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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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第二十二回 書き出し祭り 第三会場 の感想

表題の通りです。

あいさつ

 こんにちは、智子です。暑い日だったり涼しい日が並んだりと、忙しい気温です。乱高下する気温に抵抗するには。抵抗力です。抵抗力を高めるためにヨーグルト等の発酵食品や、バナナの摂取を推奨されています。智子の家の冷蔵庫にはバナナがぎっしりです。
 黒ずみはじめたバナナの主張が激しくなってきました。
 皆さんいかがお過ごしですか。智子は元気です。


記事について

 書き出し祭りという企画に掲載されてる作品の感想をご用意しています。一〇〇人の書き手の方が集まって「匿名で物語の書き出しの面白さを競う」といった企画です。

 詳しい説明は主催者の「書き出し祭り事務局」様の概要を御覧ください。


扉絵について

 今回も月猫さんのサイトからです。いつもありがとうございます。


感想について

 智子は基本的に「エンタメ」を読んだり、書いたりしています。
 いつもならば。読んで、一通りの感想をご用意する。といった形でしていたんですが。今回もちょっとやり方を変えてみます。
 感想を配信します。
 というのも、音声による配信は「読み手の生の反応」が返ってくるコンテンツではあります。
 それが良いか悪いかはわからんですが。「意味が通りづらい文面であったり、読者がどこで詰まったのか」というのは、一応音声で残しておこうと思ったからです。
 さらには感想を残すために一通りは読むことになるわけですから、配信も含めてコンテンツとなるならば、書き出し祭りについての盛り上げに寄与するか。とも考えました。

 でも、スペースのログを聞く人ってのも、本人くらいしかなかろうとは思いますが。

 お試しってやつですな。

1:スペース機能で感想を配信します。

 なお、その配信時に感想の記事を残していく。という一挙の作業にしようと思っています。なので、一つの作品に対して残す感想や時間はおおよそ30分程度でしょうか。なので、長尺になるとは思いますし、退屈なものだとは思うのでログを残しておきます。

2:感想を書き終えたら、記事を公開します。

3:感想の依頼等があれば、感想を追記します。

 感想のおかわりシステムです。

『会場番号-付番 作品タイトル』

 を明記の上、感想依頼を投げてください。あれはどうなん? これはどうなん? みたいな、感じで質問等もあれば。感想が書きやすいですね。なにか疑問点等あれば含めて、感想依頼を投げてみてください。

感想作成のテンプレート

 感想を作成するにあたって、次の項目をチェックしながら書き出しの序盤を考えてみます。ジャンル等によって、埋め方は違いはあるんでしょうが。基本的に「エンタメ作品」の文脈ならば、これらを埋めたほうが面白くはなるよね。という考えからこの項目でみていきます。

主人公   :その作品の主人公はだれであるのか?
主人公の能力:主人公はどのような能力や特性をもって、課題に対応するのか?
世界観   :その作品のジャンルやムードを確定できる情報はあったか?
異変・事件 :物語が動き出すためのトラブルは確認できたか?
問題・課題 :異変や事件をきっかけとし、物語全体のテーマや。主人公が乗り越えるべき課題などは示されているか?
決意・覚悟 :上記の異変や事件に対して、主人公が決意や覚悟等を示せたか?
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):世界観とも類似する要素であるが。作品をどのように楽しむのか? それを読者に提示できたか?

主人公   :
主人公の能力:
世界観   :
異変・事件 :
問題・課題 :
決意・覚悟 :
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):

感想の構成について

 一部記事の内容が重複するのですが。先日公開した「タイトルあらすじ感想」も含めて、感想の中に並べていきます。

サイトURL

第二十二回 書き出し祭り 第三会場

感想一覧


3-01 e-Sports Failnaught

タイトル感想

 智子に英単語はわかりません。e-Sports はわかりましたよ。智子はゲーム大好きっ子なので。でも、FPSゲームは全くしませんがね。ええ。後ろの単語はもうわかんない。わかんないので調べました。
 
 ”フェイルノート(Failnaught)は、アーサー王伝説に登場する円卓の騎士の一人トリスタンの弓。”
 
 へええ。弓の名称なんですね。ああ、でも。ゲームでも聞いたことある単語だったりするわ。智子の視野が広がりました。

タイトルから予想するターゲット

 eスポーツ関連の作品であるのは明白ですよね。
 書き出し祭り作品ではeスポーツにフォーカスした作品が何作かありました。それらは、スポ根ものや学生ものと合わせる向きがあるんですが。
 創作上の「弓」の単語まで持ってくるとなると。
 舞台装置からしてがらっと違う雰囲気かもしれません。
 でも、智子みたいに「英語わからん!」ってなる子は敬遠しちゃうかもです。

タイトルあらすじ感想

 あら。現代としてのeスポーツではないんですね。将来のeスポーツだ。フルダイブ型のSFとしてのジャンルだ。あらすじは「舞台装置」としての情報が多く。主人公の周辺情報等はまだ見えてこないので、本文のテイスト次第で作品のムードは確定しそうです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 eスポーツという単語から、引っ張ってきた読者層でしたが。フルダイブ型のSFの話題に転じましたね。この変化はターゲット層の乖離につながるだろうか。親和性はあると思うんですが。eスポーツにイメージしていた「FPS」等のチームプレイ等のコミュニケーションを基本とした物語構成を期待していた人達を、逃さない本文になるんでしょうかね。

本文感想

主人公   :俺
主人公の能力:学生時代に射撃部で射撃をしていた。
世界観   :未来SF。VRの技術が存在する世界観。ヒーローシューター的なFPSの世界観。
異変・事件 :ゲーム機を購入するというアクションから始まる。
問題・課題 :不明(おそらく、彼が高校生のころ射撃の世界から身を引いた事自体が物語の葛藤として期待できる)
決意・覚悟 :不明(まだわからん領域です。でも、彼は現状に不満を抱いていることは示されている)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):男性読者に向けた作品であり、FPS等のヒーローシューターを含めた「eスポーツジャンル」をある程度、理解している読者層に向けた作品です。FPSのゲームが「VRになったら」という想定としての舞台装置でした。

 面白かったです。面白かったですけど、このジャンルを楽しめる人は一定数絞られる要素はあるかと思います。それは「FPS」等を含めたeスポーツ文化に対しての「前提情報」等を共有できる読者であることは求められると思います。

 主人公の過去にも課題を設置していること。などから、今後の展開(ヒロインとの出会いから始まる。プロゲーマーとしての歩みや成功など)についても、期待できる作品でした。

 書き出し祭りは多くの読者がいます。それらの読者層の中に「FPS等のゲームに親しんでいる」層も必ずいます。その人達が「VR世界で銃を撃てたならば」という「もしも」をメインに楽しむ作品になっています。そして、主人公の「過去の事件」とリンクさせながら、ドラマが展開していくことを期待できた構成です。

 彼の現状を変化させてくれる「プロゲーマーの少女」との出会いによって物語が引きとなりました。この少女の描写に関して、もっとパーソナリティが明示されていれば印象はもっと変わりそうな作品です。

 感想は以上です。

3-02 光差す日の到来を祈る(感想依頼あり)

タイトル感想

 祈るという単語から。苦境にあるようなイメージです。

タイトルから予想するターゲット

 世界観はまだ不明です。祈る。辛い立場なんですかね。苦しい環境にあること。ストレスのある状態の作品を好む読者層は目に止まったかもしれません。

タイトルあらすじ感想

 おおお。ローファンでしたか。面白そうです。面白そうとなるのも「動きのあるシーン」からあらすじが入っているので、純粋に興味が持てる情報です。
 あと「BL風味です」と明言してるのもいいですよね。ここまで書かれたならば、BL風味好きな人は読んでね。というアピールに違いありません。どういう人に読んでほしいか? というのが明確な作品は、適切に届きます。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 異能巻き込まれ。BL風味と明言しているので。ターゲットは明確です。
 しかし、動いているシーンや展開などからも間口は広いファンタジーであり、サブテーマとしてBL的な楽しみ方を提供します。という作品ってことなんでしょうね。

本文感想

主人公   :相楽辰之進
主人公の能力:不明
世界観   :異能ファンタジー。主人公の態度が物語的な調子や余裕がある。エンタメ世界観。
異変・事件 :カージャックのシーンは場面転換後に発生している
問題・課題 :不明(冒頭の夢見は関係ありそうですが。それをつなげる情報はまだ見えてこない)
決意・覚悟 :不明(物語に巻き込まれる形式の受動的なシーンにとどまっているからですね)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):魅力的なキャラクターを提示し続けることは約束されている。主要人物の登場も示されている。

 タイトルあらすじで期待して読みにきた人達の「見たいもの」は見ることができた作品です。異能力を持った魅力的なキャラクター達による、物語の展開でしたね。

 しかしながら「セントラルクエスチョン」としての「どうして主人公の家にくることを目的としているのか?」という部分がまだ秘匿されています。

 今後の展開の方針を示せるのが、主人公の家で落ち着いたところ。とかなのだとは思います。

「全体の物語のストーリーやログライン」がまだ見えてこない段階であることは、作品に対して「どんな感情を約束しているのか」がまだ不明でした。

 勝手な予想ですが。同居人の男性(寅次郎)もなにかイチモツもってそうな気しますね。それも、想像の範囲ですが。まだ、物語が動き出しそう。といったところでとどまっている印象です。

 感想は以上です。

 おかわり感想依頼が届きましたので、次の通り回答していきます。

3-2光差す日の到来を祈る 理解しやすい要素分析をありがとうございました。

依頼文より

 そうですか。そんな分析できてました? 智子も、読み込みの訓練のためにいろいろあれこれしていますが。訓練の成果が出たということでしょうか。であれば、よございました。こういう風に、祭りの賑やかし。として感想依頼を出してくれる方に助かっております。

追加でアドバイスをお願いします。 どうすればより面白くなるか。 謎そのものを除き、関心を引くためにあると良いなと思うもの、不足していると考えられる要素等、智子さんの考えをお聞かせください。 よろしくお願いします。

依頼文より

 よろしくお願いされました。智子です。

 どうしたものか。質問が複数並んでいるので、順に追ってメモしていきますね。

 まずは。前提として。基本的にこういった深堀り云々は「いつもならば下読みを依頼された段階で、作品の狙い(魅力をどこに据えてるか。ターゲットは誰か?)といったものを聞き取ったうえで、読み込んでいます」なので、見当違いな方向性の捉え方をされたときは、もう「コイツはどこむいてんだろうなぁ」とかわいそうものを見る目で、智子の感想を眺めてやってください。

 さて。

「どうすればより面白くなるのか?」について

 これまた難しい質問ですね。スペースでも触れていましたが。

 前提として「あなたの小説はべらぼうにうまいし、面白いものである」

 というのは、覆せるものではありません。主要な登場人物が四人登場したとしても、混乱なくそれぞれのキャラクターを描写というのはなかなかできるものではありませんし、ヴァイオレンスな力を発揮する少年少女の描き方はキャラクター小説としてみるならば、十分な力のある文章です。

 ただ、問題というのは。書き出し祭りというのは「面白い」だけでは、票に繋がらないことってあるんですよね……

 どうすれば。面白くなるのか。については、私は浮かぶ回答はないですな。だって、私はああいう風にビジュアルから強いイメージを与える事ができるキャラクターを書けないので、参考にしようかな。と思う位の書きぶりでした。

「謎そのものを除き、関心を引くためにあると良いなと思うもの」について

 えええ。これはもう。バチクソ智子の好みの話ですけど。
 内的な課題っすよ。
 精神的な課題。
 主人公が物語を通して、向き合う精神的な課題ですよ。

 だけど!

 一般のエンタメ読者はあまりそこを重視しない様子はあるので、重要度は低いと思っていいです。

 でも、あえてここで私がそれを言及したのは。

 この書き手の方も「内的な課題」好きそうやな。と思ったからです。

 序盤の書き出しが「夢」から始まるという部分は、彼が「抱えるストレス」やこれから到来する物語の予示としての性質があるように捉えています。

 おお。内的な課題。好きなんやなぁ! と智子はニコニコしていました。

「不足していると考えられる要素等」について

 不足している要素ですかぁ。他の作品でも触れている要素ではあるんですが。

「この作品の一番の見どころ」としている要素がまだ見えてこないという所は感じました。

 私達が大物の敏腕プロデューサーであるとか。マネージャーとして、作品を売り込みに行くときに。この作品の魅力をどう伝えるか? どんな売りがあるのか? という部分をアピールするとしたらどうするか?

 また別の考え方でもいいですよね。

「友達に作品を紹介するとしたら」といったときに、この作品の魅力を言語化して、集約できる程度には情報を開示すること。

 が大事だと思っています。

 御作はあらすじでも異能ファンタジーを謳っています。
 美しい少年少女がヴァイオレンスな能力を発揮し、主人公に迫る。ということは本文でも明らかにされていますし。あらすじでも触れていました。

 そして、主人公の家に居座ったり、主人公自身に「理由」がある。という先の設定に関する情報までを明示していること。は「一定の引き」となっては居るんですが。

「この作品を読むときにどんな感情をムードを約束できるのか?」

 という部分までは分からないんですよね。

 このあとの展開について、予想しようと思えばできるんですが。それは「深読み」しての予想でしかありません。ある程度「指向性をもって、誘導して、予想させてほしい」ところがあります。

 それを容易にする方法は何があるか? というと、あれかなぁ。

 敵対者を置くことですかね。

 主人公の家にやってくる。ということは、少年少女には何かしらの「考え」や「思惑」があるのでしょう。もしかしたら、田畑を狙う敵対者が存在していて、近くで人知れず守るために最適な距離感を詰めてきたのかも知れません(これ予想ですよ)。

 現状「田畑」というヒーローに対して「喫緊の課題」としての危険が迫っていないということは、物語の方向性がまだ見えてこないの理由の一つといえるでしょう。

 この「喫緊の課題」としての「スリル」の存在として、少年少女を配置しているのだとしても。そうと捉えられない位に「主人公に余裕」があるという印象が強かったです。

 この態度もあって、このあとの展開について。急に押しかけ女房よろしく、四人の同棲生活のうふふあはは。と想像することもできますが。導入が少々暴力的なので、やはり「異能を活用したバトルやファンタジー」等を期待しています。となればなおさら「敵対者の不在」がどうしても「不足感」があるようにも感じています。

 タイトルとあらすじでも「アオリ」として用意した部分について「答えとなりうる情報」はほんの少しでも撒くと良かったかも。

 犯人らは辰之進とルームシェアをしている呑気な同級生、三島寅次郎(20)を人質にとり、二人の住む家をのっとろうとしていた。
 接触した目的は辰之進自身にあるとのたまう、得体の知れない少年少女の狙いとは。

あらすじより

 このあらすじに興味をもって読みに来た人は「少年少女の狙い」に興味をもって読みにきたわけです。

 その「興味」を満足させる。ないし、くすぐる。情報や見せる餌として本文に撒いてくれてると。読者の興味を釣り上げることができたようにも思います。

 感想としては以上でしょうか。スペースで話してたことを言語化しただけのようにも感じますが。御愛嬌と許してください。

 感想は以上です。


3-03 巻き込まれ婚約破棄〜真実の愛なんてどこにもありませんが?!〜

タイトル感想

 真実の愛はあります! 智子もまだ見つけてないけど。ラブロマンスの作品でしょう。婚約破棄ともあるので、なろう向けのそれだとは思います。

タイトルから予想するターゲット

 なろう向けのラブロマンス。タイトルに感嘆符と疑問符の組み合わせがあることから。コメディ的な文体を好む読者への訴求が期待できます。

タイトルあらすじ感想

 いいあらすじですね。ヒロインの「物語に対して前向きな介入の理由」が「金銭」であるというのは、キャラクターを作り込むうえでも大事ですし、読者への納得感をもたせるという部分で効果的です。
 あらすじから「二人がなにか陰謀を覆していく」というセントラルクエスチョンも明確です。楽しみ方がわかりやすい。あらすじとしては最適な情報量ではありそうです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 なろうテンプレを読み慣れた人達をターゲットにしている。とはおもいますが。なろうテンプレを知らなくても、飲み込める強さがある作品のイメージになってそうです。だって「金銭的理由」を動機に動くキャラクターって古今東西強いですよね。
 いつも金策にあえぐ探偵。金がないから危ない仕事に手を染める若者。
 どんな作品でもマッチする。面白そうです。

本文感想

主人公   :ナターシャ・フレドリス
主人公の能力:色気より食い気。実利。
世界観   :なろうライクの女性向けの舞台である。
異変・事件 :巻き込まれ婚約破棄のシーン
問題・課題 :宰相閣下の良からぬ取引に関する断罪まで
決意・覚悟 :約束された報酬を手に入れるために計画に介入する
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):陰謀に対して、行動を起こしていく男女バディもの。としてのそれを期待できる楽しみ方です。

 男女バディものの構成であること。金銭的かつ「結婚相手の紹介」等の報酬を明確にしていること。など、物語のエンタメとしての「約束」がしっかりしています。

 この文章の情報量でも、十分全体像や、ログラインが見えてくるとは思います。この誘導は「ジャンルを知っている。お約束を知っている」などの、一定の読者層だから汲み取れる領域にあると思います。

 ラストの「陰謀に関しての断罪」への次なる一手が分かるものを描写があれば、もっとリーダビリティが高まるのではないでしょうか。

 婚約破棄ものとしての「事件(婚約破棄)から起こす」というアクションのセオリーから外して、主人公の性質から描き始めることは珍しい書き口だとは思いました。しかし、ヒロインの性質やバックボーンや、キャラ付け(行動の動機)がしっかりしているので、この方法でも十分な力を発揮できる。というタイプの作品なのだと感じました。

 感想は以上です。

3-04 勇者パーティを解雇された最強防御の加護持ち雑用係、通りすがりの魔王様に拾われる

タイトル感想

 追放された雑用係。とか、そういった部分って「男性向け」作品としての期待が高いんですけど。魔王様に拾われる。の部分でまたわからなくなりましたね。
 追放された雑用係が「女性キャラクター」であり魔王様が「男性キャラクター」であれば、それだけで女性向け作品としてのカップリングにも近いものになりそうです。
 これが男性向け作品であるならば、雑用係が男性で魔王様が女性となるのか。
 ラブロマンス的な期待値を排除するなら。同性とするのかもですね。

タイトルから予想するターゲット

 雑用係の追放もの。としては、男性向けターゲットの期待値があります。魔王様という言葉もあるので「ゲームライクファンタジー」としての共通言語を持っている読者たちをターゲットにしていそうです。

タイトルあらすじ感想

 わからん! ルルカは男なのか。女なのか!? うーん。ここ、分かれば読者ターゲットをまた絞って、刺さりやすくしたとは思うんですが。どうなんだ。あえて、性別的な要素を排除しようとしたということなのかもしらんですね。
 しかしながら、魔王城での決戦直前に解雇って。なにかあるでしょ。なんなんでしょうね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 一応、男性向け作品なんですかね。魔王の文言的に「魔王は男性?」かなくらいには思いました。男同士なのか。ルルカは女性なのも。

本文

主人公   :私、ルルカ・アンクワイアット(一人称)
主人公の能力:雑用等の事務処理能力とは別に「最強防御の加護」とか?
世界観   :ゲームライクファンタジー。タロウという名前があるので、もしかしたら現代から転移とかの要素もあるかも。
異変・事件 :追放される。
問題・課題 :不明(拾われたあとに何かのストーリーが提示されているか?)
決意・覚悟 :不明(拾われる。受動的)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):一般的な追放物としてのテンプレを楽しみたい人向けのジャンルです。作中のヘイト管理も徹底しているので、勇者と魔女の失墜を楽しみに読む物語です。

 追放物ジャンルとして、必要とされる。ヘイト管理(勇者と魔女が悪いやつ)として描くことができています。さらには、主人公の「最強防御の加護」とやらを、聖女と剣士に与える。など、今後の展開における。「分水嶺」となる領域のイベントも示しました。

 今後はこの「ヘイト管理」で「ヘイトを高めた二人」をひどい目に合わせることがジャンルとして期待されるところです。

 このジャンルを好んで読む人は興味をもてる情報量だったとは思います。

 主人公が女性キャラクターであること、「美男美女に見合わない」という理由で、弾かれる。というのであれば、今後の「魔王様」と一緒に過ごすルートの中で「容姿をけなされた部分」を回復するなど、今後の展開について期待を満たす必要があるかもしれません。

 感想は以上です。


3-05 訳あって、S級ギルドに加入させられることになりました。

タイトル感想

 ギルドという話題もあることから。ハイファンタジーの期待感が強いです。なろう向けのエンタメでしょうか。現代ダンジョンものでも「ギルド云々」の話題はないわけではないのでしょうけど。現代ダンジョンものなら、また違う訴求できそうですね。
 
 訳あって、という文言が「不服ながらも」みたいな。分不相応と思っていそうなニュアンスありますよね。だけど、実は強い。みたいなチート的な作品でしょうか。

タイトルから予想するターゲット

 なろう向けのファンタジーを好む人達をターゲットにしていそうです。

タイトルあらすじ感想

 まってまって。稽古に身が入らないくらいかわいいって。相当かわいいでしょ!!
 ショタですか! 鷹の剣に「おね」はいますか!?

 サークルクラッシャー(ショタ)ってことですよね。
 
 舞台装置自体は、復讐譚であるとか。相当な決意やテンションを感じられるんですが。ショタへの兆しを感じてしまって、ちょっと頭にはいんないですね。
 どこを切り出して、作品の魅力を提示するのか。それ次第で、作品のニュアンスが変わりそうです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 フラットな目で見れば。ファンタジーを好む読者層を意識した作品のように思います。なろうライクなそれではなくて、独自世界観を提示したい。だけど、馴染みがあるように「ギルド」という言葉も使っている。S級ギルドに見合うような力を手に入れたい。という考えを主人公が持っている。ということでしょうかね。少年の成長譚ですか。王道的なファンタジーを期待しています。

本文感想

主人公   :僕(一人称視点)、リュー
主人公の能力:リューは熊の戦斧の団員とかけ離れたポテンシャルを持っている。
世界観   :独自世界観の設定にギルド制を導入したハイファンタジー作品。
異変・事件 :組合からの追放(所属替え配置みたいなレベル)
問題・課題 :15歳の少年なりの、精神的な不安定さ。精神性と見合わない膂力がある。
決意・覚悟 :リューの復讐のために、分かれて、それぞれに研鑽を重ねる。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):精神的な不安定さを兼ね備えた。戦闘力はある少年が新天地で、新しい活躍をしていく。成長をしていくことが期待できる「ヒーローもの」としての性質があると思いました。

 面白かったです。面白かっただけじゃ、ならんので。どうして面白かったのかを考えます。

 キャラクターがたっていることは大事だと思います。

・リューの一人称視点で「制限のある情報」で描くことによって、読者への驚きを与えようとしている。

 読者への驚きの要素としては。リューの体格とかの話題ではあろうかと思います。

 おばちゃんといつもの何気ない会話をしてから、ほどよく炊かれた穀物とワイルドベアーのお肉、それと異国からの輸入された甘めのドレッシングがかけられた苦みのある野菜で彩られたサラダがこれでもかって盛られた木製の大皿と匙を受け取って、僕専用のいつもの場所食堂の中心にある机に向かう。

本文より引用

 めっちゃでかい!

 みんなが使ってる長い机だと僕1人で3~4人分の幅を使っちゃうから、みんなが作ってくれたんだよね。

本文より引用

 めっちゃでかい!

 リュー君はね。でかいのよ。多分。

・リュー君の精神的な脆さ

 熊の戦斧。組合からの除籍まがいの話題に伴う動揺であったり、ラストに「キレる」シーンなど。自身を律することがまだできていない。力を制御できていない要素がある。

 こういったキャラクターとしての特性がある事自体で、今後の物語を展開していく中で「リュー君は魔族への復讐が果たせるか」というセントラルクエスチョンを達成するために。
「リュー君は精神的な強さを手に入れられるか」という目的も同様に示せる演出であったこと。

 これらの部分が、効果として十分に発揮された書き出しであったように思います。

 しかし、この「精神的な課題」を念頭に置いた作品は「エンタメ」として、余り映えない所もあるので、ぱっとみ、めっちゃ話題になるようなことはないかもです。でも、着実に面白さを積み上げていく作品でしょう。私は好きな作品です。

 感想は以上です。

3-06 メタバースに潜むデジタル・ゴーストの謎

タイトル感想

 智子はね。IT詳しくないよ。わかんない。デジタルとゴーストっていうのがもう「相反する」単語ではあるので、ちょっとおしゃれで怖いですわ。

タイトルから予想するターゲット

 SF作品でオカルトをしようとしている。ということから、オカルトやホラー。SFジャンルを好む人達への訴求が期待できますね。

タイトルあらすじ感想

 特殊な舞台装置ですね。オカルトやホラーと思っていましたが。違いました。SFジャンルゆえに様々なテーマを内包できそうです。メタバースという部分から「仮想空間」というのは理想の自分に成る。という「自己実現」の場でもありますよね。
 これはあらすじの時点ですが。書き出し難しいんじゃないかなぁ。単著ないし一気読みしたいタイプの作品です。
 かつての恋人たち っていう、複数形がもうね。ああねぇ。というSF感があります。腐女子たちの楽園。という部分からも「主人公は女性なんだな」とは思っていますが。
 メタバースですからね。相手の性別。自身の性別ですらも、信用なりませんから。そこのギミックや叙述的な誘導も期待できるジャンルです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 単著の読書家。とか、書籍を狙った独自世界の作品のようにも思います。舞台装置自体が「仮想空間」という文言もあるので、ウェブ読者の「VRもの」に興味をもっている人々はタイトルで選好があったと思います。
 
 色々「設定上の抜き」で、読者に驚きをあたえるタイプの作品なんじゃないでしょうかね。

本文感想

主人公   :私視点 名前はまりか 仮想世界での名前は ルーヴ・ラソュ 一人称は俺
主人公の能力:不明(ゲームのキャラを作るという所からロールプレイの切り替えがある?)
世界観   :SF、メタバース(仮想空間)世界と、現実世界を往復するか?
異変・事件 :不明(何か事件や異変の予兆を表すものは本文中にはない)
問題・課題 :不明(旧メタバースの消失等の謎や新世界での罠)
決意・覚悟 :不明(昔の恋人に会えるかも)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):BLの疑似的な体験。宝塚文化を基調として、娘役や男役といったような役割としての「ロールプレイ」等を楽しむ文化に親しんだ人達向け。

 非常に独自性の高い世界観をSF世界で構築しようとしているように感じます。さらには、現実世界(女性)とメタバース(男性)という形で「性別を転化」させることで、擬似的かつ能動的なBLを楽しむというコンセプトの舞台装置です。

 WEB小説の原初というか。もっとも、始まりに近い楽しみ方って「自分が良く楽しんでいるコンテンツ世界に飛び込んだら」という部分から始まることが多いと思います。

 ゲームの二次創作ないし、ゲーム世界で自分の考えたキャラを動かしてみる。というのは経験のある書き手も多いのではないでしょうか。

 この世界はその原初としての楽しみ方をルーツにしつつ、現実世界と仮想世界でリンクさせながら、かつての謎と今の謎を追っていく。という形式の作品です。

 本文を読む限り、そう読み取れるし、あらすじでも十分に汲み取れる情報ではあるんですが。あらすじでも示されていた「罠」という部分も気にしながら、読んでいました。

 現状それに類するものは読み取ることができない情報量です。

 これから、飛び込む世界観や物語の舞台に対しての「危険度」や「不穏さ」というのが、あればもっと。スリリングかつ緊迫度がある作品になったようにも感じます。

 しかし、作品全体のムードを考えるに「私」という人物に則っている部分もあるので、やたらと不安を煽るのも難しい文体の作品ではあります。

 感想は以上です。


3-07 メカラミント

タイトル感想

 わからん。呪文ですか。目からミント?

タイトルから予想するターゲット

 カタカナであるのでファンタジーとか? バルス的な?
 まだわからんですね。

タイトルあらすじ感想

 本当に目からミントじゃないですか。智子の推測能力すごいですわ。まんまでしたね。
 内容を確認するにファンタジーですね。世界観は不明です。現代ならローファン。異世界ならハイファン。これは、おそらく「現代」を舞台として、日常から非日常に転化するタイプの作品ですかね。マジックリアリズム的な作品かもですね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 ファンタジーを好む読者層ですよね。目からミントですからね。ちょっと痛々しいものかも。ビジュアル的に映えそうなので、描写凝ってる作品かもしれません。

本文感想

主人公   :私(一人称)
主人公の能力:不明(一人称視点であるため、特異性を見出すのが難しいところがある。おそらく、花の目に対する捉え方等)
世界観   :ローファンタジー(子どもたちが目のついた花を認識しているので、主人公の幻覚ではない)世界。
異変・事件 :目からミントが生える。
問題・課題 :不明(一人称視点であり、主人公の私へ問題提起するキャラクターが存在しない。あらすじから不穏さが伝わる)
決意・覚悟 :不明(同上)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):梨木香歩先生の「家守綺譚」シリーズのように、草木に視点を当てた「幻想小説」としてのムードに近いものを提供している。それらの中での「私」の感情の揺れ幅等を追随していくタイプの小説です。

 ナラティブでも触れたんですが。梨木香歩先生の『家守綺譚』シリーズにもあるように、幻想や草木を絡ませた小説の流れの一つであると思います。
 あらすじにも記載のあった「花たちの悪意」に関するものを本文からは汲み取ることができない情報量でした。
 目からミントが生えた「私」に今後にどのような物語が展開するのか。という「展開への約束」までは見えてこなかったです。悪意に関するものが描写されていたのだとしたら、智子には読み取れなかったようです。

 しかし、主人公が「目からミントが生えた」という時点で「おののく」のではなく「喜ぶ」という時点で、なにか問題の渦中ないし変化の兆しとも言えるので、不穏さはバチバチにある作品でした。

 智子が植物の類に全く明るくないので、草木の名前が出てきたとしても解像度がフワっとしているので、対象読者からは随分外れてるかもしれんですな。

 感想は以上です。

3-08 帝国の梟はアルヴヘイムの夢を見るか?

タイトル感想

 智子はゲーマーですから。知ってますよ。アルヴヘイム。ふわっと。ほら、なんだっけ。わからん。北欧神話の話題でしたっけ。と、おもって調べました。
 
 妖精の国ですね。アルヴヘイムとあるので、北欧神話に関する物語なのか。北欧神話をモチーフにしたローファンタジーなのか。実在の神話なので、しれっと現代を舞台にした作品かもしれません。

 タイトルの語感も「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」のオマージュではあるので、似せてくるんでしょうかね。 

タイトルから予想するターゲット

 ファンタジーでしょう。おそらく。多分。これでSFだったら、それはそれで驚きです。

タイトルあらすじ感想

 奴隷。トラウマ。あれあれ。もしや、オマージュ作品ですね。知らなくても十分楽しめるとは思いますが。ファンタジーと絡めてきましたか。薬物中毒の影響に悩まされる主人公。雰囲気はあれですよ。ハリウッドな感があります。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 ファンタジー作品を選好する方々でしょうか。だけど、ちょっと。ハードなものを好んでいそうです。薬物中毒による幻覚とかもうね。ハードですよ。
 傷ついた男性の回復。エルフの奴隷がどんな役割をもつのか。木になりますね。

本文感想

主人公   :テッド・ワイス
主人公の能力:不明(ヤク中からくる予知夢?)
世界観   :ハイファンタジー。サスペンスのムード。
異変・事件 :悪夢を見ていること。事件を予知していること。
問題・課題 :不明(サスペンスにどう絡むのか不明)
決意・覚悟 :不明(同上)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):作中世界にあるエルフの扱いであったり、人間とエルフの関係であったりと。世界観自体に多くの課題を持たせている。主人公自身もその関係性に懐疑的である。それらに答えを出そうとする話。

 ハードでしたよね。
 彼は何者であるのか。どういう環境にあるのか。というバックボーンを端的な文節で表している。印象的な文体の作品ではありますし、それを魅力の一つとして内包した作品だと思います。
 ハリウッドの脚本のような演出。基本を抑えていこうとした類の作品であり、映像が浮かびやすい単語を整理して繋いでいるように思います。

 妙齢の男女がベッドにいれば「そういう関係なんやな」位に類推できる関係性を撒きまくる。そして、エルフの奴隷から向けられる「予示」のような、不穏なお告げなど。今後の物語のムードを確定するようなシーンなども印象的です。

 主人公自身がヤク中というのもあって、語り手としてどこまで信用するべきかは。読者に委ねられるんでしょうが。予知夢と連動するシーン等も含めて、緩急がある描写が続きます。

 続きあるなら、読みたくなるような力があります。しかし、ハッピーエンドではなかろうけども。興味がわく情報量ではありました。

 しかし、アルヴヘイムの話題などからも見るに「相当尺のある作品だろうな」とは思うので、完結している作品ならば一気読みしたい。という作品です。更新を待ってるのはもどかしく感じるかも。一気読みしたいです。

 感想は以上です。

3-09 人工衛星サニーの冒険 ~転生した〝元〟気象衛星がお天気令嬢になるまで~(感想依頼あり)

タイトル感想

 わからん。わからんことはないですが。やっぱりわからんかも。人工衛星の視点なんでしょうかね。転生とあるので、主人公は『人間』であろうかとおもいます。前世が人工衛星ってこと? めっちゃ気になるわ。

タイトルから予想するターゲット

 令嬢とあるので、女性主人公の作品。ラブロマンス基調ではなくて、転生後の「能力の活用」による、物語や世間への貢献などでしょうか。でも「前世」での「人工衛星の視点」次第では、人間になってから「やりたいこと」みたいな、能動的な欲望をあたえてみると、それも一つの作品上の推進力にはなりそうです。

タイトルあらすじ感想

 おおお。やっぱり、人工衛星だ! まじか。すげえ!
 面白そうなあらすじでした。恋の話題もあったので、サブテーマ的に恋の話も楽しめそうです。美味しい作品だぞ。
 主人公の能力によって、世界がゆるぎ始める。危険が迫る。といったものは、王道的なストーリーラインでありますし、それらを端的に示せた「梗概」としてのあらすじです。
 
 安定感あります。なにがいいって「人生の目標」をかちっと決めているので、その目標にむかって「キャラクターがぶれないまま」書き抜くことができたら、満足感はまた高いと思います。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 女性向け作品であるのは間違いないんですが。ラブロマンス風味薄めでも「エンタメ作品」として楽しみたい選好の人たちも、拾い上げるタイプのターゲットだと思います。

本文感想

主人公   :サニー1(転生前は人工衛星)
主人公の能力:サニー1の頃からのウィキペディアの知識と周囲の地形を地図のように把握し、天気予報をすること。
世界観   :ハイファンタジーの世界
異変・事件 :人間に転生したこと。
問題・課題 :不明(あと、2、3話で出てきそうです)
決意・覚悟 :ミッションをさがす!(物語の中でミッションを見つけたら、それがセントラルクエスチョンにスイッチする。あらすじにも示されたログラインに方向性が向くのだろうと予想できました)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):気候や天候に関する諸々にフォーカスした作品。突然の雨、雷、雪とか。いろんな気象事例を引用しながら、物語のイベントが展開していく。サニー1という「いじらしい」キャラクター自体にも注目を当てていきたい作品のように思います。

 面白かったです。前世がものである。生き物ではない。人間以外のものから発生した意識の描写から始まる。ということ自体が「スピード感」には、逆行する書き方ではあるんですが。転生後の「サニー」の能力を担保するシーンでもあります。
 さらには、多くの読者は「人工衛星」だった経験はないはずなので、それ自体の書き出しが「目を惹く」構成だったように思います。

 なにより、この作品の一番の強みという部分は「タイトルあらすじ」でおおよそのログラインが見えているので、書き出し自体がスロースタートであったとしても、さほど不安感なく最後まで読めました。

 感想は以上です。

 次の通り、おかわり感想依頼がきました。よって、答えていきます。

こんばんは! 書き出し祭りの感想はまだ募集しておりますでしょうか?

依頼文より

 あい。おはようございます。募集してますよ。一応、土曜日(9/28)までやってみようかな。と思っています。駆け込みで感想依頼したい人もいらっしゃるかもですし。

もし間に合いましたら、『3-09:人工衛星サニーの冒険 ~転生した〝元〟気象衛星がお天気令嬢になるまで~』にご感想をいただければ嬉しいです。

依頼文より

 間に合いますよ。ええ、嬉しがってください。

好みもあろうかと思いますが、率直に続きが気になるか、気にならないとしたらどこに弱さがあったか、ご教示をいただければ幸いです。

依頼文より

 もう、こういう質問が怖い。何が怖いってあれなんですよ。第三会場の誰が書いていらっしゃるのか。なんて、分からないまま。好き勝手感想を申し上げていますからね。基本的には「第三会場に誰がいるのか?」という作者は調べないようにしてます。怖いから。

 さて。考えてみます。

 好みの話題でみるならば。外的な課題に終始するキャラクター像というのは「智子の好み」からはちょっと外れる作品ではあります。さらっと読んだ程度ですが。
 しかし、基本的に転生ジャンルとしてのエンタメを好むターゲットの皆さんは、ド直球で刺さった作品だと思います。

 さらに、整理してみるならば。
 内的な課題(主人公の精神的な成長等の部分)についても、深読みしたら期待はできる作品なんですよね。もとが人工衛星であるので「人間の経験1日目」という、経験値赤ちゃんみたいな人なので。そういった部分も含めて、作中のキャラクター達とてんやわんやしていくことになるでしょう。
 そういった部分のすれ違いや衝突も含めてみれば「精神的な課題」を内包した作品として、智子好みには予想ができる作品です。
 しかしこれは「深読み」してのことです。作中であからさまな「伏線」としてまでの要素は見いだせず、どちらかというと「コミカル」な印象にとどまりました。
 塩梅としてはこれで十分だと思います。下手に、序盤から衝突の情報を見せるとテーマが多すぎるように見えると思います。


 続きが気になるか? という部分の依頼文ですが。この続きが気になる。という挙動ってある程度考えてみたいんですが。

「読者が予想しつつ、読み進める」

 という向きがあれば、作品としては成功だと思っています。

 読者に予想をさせる。ためにはどんな情報が必要か? というと、ファースト10ですよね。

主人公   :サニー1(転生前は人工衛星)
主人公の能力:サニー1の頃からのウィキペディアの知識と周囲の地形を地図のように把握し、天気予報をすること。
世界観   :ハイファンタジーの世界
異変・事件 :人間に転生したこと。
問題・課題 :不明(あと、2、3話で出てきそうです)
決意・覚悟 :ミッションをさがす!(物語の中でミッションを見つけたら、それがセントラルクエスチョンにスイッチする。あらすじにも示されたログラインに方向性が向くのだろうと予想できました)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):気候や天候に関する諸々にフォーカスした作品。突然の雨、雷、雪とか。いろんな気象事例を引用しながら、物語のイベントが展開していく。サニー1という「いじらしい」キャラクター自体にも注目を当てていきたい作品のように思います。

 ここまで綺麗に埋まっている「主人公の行動原理や目的」がばっちり示されていて、主人公の能力についても「転生先でどんな活躍ができるか」ということを示す描写もありました。

 瞬間、サニーの頭を何かが過ぎった。
 高空から見た、近郊の地図。
 等圧線。風向き。そして気圧配置。
 天気図に似ていた。

「――これから雨、降るかも知れません」

本文より

 短文の連なりではあるんですが。この名詞を並べることによって「天気図」に触れたことがある読者は、イメージがついたと思います。これは彼女が「これから物語で活用していく能力」であることを示しました。

 天気が崩れた時、涸れ沢に急激に水が戻ることがある。
 人間の脳はよくできている。ちょっと考えると、関連する知識が有機的に浮かぶ。

本文より

 ここの部分はヘラルド(使者)的な予示としての一文であると予想しています。このあと、唐突な雨により「ワカサマ」は困ったりする、そしてそこに助けに来る「ヒロイン」の登場。といった「伏線」としての情報です。このさり気なさがよいですよね。

 次の展開への引きとしての「情報」の撒き方が、自然であり、読者も「期待できる」領域として描かれています。

「引きが弱いのかも」とか、心配することはない演出だと思います。逆にここまで言って「いや、唐突の雨とか考えてなかったけど」となると、智子が恥ずかしいので。連載の時にはそういう方向性で書いてもらえるようにお願いしたいです。

 こうは申していますが。鵜の目の鷹の目、揚げ足とってそのまま寝技位の執拗な粘着さで考えてみましょうか。

 考えました。ネリネリ考えました。ひらめきました。

 タイトルあらすじで「読者にどのような期待を与えたか?」という部分から考えてみると、すべての期待をカバーはできていないとは思います。

 恋に仕事に、ひたむきな〝元〟人工衛星の少女が、新たな居場所を作るまでの物語。

あらすじより

 この部分で見れば「ラブロマンス」としての期待感をもって、読みに来た人は「ヒーローは誰だ!?」と、異性の男性を探すようにして読む所はあったかもしれません。ヒーローは誰なのかな。ワカサマであるのか。同居の錬金術師であるのか。

 ラブロマンスの比重高めの作品を期待して、読みに来た人には訴求が薄いかもしれませんね。

 だけど、作品やあらすじの情報の分量としても「ラブロマンス」メインで期待して読みに来た読者は少ないほうだと思うので、本文のバランスを更に追求していきたい。というのであれば、この書き出し一話目で「ヒーローが誰であるのか」まで確定的な情報があれば、また違ったかもしれません。

 あらすじと本文で「ワカサマ」と「同居の錬金術師」という文言が「ラブロマンスを期待している読者」にとってはかち合ってる可能性を邪推します。

 いやでも、これはかなり「揚げ足取り」に近い方向性でひねり出した感想ではあるので、さほど心配しなくてもいいかなぁ。とは思っています。多分、連載するんじゃないかな。と期待しています。

 感想は以上です。




3-10 没落令嬢ははじまりのダンジョン地下百一階の家に住む

タイトル感想

 令嬢とあるので、ファンタジー作品でしょうか。はじまりのダンジョンという名称も「ゲームライクの初心者のためダンジョン」という意味合いだと思います。ゲームライクファンタジー作品ですか。だけど、地下百一階って、チート的な要素でしょうか。

タイトルから予想するターゲット

 ハイファンでダンジョンもの。どっちかというと、男性向け作品ではあろうかとおもいますが。女性を主人公にしているので「カタルシス」のもたせ方を「男性向け」のそれとは違う形で組んでいくことになりそうです。いや、逞しい女性像になるんでしょうかね。

タイトルあらすじ感想

 一行目が強すぎる。山の主との鍛錬。キャラが強い。セットアップが早い(冒険者になるまでの動き)。なろうテンプレの世界観ではあろうかと思います。すごいな。
 
 住むという文言もあるから。物資乏しいダンジョンで工夫をこらしながら、楽しく過ごしてくれる作品だったりしても面白そうですね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 令嬢主人公ではあるけど、やはり。どちらかというと、ラブロマンス主体ではないので。女性も男性も広い間口で楽しませようという作品だとは思います。

本文感想

主人公   :令嬢 ロゼ=エーデルバイス
主人公の能力:武の力がある。
世界観   :ファンタジー。なろうライク。ダンジョンがあるので、ゲームライクの作品構成。
異変・事件 :ダンジョンの地下百一階に住む
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ロゼというヒロインが、何かしらの決断や判断に迫られる時に、浮かび上がる「家族達の指針」を見るなど、回想としてのメンターの力によって、少女が導かれている。という作品構成。

 読後感としては「物語のセットアップ」にとどまった作品の印象でした。
 これから「新しく居住地を得たヒロイン」にどんな危険や困難が降りかかるのか。まだ良くわからない段階で作品が引いています。
 あらすじにもあるように。

ーそれが彼女の人生を変えることとも知らず。

あらすじから引用

 この部分の人生が変わる前と、変わったあとを予想できる情報が見えている方が、今後の展開への推移が予想できたようには思います。

 作品の特徴としては、ナラティブの要素(ロゼというヒロインの前向きな行動力、決断力、記憶にある家族からの助言)は、作品の大きな魅力の一つであることは間違いありません。

 冒険者登録の手続きを進めていくロゼ。最初に名前を聞かれた時に受付嬢が不思議がる表情をした事以外は、問題なく進んでいった。

本文より

 今後の展開として、受付の表情等も伏線として存在しているのは明白ではあるのですが。どういった方向性の伏線であるのか。ロゼに対して、どんな課題が生じるのであろうか。とか、今後の展開への情報量を強めると、リーダビリティは高まるのではないか。と思いました。

 感想は以上です。


3-11 千年魔女と新米聖女

タイトル感想

 魔女と聖女。魔女だけなら、ファンタジー感あるんですが。聖女の文言がはいると、途端に「女性向け」としての期待値が高まる気がします。

タイトルから予想するターゲット

 女性向け作品としての「キャラクターの聖女」としてあるんですけど。タイトルがシンプルなので「なろう向けの共通言語や舞台装置」を使いながらも、独自性を出そうという作品のようにも見えました。

タイトルあらすじ感想

 百合じゃん!!!!
 
 勝手に女性が並ぶと百合と断ずるこの姿勢は戒めないといけませんね。
 
 タイトルでも予想したように「独自性」を持たせてきたファンタジー作品でした。魔女のバックボーン自体に物語としての興味を持たせる。というものです。
 
 持ち込む相談を解決し続ける。なんか、安楽椅子探偵みたいな構成かもですね。どのような魅力を示してくれるのか。本文を楽しみにしています。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 ハイファンタジー世界で「安楽椅子」っぽさがある、事件解決ものですね。魔女のバックボーン自体にドラマがある。構成としてみるならば、魔女のバックボーンや聖女が抱えている課題になにかしらリンクさせる。共感させるといったものになりそうです。

 タイトルからは構成は見えてこなかったので、ファンタジーを嗜好する人々にしか届いていない可能性があります。

本文感想

主人公   :ユメリア(大貴族のお嬢さん)
主人公の能力:聖女。完全武装。武闘派?
世界観   :ハイファンタジーでコメディをしている。
異変・事件 :イセリナとユメリアの出会い(おそらく、ユメリアが成長をしていくタイプ)
問題・課題 :不明(問題を適宜解決する。といったような、短編連作に近い作品であるから)
決意・覚悟 :不明(同上)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):勘違いでパワフルに動きまくる「ユメリア」が、年齢相応の落ち着きのあるキャラクターの魔女「イセリナ」という二人のキャラクターを楽しむ作品のように思いました。

 何かしらの『大きな一本の柱』となるセントラルクエスチョンは「魔女」の来歴等、にかかる所であるのは、あらすじでも示されている通りです。

 この書き出しは「物語を構成する二人」の出会いや、空気感を書き出していき、舞台装置(魔女だったり、勘違いする聖女の気質だったり)を展開し、読者に「キャラクターを好きになってもらおう」という狙いの作品のように感じました。

 主人公の欠点で展開する物語。は印象が強く残ります。

 物語の今後の展開のなかで、新米聖女ユメリアは、聖女として求められる能力や、判断力、落ち着き等を手に入れていくことができるのか? という所も、読者の興味として持てる所にはなりました。

 感想は以上です。

3-12 10年振りの恋の唄

タイトル感想

 ラブソングですか。ええ、ラブロマンスの物語でしょうか。うたとあるので、歌唱等の芸能方面の話題になりそうです。

タイトルから予想するターゲット

 わからん。というわけでもないですね。歌と恋。ラブロマンスを好むであろう読者層への訴求だろうとは思います。

タイトルあらすじ感想

【この作品にあらすじはありません】

 書かないってことは。書くとネタバレになるか。期待からちょっと外してみる。みたいなギミックがあるんでしょうかね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

【この作品にあらすじはありません】

本文感想

主人公   :直美(日本人)
主人公の能力:身体は子ども! 頭脳は大人!(現代に戻ってから)
世界観   :異世界転移もの。10年前に転移?
異変・事件 :生きて帰りし物語。の帰ってからの「初恋の少年」に拒絶される。
問題・課題 :不明(拒絶されたあとのヒロインの情動が見えないので、分かりづらい)
決意・覚悟 :不明(同上)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ラブロマンス。動かなかったラブロマンスを展開していく。恋心を取り戻す。みたいな楽しみ方だとは思います。

 非常に面白い舞台装置から始まったように思います。行きて帰りし物語。の帰ったあとの物語が舞台となる作品ですね。
 おそらくですが。現代世界と異世界を行き来することになるタイプの物語。それは、直美というヒロインと優幸というヒーローの「ラブロマンス」の掛け違いを直していくために、イベントが重なっていくことが想定されます。

 もう少し、一歩踏み込んだ情報があればまた印象が変わるように感じた作品です。

「ヒーローに拒絶される」というアクションから。拒絶されたヒロインが「どんなリアクション」を見せるかで、物語の方向性が見えてきます。現状は、そこのリアクションを抜いた引きなので、どういうラブロマンスになるのか。ヒロインがどんな行動力や決断力を発揮するのか? が見えてこない情報量でした。

 10年の歳月。10年で美化されてる? 色々と広がりのある設定ですよね。

 感想としては以上です。

3-13 何かがオカシイ百合の家

タイトル感想

 百合じゃん! 場所の物語になるんでしょうか。おかしい。というのも、ホラー的な要素を期待しています。

タイトルから予想するターゲット

 百合っていう単語がGLっぽさがありますよね。GLでホラーってことかな。

タイトルあらすじ感想

 夏休み。少女が二人。同じ部屋にいて。なにも起きない筈がなく。
 というのはおいといて。
 
 やっぱり、まだわからん情報量です。あらすじの時点で「方向性」が見えない作品っていうのは、読むの躊躇いますよね。地雷(基本的に智子はNGってなかったりするんですが)だったらどうしよう。みたいなものが発生します。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 わからんです。まだ、予想ですからね。GLでホラーなのかなぁ。

本文感想

主人公   :絢祢
主人公の能力:不明(違和感に気づく)
世界観   :現代日本?(ホラーとしてのローファンかも?)
異変・事件 :違和感を持った時から
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ホラーとしての楽しみ方の作品であろうかと思います。ホラーとしては「得体のしれない不気味さ」というのは重要事項であり、それを念頭に置いた描写の作品です。

 タイトルとあらすじでは「ふわっと」ホラーなのかなぁ? という程度でしか情報はなかったので、作品世界を汲み取ること。方針を飲み込むのが難しい作品でした。どこらへんで飲み込めたか。というと、レッツクッキングあたりで飲み込め始めた作品でした。

 ムードの確定がどれだけ早いか。というのは、作品の没入感に影響がある要素だと思います。タイトルあらすじで明確にジャンルを示したほうが読者の興味を強く引けた作品じゃないかな。とは思う読後感でした。

 本文での「異音」をきっかけに、異変が始まる。おそらくですが、なにかの「催眠」とか。そういった要素も含めた作品でしょうか。

 百合を主人公として見た時に「短編連作」としての意識がある作品なのかもですね。

 感想は以上です。

3-14 もしも僕が探偵なら、きっと君を救えなかった。(感想依頼あり)

タイトル感想

 悲劇な感じしますね。救えなかった。いや、僕は探偵じゃないのか。だから良かった。みたいな話なんですかね。

タイトルから予想するターゲット

 探偵とあるのでミステリーを期待できる作品でしょうか。ミステリーの読者への訴求ですかね。

タイトルあらすじ感想

 海外翻訳ものだったか。ミステリーの最後の謎解きのシーンって。長広舌でずっと謎解き役の探偵が語り続ける。みたいな手法があるんですよね。その手法のオマージュとしてのあらすじであろうかと思います。

 どういう作品になるんでしょうかね。あらすじの文体と本文は違う気がする。
 
 真実は必要としない。という部分。民衆が納得すればいい。という「現代のSNS」にも通じるような心理のテーマがありそうです。短い本文でそこを追求しつつ、テーマを示せるでしょうかね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 基本的にはミステリージャンルを知っている方向けの作品のようにも思います。厳密にはミステリーではない気もしています。だって、主人公は探偵じゃないんでしょ? 謎解きするんかね。

本文感想

主人公   :僕(阿波椰瞬平 あわやしゅんぺい)
主人公の能力:冤罪体質
世界観   :ミステリーの世界観。
異変・事件 :『美人女子高生探偵、殺人の容疑で逮捕!』
問題・課題 :不明(自分を容疑者にするための障壁は見えない。想像もつかんですな)
決意・覚悟 :冤罪体質として、僕が犯人であると思わせる
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ヒロインを助けるために! と全力で行動するヒーローとしての楽しみ方。冤罪体質の彼がどうやって、容疑者として浮上するのか。浮上した「僕」の犯人説を「ヒロイン」が推理で論破していく。など、対立を期待できる。

 面白かったです。エンタメに必要とされる。主人公の能力や特性を示し、それをきっかけに物語への介入が予想できる情報量でした。

 男性向け作品としてのディフォルメされたキャラクター像の描き方等も、ターゲットが明確であることも強みだと思います。

 下着を身にまとう主人公。インパクトありました。

 正直、どんな手管で「僕」が容疑者として飛び込んでくるのかはまだわかりません。2話以降で「リバティ・ロード殺人事件」についての概要に触れていくことになるでしょう。

 ミステリーの書き出しはどうあるべきか? といった時に、お手本となりうるような演出や構成としての作品だと思えました。

 感想は以上です。

 感想のおかわり依頼があったので、次の通り追記していきます。

はじめまして、書き出し祭りの感想楽しく読ませていただいております。

依頼文より

 どうも。はじめまして。本当にはじめましてかな!? 智子です。こういう風に賑やかしとして、感想依頼を出してくれるお優しい方に心当たりがあります。

 賑やかしですから。楽しんでくれてるなら、よございました。

もしまだ間に合うようであれば、3-14「もしも僕が探偵なら、きっと君を救えなかった。」にご感想をいただけますでしょうか。

依頼文より

 ええ。間に合いますよ。間に合います。だって、まだ投票まで一日は切っていますが。十分ですよ! 多分。

本作はメインターゲット層を10代後半〜30代の男性に置いたライトノベルとしてのパッケージングを想定しております(もちろんその他の読者層にも刺されば最高ではありますが)。

依頼文より

 やっぱり、そうですよね。本文読みながらそんな風に感じていました。書き出し祭りが「男性向け作品」自体が少ないので、際立って目立った作品のようにも思います。

ターゲット読者を考えた時、現時点で足りない要素などがあるかご教示いただきたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

依頼文より

 ええ。この作品になにか足りないものがあるか? 足りないものないでしょ。

 といった感じで、すごく悩む感想のおかわりですよね。

 男性向け作品に求められる要素って、何でしょうね。

・ロマンスを期待できる魅力的なヒロイン(魅力のもたせ方や描写の注目は男性向けとしてのそれ)の登場
・物語の動機に「ヒロイン」が絡む
・物語の報酬に「ヒロイン」からの感謝
・ヒロイックな「ヒーロー」としての期待値から「犠牲的」なキャラクター像。

 もしも。この作品が「ラブロマンス」をメインに据えているのであれば、魅力的なヒロインを複数存在させる。など必要だとは思うのですが。今回の場合は「冤罪体質の男×女性の探偵」という組み合わせです。

 なので、おそらく「ラブロマンスはサブテーマ」のように感じるところだったりします。

 さらには「対立軸」として「ヒーロー」と「ヒロイン」が敵対するという構成であるため。

 男性向け作品として期待される要素は「序盤に示したキャラクター性の提示」以上にあるものとは思っていないんですよね。

 こねくり回しても出てこない!

 物語上の「右往左往」を触れるならば、主人公が「冤罪」のために動き回る中で「ヒロインが本当に殺人鬼の可能性」なども浮上するとか。ある程度の葛藤を予想し、それでもなお冤罪に走る。とかだったりするんでしょうかね。

 男性向け作品としてのそれは十分に満たされているので、もう思いつきません。このまま、第三会場の票をかっさらっていってください。

 でも、いい方法があります。智子では浮かばぬ懸念点を他の読者ならば見つける可能性があります。

 私のほうから呼びかけてみましょう。誰か、この作品に「男性向け作品」として期待される設定を思いつく方はいらっしゃいませんか? 智子では太刀打ちできませんでした!

 感想は以上です。






3-15 転生執事の華麗なる分からせ~待って待って、事情を聞いて~

タイトル感想

 おお。わからせ? わからせって。あの。あれですか? いや、ええ。転生とあるので、ハイファン異世界でしょうか。サブタイトルは「わからせられる」キャラクターの文章でしょうか。

タイトルから予想するターゲット

 分からせ。という文言で連想したのは「メスガキ」ジャンルとしてのそれなんですよね。メスガキっていう文言は「男性向け作品のレーティングのある部分において存在していた」ものです。そこから、エンタメ一般に輸入された感があるものなので。
 分からせ。という部分で「男性向け」としてのイメージがつきました。どうなるんだ。

タイトルあらすじ感想

 おお。女性向け作品だった。タイトルで「男性向けかも」とおもって、ホイホイされた読者もいくらかいるんじゃないでしょうかね。
 メインの登場人物が三人。主人公のヒロインには課題があり、それらの意地悪な性質をひょいひょいとクリアしていくヒーローの存在。エンタメラブロマンスの作品ですね。
 ムードはがっちり伝わりました。あとは、本文で読者を引き付けられるか。という部分だと思います。
 
 面白そうです。智子好みの「内的な課題」を有しているタイプの作品だと予感しています。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 タイトルあらすじまで見れば「女性向け作品」だということは確信できました。タイトルで敏感に反応してしまいましたね。でも「分からせ」っていうのも、主人公の「意地悪な性質」を、ヒーローによって導かれる。という意味合いとしてみるならば、良いタイトルだとは思いました。

本文感想

主人公   :リーゼロッテ(ミュリエル)
主人公の能力:あとから覚醒した悪魔的な魔力(冒頭の契約)
世界観   :なろう系のナーロッパ貴族世界。コメディのライン。
異変・事件 :ルーカスが執事になる。
問題・課題 :不穏な考えを有しているかもしれないルーカスの存在
決意・覚悟 :リーゼロッテ(契約主)を守る!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):余裕をもった執事に、翻弄されるヒロインを楽しむ作品である! と読みました。悪意を持って、執事が近づいている。というよりかは、コメディライクな世界観でハッピーエンドに向かっている印象でした。

 感想としては、面白い類の作品です。というのもやはり「使用人を信用できない」という「精神的な課題」を明言しているので、物語の後半において「リーゼロッテは人を信用できるようになる」という成長が期待できたり。契約主を守るために行動をしている。という悪魔、ミュリエルの存在だったりが、物語の今後の展開に強い印象を与えてくれました。

 こういうのが序盤にパチっと示されると、それだけで安定感があるので、作品の魅力やムードが伝わった読者には次のページをめくる十分な作品になったように思います。

 イケメンに翻弄される。美人に翻弄される。物語の鉄板ですな。もりもり、続きを書いてくだせえ。

 感想は以上です。

3-16 コレクテイル

タイトル感想

 わからんって。英語はわからんよ。英語なのかね。そもそも異世界の音としてあるのかもですね。

タイトルから予想するターゲット

 ファンタジーかなぁ。ふわっと。ファンタジー読者かなぁ。と思っています。

タイトルあらすじ感想

 へえ。面白そうですね。日常から非日常へのタイプのヒーローものですね。物語が取り戻されないとどうなるか。という危機感の設置と、能動的な動機付けをどこまで示せるか。というのが大事な作品になりそうです。
 
 都市伝説界隈で似たような話題ありましたよね。マンデラエフェクトだったか。それと似てる着想に感じます。世界線とかパラレルワールドとか絡むものではないとは思いますけど。どんな物語になるんでしょうかね。戦いの性質はまだ見えてこないので、本文を待ちたいと思います。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 エンタメコンテンツ全般を嗜好する人達に向けているとはおもいます。主人公のパーソナリティ(どんな人物なのか、性別や、家族構成など)が見えてこないので、さほどそこは重要視していない作品なのかもしれません。

本文感想

主人公   :私 書綴栞
主人公の能力:物語蒐集家(どんな力かは分からん!)
世界観   :ムードはコメディ&シリアスなバトル。一人称。
異変・事件 :小松先生からの襲撃!
問題・課題 :不明(まだ分からん)
決意・覚悟 :不明(まだ分からん!)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):おそらくですが。異能バトルものとしてのムードを感じ取りました。小松先生の豹変! ペンは力なり!(物理) みたいなシーンとなっていました。

 感想としては「もう少し読みたい!」というラインで引きでした。これは「これから先、どんな物語になるのか?」という情報を得るために読みたい話でした。
 というのも「日常から非日常」への冒険の世界(物語蒐集家)としての、活躍を予感させる「問題」だったり、力の発露という部分ではない。「巻き込まれる」という受動的な形式の作品であったため。そこの部分でまだ「判断がしづらい」という領域の作品となっています。

 序盤の作品として見るならば、描写が非常に厚いので、スピード感はないんですが。WEB小説なので、紙幅とかを気にせずに思う存分かける部分なので、あんまり気にしなくても良いとは思います。今回の学校の校舎の説明等も、小松先生の襲撃に関する違和感のための描写であることも、ギミックとしての必要性があるものだからです。
 身の危険にかかる部分までを描いていることは。十分リーダビリティに効果があるもの。と思いました。
 
 感想としては以上です。

3-17 飛竜婚姻譚〜元王女様はドラゴンブレスで王子を救う!?〜

タイトル感想

 婚姻譚ですか。ラブロマンスは王道ですよ。サブタイトルの記号があることで、エンタメやコメディテイストを期待できます。

タイトルから予想するターゲット

 ラブロマンス。元王女様とあるので、飛竜に転生してそうですね。であれば、異類婚姻譚としての側面も期待できそうなので。その方面の人達の読者も吸い寄せられると思います。

タイトルあらすじ感想

 予想した通りでした。タイトルに感嘆符や疑問符を付与することで、作品のイメージをコントロールできるみたいですね。
 
 異類婚姻譚も視野にいれる事ができるあらすじでした。
 
 ライトな方の異類婚姻譚ですね。王子様。ドラゴン好きなのかな。ドラゴンなら誰でもいいとか思ってたら、ラブロマンスにならないから。うまいこと頑張ってほしい。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 タイトルのイメージと変わらない。コメディラインを好む読者層でありかつ「異類婚姻譚」を好む読者たちへの訴求。

本文感想

主人公   :レティシア
主人公の能力:竜に転生
世界観   :語り口はコメディ。ナーロッパ転生(異世界内転生)
異変・事件 :処刑されるシーン(無知で愚かだったゆえに)
問題・課題 :不明(あらすじからは王子を救うというのは明示。このあと提示されそう)
決意・覚悟 :不明(同上)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):転生した竜のヒロインに「ぞっこん」なヒーローを、健気に「王座につけてやろう」というヒロインの頑張りを楽しむものがたりでしょうね。

 面白いです。語り口がコメディテイスト。気風の良いヒロインとしての語り口は、どんな舞台であったとしても。読んでて面白いという力はありますよね。
 まだ、ヒーローの王子様がどういう環境にあるのか。どのような助力をこうのか。という部分は見えてこない情報量ではあるんですが。あらすじにも「ログライン」が示されているので、さほど気になる進行のスピードではなかったです。
 
 ヒーローが「いきなり求婚」するという、今後の方向性や好意の向きを示したのは「異類婚姻譚」として「飛竜婚姻譚」という部分からみても、タイトルあらすじで興味を示した読者の満足感を高めてくれる引きでした。
 
 感想は以上です。


3-18 悪役令嬢ガチャ ~婚約破棄されましたので流刑先の領地を勝手に治めてやります~

タイトル感想

 ガチャ? 転生みたいなものもあるんですかね。悪役令嬢云々とあるので、女性向けかとはおもいましたね。領地経営ものでしょうか。婚約破棄等もあるので、女性向けの側面が強そうですね。ざまぁはあるんじゃろか。

タイトルから予想するターゲット

 女性向け作品。流刑地の領地経営とあるので、なにかしら能力を持っているということでしょうかね。スキルやチートを持ってるか持ってないかで作品のテイストや読者層は微妙に変わってきそうですね。

タイトルあらすじ感想

 ああ。はあ。なるほど。スキル等の活用で「悪役令嬢」としてのアリシアが「婚約者のもとに戻る」という物語なんですね。構成としては「男性向け作品」としてのそれではあるんですが。能力を活用して、戻っていくという実践するキャラクターが「悪役令嬢」であるため、舞台装置は男性向けだけど、キャラクターの置き方は「女性の共感を得られるように」という狙いのように思います。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 成り上がりものに近い形式なので、本質的には男性読者との親和性が高いとは思います。本文の書き方次第で「女性向け」読者の興味も獲得できるんじゃないでしょうか。挑戦的で意欲的な作品だと思います。

本文感想

主人公   :私 アリシア 一人称作品
主人公の能力:貴能《悪役令嬢ガチャ》
世界観   :コメディライン。領地経営に関するもの。
異変・事件 :飴を口にいれるシーンから
問題・課題 :不作(不作を始めとする。多くの課題が流刑地にあると予想される)
決意・覚悟 :ヘイルズ領を治め発展させる
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):コメディラインの口調。前向きでポジティブなヒロインが、領地経営をもりもりしていく。という話。領地経営に関する諸々への導線自体が「婚約者及び父」の策略ではないか。と考えて、動き出している。

 感想としては。べらぼうに面白かった作品です。主人公がとても前向きなので、悲壮感とは違い。コメディとして楽しみながら読める作品です。地の文でもコメディを展開するので、一人でツッコミまでする。など、多彩な主人公ですね。
 
 物語のセットアップが見事な印象です。人に紹介する時に「どういう作品だよ」というのを言いやすい。コンセプトがはっきりした作品です。
 
 女性ヒロインを、領地経営の主人公とすることで間口の広い作品になっていると思います。
 
 第三会場はコメディ作品が多いようにも見えるので、激戦区だとは思いますが。健闘を祈っております。

 感想は以上です。

3-19 異世界鉄道戦記~装甲列車召喚チートがすべてを変えた~

タイトル感想

 スチームパンクですか! 戦記とあるので、戦い等。軍事的な要素も期待できました。召喚しちゃうんだ。作る感じじゃないんですね。

タイトルから予想するターゲット

 チート転生ものを好む読者層です。工学的なアプローチ云々とは別に、なろう向けのもっとライトな展開を期待している人達が呼び込めそうです。

タイトルあらすじ感想

 もっと露骨に男性向け作品としての要素を打ち出してきたあらすじです。周りに存在する美少女達の中に「お姉さんキャラ」がいるなら、智子は意識を奪われることでしょう。多種多様な女性キャラクターをはべらせてください。全力でお願いします。
 とは申しても、書き出しではそんなに大人数を出してしまうのも問題ですからね。世界観や、作品としての押し出したい魅力(装甲列車による戦闘とか?)に文字数を割くことになりそうです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 男性向け作品ですね。タイトルからもぶれないので、届くべき読者に届く作品です。作品の注目度とかではなくて。書き出し祭りに読者が流入すればするほど一定数の票を獲得できるジャンルだとは思います。

本文感想

主人公   :篠塚雅人
主人公の能力:不明(奇妙なチート能力←あらすじにはある)
世界観   :ハイファンタジー世界。異世界転生チートもの。ムードとしては戦記ものとしての文体を意識している。
異変・事件 :不明(書き出し全体がホットスタート形式故に、主人公の変化の起点となるイベントは確認ができない)
問題・課題 :戦記にかかる争い等
決意・覚悟 :不明(王女側として、参入していることは十分に分かる)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ミリタリーを絡めた、戦記ものとしての要素を好む読者だったり、ハードな戦闘を楽しませてくれる。そのイベントには基本的には「女性キャラクター」達が活躍することが期待される構成。

 感想としては。ターゲットが明確ではある。しかし、タイトルとあらすじではもうちょっと「ライト」な印象のあるイメージだったので、読んでてちょっと驚いたシーンではありました。
 
 物語の全体のムードや、印象や、ナラティブの確定のために「ホットスタート形式」から始まっています。
 
 そこには、十分に力をつけた部下や主人公たちが存在していて、作中を通して「どんな活躍をしてくれるのか?」というアピールとなっています。
 
「主人公がすでに成っている」段階で始まっていて、見応えのあるシーンからアクセル全開の作品です。

 次のシーンで、部隊編成前の話題だったり、物語の導入につながるものかと予想します。
 
 彼の指導力、発言や、態度に至るまでのプロセスだったりが描かれるのでしょうか。
 
 ホットスタート形式のみで、書き出し全文が終わったとしても、十分なリーダビリティが担保されている。という部分に驚きながら読んでいました。
 
 面白かったです。
 
 感想は以上です。

3-20 10歳年下の幼馴染

タイトル感想

 さあ。おねショタの可能性もあります。信じていますよ。

タイトルから予想するターゲット

 幼馴染という単語にいろんな方々がいろんな期待を寄せるので、こればかりはわからんですね。ラブロマンスを期待する方もいるでしょうし、ヒューマンドラマを連想する人もいそうです。

タイトルあらすじ感想

【この作品にあらすじはありません】

 ないのかぁ。ジャンルも未定のままなので。本文で相当の話題をさらうネタであるのかもしれませんね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

【この作品にあらすじはありません】

本文感想

主人公   :僕 夏秋 一人称視点
主人公の能力:芸大とあるので、美術的分野においての習熟。
世界観   :現代日本。モデルとなる舞台が存在する離島。
異変・事件 :不明(現代の時点ではイベントはまだない。十年前の事故にフォーカスする事もできる)
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):男性向けのムードの作品。青春に関するもの。

 タイトルとあらすじでは全く想像がつかなかった領域のジャンルの作品でした。幼馴染≒女の子の幼馴染。という部分から、作品中の「男性向け」としてのムード感は読みながら汲み取っていく作品でした。
 最初のシーンでは、主人公とヒロインのお互いの関係性の描写から始まり「僕」のバックボーンや感性も含めて、ヒロインの言動から「僕」を描写するなど、主人公の人となりを見せてくれる演出でした。
 
 場面転換前の部分。

すべては十二歳、幼馴染との別れから変わった。

本文より引用

 この部分を通して、主人公の感性であったり、主人公の魅力ともなりうる方向性への変化が生じたことを予想させます。
 
 魅力的なヒロイン(幼馴染の夏希)の登場から、ラブロマンスを基調とした作品であること。主人公の葛藤をテーマにしているであろうこと。等を推測できる本文でした。
 
 面白かったです。面白かったんですけど。タイトルやあらすじで「今後のログライン」が見えるように作ることでも、作品のインパクトや対象ターゲットへの訴求に寄与したのではないか。と考えます。
 
 感想は以上です。

3-21 試験に出る! 陰キョンシーのオタ活サバイバル(もう死んでるけど)

タイトル感想

 感嘆符があることから、コメディとしてのそれを期待します。オタ活とあるので、サブカルチャーを嗜好し、楽しむ。みたいなものですか?

タイトルから予想するターゲット

 キョンシーがでてきて、ハイファンってことはイメージし辛いので。現代を舞台にしたローファンコメディってことじゃないでしょうかね。それらをエンタメ作品を嗜好する読者層への訴求になりそうです。

タイトルあらすじ感想

 おおっと。けっこう物騒な話だった。応援していいのかな。復讐譚というのは物語として強いので、その復讐の動機であるとか。丁寧に説明していくと、コメディのムードを保ちつつ、シリアスな展開も期待できそうです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 ローファン好きな人は読みそうです。だって、キョンシーですよ。皆好きでしょ。
 復讐の話題もあるので、強烈な動機を期待している読者も興味をもてそうです。
 あと、語り口が可愛いというのもあるので、愛らしい文体を好む人達も読むんじゃないか。とは思っています。

本文感想

主人公   :俺 ゴットの一人称視点。
主人公の能力:道士(道士が何者かはよく分からん!)
世界観   :現代のローファン世界。
異変・事件 :アキちゃんの来日
問題・課題 :アキちゃんが御札を集めている
決意・覚悟 :不明(ゴットがどうしてアキちゃんに付き合っているのか。は不明。アキちゃんが頑張る理由は示されている)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):前提知識となるであろう。道教であったり、キョンシーとしてのサブカル的な期待値を理解した読者層が、楽しむ作品。ゲームの知識等を含めて「海外の女の子がゲーム知識」を含めて、特別なサブカルチャーの知識で現状を打破していく。という部分。

 序盤の主人公(ゴット)とヒロイン(アキちゃん)を飲み込んで、ヒロインの行動の理由、物語の理由までを理解したあとであれば、作品のムードや展開に関する流れが飲み込める様になりました。

 智子が基本的に「道教」等を含めた、その部分のカルチャーを知悉していない部分は強くあるので、道中挟まれる「文化的なネタ」の部分が、飲み込めないまま読んでるシーンもいくらかありました。
 
 上の項目でもそうなんですが。「主人公のゴット」がどうして「アキちゃん」のために一肌ぬいだり、骨を折ったりしているのか。という部分が明示されないまま展開されている所があるので、没入感としての要素が乗り切れていないまま。コメディが始まった印象はある作品でした。
 
 感想は以上です。

3-22 運命を紡ぐ女たち

タイトル感想

 なんか。壮大な感じ。だけど、ジャンルは分からないわ。なにか活躍する女性キャラクターがいらっしゃるんでしょうね。

タイトルから予想するターゲット

 活躍する女性キャラクターという部分で、女性向けのそれがあるんじゃないか。エンタメ作品の気はしています。カチカチの文芸ではないと思っています。

タイトルあらすじ感想

 ええ。ハイファンタジーでしたか。
 あらすじ面白そうですね。短めのシンプルなタイトルにする場合は、なろう系の文脈から外れた独自性のあるファンタジー作品としての期待が高まります。
 私があまり貴族文化に詳しくないので、わからんのですが。愛妾と正妻ってそんな仲悪いものなんですね。そういうもんなんだ。という部分から、困難を乗り越えていく。という部分は魅力的に感じます。
 
 これはあらすじで強い興味が湧きました。一気読みしたい作品かも。作者さん。まだ時間はありますからね。続き書いといてください。絶対おもしろいので。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 女性同士の連帯(フェミニズム的)という考え方は、ここ最近のトレンドではあるので。女性向け作品としても「世間に求められる思想」を内包できているので。出版社も飛びつきたいポテンシャルのある作品だと思います。
 あと、ハイファンタジーで戦記もの。を好む人達をターゲットとしているのでしょう。本文楽しみですね。

本文感想

主人公   :キルスティ
主人公の能力:内政的な能力。冷静な決断力もある。
世界観   :ハイファンタジー世界
異変・事件 :夫 アルットゥリ伯爵 の死亡にまつわる政変
問題・課題 :利害的に対立してしまうであろう正妻と愛妾達の協力関係
決意・覚悟 :領の安定
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):領地経営と、戦記に絡む物語。利害でつながる彼女たちが「どのような協力」をして、「夫が果たしていた軍事と外交面」の対応をしていく。ことを期待してい読んでいく作品。

 面白いです。しかし、物語の「展開」として考えるならば、物語上の動きより。キャラクター達のバックボーンにかかる部分の描写が多い書き出しです。
 この作品で「面白み」を感じる読者は「舞台装置」としての、彼女たちの関係性や、その行動原理から「類推」して、物語の展開を予想している読者達です。
 舞台装置を読んでも、楽しめない読者。アクション(劇的なイベントや動き)から始める物語を期待している読者からは、思うような反応が得られないかも知れません。

 智子が好むとする部分はどういう所かというと。
 
「利害でしか信頼を持てない互いの関係」が「物語が進む中で、利害を超えた領域」でなにかしらの犠牲的な決断が産まれそう。
 
 という期待感から、注目する作品です。

 感想は以上です。


3-23 鬱ゲー主人公である勇者達の師匠になりました!


タイトル感想

 鬱ゲーとあるので。作中作。ゲーム内転生ってことでしょうかね。

タイトルから予想するターゲット

 ゲームライクなファンタジーを好む人達が対象だと思います。

タイトルあらすじ感想

 主人公が能動的にメンターになりにいく。という構成のようです。主人公がどんなキャラクターであるのか。という部分が今後の興味や観点になりそうです。

 最近の鬱ゲー要素の作品ってそこまで凄惨なものがあるんですかね。ダークファンタジーとしての世界観くらいに捉えておくのがちょうどいいのかも。

 ここまで、ダークな要素に振り切った世界観で「なろう系」としての「成功を約束」した構成はあんまりみたことないかも。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 なろう系の「成功が約束された展開」としてのライトさは保ちつつ、ダークファンタジーを好む読者への訴求でしょうか。意欲作ですね。本文のムードが気になります。

本文感想

主人公   :僕 
主人公の能力:不明(ゲーム内の知識がある)
世界観   :ダークファンタジーを基調として、ゲームライクのファンタジー作品。
異変・事件 :ダークネスの世界に転生してきたこと。
問題・課題 :世界観自体が過酷。
決意・覚悟 :不明(勇者を育て、世界を良い方向に導く)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):具体的にはまだ不明。あらすじで補完できる領域だとは思います。

 ゲーム内知識を活用して、どのように活躍していくのか? という部分はまだ見えてこなかった。ダークファンタジーの世界観であること。前世の生い立ち等も含めての、主人公の決意に関する部分を書き出しで描いています。過酷な舞台装置や、主人公の決意を描くことを優先した演出でした。

 タイトルあらすじの末尾あたりで期待していた。「ライトな印象」の主人公の成功に関する部分を、本文では感じ取れなかったです。
 
 この読後感が、読者にどんな印象を与えるのか。は想像がつきづらいところです。
 
 タイトルあらすじと本文では多少イメージが違ってきた部分はあります。

 メンターヒーローとして、勇者を教え、導く存在としてどのような「教導」をしていくのか。という部分を期待した読者は、おもったような読後感を得られなかったかもしれません。

 感想は以上です。


3-24 夜迦に呼ばれてはならない偽娘妃〜間違えて連れて来られた男は後宮で生き延びたい〜(感想依頼あり)

タイトル感想

 もしかして、こいつは。男ってバレると首チョンパでは? BL風味の作品やも。

タイトルから予想するターゲット

 後宮ものとあるので、女性向けの文脈を期待されるとは思いますが。カップリングが男性同士であることが匂わせているので、BLを嗜好する方々もターゲットにしていそうです。

タイトルあらすじ感想

 やっぱり首チョンパされてますやん。でも、あらすじを見ていて思ったんですが。パートナー役の男性キャラの描写がなかったです。もしかして、BLじゃないのかも。

 死ぬかも。という命の危機に関して物語の動機はつかみがバッチリなので、その舞台でどんな活躍をするのか。本文でニュアンスやテイストが示されると予想します。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 わからんくなりました。BLのそれだと思っていたので、BL抜きに脱出をセントラルクエスチョンと据えることになるのかも。エンタメ読者層にもむけている作品でしょう。

本文感想

主人公   :春蕾
主人公の能力:先見という力がある。予知夢?
世界観   :後宮もの。
異変・事件 :二回目の先見
問題・課題 :寵愛を巡る争い
決意・覚悟 :どうにかして、三年やり過ごす。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):やはり、BLとしての期待感が持てる舞台装置の作品です。一番最初の夢は「先見」であろうかと思うので、主人公にとって「皇上」は「味方」とも期待できる要素がある。物語のメインは「春蕾」に迫る危険との対峙。

 ターゲットが明確な作品です。後宮BL作品を嗜好する読者層への訴求がある作品でした。
 作品自体が「外的な課題」に終始している印象が強く。この物語を通して「春蕾」がどのような成長をしていくのか。課題を持っていて、皇帝からの寵愛を元に課題が解消されるのか。などがまだ見えてこない情報量の作品でした。
 まだ、続きを読めばもしかしたらその部分も書いてあるのか。チェックするために、数話読んで確認したい作品です。
 
 感想は以上です。

 感想のおかわり依頼を受け付けたので、次の通り回答します。

 受け付けました。特段質問等ないので、何かしら深堀りしてみようかと思います。

 こういった感想依頼の時は、作品の構成としての特徴的な所を言語化していくようなことを繰り返しています。

 適当な所をピックアップして考えていきます。

・ホットスタートとしての形式であること

 私が書き出しを考える時に、物語の展開を整理していく時に色々な読み方はあります。
 それは「主人公の能力」によるアクションから始まるシーンであったり。「主人公が克服するべき弱点」から始まるシーンであったり。と色々なアプローチがあります。

 御作の場合は「主人公の能力」によるホットスタートの形式から始まります。

 あらすじにもある。《先見》の力により「予知夢」めいた能力を有していることもわかります。

《先見》のなかで示される挙動は。次の二点でした。

一:春蕾はヒーローの「皇上」なる方に「嫌われたくない」と捉えている。

 それに、の続きが出てこないのは、命が惜しい以前にこの御方に嫌われたくないからだろう。そう思うとたまらなく恐ろしい。
 緊張と恐怖と……色々な想いが綯い交ぜになる中。全てを許してくださると錯覚するほどの、聞くだけで耳の奥まで蕩けてしまいそうな美声が鼓膜を叩いた。

本文より

 このやり取りが予知夢の《先見》であるとしたら、冒頭のシーンは「約束された未来」であるか。「可能性のある未来」としての表現です。(このあとの本文では先見にかかる描写が補足されていますね)

 主人公は「ヒーロー」に対して感情的な高ぶりを約束しています。

二:ヒーローからの好意を約束している

 「偽娘なのであろう? 構わぬ」

 そう告げられると同時にやわらかな感触で口を塞がれ、『何故それをご存知なのか』と問うことは叶わなかった。

本文より引用

 もう。これも結果を約束するシーンですね。実はこのシーンを上げることで「タイトル」と矛盾する挙動ではあります。

「なんだ、バレても大丈夫じゃん」と物語のハードルをぐっと下げて、あらすじでは汲み取れなかったラブロマンスとしての期待値を高めてくれました。

 BLに限らず、ラブロマンスのエンタメ作品の多くは「ハッピーエンドは前提としたうえで、プロセスを楽しむ」といった節があるので。このホットスタートを置くことで「結果は約束された」という安心感は与えたと思います。

・ホットスタート形式の作品で与えた印象と新たなセントラルクエスチョン

 上記の様なホットスタートを与えることで。タイトルの約束を覆した所はあります。

『3-24 夜迦に呼ばれてはならない偽娘妃〜間違えて連れて来られた男は後宮で生き延びたい〜』

 呼ばれても生きてんじゃん! っていう話なんです。で、このツッコミを読者に持たせる。というのは別の問いを与えます。

「物語上の呼ばれてはならない理由は他に存在しないのか?」

 それに関連して、読みながら浮かんでいた要素としてはあらすじにもあった。

男なのに女と思われて皇帝の使いに見初められてしまった春蕾は、妃として女たちの欲望と嫉妬が入り混じる後宮へと放り込まれてしまう。

あらすじより引用

 この要素はあるだろう。と予測しながら、読んでいけば別の《先見》による「自身に迫る危険」を認識することによって、物語上の「外的な課題」としての要素が表現されました。

 演出としてみた時に「読者」が「タイトルとあらすじ」の要素を拾い上げながら、適切に興味を保ちながら続きを用意していること。ラブロマンスとして「結果」を約束していること。などは安定的な力を感じる一作でした。

 感想依頼まで頂いていますからね。智子なりにもう一歩踏み込んで感想を述べていくとすればですが。

 物語のリーダビリティは「読者に予想をさせて、続きを読んで、確認させたい」という気持ちを起こすことです。

 そのためには、件のファースト10を埋めた作品がその印象が強まっていきます。御作の場合はこの部分ですね。

主人公   :春蕾
主人公の能力:先見という力がある。予知夢?
世界観   :後宮もの。
異変・事件 :二回目の先見
問題・課題 :寵愛を巡る争い
決意・覚悟 :どうにかして、三年やり過ごす。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):やはり、BLとしての期待感が持てる舞台装置の作品です。一番最初の夢は「先見」であろうかと思うので、主人公にとって「皇上」は「味方」とも期待できる要素がある。物語のメインは「春蕾」に迫る危険との対峙。

 基本的に丁寧に埋まってはいるんですが。この「主人公の能力」という部分が「予知夢」であったり「危険を先読みする力」という性質であるため。迫りくる課題に対して「主人公はどんなアクションを起こすのか?」という部分では、まだキャラクター性が見えてこない情報量でした。
 いやまあ、類推できる情報がないわけではないんですがね。

 《先見》で見た未来は回避できる。
 よほど俺の身に危険が及ぶようであれば《先見》が教えてくれるはずだ。

本文より

 先見というものの力の範囲を説明しています。この力により、主人公は「身の危険」を回避し続ける。という要素はあります。

 この発言できる。この考えができる。ということは彼は今まで「先見」の能力との付き合い方をある程度心得ていて、その力を活用する方法も理解しているようです。

 俺はこの力で商売が傾きかけた生家を救ったり、商売相手が詐欺師ではないかどうか見定めるなどしてきた。

本文より引用

 本文にもその旨書かれています。

 主人公の能力に関する描写であり、読者への材料です。

 この力で「主人公は身に降りかかる危険性に対してどのような対応をするのか?」という部分が読者の強い興味だったりします。

 書き出し最後の引きとなる。先見のシーンについてです。それは物語の中の「第一関門の突破」とされる試練の一つであり。その時の対応の仕方一つで「物語のテイスト」が決まってきます。

 御作は現状「課題への対峙」という面でみたときに「主人公がどのような性質で相手と対峙するのか」がまだ見えてこない情報量でした。

 相手の敵意を逆手にとって「敵意を持った女達」を排除する主人公像かもしれません。
 もしかしたら、相手の敵意を汲み取ったうえで「相手の懐に入り込み、懐柔し、融和を勝ち取る」という巧みな人心掌握の術を心得た人物かもしれません。
 そして、それらの力は《先見》としての「見た映像の中から敵対者達の弱みやかけて欲しい言葉を見抜く等の観察力」とリンクしている等の「有機的な」つながりのある力であれば、物語の噛み合わせとしても納得できるかも知れません。

 おそらく、現状のプロットでも「課題の解決を含む物語のテイスト」はある程度決まっているのだとは思います。できることならば、一話も含めてそこまで巻きで描けると、もっと強いリーダビリティを担保した書き出しになったのではないか? と予想しています。

 あとは智子の好みの領域にはなるんですが。内的な課題含み(精神的な問題や課題。向き合うべき自身の精神的な弱点等)でどのような葛藤を見せてくれるのかとかあればね。もっと、智子好みですが。エンタメの書き出しでそこはさほど重要視されてないっぽい。というのは最近智子も学んできました。

 さて。こんなもんでしょうかね。

 感想は以上です。


3-25 極彩色の匣庭

タイトル感想

 わからんです。はこにわと読むんですかね。色の話も書かれているので、芸術方面の話題かも。

タイトルから予想するターゲット

 わからんですな。

タイトルあらすじ感想

【この作品にあらすじはありません】

 徹底して情報を付していますね。本文を待ちましょう。

タイトルあらすじから予想するターゲット

【この作品にあらすじはありません】

本文感想

主人公   :私 
主人公の能力:死者の視点
世界観   :現代もの。ローファン。
異変・事件 :私を認識できるシズル君の登場
問題・課題 :年齢不相応な振る舞いを行う、姉を取り巻く諸々
決意・覚悟 :不明(私や姉の目的が見えない)←安定した二人の世界(姉と私)を壊しかねない、シズルの登場によって「物語が動き出す」予感までしか描かれていないため。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):シズルというキャラクターの登場によって、変化することを期待する読後感でした。

 読者に錯誤を与えて、読み物としての驚きを提供している。という部分から、エンタメとしての意識があります。読者への誘導(私へのレスポンスがないことなど)等が十分に発揮しているので、読者にとっても唐突感のあるものにはなっておらず、予感の通りに伏線が機能した作品でした。

 全体を読んだとしても「全体のログライン」が見えるものではなく「作品のムード」が確定しかねている。
 悲しい話なのか。
 楽しい話なのか。
 それはおそらくですが。「安定した二人の日常」を破壊するシズルの登場によって、「変化」が起こることによって。物語が展開していくことを期待できます。
 
 シズルによって「起こされたアクションや情報の提示」などで「私」を含めた姉等もどんなリアクションが見えてこない段階での引きだからだと思います。
 
 ネットとかのWeb小説としてのそれではなくて、公募とか。単著を意識した作品であるからこその書きぶりのようにも思います。
 
 感想は以上です。


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