まる)でした。彼女が自殺をしたという事実は、主人公たちに深い影を落としています。彼女の存在自体が、主人公達の痛みを思い出させる理由の一つにもなるでしょう。本文の中ではそれを意識させる描写を繰り返すほどの強調はあまりみられませんでした。
 彼女が「自殺した理由」に向き合っていくことは、作品中のエモーショナルな導線に強い影響を与える「爆弾のようなキャラクター」です。この危うさは魅力です。魅力ですが、その「危うさ」に関して悪い効果を発揮しかねないなぁ。とも思った部分はあります。

・エピソードに期待されるボリューム
 バンドメンバー含めた五人ということは。それぞれのキャラクターに「年越しライブ」に向けた「向き合うべき課題」という要素が整理されていくことを期待しています。
・ギターのヤヨイ
・ボーカルのエミ(この人が死者蘇生!)
・ベースのコージ
・キーボードのスズカ
・ドラムスのじんべい
 五人並んでいますが。五人がどのような葛藤を示すのか。という部分の情報があまり見えてこないので「なんか、エモーショナルな感じになるんやろ!?」みたいなふわっと感にとどまっています。

 しかし、多感な時期の学生さんでしょ? エミの自殺に残りの4人がノータッチってありうる? と思うと、一筋縄ではいかんのでは? とかも結構邪推しています。
 この邪推の部分が「作品全体のムード」を左右しかねない要素はあるな。と思っています。

 上記の二点が「良い点」であるし。
 あえて、改善点とか言うならば。
 それをもっと尖らせる。ないし、方向性を強調して提示する。とかになるのかなぁ。とか思ったりしています。

「自殺」というテーマを扱うことになるので。
 非常に「センシティブ」な葛藤を期待はできます。
 しかし、その期待(重いテーマ)に関するものを「ボーカルのエミ」の振る舞いから「不穏さ」を感じ取ることができません。

 彼女は自殺の理由を「覚えてない」と明言しています。

「なんで、死んじゃったんですか」
「私も覚えてないんだよね」
「覚えてないなんて──」
「本当だよー。だから今も成仏できてないの。未練がたくさんあるから」

本文より引用

 すごく矛盾したやり取りではあるんですよね。
 死んだ理由を覚えていない。と明言しているのに「未練がある」とも説明しています。となれば、彼女は「覚えているのに答えていない」可能性も十分ありますし。物語上の「センシティブ」なテーマに訴求するのであれば、このやり取りに注目して「ボーカルのエミ」の不穏さをアピールすることで。五人の関係性に緊張感を与えること。等も可能だったようにも思います。

 しかし。その強調をしていない。ということから。いろいろと考えたんですが。

 文字数に泣いた可能性がありそうです。
 本当はもっと、五人の関係性に関して、不穏さを追求したり、それぞれのキャラクターの課題のフックとなる部分を用意していたのではないか。とも思っています。
 実際、自殺に関しての言及や、現場の話などもありました。
 ここに言及しているので「不穏さ」や「危うさ」について、智子が気にしている部分もあります。

 この塩梅を「智子的にはもっと明確に誘導されてると安心感がある」というイメージですかね。

 じゃあ、どうやって強調するねん。と言われると。あれですわ。

 ざっくりと、エピソードの順番を変えてみるとかになるんかなぁ。

 基本的に物語の動きって「日常の世界と特別な世界を行ったり来たり」するものでして。「特別な世界もやがて日常の世界」となっていくんですね。

 その点で、見たとき彼らの物語ってここ最近めちゃんこ動いているんですね。

1:1ヶ月半前の日常の世界「ボーカルのエミが生きていた時期」
2:ボーカルのエミが自殺
3:ボーカルのエミがいなくなった「特別な世界」

 1ヶ月半の時間経過

4:ボーカルのエミがいなくなった「日常の世界」
5:死んだはずのボーカルのエミが「復活した特別な世界」

 書き出し祭りで記載のある部分は4と5の部分。エミが復活する。というアクションが描かれています。その復活を描くためには「エミがいなくなった日常の世界」を描き出す。という描写から開始しています。

 4にかかる部分は1000文字程度の文量であるため。もっと圧縮して、後半の不穏さに投げる。とかになりそうな気がしないでもないです。
 しかし。
 エミが登場することでヤヨイは「前向きな」期待を示すキャラクターです。この部分は「強めに強調」して描かれています。この一ヶ月の時限的なエミの復活によってヤヨイが「立ち直る」ための物語。癒やしの物語であることは明白なんです。彼女が「成長点」である書き方でもあります。

 しかし、ヤヨイと同じ格を持っているであろう他のキャラクター達もいます。それぞれのキャラクターのエピソードが「同じムード」を共有できるならこの方法でもいいのかもですが。
 それぞれのキャラクターで「違うムード」の課題を提示した場合、視点が変わったときに「読者の期待感」を維持することが難しいかもしれないなぁ。とは思っています。

 邪推している部分ですが。

 例えばですよ? ヤヨイはエミの自殺にノータッチではあるが。
 他の三人はエミの自殺に「心当たりがある」等の情報の非対称性が存在することによって「ヤヨイにとってはエミの復活は朗報」であるのに「誰かにとっては喜ばしいことではない」等のエピソードが差し込まれると。
 書き出しのムードからはそぐわない展開になりかねないので。その非対称性を活用したエピソードを展開する予定があるなら、不穏さを撒いておく。
 
といった部分が一応、思いつく改善点でしょうか。

 いや、これは改善点といってよろしいんでしょうかね。逆にあっと驚かせるための要素として「秘している」場合だったり「全員ハッピーエンドに行くぜ!」というムードなら、このままでベストな作品だったと思います。

 智子なりに邪推しながら、推測に推測を重ねての部分で色々コメントを残してみました。
 実際大事なのは。感想の数をたくさん求めて、読者の皆さんの期待される展開とか。どういうものをイメージされたか。というのをたくさんサンプル集めてみてください。参考になる感想がどっかで見つかるとは思います。

 感想は以上です。

1-04 君が望む嘘を1つだけ叶えよう


タイトル感想

 ドラゴンボールで言うところの神龍とか。ランプの魔人みたいなものかなぁ。とか予想しています。だって、嘘を叶えるんですからね。何かしらのファンタジー的な奴だと思っています。

あらすじ感想

 何かしら。能力のルールを示しています。ルールが示されると「ゲーム性のあるもの」を期待しました。ゲームメーカーみたいな。何かしら密室に人を閉じ込めて「今からデスゲームしてもらいます」みたいな奴だと思いました。

本文感想

主人公   :僕
主人公の能力:嘘を叶える。という能力。
世界観   :チートが存在する世界観。エンタメ小説としてのそれ。
異変・事件 :不明(僕のバックストーリーはあるだろうが。メインではない気がする)
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):嘘が叶う。という「各キャラクターのエピソード」を楽しんでいくもの。基本的に「短編連作」としての期待感がある作品です。しかし、各エピソード毎のムードはあまり掴み取れていません。教訓話なのか。スターダムを駆け上がるような夢物語なのか。どっちなんでしょうね。

ファースト10に馴染まないちょっと変わった構成をしていますがそれについてどう思われたかもお聞かせください。

感想依頼文より

 かなり挑戦的な構成ですよね。私が今まで考えていたアプローチとは違う方法ですよね。

 ファイルNo.10までを示しているということが「手数、弾数」を示してくれてます。

 そして、それらの文言は「最悪」という「マイナスな感情」から始まっています。更には、それらの文言やキャラクターの名前を見るに「女性キャラクター」であるように思います。

 私の祖父の名前は「清美」であるため。一瞬「男キャラいるじゃん!」って思ってしまいました。

 キャラクターの書き分けであったり、エピソードごとにキャラクターのバックボーンが変わるなど。多彩な部分を期待感としても持っています。

 個人的にはですが。

『ファイルNo.10 長柄 加奈子』 がめっちゃ気になってます。この虚言癖の物語は見てみたい。

 こういったアプローチ方法はあんまりみたことないですが。面白そうです。連載物として「プロローグ」の部分で興味をもったら「目次の中にファイルNo.10ないかな」って探してると思います。これは斬新ですが。面白い。

 しかし。難しいのは「各エピソード」に期待できる「感情」がまだ見えてこないです。おそらく「教訓話」に近いんかもなぁ。とは思っています。この方法がどういう結果になるか。投票結果気になる作品ではあります。

 これは余談ですが。

 智子が感想でよく採用している「ファースト10」についてですが、連載に当て込もうとしたとき、結構苦しいシーンも多くて。
 ファースト10がうまってなくても「面白さや期待」を整理できるなら、あんまり気にしなくても良いんじゃなかいな。とは感じ始めています。

「読者がどう楽しむのか」が明確であればよいんかも。その点で考えたらこの作品は「手数、弾数」がたくさん揃った短編連作である。ということを「期待させた」段階で、訴求としては十分な作品だと思っています。

 感想は以上です。

1-06 たのしい カードゲーム

タイトル感想

 カードゲームとあるので。卓上遊戯としてのそれを思い浮かべます。たのしい。と漢字ではなくてひらがなで書いているというのも、柔らかい印象がありますね。

あらすじ感想

「 」かぎかっこ『 』にじゅうかぎかっこが並んでいるので。主要な登場人物が二人いる。というのは理解できました。さらには、カードゲームの面白さを探求しようというあらすじのようにも思いました。


本文感想

主人公   :ケイスケ(三人称神視点)
主人公の能力:ゲームの作成の能力
世界観   :未来SFの作品
異変・事件 :異星人からの侵略
問題・課題 :お互いの認識をすり合わせながらゲームを作っていく
決意・覚悟 :賭けに勝つこと。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ゲームメイクを通して、地球人の存亡にかかる賭けの戦い(戦いというほど、バチバチのものではない。スローなムード)を眺める。

 物語の語り口自体が、三人称神視点であるため。それぞれのキャラクターを「外面的に眺めている」部分が強く。ケイスケの物語というよりかは、ゲームメイクに至るまでの動きや。ゲームメイクに関する認識のすり合わせに重きを置いている。ことは読み取れます。

本作、今後作品内でオリジナルのカードゲームを作成してゆく事になる予定です。 1話の流れからその流れまで向かう際に、不純物がストーリー内にあるかどうかが気になっております。

感想依頼文

 カードゲーム作成云々の部分は、本文を読めば十分に汲み取れるものです。一話の展開からカードゲーム作成に至るまでの動きに「ストレス」があるかいなか。というと、さほど感じはしなかったように思います。

 アプローチの仕方にはなるんでしょうが。

 タイトルやあらすじのムードから期待していた「もっと柔らかいタッチ」のものとはイメージが違ったのは驚くところでしたね。

 もっと、対象年齢をぐっと下げた物語をイメージしていたので、SFの要素を交えての「ゲームメイク」を物語の筋に置いてるのは、少々予想の修正を求められた感じはあります。

 しかし、御作は「カードゲームをいちから作り込んでいく」という物語の軸を示すために「ケイスケ」と「ゲイル」の表現を「外面的」な要素にとどめている所はあるように感じます。

 ケイスケがどのような思惑で、ゲイルの下にやってきて、ゲイルと交渉をしているのかは「彼の口」から語られるのみです。

 物語を強く期待して、読みに来ている人は「ケイスケ」の思惑であるとか。期待できる成長の要素であるとか。言うものを読み取りたいと願うところですが。おそらく、この作品は「カードゲームを一から作り込んでいく」ということを「読者と一緒に楽しみましょう」という狙いなので。

 ゲイルと同じくらいの情報量で、カードゲームメイクを眺めていって欲しいのではないか。と感じています。

 狙いとして読者の気持ちを「カードゲームに詳しくないゲイル」と同じ気持ちに寄せようとしているのならば、成功しています。

 この試みの掴み方というのは、未知数の方法ではあります。しかし、方向性(楽しみ方)は見えたので、ナラティブは示せてる。という作品なんです。

 結果が気になる。注目したい作品の一つではあります。

 感想は以上です。

1-07 きっと月の子供たち

タイトル感想

 ショタっぽいというのは感じています。月とあるので、SFが絡むんじゃないか。とも考えていました。

あらすじ感想

 SFであること。主人公の年齢が明記されていて、パターナリズム的な思想。管理する思想等との対立と、物語上の設定が明らかである情報量でした。

本文感想

主人公   :ぼく(キャラクター視点)
主人公の能力:同年齢の他の子たちにくらべて非常に精神的にも安定しているし、頭脳も明晰。健康状態だっていい。
世界観   :SF世界
異変・事件 :米原リコとの面談。願いの認識。
問題・課題 :不明(外的な課題とされる要素が見えてこない)
決意・覚悟 :ぼくはじゆうになりたい。という願いを示した。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ぼくの「精神的な成長」と「物語の展開」が同じ方向を向いて、展開を楽しむもの。精神的な安定と精神的な不安定を楽しむ要素が強い。読者は選ぶ気がします。

 面白かったです。好みの作品です。というのも、智子が似たようなテーマの作品をこすっているというのも、傾斜配点として影響が強いです。

 しかし。

 物語上の「今後のログライン」に関しては、余り見えてこないので。
「万人に広く受ける」タイプの作品ではないと思っています。
 私のように「主人公の内的な成長」に強い期待を示すタイプの読者層に向けた作品です。
 悲しいことに、そういった作品は「さほど」票は得られない傾向はあるんですが。これはもうそういうもんだと受け入れるしかありません。私は好きです。

 外的な課題等を言及するならば「月の切符」を手に入れることにたくさんのお金がいるとか。
 誰かほかの大人たち数名の承認がいるとか。次の舞台への「ハードル」等の提示があれば、露骨ではあるんですが。
「次の話への引き」として発生したようにも思います。

 おそらくこの作品は多くの魅力を内包しているでしょう。自由を欲しがる少年が、安全に管理された社会に飛び出して、どんな人達と出会って、彼は精神的な安定を手に入れることになるのか。

 邪推ではあるんですが。

 彼は一話目でちゃんと大きな欠点とされるものを示せているように思います。

「グループホームやシェアハウスはだめです。グループホームにいれば年下の面倒を看させられるし、シェアハウスの同居人候補はばかすぎて相手にならない

本文より引用

 彼はこの「個人主義的」な思想を内包していて、それが問題ではないと考えています。この要素によって、彼は「何かしらの試練」に立ち向かう必要があったり、問題を引き起こすことになるのでしょう。

 その中で、今後彼がどの様に成長していくのかの方向性がふわっと予想できたというのも、この作品への印象が良かった要素です。

 感想は以上です。


1-09 胎動

タイトル感想
 変化球のおねショタがあるんか。とも思ったんですが。さすがに「胎児はおねショタではなかろう」と予想しました。胎動という文言が「おめでた」なはずなんですけどね。その神秘性とかも含めると「物騒なホラー」の色味がありますよね。

あらすじ感想
 やっぱり。ちょっと物騒な感じありますね。あらすじで「探偵事務所」とあるので、「おお。ミステリーなんや!」という驚きもありました。この「呪い殺される」という部分から「ホラーなんかな?」というジャンルが行きつ戻りつしている感じです。

本文感想

主人公   :私の一人称(永入眞子)
主人公の能力:不明(文書作成能力がある。助手としてどのような働きかはまだわかりません)
世界観   :探偵を交えたバディ物? 三芳の性別が不詳。呪いの話題等から「ホラーテイスト」な導入。文字起こし等も「ホラー的」文脈がありそうです。
異変・事件 :不可解な死についての依頼
問題・課題 :不明(呪いに迫るうえでの危険性はまだ見えてこない)
決意・覚悟 :不明(解決に対して消極的なようには思います)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):外面的にはいくらかあるとは思うんですが。お調子者めいた三芳の態度から来るバディ物としての期待感。文字起こし等があるように「ホラー的」な導入であったり。と間口が広いイメージです。

 多分ですが。
 この作品は何かしらのギミックがあるんじゃないかなぁ。とか思いながら、深読みはしてる所はありまして。
 アプリに記録されている「日記」という話題も考えると「カタカナ」になっているのは、なにか意味があるとは思うんですが。答え合わせしたいなぁ。

 ストーリー上だけの動きを見ていれば、上のファースト10としての要素はイメージつくんですよね。さらには「不妊治療に悩んでいる」という主人公の記載等も考えると「ドラマ性」の発揮をイメージできるし、誘導も感じます。

 感じますが。あまりにも「アプリの日記」の物騒さがインパクトが強いです。

■9週目
 みて 大きくなってるの!
 心臓がウゴいていることも確認できたよ! うれしい
 これで信じてくれる?
 かち かち 点滅したちいさな小さないのちのはじまり
 ようやく ようやくやく やく うごいてくれた
 
 これで大丈夫です 何も心配はいりません

本文末尾

 6週目、7週目、9週目の記録がですね。文体が違うように見えて。これは意図的なのか。しかもその文体が「手記の記録者」である「永入眞子」っぽさがあって、ちょっと不穏さを勝手に感じています。

 9週目に至っては。一度改行を挟んでの。「これで大丈夫です 何も心配はいりません」というのが。事件の改ざんを望む「永入眞子」の言葉に見えちゃったというのはあるんですが。

 どうなんでしょうね。こればっかりは「智子、深読みしすぎだよ」という答え合わせを期待しています。

 感想は以上です。


1-10 光なる皇帝の愛した娘

タイトル感想
 皇帝という文言から。ファンタジーだろうと予想しています。
 ターゲット層までは見えてこない領域の情報量でした。ロイヤルな要素を投入しているので。なにかしら、ラブロマンス要素のある作品かもなぁ。とは思っていました。

あらすじ感想
 パワー(権力)を求める主人公とパワーフォビアのヒロインとの精神的な対立を期待できる作品です。この対立を「セントラルクエスチョン」にしているのかも。

本文感想

主人公   :リウィ=オリウァ(三人称の視点)←神視点は最近は珍しいですよね。
主人公の能力:国の食料生産に寄与する加護の力。
世界観   :異世界ファンタジー。内政や謀略など、ちょっときな臭い争いがあるファンタジー作品。
異変・事件 :皇帝になるように、迎えがあること。
問題・課題 :不明(実際よくわからん。皇帝を追い落とそうとする勢力がいる)
決意・覚悟 :后と末永く! 生活すっぞ!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): 本文ではまだその要素が提示されてはいないが。今後展開されるであろう困難に関するイベントがあらすじに記載されている。パワーに耽溺するヒーローとそれを糾弾するヒロインという構図があるので、それを楽しむ傾向の作品。

 パワーに耽溺するヒーロー。それのために「ヒロインへの庇護欲」に関するものを描写していましたね。

「俺の妃になるのは嫌だったか?」
「そうじゃなくて……、だって私、お妃様なんてどうすればいいのかわからないよ」
「今までと何も変わらない。俺と一緒にいてくれればいい」
「本当に? 何も変わらない?」
「ああ、変わらない。何も」

本文より

 今までと何も変わらない。とは明言してます。していますが。変わらないはずがないんですよ。平民として身をやつしていたヒーローが「皇帝」として座するわけですから。変わるはずなんです。だけどヒロインには「変わらないでいいよ」と言うわけです。矛盾です。

 ヒロインも変わらないはずがないんですよ。だけど、ヒーローはヒロインに「変わらないでいてくれ」と願っている。

 衝突の種にも見えるやり取りの一つだとは思っています。

 同じような感情をお互いに願っている所があるんでしょうね。

「お互いに変わらないでいて欲しい」と願っているのにヒーローは「権力によって敵対者を排除していく」という動きは「平民の頃のヒーローからは想像ができない」等。ギャップ等との対峙が予想されます。

 あらすじにも明示されてる。ヒロインとの敵対的な態度等も含めると、ヒロインが「変わる」ことが期待される作品構成として作っているのだろうと予想しています。

 この作品の一番のカタルシス等を考えたとき。「ヒロインとの敵対的な態度からの和解や融和」というものだと思っています。その「敵対的な態度。批判的な態度」に至るまでのヒロインの成長を示すためにも、書き出しによる「即位当時の夫婦の関係」を描いています。

 あらすじで方向性がガッチリ示されてるので、本文の進行やスピード感にさほど不安感を覚えることはありませんでした。

 順当な書き出しだと思うので、対象読者には届いているものじゃないか。とは思っています。

 どうでしょうか。素直な感想とのことなので。あれこれ考えてみました。

 感想は以上です。

1-11 AIとの踊り方

タイトル感想

 SFでしょう! 踊り方というのもあるので、なにかしら人工知能とかが登場するやつだと思ってます。そして、ショタは関係なさそうですね。
 読者はSFを期待して読みに来そうです。

あらすじ感想

 やっぱり、SFでした。AIの人権の話題と。
 VTuberとして活動しているユカリが人権を勝ち取り。という部分の意味が接合できていない。

 だって、VTuberって「AI」じゃないからです。

 しかし、さも関係あるように書いているということは関係あるってことなんかも知らんですな。

本文感想

主人公   :ユカリ(AIを搭載したアンドロイド)
主人公の能力:不明(VTuberともあるので、情報発信に影響力がある方? だとも思う)
世界観   :SF世界
異変・事件 :豊橋からの遺言の連絡
問題・課題 :豊橋の命の危険等
決意・覚悟 :自分が人間(人権をもった存在)を捨ててでも、豊橋の危険に介入する
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):じつはまだ良くわからない領域の書き出しです。舞台装置や、世界観についての「危険性」等が提示されています。そのハードルの高さ等が示されている一方「ユカリ」が通るであろう危険性がまだ見えてこない。二話目以降でまたその情報が提示されそうな作品。

 すごく象徴的なキャラクターの配置の作品でした。

 ユカリの生みの親である。豊橋が合理的な男の人間である一方。
 ユカリというAIを搭載したアンドロイドが「感情的な側面」を強く発露する存在。

 として、二人が対比的に描かれています。

 豊橋という人物は、社会の「人々の炎上等」の挙動を「大衆扇動の一つ」として、見ている側面があり、それらの扇動に彼は破れたという自覚があるようです。その敗れるシナリオも含めて、次のバトンを娘のユカリというAIに託す。

 という流れの作品です。

 ユカリはどちらかというと「大衆扇動」に呼応するタイプの人間(AIですが……)として描かれているのですが、豊橋に託されたことで受動的に「変化」を決意するという所で引きとなりました。

 作品としては「ユカリ」が「人間をやめる」というところが「何を指すのか」がまだわからない領域ではあるので、次の展開のためにはさらに情報が必要だったりするように思います。

 バトルもの。とかであれば「決戦の前には作戦会議ブリーフィングがある」ものです。それを提示することによって「読者にはこのような戦いが展開される」と予想させたうえで、その予想を覆すことによってハラハラ・ドキドキの緊迫感を与える。

 といった。バトルの間のため方。みたいなものがあると思うんですが。書き出しの「危険性の提示」というのも、似たような法則があるのかな。と思っています。

 この作品は「キャラクターの感情的な起伏や、決意」にフォーカスをする一方「豊橋にどんな物質的な危険が迫っているのか?」という情報が薄く「ユカリがその危険にどう立ち向かおうとしているのか?」といった予想がしづらい情報量になっています。

 これが「ふわっと」した読後感に落ち着いたように思っています。

 予想ではあるんですが。

 ユカリが「VTuber」というのもあって、情報発信に絡む方法で豊橋の窮地に駆けつける。といったことになるんでしょうか。これは予想の段階です。

 感想は以上です。


1-15 使い魔ネモは今日もあくび~千年魔女と現代ダンジョン~

タイトル感想
 現代ダンジョンもの。による舞台を基本に。魔女が登場する作品。コミック・リリーフとして使い魔が登場するエンタメ作品を期待しました。

あらすじ感想

 あらすじに関しては、タイトルで予想した通りのイメージができた作品です。相方というか。ネモが魔女についていく。というタイプの構成でした。

本文感想

主人公   :イベリス(語り手はネモに寄せた三人称キャラクター視点)←珍しいタイプかも。
主人公の能力:転生した弱体化した魔女!
世界観   :現代ダンジョンものの世界に転生し、弱体化した魔女。
異変・事件 :不明(ネモやイベリスがなにかしらの成長を期待するものはない)
問題・課題 :魔素の薄さによって魔女でなくなるかもしれない。
決意・覚悟 :不明(まだ、現状認識が進んでいない段階)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):転生も五度目とあるので。今後の「成功」を約束されたポテンシャルのキャラクターであること。現代ダンジョンものとしての舞台装置との組み合わせ等から、イベリスが活躍することを期待するもの。イベントを優先するよりかは、イベリスのアクティブな姿をアピールしていることから「キャラクターに愛着を持ってもらおう」という狙いの作品のようにも感じました。

 智子さんへ こんばんは。まだ受け付けはしていらっしゃいますか?

感想依頼文より

 ええ。ええ。受け付けておりますよ。
 基本的には祭りの期間中は依頼が届かなくなるまでは受け付けております。

他の方を優先して欲しくて遠慮していたら今になってしまいました。ぜひ拙作の感想もいただきたく思います。

感想依頼文より

 なんと奥ゆかしい! だけど、智子が管理するのが楽なので。上から順番にやっとります。配慮ありがとうございます。

 感想に特別指定がないので。作品の狙いであるとかを考えてみたいと思います。

 面白い書き出しでした。どうして面白いんでしょうね。それというのは、私も勉強して取り込める能力か。というのは考えたいです。

 多分ですが。この書き手の方と智子の「三人称の視点」に関する視座がちょっと似てるかも。という「馴染み」の部分から傾斜配点がある可能性は考慮したいと思います。語り口が好みってことですね。
 好みの部分を整理しても仕方ないのですが。ちゃんと言語化してみようとは思います。

 この作品のもっとも「魅力的な人物」というのは「バランスの良いヒーロー(ヒロイン)」としての期待が持てる「イベリス」ですよね。

 すごく良いキャラクターです。

「ふふふ、セルピエンテの新しい王は、とんでもない美男子だと言うじゃないか。先々王には世話になったのだもの。惑わしに行ってやらねば」

本文より

 自分の容姿や魅力について理解していて、その能力を発揮することに躊躇いを持たない。自信に溢れたヒロインであることがわかります。

 今回イベリスについて行くのは、ネモの他、ホヤとレタ。

 コウモリ型のホヤは見張りとして最適だし、ネモの次にイベリスとの付き合いも長い。けれどワニの姿をしたレタは違う。一番若くて、年老いた姿のイベリスしか知らないからだ。
 そう、若い姿のイベリスを見て驚く役をさせるために連れていく。

本文より

 この地の文の語りによって、イベリスが「示威的な行動が好き」とか、ちょっと俗っぽい要素がちらほら垣間見えるなどの。要素があるのが、キャラクターの魅力に直結している書き出しです。私もこういう書きぶりの書き手なので、こういった語り手の地が出るような作品は強い親近感を持っています。

 物語のイベントとしては「終始危なげなく行動を示し、対応をしていく」という部分があるので「成長要素のあるヒーロー」とかではなくて、人に成長を与えるキャラクターとして活躍していく作品かもしれないなぁ。という印象を持っています。

 引きも「ハードルに飛び込もうとする」というシーンで引いています。現代ダンジョンものをさほど触れていない智子であっても、魔女のキャラクター性にぐいぐい引き込まれて読みたくなるタイプの作品でした。

 老婆にもなれるし。美女にもなれるし。少女にもなれる(全部不可逆的ですが)。といった経験の強さや、バイタリティによって現代ダンジョンを走り抜ける魔女と使い魔達の物語を強く期待しました。

 感想は以上です。

1-17 今夜、親の仇に嫁ぎます

タイトル感想

 殺伐とした物騒なタイトルです。嫁ぎます。とあるので婚姻譚に関する物語じゃないか。とも期待しています。となれば、恋愛もの? ですかね。

あらすじ感想

 ほら。やっぱり。婚姻譚じゃないですか。しかも、異類婚姻譚ですな。嫁ぎますという文言から、期待値を適切に誘導されたように思う作品でした。

本文感想

主人公   :渓華
主人公の能力:行動力と胆力!
世界観   :近代の日本。因習村的な風習。生贄をもした「異類婚姻譚」の物語。
異変・事件 :神様に拾われる。
問題・課題 :不明(あらすじにある通り、両親の死の謎だったり、弟の生活に対しての介入だったりとイベントがありそう)
決意・覚悟 :不明!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):タイトルとあらすじにもあるように「嫁ぎます」という言葉から。異類婚姻譚の舞台装置を活用していることは予想できていました。なので、魅力的なヒーローの登場やその描写等からも「ラブロマンス」としての期待感が満たされた作品です。

 次話以降にどんな展開が予想、または期待されるかという点にも触れていただけると幸いです。

感想依頼文より

 依頼文にこういう風に要望があると、多少なりともコメントを残しやすくなるので助かります。

 本文の構成としては。主人公のドアマットぶり。だったり、主人公の両親の死(セントラルクエスチョンに関わる部分)だったり、弟の今後の行く末(信用できない後見人など)だったりと、基本的な導線のための情報を提示して、ヒーローとの出会いを描いています。

 個人的にはヒーローはデカければデカいほど良い派です。

 低く澄んだ声が聞こえた瞬間、一気に苦しみが抜け視界がぱあっと開けた。息もできる、寒くない。気づくと、辺りは静まり返り、一人の大男と対峙していた

本文より

 デカければデカいほど良いんですよ!

 そう言うと、小刀に手を延ばし、あっという間に使い物にならなくしてしまった。そして、驚きのあまり何も言えない渓華をひょいと小脇に抱えると「ほんに痩せっぽちだ。まずは腹ごしらえせんとな」と呟きながら、水底の更に奥へと消えていった。

本文より

 ひゅー! 大男の剛腕! 握力で握りつぶされる刀! クール!

 みたいなたぎりをおぼえながら読んでいました。智子です。肉だるまみたいな神様に勝手に変換しています。

 さて。

 基本的にドアマットの構成を用意されているので。ラブロマンスのレールにも乗れますし。
 ドアマットに期待される「意地悪な後見人」達へのざまあ展開も期待されます。
 弟の行く末を気にしている姉。という属性や。両親の死に神が絡んでいるのか。という謎の誘引もかねた情報の提示などもあります。

 ある程度「読者が予想しやすくなる」情報が提示できているので、リーダビリティは非常に高い作品です。

「読者が予想しやすい」作品は「予想が正しいかページをめくろう」という動機になるので「どういう展開になるかわからない」という作品より「展開が予想できる」作品の方が安心感と共に読みすすめる事ができます。

 その点でいうならば、安心感の強い作品であり、手堅さを感じる作品です。私もこういう安定した物を書きたいなぁ。と良い刺激を受けました。

 感想は以上です。



1-19 少女、のちに魔術体系を変える。

タイトル感想

 成功を約束されたタイトルとしての類型であろうかと思います。体系を変える。もう、その分野の始祖? みたいな、ある種のチート級の何か。みたいな印象があります。ファンタジー作品だと期待しています。

あらすじ感想

 あらすじでタグやりおった!
 読者が興味を持って読みすすめるために。「魔術」で大事な要素(髪の毛の長さ)を提示して、それを失った主人公の「サクセスストーリーの方法」を伏して、本文の開示で引きました。本文読めばわかるんでしょうね。

女主人公/学園/身分差/成り上がり/ざまぁ/勧善懲悪/なかなかくっつかない

本文より引用

 ファンタジーの学園もので。女主人公が成り上がっていく。身分差という言葉となかなかくっつかない。ということばも「魅力的なヒーロー」が登場する予想があります。
 ざまぁ。と勧善懲悪。とあるので、悪は悪として、ヘイト管理強めの作品であるというのもアピールしています。

 ここまで提示されてると、読者の選好も強く発生するんじゃないか。と思います。

本文感想

主人公   :アニス・フェルムエット(三人称神視点)
主人公の能力:天才
世界観   :ハイファンタジーの世界観。アグレッシブな女性主人公が活躍する異世界学園ファンタジーもの。
異変・事件 :アニスの髪の毛切断事件
問題・課題 :無謀な研究を達成しなくてはいけない。しかし、アニスが魔術師になることを望まぬものがいて、妨害がある。
決意・覚悟 :魔術師として大成する!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):キャラクターの楽しみ方に近い作品。ログラインはしっかりしているので、安心感もあるのですが。目的に向けて強い行動力を示せるヒロイン。そのヒロインを支えよう(支えがいるか怪しいくらいにめっちゃツヨツヨヒロイン)とする。二人のじれじれな関係性を楽しみながら、ストーリーを追っていく。

本作におけるナラティブ(読者に約束する楽しみ方)の深掘りを期待します。

感想依頼より

 この深堀りに関しては「あらすじ」から見ていくところはあると思います。

 基本的に「ストーリーライン」が見えることは安心感にはつながる要素です。あらすじにある程度のログラインが見えているというのは、読み込んでいくうえで安心感があります。どんな筋になるか。どんな感情的な「スカッと要素」みたいな要素があるかわかってるからです。

 でも、この作品の一番の「ナラティブ」の要素というのは「ツヨツヨヒロインとそれを支えるパワーのあるヒーロー」という関係性であることです。
 物語の軸が二つあって。

 アニスを妨害する誰かの思惑。
 アニスとライオットのラブロマンスの成就。

 という軸です。基本的にはライオットは「ヒロインにたいしての責任感や、女性に対してのアプローチを誠実に行う」キャラクターです。
「ヒロインによる婿取り宣言」等もあることから。お互いに好意的に見ていることは十分に推測できるイベント展開です。

 あらすじに示していたタグ「なかなかくっつかない」をどのように整理するかだとは思うんですが。長期連載において、そういう楽しみ方があるのは智子は最近知ってます。

 なかなかくっつかない。で連想する最近みたドラマがありまして。

 というドラマです。

 シーズン7にしてやっと、お互いがくっつくような流れなんですが。

 シーズン1から6に至るまで、なんかもう。お互いがお互いを愛することに臆病で。だけど、お互いのこと大事で。みたいな「なかなかくっつかない」でした。

 御作がどの程度の空気感を示すのか。という部分はあるんですが。

 どうやってこの二人が「思いが通じ合っているのにくっつかないでいられるか?」というのは、腕の見せ所だとは思います。

 現状は「ふたりとも好きあってんじゃん。くっついちゃえよ」みたいな読後感を持ちました。

 二人の間に挟まる障壁のようなものは、ちょっと見当たらなかったので。どんな風になるのか。その部分はイメージしづらいところはあったかもしれません。

 この「ラブロマンス軸」のもどかしさや障壁までアピールできると、もっと強い印象になったかもしれません。

 ラブロマンスってお互いの思いが通じあったときがクライマックスなので、どうやってすれ違わせるか。みたいな所はあって。

 通じ合ってるのに一緒になれない。というなら、一端「認識のすり合わせ」や、シリアスなターンを挟むことになるんですが。書き出しではそれは難しいよな。とは思っています。

 ムードであったり、今後の展開や、キャラクターの魅力も十分なので。対象ターゲットには届いた作品じゃないでしょうか。

 感想は以上です。素振りでした。

1-20 敵は本能寺に、あり?

タイトル感想

 歴史ギャグものだろう。と期待してタイトルは眺めていました。後ろの疑問符がいい味だしてますよね。コメディだと期待しました。

あらすじ感想

 困った性格の主人公の明智くん。がいて、それを困った性質だと眺めている幼馴染の女性がいる。主人公が特殊な性質を持っていること、それを強みとして物語が展開されるだろう。と思えるほどのキャラクター性があらすじから見えたので、それをギミックに展開していくと予想しました。
 名前を伏せている女の子の存在も「なにかあるだろう」と期待した要素の一つです。

本文感想

主人公   :明智ミツオ(三人称神視点)
主人公の能力:歴史に対する批判的な態度
世界観   :SF
異変・事件 :シルバーボディの人たちとの出会い
問題・課題 :不明(歴史の修正をすることのハードルや困難は見えてこない)
決意・覚悟 :不明(歴史が変わったらどう大変なのか? がまだ見えてこない)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):キャラクターが出来上がっている人物像の二人。羽柴ヒデコと、明智ミツオの二人による歴史にタイムスリップして、てんやわんやの物語を期待しました。

 基本的な感想としては。キャラを立てたあと、そのキャラならばどう動いてくれるか? 舞台を用意しただけで動き出すくらいには、行動原理が明確なキャラクターが二人揃ってくれています。
 キャラクター小説として楽しむことができるタイプの作品だと思っています。
 タイトルとあらすじで期待していた「歴史に介入する!」といった向きの作品を読める。と思って、きたら。舞台装置やセットアップのシーンが多かったようにも思います。

 ここの部分で、今後の「戦国時代の日本」に対しての描写であるとか。歴史上の人物になりきるミツオ君のワンシーンであるとか。がちら見せでもされていたら、物語上の楽しみ方としてもっと強い訴求があったようにもおもいます。

 この作品の一番の魅力は「現代のお血筋を引いた少年少女が歴史の人物に扮する物語」というところだとは思うんですが、それをまだ見れていない。といった印象の作品でした。

 あとは、気になった所をふれてみましょう。

読む時に、どこか引っかかる場所があるか? とかの作者が気が付かなかった部分を指摘していただけると幸いです。

感想依頼より

 一行目、二行目と読んでも。主人公の年齢であるとか。周辺情報が汲み取れるものがないまま読みすすめることになったので。
 智子の願望であるショタで再生してしまいました。

 カッコよく現れてポーズを決めていたスーツの女性は、一瞬ズッコケてから女子高生の場違いな忠告に言い返す。

感想依頼より

 この地の文で主人公達の年齢が「高校生程度」であることが理解しました。

「そーそー、私はアマプラの予約録画が沢山残ってるし!」

感想依頼より

 アマプラってサブスクだと思うので、予約録画はちょっとそぐわないイメージがありました。もしかしたら、智子がアマプラを詳しく知らないので、何かしらの録画機能があるんかも知らんですが。


 上記のファースト10でも書いたんですが。

 物語の危険性やハードルとされるものが読み取れなかったです。
 というのも。シルバーボディの友里3296アンヌと本郷4731猛の「目的」が不明です。
 彼らはどんな使命を持って、この任務に絡んでいるのか。がちょっと情報が不足しているようにも見えました。

 違う世界線の地球の歴史が変わることによって「どんな問題が起きるのか?」という部分をざくっと端折ってると思うので、物語上の「危険性」とか、主人公がそれを断ったときの「リスク」がよく見えてこなかったです。

 特別、わざと「描写を抜いている」というわけでないならば、何かしら描写を足すなり、主人公の動機を動かせるように、情報を整理してみるとスッキリするかもしれません。

 感想は以上です。

1-21 落日の大地に響く時の鐘 ~紫の姫と銀の盾~

タイトル感想

 ファンタジー作品だと思っています。これで現代ものだったら、智子は穴掘って隠れます。

あらすじ感想

 タイトルにあった通りのファンタジーです。何かしらのログラインを示したり、今後の展開を示したりするものではなくて、何かしらの「年代記」に近い語り口のそれです。
 情報を精査して、ピックアップしたら。読み取れないこともないですが。ログラインが見えてこないので、本文を読み込むうえで「さぐりさぐり」になりそうです。

 この作品は何の作品なのか? という事前情報がないので、そこはどうしてもカロリーが必要になる印象です。

本文感想

主人公   :エドモン・クローニュ
主人公の能力:実直な軍人。正義の男。
世界観   :汽車の概念があるので、中世というよりかは、近代に近い世界観。実際これらの文化水準の作品って「異世界恋愛もの」とかではよく採用されてる要素だったりします。これはそういった類ではないんでしょうけど。近代的な軍事ネタを含めたファンタジー世界
異変・事件 :鉄拳制裁のシーンからの左遷!(懲罰的任務)
問題・課題 :不明(反乱軍の話題とか不穏さがある)
決意・覚悟 :不明(体制側への批判的な態度は見え隠れ)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):現体制の転覆をはかる少年少女の物語! の序盤には見えたんですが。あらすじでも「記録物」としてのそれしか載ってない(しかも、顔塗りつぶされてる)ので、反乱は失敗しちゃったんですかね。

 あらすじにもログラインが示されていないので、物語の誘導に関して「読者の予想」を多分に引き出さないとリーダビリティに繋がりづらい作品ではあろうかと思います。

 作品の主人公がもつであろう課題(身分が上の同僚をぶん殴っちゃう正義観)等も明確に示しています。

 実際、予想するための情報は十分に撒かれています。

のちに最後の皇帝となるクロード皇太子がシャルロット・ルールヴ公爵令嬢(※200)との婚約を破棄したことにより、貴族からも見放されていた。

あらすじより引用

 最後の皇帝とあるので。皇帝の治世は終わりを迎えたことが予想できます。ヒロインの婚約破棄の絡みとかでも。顔写真が消されている件については。二通りの意味があるのかもしれませんな。

 シャルロットが体制側に返り咲いて、自分の情報を抹消した。
 反乱軍側の反乱が失敗して、体制側として情報の抹消。

 とか。どっちにもころべそうな不穏さありますよね。

また、軍部は士官学校卒業者の中でも家柄がよいものを中心に昇進しており、それも相まって、民衆からの帝国への期待は薄まっていた。

あらすじより引用

 軍閥というんですっけ。厳密には違うんか。
 そういった部分からの「反乱への機運」というのも盛り上がりがあるようにもお見受けします。

 この作品は「体制側の転覆を狙う、反乱軍の物語」と予想して読み込んでいきました。

「〝ルールヴ公爵令嬢が、傷心旅行のためにフェルスター辺境伯領まで向かう。皇太子の元婚約者である彼女が反乱軍に襲われないように、護衛をお願いしたい〟と」

本文より

 上記の部分で。「物語上の課題や障壁」とされるものが提示されているのか。と思っていたんですよね。しかし、ヒロインがそもそも「批判的な態度」を示していることから。反乱軍と同調するのかしら。もしくは、それの監視めいた役目も期待されていたのか。とか色々想像しました。

 実際、この予想自体が次のページで覆る可能性は十分にあるので、投票をする。という部分が賭けに近い読後感はあります。

 まだログラインが見えてこないのは、ちょっと投票にネックになるかもしれません。

 面白そうなんですけどね。みんなも好きそうなフック(婚約破棄や辺境への追放。優秀な軍人の警護とか)が満載なので、わかる人にはわかる撒き餌のようにも感じている作品です。

 感想は以上です。

1-23 幼馴染みしか勝たん!~いつしか疎遠になった僕と彼女は、異世界で絆を育む~

タイトル感想

 勝たん! という文言から、コメディテイストの作品であることが期待される要素として読み取っていました。

あらすじ感想

 幼馴染というキャラクターの属性。そして、いまは疎遠になっている。というのもあらすじで示されている。といった様に見えてくるものがあるあらすじでした。

本文感想

主人公   :僕の一人称作品 (伊崎弘樹)
主人公の能力:力でねじ伏せる剣(具体的な能力はわからん。矛盾の故事成語におけるほこのような話題か)
世界観   :異世界転生のファンタジー。異世界の冒険ものに近いかも
異変・事件 :ヒロインの幼児退行が物語の始まり
問題・課題 :ヒロインに迫るであろう危機など
決意・覚悟 :不明(どっちにも転ぶ。ヒロインを守る決意の物語でもあるし。ヒロインを支配する物語にもなり得る)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):具体的には本文からはまだわからない。というのも、第一関門となるであろう「下卑た笑みのおじさん」の要求に対して、どのような方法や能力で解決するのか。まで描けたら「作品のムード」まで確定できそうです。あらすじにもあるように「ファンタジック青春譚」とあるので、ふわっとイメージは掴めたように思います。

 面白くなりそう。面白くなるんじゃないかな? というテーマ性の作品だと読み取りました。しかし、それは「明らかな明示されたテーマ」ではなくて。「暗喩めいた」ものであるため、どっちにも転びそうな部分は気になる要素でした。

 抱く腕に、力を込める。
「僕も大好きだよ、紗愛」
 この世界なら、魔法でどうにでもできる。
 現に、紗愛は恐怖で戻ったから。

 あんな怪物にできたなら、|僕だって《ヽヽヽヽ》。
 抱き締める腕のなかでくすぐったそうに笑う紗愛を、眩しい気持ちで見つめていたときだった。

本文より

 内的な課題としての「幼児退行したヒロインから依存されることに喜び」を覚えるような描写があること。

 主人公が作品を通して向き合うことになる要素にも感じています。しかし、この読み方も「希望的観測」に近いものではあるし。全体的な「テーマ性」の提示にとどまった書き出しのようにも感じます。

 そのテーマを描くための「イベントの性質」は「下卑たおじさん」との対峙であろうかと思いますので、そこまで読んで、判断してみたかったです。

 書き出しって難しいですね。

「どっちに転ぶかわからない」というのが、ネックにはなります。

「下卑たおじさん」を能力で一刀両断してしまうのか。
「下卑たおじさん」が提示した条件を、誠実に対応して、異世界の倫理に順応していくのか。
「下卑たおじさん」の願望も含めて、すべての課題に対処するのか。

 ヒーローがどのような決断を示すのか。で、物語のムードやテイストが変わってくるので、そこがわかれば。読者ターゲットもパチンと固まりそうでした。

 感想は以上です。

1-24 今日もなんだかんだ生きている


タイトル感想

 ジャンルは不明。生きているとあるので、何かしら生死に関わるネタやテーマなのか。とも思っています。しかし、ジャンルがわからないので。あらすじでどの程度の情報があるかで、期待値が整理されそうです。

あらすじ感想

 主人公のバックボーンの提示。SF小説という文言から。物語を書くことが趣味の主人公が、SFの世界に巻き込まれるのか? という風に思っています。

本文感想

主人公   :俺とか、ボクとか、自分とか(田中実の一人称作品)
主人公の能力:物語を書く(執筆する側)
世界観   :作中作の登場人物の『田中実』を描いたジャプアニーセ文明のキャラクター。
異変・事件 :作中作の人物が現実世界に転生なり、召喚なりされる
問題・課題 :不明(危険性が見えてこない)
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):作中作キャラクターが現実(SF世界)に侵食する作品。

 当初、主人公は「田中実」オンリーだと思っていたんですが。おそらく、他にも主人公がいるようなので、追加で記載します。

主人公   :私の一人称(ヒストリア)
主人公の能力:崖っぷちの研究者(ニート。プー太郎の女性)
世界観   :SF世界(未来の地球)で、男女バディもの。女性主人公視点。研究者として大成したいヒロインと、ヒロインを案じる「ヒーロー」が存在する「じれじれラブロマンス」に近いニュアンスの作品。
異変・事件 :作中作人物であるはずの実の登場!
問題・課題 :崖っぷちの研究者ゆえに、資金面であるとか、世間体とかとのストレスの対峙。
決意・覚悟 :ジャプアニーセ文明の研究で一旗揚げる!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):主人公のヒストリア(自称エイリアン)が、ジャプアニーセ文明の研究を通して、彼女が抱える「課題」を達成していく物語。

 当初期待していた読後感。物書きを志す書き手にフォーカスした。文芸寄せの作品イメージとは随分変わった印象の作品です。

 タイトルとあらすじで期待して読みに来た読者の「驚き」は提示できたと思います。さらには「作中作人物の田中実」が登場するといった構成から。

 という似たような着想の作品があります。

 あれはどちらかというと。「創作者×創作上のキャラクター」達の現実への侵食。みたいなものだったんですが。

 似たようなものなのかも。と思っています。

 しかし、これの判断が難しいのは。つなぎ方かも。

 こう、苛立ちを感じたら、脳内でサンドバッグをぶん殴るのだ。手を出しちゃダメだ。でも、脳内ならセーフ。ボッコボコに原型を留めないほどにぶん殴る。尖った槍のような何かを脳内に召喚し、そのサンドバッグだったものを何度も何度も何度も何度も何度もブッ刺す。強く強く、さらにぐちゃぐちゃにする。赤い液体が撒き散らかる。自分も真っ赤に染まる。でも、脳内ならセーフだ。

-----------------------------------------------

「いや、全然セーフじゃなくね? 」

 パンッと私の原稿を机に放ると彼はそう吐き捨てた。

本文の引用

 書き出しの前段にあるのは「田中実」の心情のシーンです。

 作品に関しての講評を述べる「ジル(ヒーローですね)」の発言があります。

 この流れを見るに「未来のSF世界」で「ヒストリア」が提示したジャプアニーセ文明を基調とした作品世界へのダメ出しをしています。

 このやり取りから。「田中実」という人物は「ヒストリアが創作した創作物の作中作の人物である」ことがわかりました。

 二重構造なんやろな。と読みすすめていたんですが。最後の引きの部分で「田中実」が登場となるので「作中作の人物が現実世界に登場する」という要素が発揮しました。

 ここで「作中作転生なんかな」くらいに作品のログラインを捉える事ができました。

 少々もったいない作品かもしれません。

 本文まで読めば、作品のログライン(崖っぷちの女性研究者が、一旗揚げるために頑張っていく)というのはわかるんですが。タイトルとあらすじで、読者ターゲットが変わっているように思います。

 本文すべてを読めば「1-19 少女、のちに魔術体系を変える。」と似たようなナラティブや、キャラクターの関係性等が期待できる作品でした。

 作中作のキャラクターが登場する。という構成自体が変わり種ではあるので、どう料理されるのか。期待する読者も結構いるんじゃないでしょうか。

 感想は以上です。


第二十三回 書き出し祭り 第二会場 感想

タイトル初見選好

2-05 僕が星を落とした日

 僕という文言はもう。ショタですよ。ボクっ娘だったりする可能性もありますけどね。

2-08 奈落の宿 ~煩悩まみれの怨霊娘を、セレブ霊能者が搾り取る~

 えっちそうだからです。えっちそうだからですよ。もうそれ以外ないでしょ!?

2-21 聖剣抜いたら偽王女(男の娘)になったので、国難を"うんとこどっこいしょ"します

 男の娘の設定がなにか。気になるところです。可愛いんだろ? カップリングが「男性か女性か」でちょっとまた変わりそうです。うんとこどっこいしょ。カブの話に似てますよね。

2-24 ****しないと出られないダンジョンに閉じ込められたが、脱出条件がわからない

 えっちなんだろ!?

あらすじ初見選好

2-05 僕が星を落とした日

 僕は妻がいるタイプの聖人男性でした。ショタではなかった。撤退。

2-08 奈落の宿 ~煩悩まみれの怨霊娘を、セレブ霊能者が搾り取る~

 やっぱ。えっちじゃん。ちょっと確認してみます。

2-21 聖剣抜いたら偽王女(男の娘)になったので、国難を"うんとこどっこいしょ"します

 金によって、物語の動機がある。あらすじに勢いがあるのでちょっと読んでみようと思います。ショタの可能性がまだあります。

2-24 ****しないと出られないダンジョンに閉じ込められたが、脱出条件がわからない

 レギュレーションの問題上、えっちなことはできない。智子はレギュレーションに厳しいおじさんですからね。智子の希望にそうようにえっちなことが始まったらそれはそれで「だめだよ!」と、目を覆うんですが。指の隙間から読んでそうです。チェックしてみる作品でしょうか。

暫定投票先

1位票:2-21 聖剣抜いたら偽王女(男の娘)になったので、国難を"うんとこどっこいしょ"します

 おねショタによる強い傾斜配点がありますが。ムードが明確なのはいいですね。

2位票:2-24 ****しないと出られないダンジョンに閉じ込められたが、脱出条件がわからない

もしかして、この答えにピンとくる人はいるのだろうか……。

本文より

 えっちなんだろ!?

 というところですが。ふわっとしているので、まだわからんですが。期待させる。とかの部分で引きとしているところです。

3位票:2-08 奈落の宿 ~煩悩まみれの怨霊娘を、セレブ霊能者が搾り取る~

 搾り取るところ見せてくれよ! えっちなんだろ!

投票先のメモ(1/11 明朝)

以下、感想依頼分(感想書いたものは★マーク)


2-02 戦国百魔絵巻ー修羅と羅刹

タイトル感想

 歴史ものでしょうか。戦国とあるので。戦国時代で。魔というのがあるので、あやかしとか交じるような。歴史ファンタジー作品かもしれませんね。

あらすじ感想

 タイトルにも期待できたように、戦国時代を舞台とした歴史ファンタジーであることが示されたあらすじです。
 さらには、修羅と羅刹の関係性を提示し、羅刹のアカネと情報提供者のテイ(謎の人物)が現れる。

 羅刹王の商隊やテイの真意という「謎」をぶら下げる形で不穏さを整理しています。

本文感想

主人公   :アカネ
主人公の能力:修羅刀を扱う修羅
世界観   :戦国ファンタジーもの。バトルを基調としている。ヘイト管理のために「山賊悪党ないし羅刹」等が性的に凌辱をする存在として描かれる。
異変・事件 :テイとの出会いから変化がある(過去の時制では家族を失う事件の発生)
問題・課題 :羅刹王に迫るために羅刹王の縁者がそばにいてしまうこと。
決意・覚悟 :羅刹王への復讐じゃぁ!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): アカネという復讐に燃えるポジティブなキャラクターが、活躍するシーン等を楽しむ作品です。アカネは知らないけど、読者のわたしたちが知ってる「テイ」の正体による不穏さなどによって「緊迫感」を与える構成です。

 面白かったです。

 基本的には「復讐譚」という目的意識の強い作品は「読んでいてわかりやすい」ものです。しかし、どうしても「既視感」をおぼえる作品構成にはなっていて。修羅が扱える修羅刀というのが、どうしても。

「鬼滅の刃やん」

 という感想が浮かんできたりしました。

 この「類似性」自体はなにも問題はなくて。むしろ「類似性があったほうがいい」と考えている読者だったりします。

 というのも。この「鬼滅の刃」を連想する設定や、構成というのは「既存作を知っている読者」からすると。今後の展開や期待するカタルシスに対しての「期待値にバフ」がかかるものなので。さほど悪いとは思っていません。

 どこで差別化をはかるか。というと、バディとしての「テイ」の存在が不穏なものであること。

 情報の非対称性(テイは知っていて、アカネは知らない)があることから、一種の緊迫感を提示できています。

 主人公が少女であること。
 さらには「人間を斬るわけには」という至極清廉な思想を持ち合わせている。など。強さと弱さを内包したキャラクターであるため、一つのバランスが取れたバディタッグに見えました。

 羅刹が「女性を凌辱する存在」として描かれているのも。「ヘイト管理」の面でみたときに「問答無用でバッタバッタと切り倒す。チャンバラ」みたいなムードをある程度強化しました。

 感想は以上です。

2-05 僕が星を落とした日

タイトル感想

 ショタだ。と期待してクリックした作品でした。SFなのかなぁ。とかセカイ系に関するジャンルなのかも。とかは思いながら選好したのは覚えています。

あらすじ感想

 外的な課題としての「テロリストの対峙」
 内的な課題としての「妻からの承認」

 という二つの軸が、絡み合う形で物語の書き出しが提示されるか。によって、期待値がはかれる作品だと思います。

本文感想

主人公   :僕の一人称視点 (クルータシュという人物名詞)
主人公の能力:民間軍事会社に務めていたキャリアを持つ。
世界観   :ハリウッド的なムードの作品。「家族関係に悩むヒーロー像」序盤から「悲惨な結末」を描いているので、ダークヒーローとしての活躍が期待される。
異変・事件 :クライマ・パーカスとの出会い
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明(多分、妻からの称賛を得るためにダークヒーローになる?)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): ホットスタート形式で、悲惨な結末を冒頭に示している作品である。そこに至るまでのプロセスを追っていく事自体がメインの楽しみであること。そして、最後の結末(都市破壊したあとの展開)を気になって、読み続けるタイプの作品です。

 面白かったです。

 しかし、視点が「僕」に制限されているため、彼が抱えている問題は「彼の視点」のみで語られています。
 故に、妻との不和なども「誤謬や誤解があるんじゃないか」といった懸念も持ちながら読み込む作品でした。

 序盤にホットスタートで「都市が破壊されている」というのを読む限り「悲劇のストーリー」に近く。ダークヒーロー的要素が強い作品です。

 彼はどのようにして「ダークヒーローになったのか?」という部分が物語上の注目する点になります。彼がダークヒーローに至るうえでの「悪の導き」として「一夜の友の悪のメンター」が登場するなど、物語上のスムーズな誘導も見事な作品でした。

 悲劇の作品を書くうえでちょっとした特徴みたいなものがあるんですけど。

「分水嶺」となるイベントが設定されたりします。

 それは妻からの「話し合いたい」というサインだったり。

 娘からの「慮りの言葉」だったり。

「いま、思えば引き返せたかな」と考えられるようなイベントを重ねていくことが期待されます。その要素や気付き自体が「善のメンター」などが提示されている。しかし、主人公はそのメッセージに気づかないでどツボにハマっていく。といったような構成が一般的だったりはするんですが。

 この制限された視点ではまだ、その領域が記載されていないので。結構すんなり「直情径行」や「視野狭窄」に近い主人公なのかも。とか思いながら読んでいました。

 二話目以降で、またムードを確認しながら読んでみたい作品ではあるかと思います。

 そうや。最後の「後書き」って誤字ですかね?

 感想は以上です。

2-08 奈落の宿 ~煩悩まみれの怨霊娘を、セレブ霊能者が搾り取る~

タイトル感想

 えっちぃかも。と思って、期待した作品でした。霊能者という言葉もあるので。コメディチックなホラー作品かもしれないなぁ。と期待していました。

あらすじ感想

 主人公が不明だったので。もしかしたら「場所の物語」として、その民泊を舞台になにかしら展開されるものなのかなぁ。とかふわっと予想を立てたあらすじでした。

本文感想

今回、本文は初期状況の解説に徹し、以後の展開はあらすじに振るという構成にしてみました。

依頼文より

 本文を読み終えた段階で、コメントを読む機会があったんですが。納得です。この部分についても、あとから補足してみようと思います。

主人公   :僕(西方にしかた 往生すみおの一人称作品)
主人公の能力:不明(←もしかしたら、西方は傍観者であり、あくまでも場所の物語に徹するのかもしれない)
世界観   :現代ファンタジー。
異変・事件 :つとめていた会社の倒産からの民泊経営の開始
問題・課題 :民泊を運営するうえでの不思議な客層
決意・覚悟 :不明(←現段階でなにか問題が発生しているわけではないので、まだ不明)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):世界各国の霊能者が集まって、ちょっと煩悩まみれな怨霊を使役して、なにかするっぽい。

「面白くなりそう」という部分で引きとなってしまった書き出しでした。

 てっきりえっちなものが読めるんや。と準備していたので、当時ズボンを履き直したのを覚えています。寒かったです。

 今回、本文は初期状況の解説に徹し、以後の展開はあらすじに振るという構成にしてみました。

依頼文より

 この構成のアプローチがどの程度、読者の期待値を釣り上げられたか。というのは考えてみたいところでしょうか。

 私としては「いろんな国の霊能者がやってきて、奇想天外な(えっち)な除霊をしてくれるんや!」という期待感のもとやってきました。

 実際、えっちな除霊を拝見することができなかったので。期待値をいくらか減衰させながらも、読み終えたのは筆力のなせる技ではあろうかと思います。

 この「読みたいものが読めなかったけど二話目で読めるかもしれない」というこの釣り上げ方がえげつない方法です。

 実際、興味はもてるし、今後の展開への補足にもなっているようには感じました。

 あらすじの情報の提示として「始まりから終わりまでの梗概としてのあらすじ」の作品も過去見かけたことがあります。あれらは「本文の描写が密であったり、進行のスピード感」をフォローする強い力があるものだったりもします。

 今回の作品のあらすじは「本文以降の情報補足」に徹している所がありました。

 よく配信でも触れているところですが。

「主人公誰なん?」

 という所がどうしても、次話以降での気になる点ではありました。

 語り手が「僕」であり、主人公としての立場にいるのはわかるんですが。どの程度物語に介入していくのか。彼はどのような役割があるのか。ちょっとまだ見えてこない領域の情報量だったのは、ネックな部分もあったようには感じています。

 感想は以上です。

2-09 逃亡勇者と腹黒王女、世界の真実に触れた二人による大大大逆転劇!!!

タイトル感想

 勇者という文言があるように。
 大目的として「敵対する魔王」が存在するファンタジー世界であろうかと予想。
 腹黒王女ともあるので「男女バディ」ものを予想。
 世界の真実とあるので「体制への批判的な態度や寝返りなど?」も予想。
 逆転とあるので「物語上のどんでん返しを約束。成功の約束」も予想。

 4つも要素をしめしたタイトル。凄い力のあるタイトルだと思います。あとはビックリマークの存在も「コメディ」とか勢いのある作品じゃないかな。というムードの期待感も高まりました。

あらすじ感想

 面白そうです。すごくいいあらすじだと思います。しかし、その良さをどう言語化するか。できるかな。

 物語のセットアップで「異世界召喚」及び能力スキルの提示によって、テンプレート的世界観のムードの作品であること。ターゲットが明確な作品であることが。一文目からわかるあらすじです。

 追い出されるときに「王女を人質にとる」というアグレッシブな力を示す(方法はまだ未定)など、読者が興味をもてる情報を提示しています。

 絶対おもしろいじゃないですか。

 ナラティブ(物語を楽しむ要素)としての共同体の経営なども。コミュニティの創設などを前提とした「スローライフ」ものに近い楽しみ方も提示できています。

 さらには、「悪」の定義に関してとか。世界の設計思想などの「メタ認知」に近いテーマがあることなど。作品の基本的なテーマを明記していることは良い点だと感じました。

本文感想

主人公   :俺(鈴木遊馬アスマの一人称作品)
主人公の能力:魔物の味方
世界観   :異世界転移(召喚)チートスキルあり。コメディ要素強めの作品。
異変・事件 :召喚された。
問題・課題 :魔物の味方というスキルからして、主人公が人類コミュニティの敵となる。
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): アグレッシブな主人公が活躍するタイプのコメディ作品です。まずはこれを楽しめることが約束された作品です。

 面白かったです。

 面白く作ることに特化した作品だとは思いました。あらすじが優秀であること。今後の展開やその後のログラインが丁寧に表されているので、楽しみ方への期待感が高めです。

 あとは、主人公の「感情や女性への耐性」など、明確に「前頭前野無視した愚息の反応」とか。かなり、直接的な描写なども「コミカルな力」として作用しているように感じます。

 これはただ。智子の好みの話しという部分はあるので。

 構成として考えたときに。設定情報の提示が不足がない。という部分はありそうです。

王女が必ずしも『おしとやか』ではないように、魔物たちもまた『悪』ではなかった。そこに介在しているのは『設計者』の意志……。
逃亡から始まるシン・異世界冒険譚の始まり、始まり。

あらすじより引用

 設計者の意思という文言もあるように。勇者。魔王。女神。といったような諸々だったり。ステータスの世界観なども含めると「ゲームライクな設計思想」に理由をもたせる。

 といった「舞台装置」にまで気を配った作成思想があることを示唆しています。

 ゲームライクの作品設計にする理由を「創作上それが流行りだから」とか身も蓋もない理由ではなくて。「世界の設計者がいる」という観点から、世界観を作り込むことをあらすじで宣言している。

 作品です。さらには、魔物と親しくなる。

 といった形で「共同体の構築」も予想できるあらすじ。

 楽しみ方の「幅」というか「手札」がまだまだ控えている。というワクワク感が強い書き出しでした。

 感想は以上です。

2-10 神様と契りを交わすこと

タイトル感想

 神様という単語から。ファンタジーの話題。契りという言葉が。神道系とかの方がイメージがしやすいかもです。ユダヤ教とかそこら辺の一神教のイメージがつかないのって、もしかしたら日本独特なのかも。と思いました。

あらすじ感想

 日本を舞台としている。神隠しに近い経験をしている。そのときになにかしらの「約束」をしているのだろう。と予想できます。

 約束を違えるな。と注意されるんですから。約束を違えちゃうんじゃない? とは期待しています。

 しかし、どんな展開なのか。どんなジャンルの話なのか。というのが、タイトルとあらすじでは正直見えてこないので。想像に想像を重ねてにはなるんですが。

 結婚の約束とか。嫁入りの約束めいたことがあったのかも。みたいな異類婚姻譚としての期待感を持った印象です。

本文感想

主人公   :わたし (由里の一人称作品)
主人公の能力:不明(神様に見初められるに足る理由がある?)
世界観   :日本を舞台にした現代ファンタジー。土着の神様との異類婚姻譚か。
異変・事件 :約束を違えた(だって、婚姻の約束をしていたのに土地を離れる)ことを、咎められるないし。違えたと認めないなど。
問題・課題 :不明(神様が対立する存在になるのか? ヒーローとして存在するのか。そこもわからない情報量)
決意・覚悟 :不明(今後の筋が見えてこない)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): ここも具体的には不明です。どんな方向性にも舵をきることができる段階の情報量なので。投票の選好に悩む所はありそうです。

 タイトルとあらすじから「異類婚姻譚の話」と予想していた部分はあります。その予想を一文目から満たしてくれた作品でした。

「じゃあ、じゃあね、大人になったらお嫁さんになってあげる」

本文より引用

 この一文目を読んだときに「これは異類婚姻譚で、幼少期の結婚の申し出を真に受けたちょっと困った神様」が登場するのではないか?

 と、予想できる情報がしょぱなから、切り出されています。

 この「困った神様」からの「約束覚えてるよね? 結婚しようね」という猛烈な求婚などを期待して読んでいる所があったんですが。

 由里さんの「背景情報」の提示等に文字数が割かれています。

・幼いころに神隠しにあっていること。
・神隠しにからめての不穏な企み(神に返すなどの伝承から、神様は不穏な方なんかも)から逃れるために、地元を離れたこと。
・祖母の葬式に出るために「地元に戻ってきた」こと。

 場を構成するうえで、重要な情報はこの三つ。

 読むうえで、もうちょっと知りたかったのは。

「今後の展開」に絡む情報まで知れば、ムードの確定につながったかも。とは思いました。

 今後の展開に絡むというのは。具体的には「神様」の態度ではないかな。とは思っていて。

 神様は「ヒーロー」としての役割なのか。ヒロインに恐怖を与える「上位者」としての役割なのか。

 ここがちょっとあやふやな感じの書き出しでした。

 というのも「わたし」が主役の「ラブロマンス」の物語であるとするならば「わたし」が抱えるラブロマンス上の課題などを書き出しでアピールするなどがあれば。「ああ、この作品はラブロマンス主体の物語なんだな」と期待するところですが。
 読んで見ればわかるんですが、さほど「ラブロマンス方面」に関する情報は提示されていません。あるのは結婚の約束だけです。

 ヒロインに恐怖を与える「上位者」としての役割である。

 としたならば、少々納得もできる。といった予想もあります。

 ――あの子は、神隠しされた。
 ――神様に見初められた子だ。
 ――早く神様にお返ししなければ。

本文より

 この「お返し」という文言も不穏さがあり。この「お返し」を恐れて、祖母は地元から離れるように助言しているわけです。となれば、二つ目のムードで展開するならば。もう少し、不穏さをアピールする。といった方法にもなるんですが。

 実際のところ。この作品は「どっちのムードに行くのか。ようわからん」といった塩梅だったりします。

 一話目で「ジャンルはわかるが、方向性がまだ見えてこない」といったときに、同質のジャンルや作品が並んだときに「読者の選好」で分かれる可能性がある作品かもしれないなぁ。と読みながら思ったところです。

 感想は以上です。


2-15 雑貨屋のシシィとバラバラ勇者

タイトル感想

 キャラクター名詞があるので。シシィという人物が存在すること。勇者という文言があるので。この作品も「勇者と魔王」というセットになるような作品なのかも。と予想しています。
 バラバラ勇者。

 バギー船長ですか?

あらすじ感想

 魔王と勇者というのはくっつく運命にあります。今回の場合のは魔王家の姫とあるので。魔王の縁者なのでしょうね。
 物語には「過去の因縁」などもないまぜになりながら、展開していく物語。おそらく、二人のバックボーンがちょこちょこ小出しにされながら展開するものだったりするのかな。とは思っています。

本文感想

主人公   :雑貨屋のシシィ。またの名を、聖魔女シトラシア (三人称神視点)
主人公の能力:様々な雑貨をご用意する。ヒロイックなストーリーなどでガジェットを提供する博士みたいな能力。
世界観   :異世界ファンタジー。勇者と魔王という対立するコミュニティが存在している。
異変・事件 :不明(多分、次の二話か三話でダンについていきたくなる事件が発生?)
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): 訳ありな二人。男女バディものとしての作品。女性側の方が精神的に成熟しているタイプの物語なので。擬似的におねショタです。雑貨屋のシシィが提供する数々の「雑貨道具」によって、多くの旅路の問題を解決していく。といった物語になることを予想しています。

主人公   :勇者ロダン 現在はダンと名乗る (三人称神視点)
主人公の能力:圧倒的な戦闘能力。用心棒として抜群の能力。
世界観   :異世界ファンタジー。勇者と魔王という対立するコミュニティが存在している。
異変・事件 :聖剣が引っこ抜けてしまう問題。
問題・課題 :不明(勇者って過酷な仕事なのかも)
決意・覚悟 :勇者の仕事を受け付ける。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): 訳ありな二人。男女バディものとしての作品。女性側の方が精神的に成熟しているタイプの物語なので。擬似的におねショタです。

感想なら智子さんに任せておけば間違いないとどこかで誰かが言っているのを見かけた気がしますので、感想依頼をお願いできるでしょうか。

感想依頼より

 賑やかしと智子のトレーニングをかねております。感想は多くあればあるほど、サンプルにできるものがたくさん見つかると思うのでどんどん感想依頼はかけてみると良いと思います。

4000字に詰め込みすぎた自覚があります。

感想依頼より

 実は。そうは思わなくて、ちょうど良い塩梅のようにも見えたりはします。それはおそらく「構成や順序」が上手だから。4000文字に収められたという所はあるのかもですね。

1:シシィとダンが控える雑貨屋のシーン。
2:逃げ出した勇者候補のシーン。
3:ダンが嫉妬して、客を追い出すシーン。(ここでダンの精神的な未熟さを示すなど)
4:ダンが勇者候補として選ばれてしまっているシーン。(聖剣が捨てても戻って来る)
5:回想として、聖剣を引き抜くシーン。
6:シシィとダンは勇者としての使命に対しての抵抗感を示すシーン。
7:シシィとダンの過去の関係性を端的に示すシーン。
8:ダンを訊ねる鎧の男のシーン。

 確かに言われてみれば、シーンの情報量は多い作品かもですね。

 これは筆力で読ませているし、雑貨屋としてのシシィの能力及びダンの戦闘能力の提示など。「書き出し」で知りたい情報の提示にはなるので。さほどネックには感じていません。

目が滑る作品である自覚もあります。

依頼文より

 私は正直。目が滑るとは思わなかったです。端末による所はあるかもしれません。私がPCのWebブラウザでチェックしてるので。PCではさほど文字のつまりを気にすることはなかったですが。スマホのブラウザで見たら、印象変わるのかもしれませんね。ちょっと、感想記事を書きながら配信もしているので。ブラウザでのチェックは割愛します。

 その「目が滑る」云々は、文字数の「改行等」である程度軽減されるので、書き出し祭りのレギュレーション上の問題と割り切ってしまっていいと思います。

それ以外にもツッコミどころ満載かと思われますが、ご指摘はやんわりとしていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

依頼文より引用

 ツッコミどころ頑張って探したけど。ちょっと見つかんないですねぇ。

 基本的には「旅立ち」の物語を描写するうえで、過不足ない。とは思った書き出しなので。非常に苦心しております。

 あえて、ツッコミどころを探すならば。

 勇者としての聖剣に選ばれる。二度目の勇者やるか。という諦めに近い告白のシーン。のときですか。

 無機物であるはずの聖剣だが、ないとは言い切れないあたり非常に世知辛い。
 シシィは無言で天を仰いだ。聖剣が気まぐれなのは知っている。でも、これはあまりにも。……あまりにも。

「そんな顔しないで、シシィ。聖剣の無茶振りには慣れてるしさ」
「…………」
「勇者になるのも二度目だし。そう簡単には死なないから安心してよ」

本文より引用

 このシーンがあえて不自然かというと。不自然かもしれないけど。みたいな揚げ足取りのレベルでしょうか。
 シシィと仲良く話している男性客に対して、割って入るようなダンが。シシィと離れることになるであろう「勇者の使命」に飛び込むさいに、ちょっとすんなりと受け入れているようにも見える挙動があります。

 2日間粘ったってのはわかってはいるんですが。ダンが「精神的に未熟な点がある」ことを表現しているシーンがあるならば、そこも重ねて見るともっと効果的なイベントになったかもしれません。

 色々書きましたけど。面白かったです。タイトルでは。優位性のあるおねと精神的に不安定なボクっ子の組み合わせであることが、わからなかったので、疑似おねショタジャンルとして、ターゲットの智子を補足できなかった作品でした。依頼がなかったら、わからなかった作品です。

 感想は以上です。

2-19 復讐者、不完全燃焼

タイトル感想

 復讐譚の物語だと思っています。不完全燃焼とあるので、何かしら。不満のある形で物語が展開するとかなんでしょうか。

あらすじ感想

 エドという主人公が明記されてる。わかりやすくて好き。
 尋常ならざるお力を持つエド。の導き手として、ニーナの登場。

 新しい物語の目標が再提示されることによって、読者の期待値を設定できるか。というところを期待して本文を読むことになると思います。

本文感想

主人公   :俺(エドの一人称作品)
主人公の能力:不明(なんかしらあるとは思うんですが。本文からは推測できない)
世界観   :魔族に代償としての話題があるように。異世界のファンタジー世界の作品。
異変・事件 :焼討の死亡!(目的の消失)
問題・課題 :人々には称賛されない八つ当たりの旅を開始する。
決意・覚悟 :紫電に八つ当たりしにいく!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): あらすじが効いてる。ところはあります。本文だけでは「ナラティブ」の項目は埋まらない。冒険譚とあるので、紫電を目標に旅路が進んでいくことになるのでしょうが。そのさなかに「主人公がどう活躍するのか?」が見えてこないことには、ムードが確定しない。ところはあります。

 面白かったです。

 この作品が面白い理由は「主人公の喪失感が明確であること」というのがあります。

「俺が殺せなかったのは仕方ないし、紫電に文句が言いたいわけじゃない。散々恨みを買ってる奴なんだ。あんな外道、殺されるのは早ければ早いだけ良いからな」
「……」
「けど、肩透かしっていうか、不完全燃焼みたいな。なんて言うのかな」
「……」
「生きる理由が無くなったんだ。俺の知らないところで」

本文より引用

 喪失感が明確であると。物語のラストに向けてのカタルシスが明確になります。

「彼は物語の最後にその喪失感に代わる新しい目的を手に入れる事ができる」

 という期待が逆説的に持てます。

 読者にラストを予想できる情報量を展開すること。というのは、非常に好ましい力があるので。必ずしもファースト10を埋めていなくても「リーダビリティ」は存在すると思っています。

展開の速度について講評いただきたいです。

依頼文より引用

 読んでて、不足があるようには感じなかったとは思っています。展開についての速度で考えてみます。

1:復讐者エドのバックボーンの描写及び""焼討""という仇の喪失
2:""焼討""の死亡から、それらの情報による人々のリアクションのシーン。主人公の夜ふかし宣言
3:飲みすぎた主人公エドとニーナの出会い。(ニーナからの目的の提示)

 上記のように、三つの分割できます。この作品が「何を大事にしているのか?」というのを汲み取ったときに「キャラクター小説」として、物語世界を歩むキャラクター達のやり取りなどに演出の重きを置いている小説なのだと捉えました。そして、それはこの作品の魅力の多くを締める要素ではあります。

 もしも、もっと展開とか。手札を多く示したい。という考えがあるんならば、主人公が10年かけて培った能力を書き出しで提示する。とか、彼が「コミュニティ(10年修行をして、名を上げた武芸者であるかとか)においてどのような評価を得ている人物なのか」の表現を挿入するなど、他のアプローチもあるとは思います。

 しかし、一番大事なのは。「主人公は何に苦しんでいて、物語の最後に何を得るのか」を予想できる情報を提示することが最優先だと思っています。

 それさえ、満たしてしまえば「エンタメ作品」としては、強い引きのある構成になるんじゃないかな。というのをぼんやり思ってたんですが。この作品を読んで、その感覚はある程度強い確信となった気がしています。

 感想は以上です。

2-21 聖剣抜いたら偽王女(男の娘)になったので、国難を"うんとこどっこいしょ"します

タイトル感想

聖剣という言葉から。ファンタジー作品であることを予想していました。男の娘。という言葉から、可愛い系の男の子。女の子に扮することが可能なショタだろうと予想していました。うんとこどっこいしょ という部分も。「かぶの絵本」かなと思ったのはあります。

あらすじ感想

 お金に困っているキャラクター。というのは読んでいて強い「一 体 感アイデンティフィケイション」がありますよね? みんな金に困ってて欲しい。みんな貧乏なら! というさもしい読者です。

 さて。そこはおいといて。金に困窮している。故に危険な仕事に手を出す。などのような物語上の動機を補完してくれる要素がある作品は「好み」だったりします。あまりにも、報酬と危険が見合っていない。とか、共有しづらい要素があれば。「このこはもしかしたらバカなんかなぁ」とドン引かれたりもするんですが。いたし痒しですな。

 基本的なログラインが提示されること。

 男の娘になって、色々頑張る話。と明らかに示されているので、そのセットアップにかかる本文が期待される作品だと思います。

 タイトルやあらすじの文章からもわかるように「コメディ作品」であることが明らかに期待できる作品なので、そのムードの確定もあれば。読者の期待値を満たしてくれる作品になろうかと思います。

本文感想

主人公   :僕(クラン・ヴァンスの一人称作品)
主人公の能力:どういうわけか。聖剣が抜けてしまう。
世界観   :コメディの作品。地の文にちょこちょこ「現代の作品や、現代のクレジットカード」などの文言が出てくるなど。メタ的な楽しみ方がある語りの作品。
異変・事件 :おばあさんからの仕事の依頼
問題・課題 :王女の身代わりとなる。
決意・覚悟 :不明(二話目以降で、外堀が埋められるとか。主人公の決意。金とか示されるんですかね?)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):馬鹿笑いするコメディ作品であることは約束された作品のように思います。ホラージャンルとコメディジャンルはムードの確定の方が最優先の作品のようにも思っていて、それらのムードを掴み取れた作品だとは思いました。手札自体はまだ色々あって、今後の国難の提示によって楽しみ方は広がりそうですが。コメディラインの基本は崩さないでいてくれる作品じゃないでしょうか。

 面白かったです。

 ジャンルによって「優先される情報」は違いがいくらかあるように感じています。『2-19 復讐者、不完全燃焼』のような「復讐譚」を目的とした作品は「作品のラスト」のカタルシスの提示が強めになります。
 コメディのジャンルは「コメディの性質」を示すことが重要だと感じています。

 この作品は既存作の『大きなカブ』のオマージュをしつつ、主人公の語りに「ツッコミ」や「ボケ」の要素を内包させる物語です。

 うんとこしょ、どっこいしょ。
 それでも剣は抜けません。

 犬や猫を助っ人で連れてくるべきかな!?

本文より引用

 この部分とかも。タイトルで期待していた要素をぶち込んできたシーンでした。

 読者は「繰り返し楽しませてくれる」ことを期待していて、この作品はもちろん「聖剣」に絡む諸々や、国難を排除していく。という「あらすじ」で約束された部分はあるんですが。

 それとは別に「クラン」という主人公が「どうにかこうにか、男の娘」を演じきって、伝説になる。という結末に至るまでの「語り」を楽しむ作品なので。そこを満たし続けてくれたならば、読者は強烈な吸引力で読み続ける作品だと思います。

 王女の悩みであったり。魔術師の誘引(クランは内容覚えてないみたいだけど)や、これから襲い来る国難など。多くの手札を隠し持っている作品であろうかと思っています。

 智子もメリハリの効いたボディが大好きな少年(心は)なので、期待しております。

 感想は以上です。

2-24 ****しないと出られないダンジョンに閉じ込められたが、脱出条件がわからない

タイトル感想

 ダンジョンとあるので。ゲームファンタジーライクな舞台装置としてのダンジョンを予想しています。「****ちょめちょめ」と勝手に読んでました。これはちょめちょめですよ。間違いない。

 えっちな奴でしょ。

あらすじ感想

今、危険なダンジョンに閉じ込められた男女が、生き残りと脱出を賭けて、条件の発見と達成を目指す日々が始まる。

あらすじより引用

 絶対。そういう意味でしょ。えっちな奴でしょ。という強い期待感があります。そして、えっちな条件だと気づいて、みんなで懊悩したり、ぎくしゃくしたりするんでしょ!?

 と勝手に期待を膨らませて、ズボンを脱ぎ始めた智子でした。

はたして彼らは****することが出来るのか!?

あらすじより引用

 ビックリマークとはてなマークで締めてると。コメディの印象や期待がいくらか強まったようには思います。

本文感想

主人公   :アレス(三人称キャラクター視点)
主人公の能力:リーダーとしての導き手や、ムードの調整などのバランサーみたいな存在。
世界観   :ゲームライクファンタジー(システムメッセージの登場など)の世界観での、脱出もののムード。
異変・事件 :ダンジョンから出られない。という異変
問題・課題 :不明(今後やってくる外部の冒険者たちが持ち込む情報などの精査)
決意・覚悟 :どうにかして、ダンジョンを出ていくぞ!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): 脱出パニックもの。みたいな作品イメージです。キャラクターの書き分けがされていることから、4人が協力して、外部への脱出をはかる物語です。

 もうちょっと、えっちぃ外堀を埋めてくると思っていた作品だったので。「舞台装置の提示」と「キャラクターの提示」の二つに主眼が置かれたのは、驚きというのもちょっとありました。

 てっきり、もっと「コメディ」色が強いんじゃないかなぁ。と期待しながら読んでいましたので。結構ハードに舞台装置を設定し、パーティメンバーの動揺を抑えながら、みんなの目的意識の共有など。リーダーというロールに徹した主人公のシーンが続いたので。

「条件付け」の設定が小出しにされることによって、登場人物達の懊悩が描かれるタイプの作品なのかなぁ。とか思っています。

 実際、可読性とか。リーダビリティが高いか? と言われると「次のページをめくったときにえっちなものが読める」という期待感は薄れている所はありました。

 薄れているのか。というと。やはり、文体もそうですが。結構真面目に「脱出もの」やってるので。「あれ? えっちぃ作品じゃないかも」と期待感が迷子になったところはある作品でした。

 私に限らず、他の方も挙動としてあるのは。

「約束された作品」を読みたがる傾向があると思っていて。

 タイトルとあらすじで期待していたムード(コメディ色)からは、少しそれた感じがあります。

 あくまでも。前提として。「えっちな条件がある」という作品ならば。

「リーダーのアレス」という男性に対して、3人の魅力的な女性キャラクター達の性質を表しつつも、そこはかとなく性的な魅力に関する描写を惜しまずに描写していくこと。が、タイトルとあらすじの「****ちょめちょめ」への期待値の釣り上げ方になるんじゃないかな。とは思っています。

 しかし、えっちな条件ではないとするならば。このムードのまま。二話目の新しい情報の提示をすることで、ムードを再確定できる。とは思います。

 作者発表されたら、どういう展開を設定しているのか。気になるところです。

 勝手な想像ですけど。

 全員、男性経験及び女性経験がない。とか。緊迫感を与える情報を出してしまうのも楽しい要素になったかもとは思っています。

 その答えには、まるで見当もつかなかった。
 もしかして、この答えにピンとくる人はいるのだろうか……。

本文末尾

 この問いは、読者に対してのアピールにも読み込んでいたので。おそらく「コメディ」テイストの作品じゃないかなぁ。とか思ったりもしたので。判断に迷う作品でした。

 感想は以上です。

2-25 イケメンに口説かれていますが遠慮しておきます、ぼくは佳純が好きなんだ

タイトル感想

 口説かれている。とか。好き。という言葉から。結婚適齢期にある男女のラブロマンステイストの作品であると予想しました。さらには、長文タイトルというのも、印象にコミカルな印象を与えてくれています。

あらすじ感想

 ぼくが主人公で。幼馴染の慕う年上の幼馴染がいる。おねショタですね。ぼくが聖女の生まれ変わり。というところから、タイトルにある通りアプローチを受ける話。

 イメージは掴み取れました。BL的要素(外面的な部分)があるのかもですね。

 この「聖女の生まれ変わり」設定が、どの程度動いてくるか。

「いいよってくる思春期にありがちな男の妄想」で、現代ものなのか。現代ファンタジーとしての展開が期待されるのか。

 本文でどっちに舵がきられるのか。をチェックする事になりそうです。

本文感想

主人公   :僕の一人称作品(御神楽みかぐら あきら
主人公の能力:不明!(前世が聖女ってことらしい)
世界観   :現代ファンタジー(異世界の聖女から現代の男性への転生)
異変・事件 :ヒロインの天木あまきとヒーローのひじりの邂逅ですな。
問題・課題 :不明(ヒロインとヒーローからの求愛? みたいな三角関係に関するもの)
決意・覚悟 :ヒロインのことが大好き! 仲良くなりたい! という願いみたいなもの。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):まだわからない。どういう楽しみ方を約束するのか。という「ログライン」は全く見えてこないんですけど。しかし、一筋縄ではいかないラブロマンス作品のように期待しています。

 面白かったです。しかし、この面白さは多分「智子の好み」としての傾斜配点としての力が強めだとは思います。

 だけど「どうして面白いのか」というのをある程度、言語化していきたいと思っています。

・天木(イケメンなヒロイン! 女性たちにキャーキャー言われる)と御神楽の現代においての関係性を提示する如才ない描き方。

「却下ぁぁぁぁ」

 目の前の佳純がそれまで読んでた台本を丸めて僕の頭を叩く。その姿は魔王のよう。何を怒ってるんだ?

本文より引用

 一文目の書き出しというものではないんですが。ここも一文目と見ていいとは思います。

 この文章を読むだけで、二人の関係性(何かしらの指摘を行う事ができる。コミカルなツッコミが発生する作品)やムードを確定させた。強い書き出しでした。

・作中作の「聖女のテンプレ」のシナリオを提示すること。

 これは良かったと思います。今後の「聖女の生まれ変わり」という設定の提示の前に、ワンクッション置くシーンを挿入していることから。このあとの「魔王と勇者」という話題についての「予 示」フォーシャドウィングを示しています。

 物語上の夢のお告げみたいなもんです。現代のシーン。しかも「僕」の視点による「一途な男性」としての描写があるコミカルな作品なので、なおのこと。書き出しの作中作提示が効果を発揮したように思います。

・天木のバックボーンへの描き方。

 御神楽が描写している天木の「謎」についてなど。適切に情報開示があること。

ただね、ちょっと不思議なところもあるんだよね。僕が困るとどこからともなく現われたりする。あと、僕が女の子と仲良くしていると現われる。不思議な力を持っているのか。まぁ、僕は佳純一筋なので他の女の子と仲良くなるつもりはないからね。

本文より

 この部分が「ラブロマンス的要素」として解釈もできる。天木が「御神楽への恋慕や独占欲を示している」とも見えたんですが。
 今となっては「別の目的がある」ようにも見えるところです。

 なんだろう、佳純の様子がいつも違う。なんか禍々しさを感じるような気もする。

本文より

 この禍々しさの話題。とかもそうですが。天木の感情について。不穏さを感じるものにも見えます。

 しかし、他の視点で眺めてみるならば。

 普通に。
「女取り合ってる男のマウント」にも読めてくるのも不思議でして。

 どっちなんだろうなぁ。気になりますわ。

 二話目以降で、方向性が見えてくるようには思うんですよね。

 この三人の関係性は本文だけで見るならば。まだ「非対称的な情報」の塩梅になっていて。

 御神楽は天木が好き。という王道的なラブロマンスの構成になっているんですが。

 天木と聖は「前世の記憶の共有及び女神とのやり取り」など。主人公が知らないものをお互い知っているなど。情報に非対称性があります。その情報が開示されることによって「御神楽」の思いが、揺れ動くようなイベントが「ラブロマンス上」智子は期待しています。

 感想は以上です。

第二十三回 書き出し祭り 第三会場 感想

タイトル初見選好

3-03 ルチーナは真実を知りたい~育ての母は無実の罪で追放された悪役令嬢でした~

 なんか。あれですね。どっちだろ。ルチーナが女性なら。別におねショタではないんですけど。一応の期待をもって、あらすじ確認です。

3-08 昨日空が青かったから、ルカは世界を滅ぼすことにした。

 ルカが男の子かどうかはわからんですが。なんか、精神が不安定な、幼い人が出てきてくれそうなので。期待してあらすじ確認です。

3-10 国内浄化ダーツの旅 ~放蕩第三王子一行の浄化ピクニック地は、必ず繁栄するらしい~

 放蕩とあるからなぁ。ショタは強く期待できないですが。もしもの可能性も考えて、あらすじ確認です。ダーツの旅ってあたりから、もうコメディの香りがしているので。そこも好きです。

3-11 おとうとに会いに行く

 おとうとを開いていることも物騒ではあるんですが。会いに行くのがお姉ちゃんならば。おねショタですよ。要確認です。

3-14 限界領主と化け物召使い

 一縷の望みをかけて。化け物召使いとあるので、ある程度「召使い」の方がアドバンテージがあるのか。とか思いながら。限界領主の属性次第ですね。あらすじ確認です。

3-18 「推ッ忍ッッ!!!」萌えよッ!キュン死郎伝説ッッ!!

 おねショタ。というよりかは。勢いでクリックしちゃう。キュン死させてください。

3-20 雄弁な子どもたちは沈黙する

 第一会場で「子ども」の名前をタイトルに冠している作品がドンピシャおねショタだったので、その期待も持ちながらのあらすじ確認です。

3-25 鬼崎君と見えちゃう私

 ◯◯君とあるので、クリティカルな年齢帯かもしれません。

あらすじ初見選好

3-03 ルチーナは真実を知りたい~育ての母は無実の罪で追放された悪役令嬢でした~

 ルチーナ女性でしたね。やっぱり、名前からして女性だとは思っていたので。他の作品におねショタを期待。撤退。

3-08 昨日空が青かったから、ルカは世界を滅ぼすことにした。

 違った。おねショタじゃなかった。智子のおねショタセンサーは鈍りましたな。撤退。

3-10 国内浄化ダーツの旅 ~放蕩第三王子一行の浄化ピクニック地は、必ず繁栄するらしい~

 良いあらすじです。主人公の属性に注目するタイプ(おねショタ狂い)の智子にとっては、不足した情報ではあるんですが。物語の「楽しみ方」とされる領域の部分を示したあらすじです。興味わいたので、読んでみましょう。

3-11 おとうとに会いに行く

 兄弟か。兄弟か。いや、いいんですよ。ただ、おねショタではなかったんやな。という勝手な期待でしたから。ボクっ娘の可能性もあるとは思うんですが。撤退です。

3-14 限界領主と化け物召使い

 あらすじがない! 撤退! 
 おねショタなのかい!? どっちなんだい!?

3-18 「推ッ忍ッッ!!!」萌えよッ!キュン死郎伝説ッッ!!

 勢いあるなぁ。推し文化の話題であることはわかりました。ここ最近、智子が「推し文化」を下地にした作品を考えているので。個人的な興味やジャンルとしての期待を持っている部分です。読んでみようと思います。

3-20 雄弁な子どもたちは沈黙する

 どっちだろうなぁ。基本的に智子が「おねショタ」に固執する理由というのが。

「愛着障害をこじらせてしまったおね」と「愛着形成バッチリのショタ」との化学反応みたいなものが大好物だからなんですよね。それの香りはちょこっと感じるんですが。確約もない。撤退!

3-25 鬼崎君と見えちゃう私

 高校一年生は数えで16歳。ショタではない。ショタではないが。異能ものが嫌いではないので、チェック! 同級生だろうな。とも予想はしていたので、さほどショックではないですね。

暫定投票先

1位票:3-25 鬼崎君と見えちゃう私

 主人公が二人いる。という見せ方です。お互いに抱えた課題に関しての提示等もあって。情報量の多めではあるんですが。「友達が欲しい」というシンプルな課題提示が好みでした。

2位票:3-10 国内浄化ダーツの旅 ~放蕩第三王子一行の浄化ピクニック地は、必ず繁栄するらしい~

 あらすじとは違う部分ですが。本文は「トリオ」としての三人での活躍を約束するあらすじでした。反映する。というところまで触れてみたい作品ですね。

3位票:3-18 「推ッ忍ッッ!!!」萌えよッ!キュン死郎伝説ッッ!!

 あらすじ通りの勢いのあるシーンが続きました。語り口自体も面白みの一つとして用意してくれているようです。しかし、物語全体の「セントラルクエスチョン」の提示までは見えなかったので、3位となりました。面白かったかどうかで言えば、ぶち上げた面白さはあるんですがね。

投票先のメモ(1/11)


以下、感想依頼分(感想書いたものは★マーク)


3-03 ルチーナは真実を知りたい~育ての母は無実の罪で追放された悪役令嬢でした~

タイトル感想

 ルチーナさんが娘? となるんでしょうかね。タイトルで「〇〇したい」というふうに「願望」を示すことで結果的に「ファースト10」の「決意・覚悟」に関する部分を示せるので。この願望のタイトルは情報量があります。サブタイトルに「知りたい内容の補足」としてあるようです。

あらすじ感想

 あらすじは読者に一定の疑問を残すように、描く所はあるな。と思っていて。
「どうして、名誉を取り戻そうとしているのか?」
「ユークレイトの事情はなんなのか?」
「どういう狙いでスピラは追放されたのか?」

 といったように、基本的に「謎」をぶら下げていくことが大事だとは思うんですが。

 この謎の提示の中で「ルチーナが、スピラの名誉を取り戻す理由や動機づけ」があらすじの中では見えないので、3つの謎のうち「主人公の動機」がもっとも重要視される点はありそうです。

本文感想

可能ならここから期待する展開(特に恋愛要素の有無)などを感じたままに教えていただけると嬉しいです。

依頼分より

 タイトルとあらすじではさほど「恋愛要素」等は感じ取れていなかったので。本文で「ラブロマンスを期待しているヒロイン」であったり「パートナーを求めている」などの願望が提示されるかどうかで、期待値は左右されそうです。

 本文等で期待した展開をつらつら、考えてみようと思います。

主人公   :ルチーナ(三人称キャラクター視点)
主人公の能力:戦闘能力
世界観   :異世界ファンタジー。あまり、魔法の類とかはないような感じがします。
異変・事件 :スピラの手紙
問題・課題 :不明(権力者達の嘘と駆け引きなどの危険性)
決意・覚悟 :スピラの濡れ衣を晴らす。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):アグレッシブで、活動的なルチーナが。スピラから叩き込まれた多くの技術や信条を胸に、故人の名誉を回復していく物語。

 少し性急な感がある印象でした。

 タイトルとあらすじによって、印象を受けていた期待値を「基本的には満たす」のですが。上回ってはこなかった作品のように思っています。

「読者として智子が知りたかった部分」というのは。

「どうして、ルチーナがスピラの名誉を復活させると決意したのか?」の部分でした。

 それは「名誉を復活させることによって、ルチーナがどのようなカタルシスを得るのか?」という所も物語上の「主人公が抱えるテーマ」として木にしている要素です。

「エンタメ作品」として、主人公が誰で、どのような活躍をするのか。世界観のムードや、能力の提示など。過不足なく示している要素の作品です。

 しかし、それはあくまでも「外的な課題」(物質的なもの)にとどまっていて。「内的な課題」(精神的なもの)が見えづらい構成となっています。

 この作品の「外的な課題」を考えてみましょう。

・スピラという高級娼館の支えとも言えるキャラクターの死

 普段はきつい香水の匂いと男女の睦み合う声で賑やかな娼館ポヌ・エタリースも、陽の高いこの時間はシンと静まり返っていた。夜の仕事を終えた娼婦たちはすっかり寝入っている時間帯だ。だがそれ以上にオーナーだったスピラの死が暗い影を落としている気がする。

本文より

 スピラという人物がコミュニティにおいて、どれほどの人物であったのか。その影響力を案に示していて、その事後処理や、娼館の経営にあたっての雑務に追われているルチーナのシーンなどは。「物質的な課題」として描かれるシーンです。

・ヴァイオレンスな妨害の提示

「何言ってるの? 悪いけど私、今急いでるの」
「うるせぇ! その前にその喉掻っ切ってやるよ」
 そう言って男が取り出したのは錆びたナイフだった。

本文より引用

 主人公の「第一関門」とされるイベントの提示にはなるんですが。主人公がそれらの暴力に対処する能力があることを示しています。このイベントを提示することによって、作品全体へのイメージをある程度方向性を付けました。

 今後、この物語はこのように「暴力的なシーン」が登場することを示唆しています。

 さらには、それらの補足や伏線ともなる要素が。地の文の中にもあります。

スピラはこれまで様々なことを教えてくれた。読み書きや言葉遣いはもちろん、貴族相手の商売方法に気難しい人物の懐柔方法、経営者としての心構え。果ては女として生きて行くための手練手管まで……。

本文より引用

 こういう風に、スピラの教えが、ルチーナに染み付いていること。これらの能力を活用して、物語上の活躍を期待させています。

・課題への対処

 ――ルチーナ、いいかい。女が何かに立ち向かう時は、絶対に譲れないものがある時だけだ。あたしは立ち向かう相手を間違えたけど、あんたなら大丈夫だ。なんたってあたしの娘なんだからね。

本文より引用

 物語上の導きとなるキャラクターのことを「メンター」といいます。この「メンター」という役割は、主人公のそばにいて、物語上の直接的な誘導をすることもありますし、ときには「キャラクター」ではなくて「記憶の中から蘇る」という形で、主人公の行動を左右するシーンがあります。

 ジャンルは違うんですけど。バトルものの漫画とかで。戦闘中にいきなり「回想」が挟まれたりするんですが。あれも「メンター」だったりします。

 このシーンも「恨みのある敵対者」を制圧するための心得が「記憶から蘇る」というのも。メンター的な活躍です。

 浮かぶものとしては。上記の3つでした。

 翻って、内的な課題について考えてみたいのですが。

 拡大解釈するならば。捉えることもできないこともないような。という領域で読み取りました。

 基本的に「内的な課題」というのは「一見して読み取れる」ようには作られていません。というのも、旅のさなかに、自分の中の「真の願いや目的」が見えてくるようになるものだったりはします。
 だって「自己認識」で「内的な課題」がめちゃんこ自覚あったら、すぐに解決しちゃうんですよね。なので、内的な課題ゆえに「ストレス」が表面化する。位の塩梅になるものが多いです。

 それで考えると。次の点かもなぁ。

・過去のスピラと現代のスピラのイメージの乖離へのストレス

 対人関係というのは「期待と落胆」の連続でして。皆さん、誰かと人付き合いするときに。期待したり、落胆したりと色々あるんですが。この「期待と落胆」というのは紐づけのバンドル販売みたいなものでして。

 期待から外れた挙動をしたとき、人は落胆をします。

「あなたはそんなことしない人です!」

「お前、俺の何を知ってるんや?」

 と、期待を押し付け合ったりとか。そういう衝突っていうのが、結構あるもんですが。

 似たような挙動をルチーナが持っているのかもなぁ。位には読み取れました。

(なら母さんは、貴族のお嬢様だったってこと……?)
 まさかそんなことあるわけがない。これではまるでスピラが小説に出て来る悲劇の悪役令嬢ではないか。作り話に決まっている。しかしスピラはそういった冗談を言うような人間ではなかった。
(それにあの母さんが、濡れ衣を着せられたままでいるはずがないわ。あの手紙はきっと何かの間違いよ)
 ルチーナの知るスピラは強い女性だった。どんなに理不尽な要求をしてくる客にも毅然とした態度で立ち向かっていた。
(それなのに、あの手紙の中の母さんはただのか弱いお嬢様じゃない。そんなの母さん――ポヌ・エタリースのスピラじゃないわ)
 まずは司祭に詳細を聞かなければならない。教会への道を急ぐルチーナは、動揺のせいか背後に近づく影に気づけなかった。

本文より飲尿。

 上記の太字の部分を強調しているんですが。

「スピラの過去と現在のイメージの乖離が著しい」シーンであり、主人公はそれにひどく驚きながら、司祭のもとへ向かっています。

「この乖離した母の情報とすり合わせるため。期待している母親像との不一致をなくすため」に司祭のもとへ向かい、情報を仕入れようとする。

 じゃあ、ルチーナは「スピラの期待する理想像があり、その理想のスピラ以外を許せないや受け入れたくない」という精神的な挙動が現れている可能性がよぎりはしました。

 これも結構、拡大解釈に近いところはあります。

 依然「ルチーナがスピラの過去を追い求め、彼女の名誉を挽回する明確な理由」は汲み取れなかった部分はあります。

 というのも。これをわかりやすくするには。

「母の名誉を挽回することによって、ルチーナはどんな報酬(外的なものも、精神的なものも)を得られるのかを明確にする」

 ことで、印象つけが強化されると思います。

可能ならここから期待する展開(特に恋愛要素の有無)などを感じたままに教えていただけると嬉しいです。

依頼分より

 さて。やっと、ここに来ました。

 恋愛要素について。

 さほど感じませんでした。もちろん、アグレッシブなヒロインと。イケメンなヒーローが並べば、多少の「色ごと」の期待値はあるものですから。その程度の認識はあるんですが。

 本文のなかで「ルチーナがパートナーを渇望している」というような描写がないので「この作品はラブロマンスがメインテーマではないんだな」という認識で読みすすめていました。

 もっと、そこら辺の期待感を誘導したいなら、しれっと「ラブロマンス」的要素があることをあらすじや本文でも提示しても良かったかもですね。

 智子が期待する展開

 智子好みの話題ですからな。主人公の「外的な課題」と「内的な課題」が両立したドラマ性のある作品構成を期待しています。

 スピラがどういう立場の人間であるのか。というのは、本文の序盤でも示されているんですが。彼女が何を抱えているのか。物語に介入するにあたって、彼女の旅の決意を引っ張るのか。むしろ後押ししてくれるのか。この部分を徐々に開示されながら、彼女が「スピラの過去」に迫ることへの危険性や、彼女が面倒を見なくてはいけない娼婦達への責任など。
 大きな意味での「個人的なプレイヤー」のみではない、組織の「マネジメントをする側」としてのルチーナがみれるのだろうか。と期待しています。

 この作品の見どころとか。「ナラティブ」とされる要素は、基本的に丁寧に提示されています。彼女がどんな力を発揮するのかというのは明白です。

 彼女が「謎に立ち向かう」というとき、娼婦達の力(足繁く通う貴族の男性ないし女性からの情報の収集であるとか)によって、打破されるものだったり「スピラが生前蓄えた人脈」によって、展開されるなど。

 舞台装置として非常に豊富な力を期待できる作品です。

 ルチーナという個人のプレイヤーによる展開ではなくて。

「スピラという故人が残した遺産(そこにはルチーナ及び高級娼館で働く従業員たち、貴族、“享楽特区”の人々)によって、彼女の名誉が回復される」という大きなスケールの物語であることを強く期待しています。

 この作品は『メンターのスピラ』の物語であるようにも、読むことができたのは、この印象を強化したと思います。

 タイトルで「〇〇したい」という文言や願いであるとき。その願いの裏にある「内的な課題」にまで、興味を持ったので、その部分を抑えて欲しい。という期待がある作品でした。

 感想は以上です。

3-04 猫になる。君の心まであと少し

タイトル感想

 動物の視点? とかですかね。いやいや、それだったら。猫になる。ではないでしょうね。何かの比喩とか。心の話題もあるので、なんかハートフルな物語の印象があります。

あらすじ感想

 わかりやすいあらすじでした。生徒会長の名前を伏したのは、文字数とか。読者の読み下すカロリーへの配慮かもですね。

 四角関係という、文言で明示されているので。関係性を読み解くうえである程度補足になりそうです。

 それぞれのキャラクターが何かしら「抱えている」という引きも、見どころの一つとしてアオリ文になったあらすじでした。

 群像劇かぁ。書き出しでは一人の視点にとどまるのかな。とか思っています。

本文感想

全体としてのバランス、書き出しとしてしっかり続きが気になるよう提示できてるかをお教えいただけたら幸いです。辛口でまったく問題ないので、率直なご意見をお聞かせ願えればと思います。

依頼文より引用

 バランス。とか続きが気になるか。とか。ですね。

 タイトルとあらすじで興味を持った部分。そして、キャラクターが抱えるであろう課題など。智子の好みの領域にはなると思うんですが。色々考えてみようと思います。

主人公   :僕(真鍋伊織の一人称視点)
主人公の能力:病弱設定
世界観   :現代SF作品で、ライトノベルなどの「ディフォルメされた世界観」の中で、展開される。ラブロマンスの群像劇。
異変・事件 :真鍋の死亡
問題・課題 :猫になった僕が何かの謎に迫っていく
決意・覚悟 :不明(主人公は受動的な物語の介入)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): 4人の関係性を提示して、真鍋がいなくなってからの「変化」を、猫になった真鍋が迫っていく? ようになるんでしょうかね。舞台装置の部分でみたときに「不可逆的な猫」の話題になったので、予想がしづらいところはある作品でした。

 感想を整理していきましょうか。

全体としてのバランス、書き出しとしてしっかり続きが気になるよう提示できてるかをお教えいただけたら幸いです。

依頼文より引用

 全体としてのバランスについては、もう過不足ないと思います。真鍋を含めた四人の関係性について、あらすじでもあったものを。本文でも繰り返し提示してくれていたので、すんなりと読み込むことができました。

猫になる。君の心まであと少し

タイトル

 猫になる。の意味も飲み込めたし、君の心という部分が「残された三人」の誰かであることも。謎めいた引きとして機能したように思います。


 続きが気になるよう提示できてるかについては。人によるかも。とは思います。

 タイトルとあらすじで「ハートフルな青春群像劇ミステリー」と明記しています。

 これは人による、連想の差はあると思うんですが。

 本文のムードや描き方なども。いくらかディフォルメされているんですが。ちょっと連想していたイメージとして。

『氷菓』がありました。

 原作は小説なんですが。アニメ化されたことで、私は知った作品でした。 

 いわゆる「人が死なないミステリー」でして。日常系コージーミステリーと言われる類でして。

 実は、この作品も「コージー・ミステリー」じゃろうな。とほんわか期待していたので「真鍋くん死んでもうた」という部分で、ジャンルの中でも方向性が違う方向に走り出した部分はけっこう驚きました。

 この「ミステリージャンルのなかでも、期待の方向性が違う気持ちで読んでいた読者」はいくらか逃した可能性はありそうです。

「ミステリー」として、この作品を考えたときに「強い謎解き要素」はなくて、自分を殺した猫は誰が操ってるのか。とか。「物語のラスト」に「真鍋はどんな達成感があるのか」とか。明確な誘導につながる要素は少ないので、一話だけで「続きを読むか。買うか判断するには、ちょっと情報が足りない」という作品です。

 だけど。書き出し祭りのレギュレーション上、どうしても「ミステリー」関連や「群像劇」というのは文字数が圧迫するところはあるので。対象読者は十分についてくる情報量だったんじゃないかな。とは思っているバランスの作品でした。

 私の感想はあくまでも「対象読者じゃない智子がまっさらな気分で本文のムードに誘導された結果の挙動」です。

 この展開が良いか悪いか。でいうと、人によるとしか言いようがない。

 みんなには内緒で『CAT-Life』を遊び始めた伊織だったが、思いも寄らない出来事が起こってしまう。

あらすじより

 この思いも寄らない出来事。という文言に対して「不穏さ」を感じ取りながら、読める読者だったならば。さほど問題はないと思います。とはいっても、本文がな。「きゃっきゃうふふの青春もの! わあぁ。楽しい!」って読んで、誘導されていたので。びっくりはした作品でした。

 感想は以上です。

3-05 魔法少女コノハラズリ☆スプリングのいない街

タイトル感想

 ファンタジー作品だと思います。魔法少女という文言はジャンルの強さが感じます。魔法少女ものでしょ。コノハラズリという名前の少女が登場するんでしょうか。☆マークのサブタイトルはなにかの、副題みたいですよね。

あらすじ感想

 主人公が「男子高校生の蓮くん」なのだということを理解したあらすじ。

 エスケープトラベルストーリーとあります。逃げ出すのは魔法少女のようです。

 その「魔法少女」を外延的に描写して、観測しながらコメントを残す「男子高校生」なのだと思います。

 となれば、物語の目的となる。男子高校生がどうして旅についてきてくれるのか。物語の動機と。結末や課題など。が見えることを期待したいあらすじです。

本文感想

主人公   :僕(蓮の一人称視点作品)
主人公の能力:不明(シスコン!)
世界観   :現代ファンタジー。怪人等の脅威が存在する世界。対抗する手段は魔法少女。
異変・事件 :魔法少女の正体を知る
問題・課題 :不明(あらすじを見るに逃亡劇になるのか?)
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): まだ良くわからない領域ではあります。何を楽しみに読むのか。どんな活躍が約束されているのか。多分、エスケープトラベルとあるので。二人の逃走劇になるんでしょうが。闘争理由等がまだ不明なので、判断に迷う情報量でした。

 作品の狙いを考えてみます。

 物語上の「舞台装置」としての「怪人が出る街」がある。そして、その怪人に対して「献身的に戦い続ける魔法少女」が存在している。その魔法少女はどういう理由か、姿を半年間見せていない。

 という「街全体がヒーローを待ち望んでいる」状況である。

 上記の点は「主人公が属するコミュニティが危機にひんしている」という「日常の世界」を描写するターンです。そこには、愛らしい妹が存在するなど。別れを示唆するやり取りなども挿入されてます。

「行ってきま────あっ! そだそだ、言い忘れてた!」
「何だよ、早く行けよ」
「愛してるよ、おにーちゃん」

本文より引用

 この部分とかね。不穏ですよね。いつも言われているものならば、気持ち悪いともなんともいわんのでしょうけど。この部分で「おや?」とは思ってたんです。

 妹すっぱり逝くんやもしらん。とはよぎってました。

 日常の世界を描くことによって「特別な世界」への導入に落差とか。動きが存在するようになります。

 現代の舞台に、魔法少女が存在するよ。という「特殊設定の世界観」を共有しないと「特別な世界」の導入が上手くいかなくなります。

 そういう要素もあって、現状の描写と、友人の描写が取り入れられています。

 この特別な世界の導入として「魔法少女扮する友人の登場」によって、展開が始まるという構成です。

 続きが読みたくなる。というものっていうのは「驚きの展開」というより「主人公の強い動機や決意」が見えてくる情報というほうが、引きが強くなるんじゃないか。と考えている所はあります。

 魔法少女(なんか、半年間の間、息を潜めていた魔法少女ですが)の正体が、仲の良い友人であった。という設定の開示のみでは「引き」としては少々弱い所があるかな。とは思っています。

 アニメで言う所の「アバン」程度の情報量にとどまっているので、主人公が「お前の逃避行に付き合うぜ!」という決意に至るまでをどうにか読めたら、印象は違ったように思います。

 思いますが。

「じゃあ、智子ならどう書く?」

 と言われると、かなり苦しいかもしれません。

 キャラクターが抱えている「課題」等がまだ見えてこない情報量(それは日常の世界の描写を固める構成なので仕方ないんですけど)なので、先の展開を想像しづらいところがある印象の作品でした。

 感想は以上です。

3-10 国内浄化ダーツの旅 ~放蕩第三王子一行の浄化ピクニック地は、必ず繁栄するらしい~

タイトル感想

 浄化とあるので。ファンタジー的な話題であることを予想しました。サブタイトルにある部分からして「必ず繁栄する」という部分から、またたびもの。各地から各地への旅。といったような、ロードムービー的なものを予想しました。

あらすじ感想

 変則的ではあるんですが。

 あらすじの時点で、ある程度のファースト10が埋まる。という作品がいくらかあります。埋めてみましょう。

主人公   :レイヴィスト
主人公の能力:瘴気を浄化する
世界観   :異世界ファンタジー
異変・事件 :各地の瘴気の発生
問題・課題 :不明(瘴気が実際どんな脅威なのかは不明)
決意・覚悟 :瘴気の浄化をしつつ、ピクニックを楽しもう。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): なんか、いく先々がハッピーになる話し!

 といったふわっとイメージでファースト10がうまった作品です。あらすじの期待値とかが固まっている作品は。その期待値を満たしてくれる本文を読みに来るところはあります。

本文感想

本作、初稿から文字数の関係でかなり人物描写を削った作品なので、作品の面白どころやキャラクターの良さが伝わる文章になっているか(どのように読めたか)、特に気にして見ていただければ幸いです。

依頼文より引用

 上記の点、気を付けて本文をもう一度当たってみます。

 初読のときにどんな感想を持っていたか。というのを思い出してみれば。確かに「文字数に泣いたんかもな」という読後感を持っていたのは覚えています。

主人公   :俺 (レイヴィストの一人称作品)
主人公の能力:瘴気を浄化する
世界観   :異世界ファンタジー
異変・事件 :各地の瘴気の発生
問題・課題 :不明(瘴気が実際どんな脅威なのかは不明)
決意・覚悟 :瘴気の浄化をしつつ、ピクニックを楽しもう。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): なんか、いく先々がハッピーになる話し!

 サブタイトルにもあるように、「放蕩第三王子一行」という言葉から。複数人のキャラクターが登場することは予想していました。本文には次の三人が主要キャラクターとして登場しています。

リリス王国の第三王子・レイヴィスト
神経質そうな切れ長の目の男・俺付きの筆頭秘書官クライ
主人公に盲目的なメイドのセイレイン

 というこの三人組で、物語が展開していくこと。などが提示されています。

 主人公との関係性にかかる描写。そして、転移後に「戦いに赴くシーンや地形などの情報から戦闘のハードルを示す」など、それぞれのキャラクターたちの能力を示した書き出しです。

本作、初稿から文字数の関係でかなり人物描写を削った作品なので、作品の面白どころやキャラクターの良さが伝わる文章になっているか(どのように読めたか)、特に気にして見ていただければ幸いです。

依頼文より引用

 人物描写について。読者がイメージをもちやすい程度には、キャラクターの「態度」などは描かれているので。読んでいて、さほど困るシーンはなかったように思います。


 本文で示されている。面白どころ(読者に約束する面白さ)やキャラクターの良さについてですが。

 公募とかの長編作品であれば、梗概(最初から最後までの結末を描いたあらすじ)を付す。という公募の規約があったりします。

 これは、あらすじですべてのログラインがわかるので、便利なものだったりします。過去の書き出し祭りでも「梗概めいたあらすじ」は本文以上の展開を約束するので、結構印象が良かったりもします。

 翻って、御作の作品は「各地の瘴気を払っていく」という「ロードムービー」にちかい。短編連作みたいな作品だと思っています。なので、短編毎に期待される「箱」の提示として一話目が書かれている作品ですよね。

 ルヴィアは、廃れかけの中都市だ。
 王国内では目立たない田舎。

本文より

 廃れかけという文言などから「今後に繁栄していく」というあらすじ上の示唆にもほかならないですし。さらには、それのフックになるであろう要素も提示があります。

「見た目はな。元は岩の多い沼地だった場所だ。そこを一代前の子爵家の当主が、王都主導で別都市に対して行った緑化運動っていう革命をミーハー心で取り入れて、土を入れて埋め立て草木を植えたんだとか」

本文より

 この部分をかなり、丁寧に描写しているのも。このミーハー心に関する部分について、放蕩王子がテコ入れしてくれるのか?

 とか、ある程度次の話に向けての伏線めいたものが撒かれています。

 この作品の箱としての面白みは、浄化まで終えて、街が繁栄して、めでたしめでたし。でお土産話を持って帰る。

 という一つのひながたを示して、魅力の一つの完成になる「短編連作」の作品です。

 この形式の作品は「あらすじに力がある」ので、今後の展開への期待感を持続できている。というパターンの作品だとおもいました。

 キャラクターの良さについて

 トリオでやるんや。というのが、序盤から明らかになる書き方。敵対者としての大ワニが登場するシーンに従者二人が抱える武器の提示など。ビジュアル的にもイメージしやすい要素が明確でした。

 人目をはばからないところでは、口調が代わる文官など。フェチも感じるキャラクター運用でしたね。こういうの大事だと思っています。

 感想は以上です。




3-13 紫紺の瞳は闇を視る 化け込み記者・長月千代子の大正あやかし事件録

タイトル感想

 視る。とあるので、眼力があるとか? 家政婦は見た! みたいな。記者ともあるので、すごく大事な力なのかもしれません。長月千代子という方が主人公なのかな。

 化け込みというのが、よくわからん単語です。化けとあるので。たぬきとかきつねみたいな方なんですかね。

 イメージとして、大正モダンを取り入れたムードだと期待しています。

あらすじ感想

 化け込み。という単語の説明がありました。

 小物売りや料亭の仲居などに変装した婦人記者による潜入取材で、上流の人々の暮らしや言動を面白おかしく描くものだ。

あらすじより引用

 この「変装する力」というのは物語の考え方で「変化するものシェイプシフター」的な力を有する婦人記者である。という能力を提示されています。

 さらには、ファンタジー的な要素で「あやかしを視る目」というのもありました。それは山神さまから預かったそれ。というのも「神々に愛される英雄像」としての馴染のある形式です。

 愛する「彼」との未来というのも。ラブロマンスに関しての前向きな印象を与えてくれたあらすじです。

 恋に仕事に大忙し! みたいな。月九ドラマってわけじゃないですけど。ターゲットが明確で、ムードも確定した感じがあります。

本文感想

本文の記述からヒロインの背景をどのように読み取ったかを伺いたいです。

本文より引用

 コメントがあると感想を書きやすくてよございます。

 本文読みながら、背景にかかるであろうものをあれこれあれこれ引っ張ってみようと思います。

主人公   :長月千代子 (三人称のキャラクター視点)
主人公の能力:あやかしを視る目と「心をひらいてもらう」ための対人的な挙動や寄り添いができる人。
世界観   :大正モダン。のファンタジー作品。作品のムードとしては「ドラマ性」重視より「エンタメ性重視」の作品かもな。とは思いながら読んでいました。
異変・事件 :不明
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :自分の好きな男を帝都で養う!!!!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): 大正時代という。女性にとって抑圧的な社会を舞台に、自らが大黒柱となって活躍せん! という高い上昇志向の女性を主人公とし、サスペンスの舞台に「あやかしを視る目」という力で乗り込んでいく話。

 ヒロインの背景を読み取る。という部分から、拾わなくてもいいかもしれない描写ですけど。ポンポン拾っていきます。

(お嬢様のためでもあるんだけど……)

本文より引用

 なにかしらの秘めたる目的があることを示している。それは読者へのメッセージ。

「えっと……空き部屋・・・・にも風を入れようと思いまして」

本文より引用

 お嬢様が奥様に認識できない? 読者への配慮に満ちている。

 振り向くまでの数秒の間は、怪しまれなかっただろうか。恐る恐る見上げた奥様の顔は、細い眉を寄せてはいたものの、恐怖や驚きを浮かべてはいなかった。そして、お嬢様には目もくれず、千代子だけを睨んでいた

本文より引用

 強調から、読者が想像するであろう。認識の問題に関しての地の文の描写等を誘導している。

 奥様がお嬢様を無視したのは、この痛ましい姿が正視に堪えなかったからではない。魂だけの存在になったお嬢様は、普通の人間の目には見えないからだ。

本文より引用

 短い間に読者の誘導ができる。主人公が「あやかしを視る目」という言葉もあるように、その能力を早々に提示しました。

 帝都日日新聞の社屋近くの公園にて。晴れた空に朝刊を広げ、一面に踊る題字を眺めて、千代子はえへ、と頬を緩めた。

本文より引用

 手柄や称賛を喜ぶタイプです。それはなにかの達成する目標を有しているキャラクターであると想起しました。

 暗くて寒くて、ひもじくて。蹲った千代子は、彼女と同じように痩せた存在に出会った。可哀想、と思った彼女は、|《・》に言った。一緒に逃げよう、と。

本文より引用

 話にあった。好きな人の話題のあとの場面転換であるため。おそらく、この彼が好きな人であろうかと連想しています。あとの文章を読んでも、基本的には「山神様」という「世間知らずの男」を養う大黒柱となるのだ。

 強い決意や目的意識があるキャラクターであることがうかがえます。

 結論から言うと。面白かったです。

 面白かった理由としては。動機が明確な作品というのは強くて。あとは、文体の好みの話だとは思うんですが。表情に出てくる感情とか。がかなりシンプルに描写されているので、読んでいて楽しい作品の一つです。

 一文目から「アクション」があることは。特徴的だと思います。

「状況の説明」ではあるんですが。危険な地帯に一文目から身を投じていること。などはわかりやすさにつよくつながっています。

 主人公の能力の性質としては「目」とは別に「心を開いてもらうための動き」ができる。相手の信頼を得る「笑み」ですよね。

 一つ、彼女の「手管」として見えたものがあるんですが。
 サスペンスとしての作品で見たときに「幽霊」にあれこれ教えてもらって、すぐに解決というだけではどこかで無理がくるので、何かしらほかの方法とか。
 イタズラめいたあやかし達を懐柔するとか。他の力も開示されていくとは思うんですが。
 一話で「雛形となる事件解決及び主人公の背景」の描写のために、シンプルに畳んだのだろう。とは思います。

 文字数のある作品で、連載バージョンを読んでみたくなる作品でした。

 このあと「どういう展開があるのか?」と予想するのは、正直むずかしい所はあります。

「好きな人が3日後にお家に来ます」とか。
「電報出しました」とか。

 次なるシーンへの引き自体は無かったので、短編的な美しさで止まった感じはありました。
 この作品も「サスペンス」に近いものではあるので。短編連作の作品構成であることを察するならば、さほどこの引きでも不思議ではないとも考えたりはします。

 感想は以上です。

3-15 恐怖! 祠人間

タイトル感想

 世界ミステリーハンター。とか、アマゾンに探検にいくもみあげが凄い人みたいな。オカルトを調査しにいく探検隊。みたいなニュアンスを感じ取っています。

あらすじ感想

 コメディめいた。オカルトなハナシかと思っていたんですが。あらすじを読むに少年少女たちの甘酸っぱい恋物語を下地に、パニックホラー的なものが展開されるのだというのがわかりました。

二人の前には必ず、武見が現れていた。

あらすじより引用

 例のヒロインの武見であろうかと思いますが。作品が「ホラーテイスト」であるっぽいので、ヒロインの武見自体も「シャドウ」とか。なにかしらの「破滅を誘引しかねない危険な魅力的なキャラ」的な役割をホラーテイストで持たせているのかもしれませんね。

本文感想

注目してほしいポイント:武見と祠人間の印象

依頼文より

 武見と祠人間自体が、この作品のムードを確定するようなキャラクター像ってことなんでしょうかね。意識してみます。

主人公   :主人公は不在(視点がちょこちょこ変わるというのもあるんですが。ホラーめいた作品なので。主人公を設定しないタイプなのだと思います)
主人公の能力:不在
世界観   :因習村。ホラー。
異変・事件 :祠壊し祭りの開始
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): ホラーです。祠壊し祭りというイベントを通して、展開される恐怖を楽しむ作品です。

 面白かったです。

 タイトルではわからなかったんですが。あらすじまで読めば「この作品はホラーなんだな」という部分が見えてきたので読むときに「これはホラー作品だ」という心構えで読むことができたので、楽しめたのだと思います。

 もしもこのさくひんが。4人の甘酸っぱいラブロマンスがメインテーマです。とか言われてたら、ちょっと不完全燃焼な感じはあるかもですが。ホラーがメインである。と考えたら、大事な情報量の塩梅だと思いました。

 ホラーの種類としても。中学生の少年少女が、夜の森の中を全力疾走で逃げ回ったり、意中の女子が突然現れて踊りだしたり。

 と。「コメディとホラー」の表裏一体のような塩梅で展開し続けることは。バランスとして最高の作品だと感じています。

注目してほしいポイント:武見と祠人間の印象

依頼文より

 上記のあらすじ感想の点でも触れてはいたんですが。

「魅力的なヒロイン」の存在が、そのまま「不穏さ」につながるような話題というのも。ホラーとして強い魅力がありますよね。

 武見の表現や印象について。

 武見は四班の女子で、三人の幼なじみだった。美人で、賢く、少し変わった趣味の持ち主で、四人の中の誰よりも大人で、子供だった。

本文より引用

 魅力的なキャラクター像。というのは、人それぞれ印象があるかと思うんですが。誰よりも大人で、子供だった。という表現があまりにも、センスがありますよね。

 バランスの取れたキャラクター像としての要素があるようにも思えるので、これは魅力的にみえました。

 祠人間の印象について

 上手だな。と思いながら読んでいました。まず初見なんですけど。

「祠を壊す手順はしおりに記載してあります。必ず守ってください。いくつか注意事項はありますが、特に祠人間には注意してください。もし、祠人間を見つけたら、速やかに学校へ戻ってきてください。屋上から上げているアドバルーンが目印です。常にライトで照らしているので、遠くからでも目立つはずです。なお、先生たちは何があっても森には入れないので、必ず自力で戻ってきてください」

本文より

 ここが初出なんですが。祠人間というのは、大人たちが提示するルール野中にも明記されているものでした。

 作品の描かれ方や「風俗」の話題が、かなり細かいので。作品世界が「ディフォルメされた」世界観ではなくて、結構実写映画で展開されるような恐怖感がある作品です。

 淡々と説明されているあたり「不気味」さはあるんですが。読者が持ってる疑問を代弁してくれるシーンがありました。

「お、脅かし役の先生なんじゃない?」
 班員の一人が指摘する。堀辺は祠人間を振り返り、訊ねた。
「あなた、うちの学校の先生ですか?」
「違う違う! 俺は……」
「ひっ! 違うって!」
「やっぱ、マジもんじゃねーか!」
「逃げろー!」

本文より引用

 祠人間はなにか。説明を使用としているのか。説明ができないのか。口淀んでいるのか。三点リーダによって言葉が途切れています。

 この段階で「言葉が通じるじゃん。なにかちゃんと人よりのなにかなんやろ」と思っていたんですが。

 呆然とする堀辺の横で、追いついた祠人間がぽつりとつぶやいた。
「あーあ、あの子達も失敗しちゃったか。可哀想に」

本文より引用

 この文言で「やっぱ、人よりじゃないなにか。ヤバいヤツなんやないか」と不安になりましたね。

 武見と祠人間の印象については。上記の様な感じです。

 ホラーとして満足感のある書き出しだったと思います。

 感想は以上です。

3-17 雨の中、路地裏書店、恋の頁

タイトル感想

 キュンキュンさせてくれるラブロマンスですよ! 舞台は本屋。憧れの美人のお姉さんに恋い焦がれる少年の物語。(←智子の願望ですね)

 恋のページ

 漢字を開かないところになにか。ムードをこだわってる感がありますよね。

あらすじ感想

 予想していた通り。ラブロマンスです。いいですよ。おねショタじゃなかったという所はありますが。それは私の願望のハナシですから。気にしないでください。

 スローな恋愛とあるので。そこのムードを確認しにいく事になりそうです。

本文感想

主人公   :私(氏名不詳)
主人公の能力:不明(読書をするという趣味を有している)
世界観   :現代もの。スロー恋愛ストーリーとあるので、進行自体はゆっくりなのかもですね。
異変・事件 :開いていない本屋が開いていた
問題・課題 :不明(ラブロマンスには障壁が存在するものですが。その障壁が提示されていないのでわからぬ)
決意・覚悟 :不明(野生のイケメン評はあるけど。別に欲しているわけではない)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): 本に関する雑談ないし、イケメン観察を楽しみとする作品。私の語り手としての欲望ダダ漏れ感が最高です。

 面白かったです。

 それの理由は「一般的なラブロマンス」のスピード感から逸脱していたとしても。あらすじで明確にテンポを明示していた。というのは安定感に繋がりました。

雨中の書店で進む、女子高生と書店員のスロー恋愛ストーリー。

あらすじより引用

 スローと銘打っているので、ある程度進行がゆるくても。最低限「ヒーローが登場する」という部分を抑えていたというのも。楽しみとしての「満たして欲しい部分」を満たしたスピード感なのかな。と思いながら読んでいました。

 あらすじって大事なんやな。って思いながら読んだ一作です。


 この作品の魅力は「語り手」としての魅力がある作品です。しかし、その魅力は。タイトルあらすじで「コメディ」のムードを期待している読者は掴みそこねたかもしれません。

 イケメンを愛でる。丹念に愛でる。ゆっくり、恋に沼っていく。

 という楽しみ方を「本文を読んだら理解した」という情報量なので、あらすじでもっと楽しみ方をぐいぐいとアピールできてたら、読者もっと食いついたかもしれませんね。

 書き出し祭りの作品で大事な所は。

「この作品は何をどのように楽しむ作品なんですか?」

 という問いに対して、4000字以内でアンサーを出す作品なんです。

「この作品は野生のイケメンをめちゃんこ愛でる話です」

 と人に紹介できる強さがある作品でした。

 感想は以上です。

3-18 「推ッ忍ッッ!!!」萌えよッ!キュン死郎伝説ッッ!!

タイトル感想

 オッス。というのもあれです。空手の掛け声にある「押忍」をもじったものであるので。空手道とか。なにかしらの運動部とかのた。体育会系のノリがある作品のイメージです。
 萌えよも。燃えよドラゴンとか。格闘技の系譜を感じるし。

 キュン死郎も。ケンシロウの香りがする。

 とにかく勢いが凄いです。ビックリマークの存在がやはり、コメディの期待感があります。

あらすじ感想

 タイトルからも期待していた。バトルコメディとしての要素を約束したあらすじでした。

本文感想

主人公   :不在(具体的に何かしらの成長を期待できるキャラクターは見当たらない)
主人公の能力:不在
世界観   :推し活文化のバトルコメディ。
異変・事件 :不明(推し活をしている日常のシーンにとどまっている)
問題・課題 :同上
決意・覚悟 :同上
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): バトルコメディとして、異色な二人を楽しむもの。技の応酬、リアクションのムーブを繰り返していくコメディ。

 物語の誘導というよりかは。コメディに振り切った作品。
 推し活を通して、何かしらの「全体的な軸を通すストーリーライン」があるようには見えない作品であるため。
 どうしても「インスタンス」な楽しみを通す作品には見えてしまった印象はあります。

 面白いは面白いんですけどね。

 個人的には作品を通した「セントラルクエスチョン」も含めて、楽しみたい作品ではありました。

 この推し活文化を通して、推しの到達点とはなにか。彼らの最終的な目的はなんなのか。推すことが目的なのか。

 とか。物語の結末へのムードはちょっと汲み取れないので、今後の展開がわからないというのはちょっとあった感はあります。今後のログラインが見えてこないのはネックになった部分はあります。

 感想は以上です。

3-19 【速報】十年後の世界から来た俺が、何故か「美少女」で「勇者」だった件!

タイトル感想

【速報】 という部分がなにかしらの。コメディ的テイストを期待できます。SNSとか。ネットニュースなどでの文化に近いところはありそうです。

 長文タイトルではあるんですけど。俺が美少女で美少女が俺で。みたいな感じ何でしょうけど。さらには「勇者」ですって。なにがあったんですかね。

 SFとかのイメージもあったんですけど。勇者という文言もあるので。異世界ファンタジーの世界なのかな。とか思ったり。だけど。【速報】というのもネットミームだし。

 要素が多くて、逆にどう判断するのかわからないタイトルでした。

あらすじ感想

 現代ファンタジーの作品なんですかね。ある程度、皆さんが拾い上げやすい。「勇者」とか「魔王」とか「聖女」の単語で共有しやすいイメージで展開していきそうです。

 美少女は果たして本当に未来の俺なんですかね。

 あらすじが一人称なので、本文も一人称なのでしょうから。ある程度「情報をどこまで信頼できるか」というのは困惑しながら読む事になりそうです。

 しかしながら、ムードとしては「男性向けの女性キャラクターが慕ってくれるライトノベル」の形式だと感じています。

本文感想

少しややこしい設定ですので、すっと頭に入ってきたか、内容が伝わっているかどうかが気になります。

依頼文より

 この懸念わかりますわ。まだ本文読んでない段階で、混迷を極める感がある情報量ですからね。TSものとも色味が違う作品のようにも感じているので。そこを掴むように、読者が探るように読んでいく作品になりそうです。

主人公   :俺 村川むらかわ 陽太ひなたの一人称作品及び聖女Sideとも視点が入れ替わる一人称作品。
主人公の能力:勇者!(どんな力なのかは不明)
世界観   :異世界転移もの。可逆設定ありかも?(異世界と現代を自由に行き来できる)
異変・事件 :美少女の魔王が、主人公をだまくらかしに来た。
問題・課題 :不明(今後、セットアップがされていく)
決意・覚悟 :善なる行いのために頑張る!(主人公はいい人ですよね)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): 英雄願望がある主人公であり、かつ「言われたことを素直に信じる純朴なヒーロー」という、非常に魅力的なキャラクター像の彼をとりまく、ヒロインたちとの珍道中を楽しむ作品イメージが付きました。

 面白かったです。
 面白かった理由はちゃんと設定を飲み込めた。というのはあるんで。依頼文にあった要素を引き合いにだしつつ、考えてみます。

 少しややこしい設定ですので、すっと頭に入ってきたか、内容が伝わっているかどうかが気になります。

依頼文より

 内容は十分に伝わっています。しかし、その伝え方というのは。ある程度「イベントやシーン」の行間を読むことが読者に求められる所はあるんですが。それは、十分理解できる範疇だったのではないかなぁ。とは思っています。

 当初、読者と主人公は『同程度』の疑いを持ちながら読んでいました。

「これ“緑茶”ですよね。確かに緑っぽい色だけど……これって本当に飲み物なんですか?」
「え? 十年後の世界では“緑茶”がなくなってるのか?」
「いやだな~十年ぶりで忘れてるだけですよ。知ってるに決まってるじゃないですか。なんと言っても緑茶は、私たちの世界を代表する飲み物ですよねっ!」
「ま、まあ……そういうことにしておこうか」

 彼女は恐る恐る口をつけると……その味に驚いたのか、目を大きく見開いた。そしてゴクリ、と喉を鳴らす。

本文より引用

 明らかに『美少女』は自称の勇者であろうかと。読者も主人公も疑っているシーンです。緑茶について忘れてるとかね。

 しかし、彼はこのあと。ちょっとえっちな隠しフォルダの場所を見抜かれて、信じる様になりました。主人公ちょろい。だけど、私も見抜かれたら信じちゃうかも。このヒロインはおそらく「魔王側」のなにか。ないし、魔王本人であるのかもですが。特殊な能力でもあるのかもですね。相手の考えてることがわかるとか。優秀なスパイがいるとか。

 似たような「彼女が勇者ではない」と予想できる情報を「やり取り」の中で明確に示しています。

「勇者? 俺が……勇者?」

 俺は思わず自分の頬をつねった。痛い。これは夢じゃないようだ。
 やったぞ俺。本当にラノベの世界だ!!

「うーん。この単純さ……これも勇者の素養なのかな……」
「何か言った?」
「ううん、なんでもないです」

本文より引用

 このシーンまで挿入しているので。主人公のもとに、なにか企みをもってやってきた。ということが明確なキャラクターです。

 ここで「俺」と読者の間で「情報の非対称性」が発生していて。
 読者は「俺」は信じやすいいい子なんやな。とやんわりと好感を持ち始めるシーンでした。

 この読者の予想を確定するように。聖女Sideの視点が挿入されて、読者は「ほら、想像したとおりだった」と快感を得て、次のページをめくる動機になる構成だと思います。

 エンタメ小説というのは「読者に次のシーンを予想させる」ことで興味をもたせ続けることになります。

 その力を適切に発揮した構成の作品です。

 フィードバックをたくさん受けてみると、精度はあがると思うので。多くの人に感想依頼を投げてみて、反応を漁るのが大事かもしれません。

 感想は以上です。

3-20 雄弁な子どもたちは沈黙する

タイトル感想

 おしゃれなタイトル! いつも、どんな会場でも「反対の意味をもつ単語を並べる」というのがあるんですよ。おしゃれですよね。

 燃える氷。
 老いた赤子。

 かっこいい。

あらすじ感想

違和感を抱いてしまう箇所などあったら教えてください。

依頼文より引用

 違和感というか。狙って書いている要素があるとは思うので。ちょこちょこ拾っておきます。

 あらすじの多くを「私」の視点で滔々と語っているんですが。
 途中急に「語り手」が一行変わるシーンがあります。

 僕が息子・哲を殺してしまったように。

依頼文より引用

 僕の視点の物語もあるのかなぁ。とぼんやり予想しました。

 あらすじについてですが。正直ジャンルも見えてこないので、なんの話が展開されるのか。というがよくわかんない作品です。

 あらすじの内容を視るに「愛着障害をこじらせたキャラが登場すんのかな。支配的な母親像とかを連想する独白」を置いているので、そこがテーマになるのではないか。とも思うんですが。ログラインがわからんので、本文ではそこが提示されるないし、誘導があるんじゃないかな。と思っています。

 殺したように。とかなので、ミステリーなんですかね?

本文感想

主人公   :おそらくですが。主人公は森愛であるんですが。ここに投入するのが難しいかも。
主人公の能力:非常に固い意志。黙秘を貫く小学四年生よ。
世界観   :クライムサスペンス。
異変・事件 :不明
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): 森愛という「ジョーカー」のような強力な性質や手札を持ち合わせているキャラクターが、クライムサスペンスの舞台の中で、動き回る作品。

 依頼文にあった。違和感諸々を拾いながら読んでみます。

一九八八年 たちばないさお


「あ。パパだ」
 パトカーを大沼団地A棟正面にある児童公園前に止め、外へ出ると背後から聞き馴染んだ声が飛び込んできた。綿のような息を吐きながら真っ赤な頬をした息子が駆け寄ってくる。
まこと。どうしたこんなところで。傘も持たずに」

冒頭の書き出しより引用

 あらすじに記載のあったものもチェックです。

僕が息子・哲を殺してしまったように。

あらすじより引用

 人物名詞の哲と縁があるかどうかわからんのですが。この短い文字数のなかで、人物名詞が3人出てきている。

 語り手のたちばないさお
 たちばないさおの息子のまこと
「僕」の息子・哲

 連続性がぱっとみ拾えないので、読者としては混乱や違和感及びカロリーが必要な書き出し。

 叱られたと思ったのだろう。真は必死で言い訳した。四年生の男子にしては幼い喋り方をおかしく思われないか気にして、同乗してきたやぶの方をチラリと見やる。真は成長が他の子より少し遅れているのだ。
 薮はA棟の方に鋭い視線を向けていた。団地の住人の男から人を殺したという電話を受けて現場に向かっている最中なのだ。俺は真の頭の雪を手で払う。

本文より引用

 この一文で、語り手の「俺」が捜査機関の人であることがわかる。あわせて、成長が遅れていることを「真」が気にしているのかな?
 ちょっと、一文の中の情報量が多いので「俺」のことなのか。観測している真のことなのか。判読が難しいシーンがありました。前後の文脈で判断は十分できるとは思います。

『私、人を殺しました。ナイフで男を刺したんです。全部で十八箇所。もう助からないと思います。現場は自宅です。大沼団地A棟の三〇五号室。森拓郎もりたくろうと表札を出しています。どのくらいで来てもらえますか。申し訳ありませんが交番までは行けないんです。娘が小学校から帰ってきてしまいますので、血まみれの男を置いて家を空けるわけにはいかないじゃないですか。今日はひどい雪ですし。入れてあげられないのもかわいそうなので、急ぎでお願いしたくて、一番近い交番に電話しました』

本文より引用

 同じ一人称の「私」が登場しているので、第一印象として「あらすじの私」のことか? と連動して、考えていますが。私が殺したのは「母・瞳」であろうから。違う人物なのかな。
 やたらと、前後してしまう情報ではあるので。気になりました。

 初読後追記:前段の地の文にあった「男からの通報」という情報がすっぽ抜けて「一人称の私」という言葉が先行して、事件現場に成人の大人が2人しかいないと誤読して続きを読みすすめる挙動がありました。

救急車のフロントガラスにぶつかり女の体が横転する。
「……ひとみ!」
 先ほどとは別人のような痛ましい金切り声が少女の口から飛び出した。女は救急隊員が車から降りてくるより早く立ち上がり、国道に向かって全速力で走り去る。国道を渡ると大沼駅だ。

本文より引用

 瞳と叫んでいる対象がよくわからん。というか、予想と違った。という部分で混乱がありました。てっきりこの走り出してる女性が「瞳」という思い込みで文章を読んでいるので。女性が自分の名前を読んでいるようなイメージになってしまった所はあります。

 初読後追記:最後の部分の「黙秘を続けた愛」という存在が「瞳」と呼ぶシーンをもって、誰がこの発言をしたのか。理解しました。

 女・さかきひとみは電車に飛び込み亡くなった。持っていたボストンバッグには血まみれになった女物の衣類、それから赤く汚れた女児用一三〇サイズの桃色のコートが45リットルのビニール袋に包まれ詰め込まれていた。

本文より引用

 やっぱり、女性が瞳だった。ここも混乱の要素です。前の文章で「瞳」と叫んでいる人物が。情報としては「少女」が叫ぶことになる。
 だけど、娘が「母親と目される人を呼び捨てする?」という部分でひっかかり。

 名前は榊とあるので。森とは姓が違うので。内縁の妻かなにかか。それとも、通報者が違うとか?

 血液は三〇五号室で殺されていた被害者のものと一致。状況から見て被害者を刺したのは榊だ。被害者と森、榊が室内で揉めていたところに、森の娘・まなが学校から帰宅。

本文より引用

 事件の概要を説明してくれているシーンがある。
 太字の部分を見れば「被害者の森拓郎」と森、榊が。とあるので。成人した大人が3人いる可能性がある?

愛は榊の凶行を返り血を浴びる距離で目撃した。

本文より引用

 通報の内容を考えるに。娘がその場にいるはずがないですよね。

 のちに聴取で何を聞かれても押し黙ることになる愛が、公園で榊瞳の死を知った瞬間、俺の罪悪感を掬い取ろうとするかのように一言、呟いたのを思い出す。
 「瞳はずっと死にたがっていました」
 大人びた口調で、まるで自分自身にも言い聞かせているかのように。

本文より引用

 成人女性を呼び捨てにする。というタイプの子供であること。がここでわかったので、上記の点にあった。救急車にはねられた女性に叫んでいたのは愛であることが。ここで理解しました。


 内容を理解して、森愛という「少女の異常性」を汲み取ったならば。十分に楽しめる作品だと思います。

 真が息子を殺している。というのもあらすじで提示されているので。殺したことがバレないように。てんやわんやするんやろうなぁ。という「ふわっとした」予想ができる位には情報があったので。興味を持てる方は楽しめるんじゃないかな。とは思います。

 具体的に診断名は出てないんでしょうけど。おそらく「発達障害」にかかるものとか。迂闊な性質とかの部分も人物像としてありそうなので、現役の子育て世代の読者には刺さるようなテーマ設定だとも思いました。

 感想は以上です。

3-21 となりのサキュバス~JKでもオトナの小説で世界を取りたいです!~

タイトル感想

 えっちなんでしょ? 官能小説をフックになるんですかね。サキュバスとあるので。ファンタジーなのかな。と思っています。現代ファンタジーなんでしょうか。サキュバスでJKなんでしょ。みんな大好き。

あらすじ感想

 サキュバスとJKが登場する物語だということがわかりました。てっきり、サキュバスでJKが色々暴れるんだと勘違いしていた智子です。

 謎趣味をお持ちのJKの設定自体は興味を持ちました。どういう理屈で書きたいんやろか。

本文感想

主人公   :私 
主人公の能力:PCから溢れ出るリビドー!
世界観   :現代ファンタジー。百合百合しい見た目の女性たちが「まだみぬチート棒」を小説に落とし込んでいく。
異変・事件 :サキュバスがやってくること。
問題・課題 :エッチな小説を書いてみたいが、エッチなところを「未来の私が頑張る」と後回しにしている。
決意・覚悟 :2ヶ月以内に100人を搾り取るエロ小説を書くんや!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): エッチなのを書きます。

 面白かったです。

 その面白かった理由というのは、基本的にですが。「コメディ」の作品は「ムード」が最優先される要素があると思っていて。ログラインについては、ムードを確定してからログラインが決まる位の優先度だと感じています。

 今作については「ムード」が確定している。

 エロコメディとしての作品なので、PCからあふれるリビドーによって、サクッと。100人の男から搾り取ろうとする怠惰なサキュバスですよ。メジェド様扮するサキュバスは少々、体のメリハリに問題がある方のようです。

 悪魔仕込の性技により、オトナの文章で100人搾り取る。

 絶対に「書き出し祭りのレギュレーション上」その最大限の魅力を発揮したら、企画が消し飛ぶテーマなので。両手を封じられながら(主人公のオトナ文章の提示によるカタルシス)も書き出しを描いていくこの胆力凄いな。と感心しました。

 感想は以上です



第二十三回 書き出し祭り 第四会場 感想


タイトル初見選好

 第四会場はおねショタ少ないですね。

4-04 魔女と妖狐の善行道中

 またたびもの。みたいな期待感があるので。ちょっと気になりました。おねショタではないだろうと思っているんですが。妖狐が男か女か。どっちなんでしょうね。あらすじ確認です。

4-06 「誰でもいいからエッチしたい!」

 高校生の頃の智子がいますね。これもあらすじ確認でしょう。

4-09 幻の「満漢全席」完全再現を目指します!

 デブ大歓喜のタイトルじゃないですか。興味わきました。あらすじ確認です。

4-17 俺は『氷漬けの魔女』

 オレっ娘なのかもしれませんが。この「相反するタイトル」っていいですよね。あらすじ確認ですわ。

4-18 裏催眠アプリが世界中で流行ってから、早二十二年

 エロいんだろ!? あらすじ確認だよ!

あらすじ初見選好

4-04 魔女と妖狐の善行道中

 ほいきた! おねショタやないか! 本文確認です。 未成年の魔女は想像つかないから。多分おねショタでしょ。

4-06 「誰でもいいからエッチしたい!」

 おおっと。これは。これは。本文でどこまで読めるか。「だれでもいいからエッチしたい」という欲求の向こう側に、少年がどんな課題を持っているのか。その提示が本文であるのか。確認してみたいですね。

4-09 幻の「満漢全席」完全再現を目指します!

 見事なあらすじ。物語の動機と、課題が明確です。エンタメ的な性質としての「外的な課題」のあらすじではあるんですが。筋がわかるので、本文確認ですかね。面白そうです。

4-17 俺は『氷漬けの魔女』

 うーん。おねショタっぽさはないですな。まあ、さほど期待はしていなかったので。そこまで落胆はないですが。ハイファンタジー作品なんですかね。全体的な筋とか。読んだときにどんな感情が約束されるか見えづらいので。撤退です。

4-18 裏催眠アプリが世界中で流行ってから、早二十二年

 えっちじゃなかった! 誰が主人公であるのかが不明ですな。もしかしたら、誰か特定の人物ってわけじゃないのかもしれません。えっちな作品と期待した智子はここで撤退!

暫定投票先

1位票:4-04 魔女と妖狐の善行道中

 ちゃくちゃくと外堀をうめるように情報提示が早くてよかったです。あと、おねショタだから。

2位票:4-06 「誰でもいいからエッチしたい!」

 魅力的な異性二人の間を行ったり来たり。といった構成が期待される要素ですよね。多分、主人公はこのあと「えっち」できないんですよ。えっちに至れなかった自分の心情と向き合うターンが次の話であるのかも。

3位票:4-09 幻の「満漢全席」完全再現を目指します!

 あらすじを前提とした本文めいた作品のところはありましたね。旅立ちのシーンから。回想。さらには物語のきっかけとなる部分での回想。目的地への到着。
 など、多少情報が多かったので。読み下すうえでのカロリーが感じましたが。あらすじの期待感を損なうものではなかったです。やはり、目的地の人々が「飢えている」という不穏な情報はリーダビリティとして強かったです。

投票先のメモ


以下、感想依頼分(感想書いたものは★マーク)


4-01 イーストランドの終焉

タイトル感想

 わからんです。終焉とあるので、何かしらの破滅的な。デストロイ! 的な印象のタイトルです。ほのぼのまったりじゃなかろうとは思う。物騒なタイトルですね。あらすじ確認しないとわからない。

あらすじ感想

 ファンタジー作品なのか。異世界ファンタジーなのか。現実世界を舞台とした物語なのか。ちょっとよく飲み込めないあらすじです。
 少女が主人公。姉を探す。という大目的も示されているので。ニュアンスはふわっと伝わる作品でした。

本文感想

主人公   :ヤン・イーリン
主人公の能力:数千人程度の人の顔を覚えていられる頭脳の明晰さ
世界観   :義体化が可能となるようなSF世界。
異変・事件 :姉の失踪
問題・課題 :イーストランドの暗部に絡む問題への介入
決意・覚悟 :自分の秘密を知っている姉を助ける!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):利害で通じた男女バディが、なんか危険な組織と丁々発止する物語!

 面白かったです。面白みをちゃんと理解することができた作品でした。

 基本的に「緊迫したイベント」から開始することで、アクションと「世界観」への導入を意識した書き出しだと思いました。

 タイトルあらすじでの情報量では「作品の世界観」がまったく掴み取ることができなかった。
 硬派なアクションものを期待する読者にとっては、タイトルとあらすじではまだ魅力が伝わらない領域かと思います。

 しかし、本文を読んでみれば。作品の世界観も「イベント」によって、提示される等。徐々に飲み込んでいくことができる書き出しでした。

 私も真似して書いてみたい方法ですが。非常に勇気がいる書き方だと思っています。どうしても、私は「世界観の補足のために書いてしまう」所はあるかもしれない部分を、本文は情報の提示に関して抑えているようにも見える語りです。

 現状、主人公が「ヤン・イーリン」のみに期待される構成であるし。彼女の記憶であったり、義体化に関する情報の開示によって「姉の行方不明」に関する物語と連動していくことになるのだろう。と予想しました。

 タイトルとあらすじで、いくらか「ハードなSFを嗜好する読者」には届いていない可能性があるかもしれません。

 感想は以上です。

4-02 追放勇者の魔王軍復活作戦

タイトル感想

 異世界ファンタジー。魔王や勇者という文言があるので。ゲームライクファンタジーの世界観が舞台の作品。魔王軍の復活とあるので、追放された勇者が魔王軍に寝返るのだろう。と予想しています。

あらすじ感想

 筋は明快。勇者がちょっとぶっ飛んでる。というのも、あらすじでわかりました。

本文感想

主人公   :レーヴェ(三人称キャラクター視点)
主人公の能力:勇者としての能力。
世界観   :異世界ファンタジー。舞台設定はシリアスに寄せている。
異変・事件 :戦士の死をきっかけに変わる。
問題・課題 :魔王(元勇者)に襲いかかる人類側。
決意・覚悟 :戦いの担い手が存在する世界にする。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):今後、物語上の障壁となるであろう「王室側」の強大な敵が登場する。それを打破するために「魔王軍の増強を行う」など。努力と勝利のターンを繰り返しながら、提示していくのかもしれないですね。

 タイトルとあらすじでイメージしていたものとは、ほんの少し違った印象の作品でした。

 というのも。勇者が強いことは「安心感を与える要素」として求められる傾向があるのはわかるんですが。

 この物語は「勇者が魔王軍側の指導者となり、弱い魔王軍が人類側の脅威となるために、トレーニングを施す」という部分が「物語上の約束する魅力」の一つでもあるのか。と思っていました。

 なので。

 ゴブリン引っ込んだときに「まだ、戦わんのやな」という感覚はありました。

 物語のハードルというか。今後の展開についての「ログライン」や「目指す所」がまだ「概念的」にとどまっていることは、読後感の印象にいくらか影響を与えた作品のように思います。

「戦士の死をきっかけに、世界をまた争いの渦に巻き込もう!」というシンプルな願いや発想があります。しかし、それに至るために「達成する課題」がまだあまり見えてこない情報量(魔王軍として、人類側の脅威になるためには何を達成するべきか)でした。

 もっと、次のシーンや話題への直接的な引き(ゴブリンの強化トレーニング! 軍勢への指導に関しての方針!)とか、あればまた印象が強まったんじゃないかなぁ。とか思ったりする作品でした。二話目以降で、そのディテールが書き込まれていくのかもしれませんね。

 感想は以上です。

4-04 魔女と妖狐の善行道中

タイトル感想

 魔女と妖狐とあります。妖狐が男の子ならおねショタじゃないかなぁ。と当たりをつけた作品です。

あらすじ感想

 あらすじを読めば、おねショタでござんした。語り口が「妖狐の子ども」と明記されているので、ある程度キャラクターの語彙に沿ったものであります。魔女はおねだろう。と勝手な期待をして、読んでいました。

本文感想

主人公   :僕の一人称(コン)
主人公の能力:変身ができる(まだ少々未熟な能力)
世界観   :妖狐などのあやかしが出る。日本を舞台とした現代ファンタジー。
異変・事件 :結界の外に出てしまったこと
問題・課題 :一人前の妖狐になるための試練の数々
決意・覚悟 :一人前の妖狐になって、家族のもとに帰るぞ!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): 困っている人々を助けて回る。妖狐と魔女のバディものとしての。寓話のようなお話。

 面白かったです。

 舞台のセットアップにかかる部分が多い書き出しではあるんですが。人間の世界を知って、戻ってきた「兄」であったり、結界を壊させないために「未熟ながらも旅に出る」ことを決意する「僕」の行動であったり。

 これから待ち受ける「困った人々」の情報も兄の口から提示されたり。物語に参入するための助言。

「1度なにかを断ったら、次の誘いは受け入れること。ずうっと断ってばっかりいると、その後が生きづらくなる。処世術ってやつさ。覚えておきな」

本文より引用

 この助言がきっかけで「僕」は物語に参加することになります。これは作中を通して「繰り返し」発揮される「決め台詞」に近いものとして、運用されるんじゃないかな。とも考えています。

 全体的には非常に面白みのある作品として、楽しめました。

 しかし。

 ファースト10でも述べたように。

「またたびもの」のような「各地の困った人々」を助ける物語としてみたときに「どんなふうに助けるのか?」というテイストまでは見えてこない。予想をする程度にとどまる作品であるため。強い引きがあるか。とまで考えると、難しい所はありそうです。

 しかし、もふもふの男の子ですよ。もふもふのショタ。

 ビジュアルが強い。

 感想は以上です。

4-07 それいけ聖犬フェンリル!〜うちのしず江(14)はシーズーです〜

タイトル感想

 ビックリマークがあると、コメディテイストの楽しい作品のイメージが付きます。聖犬というのも。ファンタジー要素も期待しています。もふもふですね。さらにサブタイトルのしず江もコメディを期待させてくれます。

あらすじ感想

 コメディテイストであることを予想していた通りのあらすじでした。

本文感想

主人公   :しず江(飼い主の私による一人称)
主人公の能力:シニア犬としての能力(ハードル上げていきますよね)
世界観   :異世界召喚とか転移とされるもの。
異変・事件 :契約しちゃう(シニア犬であるため、何かしらの成長要素のあるキャラクターとしては描写されていない)
問題・課題 :シニア犬としてヨボヨボであるのに、魔王を倒すことを求められる。
決意・覚悟 :不明(楽しくすごしてくれ)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):コメディラインの作品です。愛くるしいシニア犬のしず江の反応等を、飼い主が解説したり、突っ込んだりと。「語り口」自体が楽しみとなるタイプの作品です。

主人公   :私(キャラクター名は不明)
主人公の能力:ツッコミの力よ
世界観   :異世界召喚とか転移とされるもの。
異変・事件 :異世界転移したときから
問題・課題 :シニア犬としてヨボヨボであるのに、魔王を倒すことを求められる。
決意・覚悟 :不明(しず江に無理させない! みたいな庇護の決意?)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):同上

 面白かったです。コメディとして抜群のムードと「魔王討伐へのハードルの提示」が見事に噛み合っていました。

 物語上の「スピード感」を求める向きが書き出し祭りの企画にはあったりするんですが。必ずしも、そればかりが求められるものではなくて。作品の「魅力」とするところはどこか? というのを考えたときに「コメディとしての語り」や「キャラクターの持つ魅力」を十二分に発揮した描写があれば「さほどスピード感」を必要としないジャンルもあるんだなぁ。と感じました。

 今後の展開について「しず江」ないし「私」がどのような力を発揮して、魔王へのログラインが提示されるのか。はまだ見えてこない段階ではあります。
 しかし、それは「語り口」としての「コメディ」の魅力を損なってまで提示するものではないんじゃないかなあ。と思いながら読んでいました。

 この作品は、ジャンルの狙いと語り口がマッチした。いい作品だと思いました。

 感想は以上です。

4-09 幻の「満漢全席」完全再現を目指します!

タイトル感想

 満漢全席と聞いて、智子が思い浮かべるのは「中華一番」ですかね。

あらすじ感想

 基本的な序盤の筋を追ってくれたあらすじでした。結構しっかりと書いているので、ログラインがわかりやすい。物語の目的も明確でした。どう楽しむのか(グルメものとしてのリアクション等)は本文でわかるのであろうかと思いました。

本文感想

注目して読んでほしいのは、続きを読みたくなるか、です。

感想依頼より

 続きを読みたくなるか。という部分を考えながら感想を残してみようと思います。

主人公   :エルナ(三人称のキャラクター視点)
主人公の能力:食べることで料理を解析し魔法レシピへと変換。
世界観   :異世界ファンタジー。グルメものとしてのセットアップのムード。
異変・事件 :王からの「満漢全席を覚えてきてくれ」という依頼
問題・課題 :満漢全席をおぼえるための旅路での各種妨害等?
決意・覚悟 :レシピをおぼえる!(本当は戦争回避のため。でも、本人としてはレシピのほうが強め)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):物語の大筋がわかるあらすじと。エルナというキャラクターの描写やバックボーンに絡む書き出しだったので、まだ具体的に「エルナがどんな活躍をしてコミュニティに貢献していくのか。どんな楽しみがあるのか?」というのは、具体的にはまだ見えてこない書き出しだったように思います。

 続きが読みたくなるか。という部分だけで言うならば。最後の一文をよんだ人は「引きがある」シーンだと感じるので、読みたくはなると思いました。

 窓にへばりついてきた餓鬼めいた人の顔に、エルナは悲鳴を飲み込んだ。押しのける別の顔。餓えた必死の形相。その隙間から見えるのは人人人! 群衆の真っ只中?

 神馬のひく魔法防御の高い馬車が、群がる人々のギラつく熱気で揺れている。
 迎えではなさそうだ。

本文の引用

 引きがある。というと、「新しい課題(飢えた人々)」をぽんっと提示して、次のページへの興味をかきたてるための描写です。

 この部分だけで言うならば「十分、続きは読みたくなる」ものです。

 しかし、最後の一文を読むということは「読者が脱落せずに最後まで読んでいる」ということなので、引きの文章さえ上手くいけば、続きはみんな読みたくなるものです。

 問題は「最後まで読んでもらう」というのが結構難しいと思っていて。その最後まで読む。ということを誘導するために、シーンの接続やシーンに含まれる意味合いの連続性を担保するなどの方が重要だとは思っています。

 本文の並びから。

01:満漢全席の説明
02:検問所にいることの提示。
03:検問所内にて、主人公を含めた諸々の登場人物の描写が入る。
04:回想のシーン(エルナの旅のモチベーションにつながるバックボーンの提示)
05:回想のシーン(キリオス王との出会い)
06:回想のシーン(エルナが王の名代となる経緯の話及び満漢全席へのモチベーション)
07:検問手続きの完了(飢えた人々との対峙)

 動きのあるシーンから開始するということを考えたら。「06:回想のシーン(エルナが王の名代となる経緯の話及び満漢全席へのモチベーション)」のシーンから始めるほうが。「アクション」から始まる物語として機能したんじゃないかな。とは思っています。

 現状は「検問所の出口」によって登場する「飢えた人々」のシーンによる引きを発生させるために、描写の手心があるようにも見えた構成でした。

 どうしても。エルナ及びフィルセアという登場人物達や、彼女たちの「能力の説明」に近い描写が多く。彼女が能力を発揮しているシーンを見られていません。ここを見せた方が「全体的に引きのある印象」になるんじゃないかなぁ。とは邪推しています。

 感想は以上です。


4-10 コックローチ飛岩さん

タイトル感想

 よくわかんないです! コックローチもよくわからん! 飴玉? とか思っちゃいました。人物名詞のタイトルなので、この名前の人が主役なんかな。とは思いました。漢字の名前なので、日本ないし漢字圏の物語世界だと予想しています。

あらすじ感想

 あらすじ面白かったです。あらすじって大事ですね。このぶっ飛んでる感じが大事ですね。主人公は甘川等子なんですかね。課題を持ち合わせてるし、なにかぶっ飛んだ発想をなさるし。読者としても「甘川」のもつ疑問。カブリさんとの共通点といった提示などから。「現代もの」なのか「現代ファンタジー」なのか。といった部分を「確定させる」ために、本文を読み下していく事になりそうです。

本文感想

注目していただきたい点は以下二点です。
・あらすじ、本文共に情報量が多く、読んでいて伝わりにくいところはないか
・題材となる虫に不快感をどれくらい感じたか
以上の点によろしければ感想をいただけますと幸いです。

感想依頼より

 留意しながら確認してみる。

主人公   :私(甘川等子の一人称視点)
主人公の能力:ゴキブリのカブリさんと話す能力(能力?)
世界観   :現代ファンタジー作品(主人公の妄想や幻覚の類であれば日常ものにもなる)
異変・事件 :不明(不登校から引き上げてもらったとき)
問題・課題 :不明(甘川のコミュニケーション能力の拙さによってなにか誘引される?)
決意・覚悟 :ライラと仲良くなりたい。素敵な彼女がみんなに怖がられてる状況を無くしたい。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ゆりっ子!!!!!!!!!! を楽しむ物語です。あとは不明。

 面白かったです。

 あらすじや本文に情報量が多い。という懸念がありましたが。

 さほど問題には感じなかったです。

 すごくシンプルなラインだったので、読みづらさとかそういうのは無かったです。

 おそらく、その懸念していた「情報量」というのものについては。意図的に「排除しながら」読ませることができている作品だと思います。

 というのも。甘川さんというキャラクターが「課題」を抱えているタイプの主人公であり、彼女の語りによって「現代ファンタジー世界」が展開されます。

 この時点で二通りのことを予想しました。

・本当にかぶりさんが、ライラであるパターン

 現代ファンタジーで百合もの。お互い共有する秘密等の提示によって、ラブコメな甘々なファンタジー世界の展開。

・ライラさんがただの人間であるパターン(ゴキブリと意思疎通できてると思い込んでる。幻覚、幻聴等の精神疾患を抱えてる可能性)。

 現代もの。コミュニケーションが下手な甘川さんからぶつけられる超特大級の失礼との対立などを描く作品。

 といったように。「甘川」さんが語り手であることによって、ちょっとした不穏さも感じ取れる書き出しではありました。

 この「どっちにも転ぶ」という書き出しは「読者ターゲットの設定を難しくさせる」と思っています。

 シュレディンガーの猫みたいな。

 観測するまで結果がようわからん。

「甘川さんが、精神的に参ってて幻覚を見ている可能性もあれば、本当に現代ファンタジーで百合百合しぃラブコメが展開する可能性も存在する」

 という状態ですので。それを「情報量が多い」と表現したのかもなぁ。と予想しています。

 百合であることを前提にした。読者の楽しみ方を提示できているので。さほど心配はない。というのが智子の感想でした。


 題材となる虫への不快感をどのていど感じたか。

 これも人によるのかも。とかは思っています。結構リアル調で作品世界をイメージしている人にとっては、ゴキブリが「ディフォルメされていない」形で想起された場合は結構ダメージくるかもしれませんね。

 しかし、私は読んでいてですが。「百合のエンタメ小説だねぇ」と汲み取っていたので「ディフォルメされたコミカルな世界観」として捉えながら読んでいたので、さほど抵抗感は無かったです。

 ゴキブリと語らうというシーンも「ファンタジー」を加速させたように感じています。

 私は「苦しくなかった」というのはありますが。人によるとは思います。多くの人にお尋ねしながら、フィードバックを集めてみるといいと思います。

 感想は以上です。

4-11 売れない地下アイドルグループ、運営資金を稼ぐために超能力で探偵やります!

タイトル感想

 会場内の他の作品群に比べて、いまひとつタイトルでの力強さが足りない気がしています。

依頼より

 嘘つけ! 力強さありますよ。

 主人公が想像しやすい。「売れない地下アイドルグループなんやな」とわかりますし。資金面に困っている。というのも、物語上の「動機」としてよくある。わかりやすい設定です。そして、それらの問題を解決するために「超能力」で「探偵」をやる。というウルトラC級の情報量のあるタイトルですよ。

 こういう文言のなかで「相反する文言」を入れるのは非常にいいテクニックだと思っています。

 探偵が超能力使っちゃうんですからね。反則でしょ!

あらすじ感想

 超能力の一端がわかりました。エスパーめいたものではなくて、もっと探偵の能力を分散させた。みたいなもののようです。

 結構真面目に「探偵もの」をやるんかも。という期待感が高まった作品でした。

 泥よりのアイドル。面白そうです。

本文感想

内容面でも、構成的に気になる部分などあればぜひ教えていただきたいです!

感想依頼より

 ミステリー等の謎解きを主題とした作品のセオリーをさほど知らないので、言及できるかわからんですが。やってみます。

主人公   :主人公めっちゃいる! 割愛! (三人称神視点の作品)
主人公の能力:増田杏の能力は【増幅あんぷ】、戸隠忍の能力は【隠密】、瓶井来鹿の能力は【瞬間記憶】
世界観   :現代もの。探偵もののミステリーとしての導入。
異変・事件 :300万という危険な香りを感じる人探しの依頼!
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :運営資金を集めるために、副業に勤しむぞ!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): アイドル文化及び探偵ものが融合した作品である。探偵として求められるであろう能力を「細分化」させて、それぞれの能力に特化したキャラクターを5人で活躍させて「一つの優秀な探偵」が成立するタイプの話。

 面白かったです。

 探偵ものとして「洞察」の能力等をイベントで提示しながら、物語が進行していくシーンがありました。エンタメ小説として、馴染のある進行なので、読みやすくて楽しかったです。

 あと、物語上の「行動の動機」に「金銭」が絡むと、強い「納得感」が生まれる等、多くの作品に通ずる方法論で展開されています。

 あと、5人のキャラクターともなると。「書き分け」が非常に難しくなると思うのですが。3人の登場の時点であっても、基本的に混乱させることなく読ませている部分は強いと思いました。

 あと、2人のキャラクターが控えている中、期待感を維持したまま次の引きへと繋いだ描き方は面白みの一つだと思います。

 内容面ですが。

 本来、探偵一人で終わらせることができる要素を、探偵を五等分するという形で「それぞれの能力」で役割をもたせる等によって、アイドルグループの5人という必然性を持たせているのが、面白いです。

 書き出しでは3人の能力が提示されるなどもあって。「あと2人の能力も知りたい!」という読者の欲求を綺麗に引き出しています。

 書き出しとしてはまだ「魅力のすべてを表現していない」段階ではあります。

 次の話であと二人分の「超能力」が開示されると思っています。思っていますが。開示されたあと「誰が主人公」として、この物語を引っ張っていくのか。展開されるか。されないか。で三話目以降の「読者に約束する楽しみ方」等も変更されそうです。

 構成面でも一つ。

 物語上の「対峙する。対立する要素」の提示として、今後何と「対峙していく」のか。がわかると、印象が少し変わったかもしれません。

 現状はアイドルとしての主人公達と。
 探偵としての主人公達と。

 この二つの側面を提示しました。依頼を持ち込んだ男性は「アイドルとしての関わりを持つ人物」の情報を求めていることになります。

 あくまでも副業が「本業」に影響を与えかねない依頼内容について「葛藤」のシーンや「糾弾」のシーンがなかったのは、少し不自然だったかもしれません。

 アイドルが、ファンの私生活にからもうとするのは。基本的にご法度ではあろうかと思うので。そのアイドル文化とファンとの距離感とか。その部分でもアプローチがあると「アイドルが探偵やる」というコンセプトとなじむんじゃないかな。とも感じました。

 感想は以上です。

4-16 ファンタジー・パンク 消えた魔王と砂漠の都市


タイトル感想

 ファンタジー作品世界である。と予想はしています。魔王とあるので、ファンタジー何でしょう。対となるように勇者が存在するかどうかはわかりませんが。物語上の「対立」を予想するなら。導入はされててもおかしくないかな。とは思っています。

あらすじ感想

 勇者、騎士、聖女、賢者といったようにビジュアルとして共有しやすいファンタジー世界を土台として描いている。あらすじが「梗概めいた」ものの「アオリ文」でもある要素を感じる。どこから開始されるのか。

本文感想


主人公   :勇者(三人称のキャラクター視点)を含めた。騎士、聖女、賢者の4人。
主人公の能力:雷の魔法等を使える。聖剣の使い手。
世界観   :ドラクエライクな世界観からSF世界への「転移」に準ずる作品か? 勇者と仲間たちの男女比率が「ラブコメハーレムもの」としての舞台装置あり。
異変・事件 :SF世界への転移ないし移動
問題・課題 :不明(イモムシのような外的な課題の登場)
決意・覚悟 :不明(二話目以降で、セットアップが完了するのかも)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): 勇者のラブコメハーレムものとしての、舞台装置あり。

 順当な展開で、安定感のあるアプローチの作品でした。

 というのも、勇者、騎士、聖女、賢者という四人が活躍することを前提としたイベントの発生。

『皆様さようなら この施設は残り30秒で爆発します』

本文より引用

 登場人物のキャラクターを走らせる。というイベントは読んでいるだけで、緊迫感のあるしろものにもなります。この走りながら、四人のそれぞれのフィジカルの強度や、能力の開示など。四人の自己紹介に近い構成で展開されています。

 実際、似たようなアプローチの作品として。『4-11 売れない地下アイドルグループ、運営資金を稼ぐために超能力で探偵やります!』があります。
 この方法で展開することで「誰が活躍していくのか」「どういう風に活躍するのか」といったように「物語を打破していく方法や能力の提示」は今後の展開を考えるうえで、読者への示唆ともなります。

『そこの未登録市民!こちらは戦域警備隊13番!武装を解除して跪け!戦域保護法により、抵抗しなければ命は保証する!』

本文より

 組織だった警邏けいら隊が存在する世界観であること。ファンタジー世界とは離れたギミックが提示されるなど「ファンタジーであった日常の世界」から「SF世界への特別な日常」への導入という書き出しでした。

 面白くはある作品です。しかし、次どうなっていくのか? という明確なものはないんですが。

 主役となるキャラクターが四人存在していて。ラブコメやハーレムものに近い構成でやるとなれば。大事なのは「四人の性質」を提示すること。それを「エンタメ読者」が重要視すると考えたとき。このアプローチが最適化されてる作品のようにも感じています。

 滑り出しは良くて、二話目三話目で「セットアップ(新しい舞台及び舞台が抱える課題や勇者たちのログラインの提示)」がスムーズに行けば、読者はがっちり掴んだまま、次の話題へ移行できると思いました。

 個人的な好みの話しですが。

 聖女が好きです。

 感想は以上です。

4-21 チクチクぬいばり

タイトル感想

 タイトルのカタカナの部分である「チクチク」という言葉がすこし刺々しい印象を与えてきます。縫い針も「ぬいばり」とひらがなで開いていることから。対象者が「児童や幼児」を対象としているなにかのようにも感じます。

あらすじ感想

 絵本という話題もあるので。『チクチクぬいばり』は作中作であることが推測できます。ホラーなのかなぁ。ジャンルはまだ不明です。
 この段階で「どんな感情になれる作品なのか?」がまだ見えてこないところは、読者の選好に影響を与えそうな情報量だと思います。

本文感想

主人公   :僕(昴の一人称)と「作中作」の絵本の描写と絵本に関する感想を述べる「三人称の視点」の三つが交互する作品。
主人公の能力:不明(一人称にしてはやたらと、描写が達者ではある。偏差値高い学校行ってそう)
世界観   :現代もの。ファンタジーかもしれない。ですが、どっちにしろちょっとホラーめいている作品。
異変・事件 :不気味な絵本を見つける
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ここもまだ不明な領域の作品となりました。

 感想としては。現状面白みとする部分がアピールされきっていない作品だろうとは思います。

 物語を歩んでいくであろう昴の現状はわかるのですが。不気味な絵本の登場によって「今後どんな物語が展開されるのか」という部分があまり明瞭じゃないので、読みすすめていくうえで「なにが約束されているのか不明」なため、さほど強いリーダビリティがあるようにも感じられないですね。

 とはいっても。それも「特殊な構成」故のことだとは思います。


 作中作の『チクチクぬいばり』という自作の絵本が登場します。

 小学生が描いたようなあどけなさの残るかわいらしい絵柄。ガタガタの線と左右非対称に描かれたキャラクターが、絵をあまり得意としていないことを訴えかけていた。授業かなにかで作られたであろうその絵本はかわいらしさを内包しつつもぼろぼろになり、哀愁を漂わせている。

本文より引用

 この上記の描写は『チクチクぬいばり』の内容について、言及する「地の文」で書かれています。主語がないので「三人称神視点」に近い描写です。
 この文章の後に( )まるかっこで、誰かの心情表現を思わせる形で描写しています。

しかしそんなかわいらしさ、哀愁さえも打ち消すほど得体の知れない暗い気配を感じさせた。なにがそう感じさせるのかはわからない。だがそんな明瞭としない感覚でさえも余計に気味悪さを増幅させていた。負のオーラとでも言うのだろうか。見ているだけで気色の悪い感覚まで感じ始めた。顔も知らぬ人の口内で咀嚼され、ネチャネチャとした粘性と水気を伴うガムが身体についたような感覚。いまだ感覚は残っているのに手が届かず、気持ち悪いまま。

本文より引用

 書き出しの中では、作中作の絵本と。✳(八本アスタリスク)による描写がセットで描かれています。

 前半と後半のそれに違いがあるのは。( )まるかっこの有無のみです。

 あいだに挟まる様に「僕」――昴が本を見つけるまでの描写が挟まります。

 配信でも述べてはいるんですが。この「コピペ」(コピー&ペースト)による、作品の叙述というので思い当たる作品が一つあって。

 森見登美彦先生の四畳半神話大系ですね。

 妄想してないで、とっとと恋路を走りやがれ!
私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。できれば1回生に戻ってやり直したい! 4つの並行世界で繰り広げられる、おかしくもほろ苦い青春ストーリー。

上記サイトより引用

 並行世界パラレルワールドを描くうえで、コピペによる描写を繰り返す手法がありました。

 これと同じような手法で、このホラーなムードを繰り出そうとしていて。この手法を「繰り返す」ことで、今後の展開を示唆している作品なのだと思います。

 じゃあ、どこが変わったの? といったときに。

 序盤の三人称視点による描写にあった。( )まるかっこの部分が次のリフレインでは地の文に組み込まれていました。

 絵本を読むたびに「変化していく」という部分を提示することで、文体が侵食されていく。ということをそれとなくアピールした部分があると思ったんですが。どうなんでしょうね。

 視点が3つある作品です。

 1つ目は「作中作のチクチクぬいばり」
 2つ目は「作中作を描写する三人称の視点」
 3つ目は「僕による一人称の視点」

 実は2つ目と3つ目は「文体が非常に似通っている」んですよね。作者の手癖で書いているからなのか。今後「文体が侵食されていくよ」という示唆としてのアピールなのか。

 どっちなのか。

 こればっかりは続きを読んでみたり、全体の構成を触ってみないとわからない。だけど「優秀な書き出し」というのは「書き出しだけで全体像がわかる」ように作られているように思っていて。

 この作品が「ホラー」として、このシーンを繰り返していくことを示しているならば。書き出しの部分だけで「一つの雛形」を形成していると期待するならば、何かしらの解釈もできそうですね。

 私は基本的にはエンタメ作品に関して「わかりやすさ」とか「直情的なもの」を期待する読者ではあるので、読解にカロリーが必要そうとかなものは敬遠する傾向があります。

 よく私が「書き出し」で感想を整理しながら大事なことは何か。というのを考えたときに「一話でターゲットがわかる」作品だと言ってます。

 この作品は「ターゲットがわかる」作品の部類だとは思います。ホラーテイスト。不気味さ。それらを「楽しもう」という読者がターゲットでしょう。

 そもそも「ホラー」って「不明瞭な恐怖」を楽しむ節はあるので。この塩梅のアプローチというのは、ターゲットにそった情報量なんじゃないか。とも思っています。

 積極的にいろんな方に感想依頼を投げてみるとフィードバックが得られやすくなると思います。

 余談ではあるんですが。

 次話においていきなり「キャンパスライフ」で「あなたのお嫁さん」が登場するといったような「ヤンデレホラーテイスト」に振り切るとかになれば、書き出しではその要素を示しておくなどの「予 示」フォーシャドウィングの描写が欲しい作品です。

 実は、ヤンデレホラーテイストに振り切ってくんないかな。という期待もあります。だって。「あなたのおよめさん」って最高じゃないですか。

 感想は以上です。

4-22 岐阜城花嫁殺人事件


タイトル感想

 殺人事件! とめいうっているので、サスペンスだろう。と予想しています。となれば犯罪捜査や、謎解き役の人が登場するものなんじゃないか。と予想しています。

あらすじ感想

 謎解き役。男女バディの作品。おっさんとうら若き女刑事。サイコホラーのサスペンス。要素を適切に説明して、アオリ文に近いもの。

本文感想

 感想依頼において、コメントがあったので。付します。

智子様に読んでいただきたい部分……というか、犯人の異常性を際立たせるように描きたかったのですが、どうしても刑事二人のやりとりなどを書いておきたかった為、とっかかりやすい第一話といえば良いように聞こえますが、インパクト……というか、書き出し祭りとしては目立たない作品になってしまったかもしれません。

感想依頼より

 書き出し祭りで大事なのって「インパクト」というよりかは「ターゲットが明確な作品」であることの方が重要なんじゃないかな。とは思っています。
 インパクトや目立つかどうか。という部分も念頭におきながら読んでみます。

智子様ならここはこうする、と言うのを聞きたいです。辛口で構いません、何を言われても耐えぬく所存です。よろしくお願いします。

感想依頼より

 じゃあ、なにか思いついたら申し上げてみようかと思います。何を言われても耐えるって。作者発表されたら、色々やり取りもできるようになりますけん。眉唾程度に感想は眺めておいてください。

主人公   :柊咲の三人称キャラクター視点
主人公の能力:超人的な胃腸(それがどう活躍するかはわからんですが)
世界観   :サイコホラー・サスペンス。
異変・事件 :変死体の発見
問題・課題 :ミステリーとしての謎の提示。
決意・覚悟 :犯人見つけますぞ!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):サスペンスとしての謎解き要素と男女バディ物としての提示。キャラクターのコミカルな表現など、ある程度「エンタメ小説ないしエンタメのドラマ性」を内包した作品のムード。

 タイトルとあらすじで期待していた要素を満たしてくれたので、満足感があるものでした。面白かったです。

 大事なことなので。引用を繰り返しますが。

書き出し祭りとしては目立たない作品になってしまったかもしれない

依頼文より

 書き出し祭りで、目立つことってさほど大事ではないと思っています。

「タイトルとあらすじで興味を持ってくれた読者の期待を満たしたか?」

 この要素が大事だと思っています。となれば、タイトルとあらすじで期待していた要素はなにか? というのをまずは書き出してみます。

・殺人事件の要素

 変死体を含めたサスペンスの動き出しがあります。提示された謎や殺人事件の状況についての提示。

・この世ならざる者を視る刑事及びサイコホラーの設定

 死体を見つめる少年のシーンの提示。

・男女バディの登場

 松平という名前から、連想しやすいビジュアルイメージを設定したり。松平という時代劇に御用達の上様を引用する形で「時代劇が好きな柊」というキャラ付けを提示するなど。物語の中での「キャラクターの印象」の誘導を整理できている。

 といったように。「タイトルとあらすじで読みたい」と思っていた部分は満たしてくれたので「書き出しとして心配のない。申し分ないもの」と捉えています。

 しかし。インパクト! という部分をご懸念のようなので、考えてみようかと思いますが。

 インパクトならば。死体を発見するシーンから開始するというのも一つの手だったかもしれません。

 アニメで言うなら、オープニングが始まる前の「アバン」としてのシーンでしょうか。

 死体を発見する人物は「事件に全く関与していない通行人」等のパターンも珍しくはないので、日常の世界をぶち壊す衝撃的なインパクトを提示。そこから、主役となる捜査機関の主人公たちが登場。

 といった「オーソドックス」な方法でも十分に期待できたと思います。

 しかし、その方法をすると。この作品ではどこか文字数を詰めることになります。

 現状、この作品の構成としての特徴は。

 サスペンスとしての動きや、謎の提示による誘引を優先していることです。ミステリーとか。謎というのは「リーダビリティ」に強い食いつきがあるので、それを描写する。設定を整理することは非常に大事だとは思います。物語の核の部分だからです。

 もしも、インパクトを重視する場合は、謎の提示の量を絞って、次のシーンへ移行といったように。「謎を小出しにする」構成で作ることになるんじゃないかな。と思ってます。

 スペースの配信でも触れたんですが。最近は「BONES」というドラマばかり見てます。

 この作品も男女バディもののサスペンスドラマではあるんですが。基本的なテンプレの構成があります。

1:身元不明の死体を見つける
2:死体の身元を特定していく(この際に、凶器の特定だったり、容疑者の洗い出しを繰り返していく)
3:身元を特定した後、犯人の逮捕

 この三つを繰り返していくんですが。この2番の項目を進むときに「謎を解明し、その情報によってまた新たな謎が浮上する」といった構成で作られています。

 現状、御作は「謎」の部分を書き出しの中で提示しています。材料がたくさん出ている。
 次の捜査はどこのターンになるのか。
 という部分が読者の誘導という面でみると「情報量が多い」かもとは感じました。

 この読後感は。智子がミステリーを読み慣れていない。とか、さほど謎を重要視せずに「キャラクターの関係性」に重きを置くユーザーであるから。とかもありそうです。

 ミステリーとかサスペンス好きな方ってたくさんいると思うので、もっと多くの方に意見を募ってみると手応えを整理しやすいと思います。

 しかし。個人的にはですが。

「キャラクターの関係性やドラマ性」の方が重要視するので、この構成のほうが智子は好みでした。しかし、智子は「潜在的な読者ターゲット」ではないので、あまり参考にしない方がいいかもしれません。

 感想は以上です。

4-25 冷徹無慈悲な暴君陛下へ、アナタに愛を教えて差し上げますわ!


タイトル感想

 暴君陛下! オラオラ系? 陛下の年齢設定次第ですが。少年王とかだったら、ショタかもとはよぎりましたが。多分違うだろうとスルーした作品でした。愛を教えて下さい。

あらすじ感想

 主人公はカレンシアな予感のあるあらすじです。おそらくですが。カレンシアは「触 媒カタリストヒーロー」とされる属性のキャラクターです。

補足:「触 媒カタリストヒーロー」とは

”ストーリーの中で英雄的に活躍するキャラクター像ではあるんですが。自分自身(カレンシア)はさほど成長や変化をするものではないキャラクター”

 おそらく、この物語の「もっとも成長をするキャラクター」は「暴君皇帝アレクシア」であることが予想されます。

 なので、書き出しにおいては「成長を期待される暴君の伸びしろ」に関する書き出しが示され、「触 媒カタリストヒーロー」の活躍シーンの一端が描かれるのじゃないか。と期待しています。

本文感想

主人公   :カレンシア
主人公の能力:慈愛に満ちた。『統治者向き』の能力。
世界観   :異世界恋愛よりのファンタジーの作品です。
異変・事件 :皇帝陛下の打擲ちょうちゃく
問題・課題 :敵対者や対立的な思想を持ち合わせる夫の存在
決意・覚悟 :統治者として、夫の性質に物申し続けますよ。という決意
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方): 圧倒的に不利な状況にあるヒロインが、権威者である夫を変えていくこと。を楽しむ物語。

 タイトルとあらすじで予想していた「触 媒カタリストヒーロー」とはちょっと違う可能性を感じた読後感でした。

 というのも。

触 媒カタリストヒーロー」というのは「バランスの取れたキャラクター」であり「どのような振る舞い」も可能となるような、キャラクターだったりします。序盤の動きだけを見ると。

 ストレート! 直球勝負! みたいな能力だけでわたっているように見えるキャラクターでした。

 となれば、もちろん彼女が「相手の逆鱗に触れて、死罪エンド」も十分にあるものですが。そこら辺に関する「安全マージン」の取り方とかがあるようには見えないキャラクターです。

 それがあれば「触 媒カタリストヒーロー」になりますが。どちらかと言うと「直情径行」のあるヒロイン像の可能性も捨てきれません。

 となれば、この物語は「暴君としての覇者の気質を持つヒーロー」と「統治者としての慈母の気質を持つヒロイン」の「衝突と融和」の物語としての、素直なストーリーラインなのかもしれませんね。

 衝突のさなか、ヒロインは「覇者の性質」について、考えを深めていくことになるなど。お互いに変化しながら、物語が展開していくことになるのだろうか。と予想をある程度修正した作品です。

 ドラマ的というよりかは、メロドラマ的に近い情報量だったようには思います。

 権威者たる男性や夫に対して、周囲を気にすることなく打擲ちょうちゃくする女性像。というのは、求められるキャラクター像ではあると思いますし、それを読者に「一番にアピールする」作品でした。

 個人的には「この女性考えなしやな。大丈夫やろか?」とは思う挙動です。
 しかし、物語上の「引き」とか「イベント」の動きというのは。「主人公の未熟さ」故に展開するものも、十分ありまして。この「周囲を顧みずに夫を打擲打擲する振る舞い」という部分が「打算的」なものであるか。とか、「人質としての有用性から、ヒロインを粗略に扱えない」といった「戦略性」があるのかもしれませんが。

 書き出しの中ではそれらがまだ見えてこない情報量でした。
 二話目以降の展開が「慈愛による治世。徳を大事とするもの。など政治的な要素を内包する作品」となる場合に、ヒロインの姿勢(帝国として広大な領土を統べる夫を臣下の前で打擲すること。政治的な影響力の下落等)がどのように影響するのか。

 一話ではそのムードがつかみとりづらいところはありました。

 二話でいきなり投獄とかされてたら、それはそれでめっちゃ気になる作品ですがな。リアクションが気になって二話目は多分読んでると思います。

 感想は以上です。




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