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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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第二十二回 書き出し祭り 第四会場 の感想

表題の通りです。

あいさつ

 こんにちは、智子です。暑い日だったり涼しい日が並んだりと、忙しい気温です。乱高下する気温に抵抗するには。抵抗力です。抵抗力を高めるためにヨーグルト等の発酵食品や、バナナの摂取を推奨されています。智子の家の冷蔵庫にはバナナがぎっしりです。
 黒ずみはじめたバナナの主張が激しくなってきました。
 皆さんいかがお過ごしですか。智子は元気です。


記事について

 書き出し祭りという企画に掲載されてる作品の感想をご用意しています。一〇〇人の書き手の方が集まって「匿名で物語の書き出しの面白さを競う」といった企画です。

 詳しい説明は主催者の「書き出し祭り事務局」様の概要を御覧ください。


扉絵について

 今回も月猫さんのサイトからです。いつもありがとうございます。


感想について

 智子は基本的に「エンタメ」を読んだり、書いたりしています。
 いつもならば。読んで、一通りの感想をご用意する。といった形でしていたんですが。今回もちょっとやり方を変えてみます。
 感想を配信します。
 というのも、音声による配信は「読み手の生の反応」が返ってくるコンテンツではあります。
 それが良いか悪いかはわからんですが。「意味が通りづらい文面であったり、読者がどこで詰まったのか」というのは、一応音声で残しておこうと思ったからです。
 さらには感想を残すために一通りは読むことになるわけですから、配信も含めてコンテンツとなるならば、書き出し祭りについての盛り上げに寄与するか。とも考えました。

 でも、スペースのログを聞く人ってのも、本人くらいしかなかろうとは思いますが。

 お試しってやつですな。

1:スペース機能で感想を配信します。

 なお、その配信時に感想の記事を残していく。という一挙の作業にしようと思っています。なので、一つの作品に対して残す感想や時間はおおよそ30分程度でしょうか。なので、長尺になるとは思いますし、退屈なものだとは思うのでログを残しておきます。

2:感想を書き終えたら、記事を公開します。

3:感想の依頼等があれば、感想を追記します。

 感想のおかわりシステムです。

『会場番号-付番 作品タイトル』

 を明記の上、感想依頼を投げてください。あれはどうなん? これはどうなん? みたいな、感じで質問等もあれば。感想が書きやすいですね。なにか疑問点等あれば含めて、感想依頼を投げてみてください。


感想作成のテンプレート

 感想を作成するにあたって、次の項目をチェックしながら書き出しの序盤を考えてみます。ジャンル等によって、埋め方は違いはあるんでしょうが。基本的に「エンタメ作品」の文脈ならば、これらを埋めたほうが面白くはなるよね。という考えからこの項目でみていきます。

主人公   :その作品の主人公はだれであるのか?
主人公の能力:主人公はどのような能力や特性をもって、課題に対応するのか?
世界観   :その作品のジャンルやムードを確定できる情報はあったか?
異変・事件 :物語が動き出すためのトラブルは確認できたか?
問題・課題 :異変や事件をきっかけとし、物語全体のテーマや。主人公が乗り越えるべき課題などは示されているか?
決意・覚悟 :上記の異変や事件に対して、主人公が決意や覚悟等を示せたか?
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):世界観とも類似する要素であるが。作品をどのように楽しむのか? それを読者に提示できたか?

主人公   :
主人公の能力:
世界観   :
異変・事件 :
問題・課題 :
決意・覚悟 :
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):

感想の構成について

 一部記事の内容が重複するのですが。先日公開した「タイトルあらすじ感想」も含めて、感想の中に並べていきます。

サイトURL

第二十二回 書き出し祭り 第四会場

感想一覧

4-01 聖女様は断罪間際の令嬢になりました

タイトル感想

 聖女とあるので、なろう系のハイファンイメージです。断罪ということなので、追放ないし処刑くらいまでの立場の変化を予想します。

タイトルから予想するターゲット

 女性向け作品であると考えます。断罪という部分から始まるのか。転落前から始めるのか。

タイトルあらすじ感想

 語り口が寓話的です。実はこういう語り口が個人的には好みです。だけど、このテイストで最後まで語ってくれるでしょうかね。
 舞台装置自体はなろう系のテンプレとしてのムードに近いとは思いました。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 なろう系の文脈(断罪等のお約束)を知っている読者層は馴染みやすいと思いました。しかし、語りが寓話的なのでもっと広い間口で整理しようとした作品のように捉えています。


本文感想

主人公   :アイリーン(外見はヴィオラ。なんか身体が入れ替わっている)
主人公の能力:不明
世界観   :なろう世界の「聖女追放もの」
異変・事件 :ヴィオラとアイリーンの魂が入れ替わる。そして、追放のコンボ!
問題・課題 :追放等の要素
決意・覚悟 :黒魔術等によって「ヴィオラとアイリーンの入れ替わりを証明する!」
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ハロルドというヒーローの登場により、セントラルクエスチョンの「入れ替わりを証明することによって、身の潔白を示す」という要素とは別に。ハロルドが「欲しいもの」はなんなのか。という「ラブロマンス」の期待感を高めました。ヒロインを慕っているであろう「ハロルド」というヒーローとの「ラブロマンス」に決まってます。

 あらすじの情報が「寓話的」なそれであり、物語の「ナラティブ」という「読者が読み続ける魅力の設定」についてが見えないまま。本文の書き出しが始まりました。
 ハロルドが登場するまでは、物語の方向性が見えてこないまま本文を読み続けることになったので、掴むのが難しい冒頭だったようには思いました。
 しかし、ハロルドが言う。

「はい。私では決して手に入らないものです。陛下がお持ちですから。それを譲っていただきたいのです」

本文より引用

 この一文が登場することで、ぐっと期待感が高まりました。
 
 物語の書き出しについてですが。色々と想像ができるタイプの作品です。

1:ヴィオラが独自に黒魔術を準備して、本当に単独犯で事件を起こした。

 ハロルドが事件を追求して、解決。ハロルドが「アイリーンください!」といって、王子様と戦うムーブ。

2:実はハロルドがヴィオラをそそのかして、マッチポンプ的にヒロインとの関係や交流を持とうとしている

 こっちもあれですよね。ヤンデレヒーロームーブがあって。いいですよね。
 
3:アイリーン欲しさに、国外逃亡!

 条件つけおって! どっちに転んでも、ハロルドの望み。

 とまあ、こういう風に「ラブロマンス方面」としての期待値が複数持てるものではあるので、そこの部分も読者の興味を引ける作品だったかと思います。

 感想は以上です。


4-02 最後の願いはその死の真実を。

タイトル感想

 死の話題とあるので、何かしらバイオレンスな作品の予感です。サスペンスでしょうかね。

タイトルから予想するターゲット

 サスペンスを嗜好する読者層だと予想します。

タイトルあらすじ感想

 ハイファンでサスペンスでしたか。サスペンスとしてのイメージの誘導は成功してるように思います。物語の動機としての「殺人の疑い」というのは強烈な動機なので、サスペンスとしても相性がよろしいとおもいます。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 サスペンス自体を好む読者です。厳密さにこだわらない読者を期待してるかも。ファンタジー世界での謎解きなので、ファンタジー世界での「謎解き」のルールの定義がキモになりそうです。

本文感想

主人公   :リリエッタ・ラドベリウス
主人公の能力:首席で卒業できるような「魔法の能力」をお持ち。
世界観   :ハイファンタジー世界でサスペンスをしている。
異変・事件 :ロザリアから「犯人の探索」に関してのお願いを受ける。
問題・課題 :リリエッタしかありえない状況証拠を前にどのように「ファンタジー世界で定義つけられたルール」の前に、論理的整合性を保ち、謎解きを行うか?
決意・覚悟 :亡き友人から頼まれた最後のお願いに応じる。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):リリエッタが身の潔白を「友達」に頼まれた。という、報酬抜きの「遺言」のようなお願いで、無報酬の物語に乗り込む。サスペンスとして、ルールのあるミステリーに対してリリエッタがどのように解決をしていくのか。という部分を楽しんでいく。

 ハードルを示して、物語の課題を高くした。サスペンスの書き出しとして組んだ印象の作品です。幽霊としてのロザリアの消失も見えたことから。非常に苦しい立場に置かれた主人公が孤軍奮闘するといった作品です。
 
 現状としては「物語に介入する決意」に至るところまでを描いています。具体的な「現場検証」であったり、推理を行っていくうえでの情報提示はまだのようなので、次話以降で「推理」等を行うためのセットアップがされると期待しています。

 感想は以上です。

4-03 バスケ部の篠原さんが「私を寝取って下さい」と迫ってくる!

タイトル感想

 よござんす。寝とって差し上げましょう。男性向けの文脈のタイトルです。

タイトルから予想するターゲット

 これで男性向けではなかったら、智子は仰天ですよ。

タイトルあらすじ感想

 性癖の塊みたいな作品きましたね。こういうのを待っていた。私は地雷とか全くないのでいけますが。人によってはNTRが地雷だったりします。タイトルでそれとわかるアピールは親切であり、事故避けとして適切に機能していますね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 男性向けラブコメ作品です。一人の男性を巡って女性たちがアプローチをかける。というあらすじでした。ラブロマンスの基本としてあるんですが、幼馴染はどう動くんでしょうね。一筋縄ではいきそうにないですね。だって、寝取られものを嗜好する主人公のために一肌ぬぐいじらしい幼馴染。みたいな倒錯した状況に陥っていきそうです。

本文感想

主人公   :高倉陽太
主人公の能力:不明(男性向け作品としての主人公補正!)
世界観   :男性向け作品の現代モノ。
異変・事件 :寝取ってください! との申し出から「ストーカー」のために偽装彼氏を開始する
問題・課題 :不明(魅力的なヒロイン二人からのアプローチを受けるのだろう。という予想は立ちます)
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):男性向け作品のヒロイン二人による、ヒーローへのアプローチを含めた。ラブコメ的な作品構成。

 NTRないしBSS等「R-18」に該当するジャンル分けだったりはします。タイトルからして「セクシャル」な要素であったり、「主人公のヒロインたちに対する欲望の発露」などを期待感として持ちながら読みに来ていました。
 
 基本的に「男性向けラブコメ」で必要とされるイベントは押さえているようにも見受けられます。
 
「ガラの悪いチンピラ」に絡まれるヒロイン。ヒロインの反応から察するにおそらく「ヒーローのことを以前から慕っていた」ようにも類推できる。そして、ヒロインは学校でも話題の美人である。といった外見情報の付与もありました。

 さらには、そのような美人から「公衆の面前」でアプローチをされる。といった「男性読者のロマン」をくすぐるイベントもこなしています。
 
 ここで、追い打ちのように。幼馴染(BSSの!)が家に入り浸る。というバックボーンまで提示です。
 
 ヒロインを二人登場させることで「今後のラブロマンス」における対立軸が見えてくるなど、そつない情報提示ではあるように思いました。
 
 しかし。
 
 寝取ってください。云々は「インパクト」重視となっているように見えていて、現状の情報では「NTR」ジャンルや「BSS」を期待して読みに来た読者にとっての、満足感は薄い読後感になったように思いました。
 
 感想は以上です。

4-04 俺含めクラスメイト全員、終わってる乙女ゲーに転生ってどういう事ですか?

タイトル感想

 作中作転生と予想します。終わってる乙女ゲーが何を指すのか。物語上の困難やハードルを予想しました。

タイトルから予想するターゲット

 女性向けの文脈ではあるんでしょうが、男性視点の主人公ではあります。男性も楽しめるように組んだ作品かもです。

タイトルあらすじ感想

 ラブロマンス要素は抜きにして、ゲーム内の知識による優位性を活用していくタイプの作品です。実は結構似たような舞台装置のアニメを最近見ました。智子は詳しいんだ。
 妹がバディとして登場することも書かれていますね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 エンタメコンテンツを嗜好するターゲット全般に訴求しそうです。乙女ゲーのクラスメイトたちの描き方次第で、対象読者の受け取り方は変わりそうな作品です。
 舞台装置は女性向けであるが、内容はどちらにも行けるといった作品も最近は見かける様になりました。

本文感想

主人公   :俺 シェラート・エンリ(一人称 原作とは性別が改変されている。原作ではシェラ・エンリ)
主人公の能力:天使として、王族の血を条件として儀式を発動させる。
世界観   :作中作転生。ヒロインは前世の友人及び
異変・事件 :エリカ・フォクシー公爵令嬢とのタッグ結成
問題・課題 :主人公が原作通りの性別でない。ことや、原作通りの性別でない他のキャラクター達の存在により、シナリオのフラグがおかしくなっている。
決意・覚悟 :バッドエンドルートを避けようと一生懸命になっている。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):本文の情報だけで見るならば「恋愛感情薄めの男女バディもの」としてのムードや期待感が高まっています。そんな二人が「ゲームの仕様上(王族の血を引く)」の部分で「熱烈な絡み」が必要になるという部分から、強制的なラブロマンス空間の展開を予想します。

 さて。少々設定を飲み込む部分で難しい所がありました。というのも、どういうことかというと。あらすじの時点で「一人称が俺」という。主人公は男性であることを印象つけていますが。本文の中で「シェラート」及び「シェラ」という人物名詞の性差を感覚的に掴み取れなかったこと。会話文のやり取りで「シェラート」が「私」と名称を分けていたこと。等から「主人公の外見は女性である」といった「TSもの」としての誤読を発生しました。
 
 その誤読のまま、初読時は途中まで読んでいたので。理解が難しいまま展開されました。
 
 途中で読み直して「シェラート」は男性であるのだ。と気づいてからは、作中の狙いや「主人公と王族の血を持つ条件の儀式」等の部分による「圧力や予想」というものが理解できた作品です。
 
 どちらかというと、男女バディものに近いニュアンスの作品やムードのように感じています。そんな彼らが「ゲームの仕様やバッドエンディング回避のために熱烈な絡み」を許可するか。しないか。という葛藤含みの部分を楽しみに見る向きもあるでしょう。
 
 あらすじから見るに「クラスメイト」達に対して、シナリオ達成のために「あの手この手で脅しつける」といったような「ローグ(暴れん坊)ライク」ないし「ダーティ」な力を行使して、シナリオを展開していくといったイメージだったので、その能力や片鱗を本文では見れなかったのは少しばかり物足りなさを感じはしました。
 
 おそらくですが。この作品は「主人公を含めたクラスメイト達の性別等が原作と違うこと」という部分を独自性として押し出しています。その点は十分に伝わる作品でした。しかし、その部分があるならば。予め「あらすじ」にその旨書いていて、物語上の困難やハードルを最初から提示していても良かったんじゃないかな。とは思いました。
 
 火野蓮司及び西乃 菫という二人の「男女バディもの」としての提示をされるだけでも、十分なリーダビリティにはなったと感じています。
 
 感想は以上です。

4-05 悪役令嬢に転生した私は失脚後にパイロットになる~えっ待って結局悪役じゃん!?~

タイトル感想

 最近の令嬢はなんでもやりますね。めっちゃオールマイティじゃないですか。パイロットとあるので、ロボものですかね。

タイトルから予想するターゲット

 わからん。とにかく令嬢とあればジャンルめっちゃ広くなるのでパワーワードみたいになってます。令嬢はワイルドカードなんや。

タイトルあらすじ感想

【この作品にあらすじはありません】

 ないんか!

タイトルあらすじから予想するターゲット

【この作品にあらすじはありません】

本文感想

主人公   :大佐(転生した悪役令嬢)
主人公の能力:不明
世界観   :SF世界の作中作転生でSF世界の悪役令嬢に転生している。
異変・事件 :不明
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):SF世界のバトル等を基調とした作品のアピールがありました。視点を「転生者以外」に持ってくることによって、作中作のキャラクター視点から「主人公」を描いている。最後に「英雄のキャラクター」を推している主人公の登場などから「推し」文化についてのディフォルメされた要素も打ち出しています。

 あらすじがない作品です。タイトルから何かしらの「機械にのって操縦する」イメージはついていた作品でしたが。ここまでハードなSFと「悪役令嬢」のイメージがあまりくっつかないまま。前半読んでいました。
 情報がないまま「戦闘シーン」が展開するので、そこの部分で「どうして戦っているのか?」という部分も余り飲み込めないまま「映像」として現れていました。
 
 作中の一番の魅力として「戦闘シーン」を打ち出している作品であろうかと思います。
 
 しかしながら「物語の構成」として見た時に、主人公が何を目的としているのか。どんな決意を持つのか、どのような課題が主人公の前に積み上げられているのか。という部分が見えてこないまま、展開します。
 
 最後の最後に「推しのキャラクター」に心酔している「大佐」(多分この人が転生者ですよね)という人物にフォーカスされていきます。

 この部分をナラティブとした作品であると予想しました。

 おそらくですが。SFでバトルもの。宇宙でロボットにのって! となるなら、それはあらすじでアピールしておいたほうが「届くべき読者。宇宙バトルものが読みたい読者」に届いたんじゃないでしょうか。とは思いました。
 
 感想は以上です。


4-06 召喚されたら5秒でリリース~付き合ってやる義理はないので勝手にします~

タイトル感想

 タイトルの通りでしょうね。召喚されたけど。不遇。みたいな、そういう「冷遇」されるような扱い。がっかりされる。みたいなものでしょうか。

タイトルから予想するターゲット

 なろうテンプレを好む読者層に向けたターゲット作品と思います。

タイトルあらすじ感想

 赤ん坊はね。リリースされますよ。仕方ない。逆にここからどうやって、赤ん坊が成功を導いていくのか。興味が湧くレベルです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 テンプレ的な舞台装置や設計ではあるんですが。初手から「赤ん坊」という異常値をぶっこんできてるので、このジャンルを知っている人達からすれば興味をもって読んでみるんじゃないでしょうかね。

本文感想

主人公   :赤ん坊
主人公の能力:別世界の前世において元魔王の経験があり、魔術を使える。しかし、年齢相応の魔力しかないので。継続性に難あり。
世界観   :転移ものの世界観ではあるが、キャラクター自身が制限ある強者。
異変・事件 :召喚されて前世の記憶を取り戻す。
問題・課題 :赤ん坊故の体力の無さ。
決意・覚悟 :不明(風見鶏的な目的意識)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):特殊な経歴を持つ、赤ん坊が「赤ん坊ゆえの制限」を待ちながら、世界をふらつく。という話。

 召喚されるけど、不遇な扱いを受けて。出奔する。というのも、一つのなろうの物語形式であります。
 その際の物語的なカタルシスの多くは「出奔した勇者が実は有能でした」みたいなざまぁとされるネタだったりもするんですが。
 
 さすがに「赤ん坊が召喚」されてきたら殿下もお怒りですよ。

 本文で読む限りの「ナラティブ」としては「制限のある強者(赤ん坊の体力、魔力)」がどうやって「世界をふらつくのか」というハードルの部分を示して、終了でした。
 
 予想するところとしては「赤ん坊が成長する」ムーブがあるとは思うんですが。あらすじにも、本文にもその動きがないので。今後の展開について「明確な動き」がまだ見えてこない領域です。想像はいろいろできるんですが。それも「広がりのある想像」の一つでしかないので。その向きの読後感の作品というのは強力なリーダビリティにはなりづらいと感じています。
 
 感想は以上です。

4-07 生殺与奪の権利は彼女にあります……故郷に帰らせてください

タイトル感想

 鬼滅の刃ですか。故郷に帰りたがる炭治郎が思い浮かびました。タイトルではまだ想像がつかないですね。

タイトルから予想するターゲット

 わからんのですよ。わからん。故郷に帰りたい。という明確な目的を持った物語なのだろう。とは予測します。

タイトルあらすじ感想

 奴隷によって奴隷をかわされる。アドバンテージを奴隷の少女に掴まれている。
 一見、突飛な設定には見えるんですが。構造としては「ループもの」「死に戻りもの」などとされるものと似たような構成じゃないかな。とは思っています。
 何が起きるのか。バディの奴隷が知っている。というのは、物語の展開を起こすうえである程度コントロールし易い設定ですよね。
 それを予言書を持つ奴隷。という。ミステリアスな設定に包んだバディ。いいですね。面白そうです。タイトルからは想像できていなかった作品でした。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 冒険譚に当たるものなので、基本的には男性向け作品としての作り込みなのだろうか。とは思っています。旅の中で、それゾレのキャラクターが抱えるバックボーンも開示されて、物語が展開していくのだと期待しています。

主人公   :俺 ハラン・デストラク(一人称)
主人公の能力:不明
世界観   :ハイファンタジー世界
異変・事件 :主人公が奴隷を雇うと決めてから
問題・課題 :不明(あらすじにはまたたびものを期待できる情報があります)
決意・覚悟 :不明(故郷に帰る理由は明記されていない)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):あらすじで示されていた「またたびもの」としての期待感や「ロードストーリー」的なものはまだ分からないです。しかし「キャラクター」同士の会話ややり取りは読み物として楽しいものです。それを売りにしているし、それを魅力の一つとして読者に見せようという意識も感じた書き出し。

 面白かったです。しかし「どうしてその弱点に屈したのか」という部分は「不明確」であるため、あらすじで興味をもった部分の情報を、回収できないままではあるのは気になるところです。
 
 退団だったり、彼の「魔法の能力」等、本文中では開示できていない設定がまだまだ多くあるように感じています。
 
 本文で「描く」かどうか。というのは「一人称視点」故の制限もいくらかあります。そして、非常に興味を持てるタイプの「世界観」ではあったので、そこに期待している読者は読み続けていく魅力のある作品だとも感じています。
 
 感想は以上です。

4-08 ソメイヨシノで在りたくて

タイトル感想

 ソメイヨシノって桜でしたよね。多分。おそらく。それくらいに、花の名前が怪しい智子です。在りたい。とあるので、なにかしらの希望でしょうか。実在の植物の名前が出てくると、それだけで「現代日本を舞台としてるんじゃろか」と予想します。それは私だけでしょうか。

タイトルから予想するターゲット

 わからんです。説明的なタイトルによる。ターゲット層の選別を行っていない。ということは、独自性の絡んだりする作品なんでしょうかね。

タイトルあらすじ感想

 おおっふ。重かった。自殺未遂についてですか。ママを探して。ということから。
 
 ああ! わかったぞ。おねショタだな?
 
 なんでもかんでもおねショタの香りがするだけで、飛びつく奴になってしまいました。
 
 主人公は誰になるんだろうな。アタシなのか。少年なのか。群像劇になるんじゃないか。
 どちらにしても、けっこう重いネタではあるので。書き出しでどう見せていくのか。構成はすごく気になります。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 文芸枠でしょうか。どっちかというとエンタメ文芸よりですね。純文畑として見るなら、外連味が在りすぎると思うので。エンタメ読みのために用意してくださってるんじゃないでしょうか。

本文感想

主人公   :アタシ 興梠真夜(一人称)
主人公の能力:売れないバンドマン!
世界観   :現代もの
異変・事件 :トークグループに届いた集合のお願い
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):三者三様に分かれた主人公達の生活ぶりだったり、関係性を含めて描写している。現状に不満を持っていることを表明しているので、物語の展開のなかで「彼女たち」が抱えている問題とも向き合っていくことが期待されています。

 面白かったです。だけど、その面白さは「文章であったり、キャラクターの設置」が面白いという部分であって「智子が演出や構成として、参考にできるか?」というと、なかなか難しい領域の作品だったとは思います。
 
 この作品の魅力とする部分は「一人称視点の真夜」という女性から描かれていき、その彼女の視点から「日常の世界(派遣番号75番。未成年淫行でしょっぴかれなかったハズレの女性)」から「特別な世界(大島桜からの参集要請)」への移行を描いています。そのさいに、描かれるキャラクターや三人の関係性を記述していくうえでの「思い出の喫茶店」であったりとか。10年振りに集まるのに「マスター」は真夜のことを覚えているんです(10年前のお客さんを覚えている。覚えられている。其の時点で、真夜は「アタシだけの輝き」を十分に有しているとは思います)。

 丁寧に描かれていて、真夜を起点として、他の登場人物の描き方自体が巧みであるため「続きも面白く読ませてくれるだろう」という「技術的な水準やムード」の力で読ませているような作品のように捉えています。
 
 実際、構成の部分で考えるならば。大島桜という人物が「自殺未遂に至る」までの流れであったりとか、何かしらの不祥事であるとか。そういった部分について。半年前に彼女たちが動き出せなかった理由だとか。物語の「セントラルクエスチョン」(大島桜を探す)という部分についてのディテールが見えてこないので、作品の「外的な課題のジャンル」は見えてこなかったようにも思います。
 
 おそらく、ヒューマンドラマを元にはしてるんですが。その「大島桜」を探すという課題の際に、何が彼女達の障壁となるのか。まだ見えてこないので、このあとの展開がふわっとしているようにも思いました。
 
 感想は以上です。

4-09 出戻り令嬢は年下王子様の夜の教育係になりました。〜実は処女だなんて言えません…!

タイトル感想

 言っちゃいなよ。白状しちゃいな。とは申していますが、面白そうなタイトルですね。正反対の性質にぶち込む。というのが、エンタメの面白さの掛け算だと思うので。その力があるタイトルですね。

タイトルから予想するターゲット

 女性向け作品ですよ。ちなみにヒロインがお姉さんのようなので、おねショタの香りを嗅ぎ取っています。
 能動的なおねと期待していますが。ヒロインの態度がサブタイトルにあらわれているので、多分、消極的なんだろうな。とは思います。
 
タイトルあらすじ感想

 ちゃんと物語上のヒーローが誰であるのか。明確にしたラブロマンスのあらすじでした。イルゼさんがんばって。テキストでどうにかなる。相手はねんねの坊やだぜ。子守唄でも歌ってやんな!
 こんなことを申していますが。あらすじにあるイルゼさんは、うぶであることがバレルとまずいってわけなんでしょうかね。周りも家族ですらも「知らぬ」というレベルなんですかね。どんな感じなのか。本文を待ちます。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 タイトルからも予想していた通りの女性向け作品です。

本文感想

主人公   :イルゼ
主人公の能力:不明! 無属性の魔力とあるので、なにかしらギミックとして活用されそうです。
世界観   :なろう系異世界恋愛。
異変・事件 :王子殿下(ヒーロー)にも拒絶をされる
問題・課題 :不明(だって、おつとめしないでいいならバンザイじゃないか!)
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):少々まだ「ナラティブ」とされる部分は確定的ではない本文の情報量です。あらすじにもあるように「恋愛経験ゼロの生真面目不遇令嬢が、年下のワケアリ王子様と心を通わせ、秘められた力を開花させて幸せを掴み取るお話。」と明記しているので、その関連情報を撒いた作品でした。

 面白くなりそうな所で引きとなった作品でした。あらすじでも「ハッピーエンド」を確約しているので、それに関する「補足情報」としての諸々が描かれた書き出しでした。ラブロマンスを主体とした女性向け作品は「ハッピーエンドの布石」を早めに描写することが、ジャンルとして求められている傾向があると予想しています。その向きの書き出しであったのでしょう。
 
 個人的に読みたかった所は「いざ、閨の教育係」としてお勤めをはたさんと。分厚いテキストを棒読みするようなガチガチのヒロイン。というようなコミカルなシーンやムードを期待している所がありました。書き出しにおいてはどちらかというと、ヒロインの背景情報が多分に含まれたものであり、いざこれから! というところで、引きとなったので。読後感としては物足りなさがあります。まあ、でも。一番の見所とされる部分を引きとするのも一つの構成だとは思うので、効果的だとは思います。

 主人公の能力「無属性の魔力」等、この作品の「貴族制度」に関わるであろう「魔力」の話題が本文では見えてこない領域でした。この「無属性の魔力」故に「誰にも必要とされない」というヒロインの「内的な課題」に近い建付けがあるので、そこも気になる要素ではありました。

 感想は以上です。


4-10 蛮族ヴァンパイア少女とオオカミ男の娘

タイトル感想

 吸血鬼と狼。男の娘とあるので、見た目の愛らしさとかもキャラクターの魅力や要素の一つとして打ち出した作品だと思います。

タイトルから予想するターゲット

 吸血鬼と狼男っていうと、隷属状態のものをイメージしたりするので。少女と男の娘もそういった上位関係なんかのエモさも押し出しそうです。

タイトルあらすじ感想

 ボーイ・ミーツ・ガールと明言しているので、ラブロマンス作品であるようです。蛮族ってなんでしょうね。なにか非常に暴力的な性質をお持ちだったり? とにかく、キャラクター小説として特化させている類の話題だと思います。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 エンタメコンテンツを嗜好する人にむけての作品じゃないでしょうか。吸血鬼とか。狼男とか。題材をコンテンツとして知っている人達に向けた作品だと思っています。

本文感想

主人公   :熾燦火煉
主人公の能力:めっちゃ暴れん坊! でかいヒロイン!
世界観   :ローファンタジー世界。
異変・事件 :二人が出会ったことが「ラブロマンスの始まり」でしょうね。
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):キャラのセットアップを並べて、お互いの性質が対比的(でっかいヒロイン! ちっちゃいヒーロー!)であること。等から、カップリングとしてみた時に「シルエット」として分かるほどの特徴はある作品でした。

主人公   :月読瑞牙
主人公の能力:見た目は女の子! ちっちゃいヒーロー!
世界観   :ローファンタジー世界。
異変・事件 :二人が出会ったことが「ラブロマンスの始まり」でしょうね。
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):キャラのセットアップを並べて、お互いの性質が対比的(でっかいヒロイン! ちっちゃいヒーロー!)であること。等から、カップリングとしてみた時に「シルエット」として分かるほどの特徴はある作品でした。

 タイトルとあらすじによって、期待していた「ボーイ・ミーツ・ガール」としての情報が過不足なく仕込まれた作品のように思います。
 ラブロマンスに限らず、キャラクターの物語を展開していく時には「キャラクターが何を欠点に感じているか? 何を不満に感じているか?」というものをちら見せすると、それに関しての「課題との向き合い」に繋がりを感じられるラブロマンスを予感できます。
 
 今回の場合は「体格にコンプレックスを持っているヒロイン(めっちゃでかい!)」と「少女らしさを失いつつある自分の体質に不満を持っている男の娘!」という風に、属性自体に「対比的」な要素を絡ませているので、その「コンプレックス」を起因とした形で「ボーイ・ミーツ・ガール」を展開しようとしている。ようにも、受け止めることができる情報量の作品でした。
 
 智子が「ボーイ・ミーツ・ガール」の作品を含めたラブロマンスに詳しいわけじゃないので、ジャンルとして「ボーイ」の方が好意を示す。といった片鱗もありました。
 
 感想は以上です。 

4-11 悪役転生物語 ~どろぼう少年と人形使いのプリンセス~(感想依頼あり)

タイトル感想

 転生ですか。転生であれば、ファンタジーかな。どろぼうという文言から「ローグ」(乱暴者)としての性質をもたせた少年と、プリンセスと呼ばれる少女の出会いなどは。ボーイ・ミーツ・ガール的なのかもしらんですね。

タイトルから予想するターゲット

 男性向けなのかな。と思っています。どろぼう少年という文言の方が先なので、男の子が主人公でしょうか。

タイトルあらすじ感想

 あらぁ。どっちだ。主人公はどっちだ。どっちも主人公なのか。どちらも「成長」や「立ち向かう課題」が存在するキャラクター像です。少年はどうして「友達」になりたいのか? という部分は、本文で明かされるんでしょうね。二人の需要と供給めいた願望が合致するような本文を期待しています。

 マリーも悪役っぽさはありますな。だって、人を操ることができるってそうですよね。あらすじで書かれてるのを見て気づきました。
 
 外的な課題と内的な課題が揃ったタイプの作品構成かもしれませんね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 エンタメ全般を楽しもうとする方には刺さる作品だとは思います。でも、基本的な部分として「特別な力」というものが、現代のエンタメ界隈の「基本的装備」として、標準的に発揮されるものです。これはもうなろう系とか発祥の『ゲームライク』なハイファンでの文脈を受け継いだ設定だとは思うので、そこも知識として知っている人向けなのかも。とは感じました。

本文感想

主人公   :マリー(やんごとなき御身分のお嬢様!)
主人公の能力:『人形つかい』であること。
世界観   :前世の記憶を保持する。ハイファンタジー世界(異世界から異世界への前世)。
異変・事件 :マルコの登場によって、
問題・課題 :マリーを含めた。危害を加えようとする黒幕を含めた乱暴者達の存在。
決意・覚悟 :黒幕を含めた自体の収拾を図ること。前世の失敗を侵さないこと。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):お互いに何かしらの「課題やコンプレックス」を抱えたキャラクター同士が、その「特殊な能力」を活用して、脱出ないし、情報の精査、母の救出などそれぞれのイベントを繰り返していくことが期待されます。

 読みながら、気付いた所を触れながら感想を整理してみます。
 
 良いところが明確です。ファースト10の情報が明らかです。本人たちが「何を課題」としているのか。という「物語を通して得られるであろう成長点」等も示されています。
 
 キャラクター小説や物語上の「動機」とも言える要素の重要性を理解した情報量でした。
 
 おそらくですが。上記のファースト10や「物語上の動機」を設置するために、いくらか恣意的なストーリーラインの提示があるように感じます。
 
・マルコはどうやって、マリーの存在を知ったのか? どうやって、探しに来たのか? 現状の情報で見るに「マルコ」というキャラクターは非常に「怪しい」キャラクターであること。

 マリーの力自体は「秘匿」されている旨が、地の文で示されています。これは襲撃者達の「手落ち」なのでしょうか。マリーの力の存在は広く開示されているものなのでしょうか? 能力自体が「個人的な情報」にもあたるので、周囲の人々が「マリーの能力」を公に知っているとも考えづらい部分はあります。マルコ、君は何者なんや!?

 物語の導入にあたり、物事の変化のシーンには基本的には「抵抗」があるものだったりします。今回の場合は「突然現れたマルコ」の存在を「マリー」が「母を救出する」等の目的のためにも、協力する。といった部分があります。マリーは「マルコ」が怪しかったとしても「協力するに余りあるメリット」が存在するので、相手との信頼関係の醸成のために「言及しなかった」というのも考えられる要素ではあるのですが。本文で、そこら辺の部分の描写がないので。
 
「案外すんなりやな」

 という読後感を持ちながら読んだ所はあります。

 上記の点をまとめると。
 作品の魅力を伝えるために「主人公のバックボーンや能力の提示」を優先していること。それは作品の「ナラティブ」を提示するスピード感はあるのですが。描き方の部分で「マリー」と「マルコ」の出会いのシーンから、目的や決意の項目に関して「すんなり」行ってる部分がちょっと読みながら、引っかかった。という所はありました。

 タイトルとあらすじから予想している「作品のスケール」と主人公の「ヒロイン」が抱えている「前世の立ち回りによる失敗」等の話題があまり、リンクしていません。これはおそらくですが。砦の牢屋からの脱出や、黒幕との対峙等にとどまる「タイトルとあらすじ」に見えているからだと予想しています。
 
 おそらく、マリーとマルコの「物語」として見ると、序盤も序盤であり。ヒロインが「前世」の反省点を持って、立ち回るストーリーラインはまた別軸に用意していそうにも感じました。
 
 タイトルとあらすじから比べると、スケールの大きな本文や「キャラクターの課題設定」があったので、読後感としても「有機的なつながり」を感じづらかった。というのはありました。
 
 感想は以上です。

 感想のおかわり依頼を受け付けましたので、次の通りです。

『4-11 悪役転生物語 ~どろぼう少年と人形使いのプリンセス~』におかわり感想をください。

依頼文より 

 承りました。長尺の依頼文にたじろいでおりました。智子です。

この話はマリーとマルコ、どちらか一人を主役として話を始めた方が良かったでしょうか?

依頼文より

 お見込みの通りです。私も同じような判断にするでしょうかね。
 話の切り取り。の話題なだけなので。物語の主従というか。「誰を主役にみるのか? 誰に則って楽しんだらいいのか?」という部分で、見ると「主役級の格があるキャラが並列に並んでいる」ことは、読者にちょっと読みの上で、混乱を与える要素かもしれません。

 ざっくりと、話の展開について片方に寄せてしまう。というのであれば「悪役転生物語」とあるので「悪役(令嬢)転生物語」に印象つけて、マリー視点で描くというのが順当かも。

 だけど、ダブル主人公感を出したい! というのであれば、視点を思い切って二つ用意してしまうのも可能だとは思います。しかし、この4000文字の尺の中で、視点を分けてしまうのはなかなかな挑戦です。

 主人公のバックボーンの描き出しから、マルコが助けに来る。までを書き出しとして整理して、主役が一人であるような「情報量」で展開することの方が安定感はありそうです。

マルコの能力は三つあって、作中で使用したステルス以外に「欲しいと思ったもののある場所が分かる直感」と「欲しいものを奪うために必要なだけ能力が強化される」があります。マリーのいる場所は一つ目で見つけました。

依頼文より

 おお。やっぱり。そうなんですね。マリーも複数持っているので、マルコも複数力を持っていたとしても不思議ではないですね。ここは設定上の抜きとして予想される情報でした。

 いや、でも。設定だけきくとエモいなぁ。だって「自分が欲しいもの」が、ヒロインだったって。エモいでしょ!

マルコはマリーにいくつかウソをついていて、「能力の奪う対象には『生命』も含まれる」ことと「父を守るため、能力で盗賊の命を奪ったために家にいられなくなった」ことを隠しています。

依頼文より

 ほう。とは言っても、あれですよね。マリーにとっては嘘は筒抜けでしょうからね。この能力を開示すること。マリーと信頼関係を築くこと。というのは、マルコの作中の「達成するべき課題」の一つでしょうね。

父親の自分を見る目にショックを受け逃げ出して、それでも孤独に耐えきれなくて、自分と同じ力を持つ誰か、自分を怖がらない誰かに会いたいとマリーの元に来た。こんな書き出しを考えていました。

依頼文より

 おお。やはり。マルコ主役のパターンですね。良い書き出しだと思います。基本的には「傷ついた主人公」の行動原理というのは、読者も飲み込みやすいものです。

逆にマリー主役なら 前世で「身内と権力闘争を繰り広げた」、「苛烈な手段を用いたツケを子や孫に払わせてしまった」といったことを思い返しつつ、「身を守る知恵と温かさを併せ持った母の下で幸せになれるかも」と思ったところに襲撃を受けて姉に庇われ、失う。 といった流れをやろうかと考えていました。

依頼文より

 前世の反省点。そして、今世の環境がある程度リンクするんですね。その背景情報を見ればあれか。マリーが「復讐に燃える」というよりかは「母を悲しませぬためにも」生存を優先する。といったものなのかも。

 だって。子を失う母が。苛烈な思想に染まる可能性がありそうにみえて、前世の物語とリンクしちゃいそうですな。

現状の書き出しでも 「マリーをどうやって見つけたのか、の問答」 「マリーがマルコを疑って『糸』をつなぐ。ほぼウソはついていないが隠していることはあると分かる。マリーのしていることを察したマルコが『自分で言う勇気が無いから見ていい』と言う」 みたいな流れでも入れておけばもっと分かりやすくなったかな、と。

依頼文より

 お見込みのとおりです。
 それはあくまでも「現状の構成」にあまり手を加えずに。としたら、という部分ですね。でも、せっかくの「マルコ」の力や生い立ち、隠している「コンプレックス」の部分は、物語上の障壁になりうるので、ここで開示しちゃうのはもったいない感があるんですがね。こればっかりは、基本的なプロットラインの部分から整理していく要素だとは思います。

 しかし。私がこの作品に何かしらの意見を付すとしたら。

 物語上の演出や導入は一旦抜きにして。

「それぞれの主役」が持ち得ている「課題」を整理し、物語を乗り越えたときに「二人はどのように成長しているか?」という結末を書き出すという部分を考えてみることでしょうか。結末がわかれば、書き出しも決まるってなもんです。

 依頼文には多くのことを書いてくれてますからね。長尺にはなりますが。マルコで考えてみましょうか。

 マルコは課題を抱えているキャラクターです。

 その課題はなにか? 智子が読み取った限りですが。

「家族から向けられる視線に対して、それを受け止められなかった自分」

 ですね。彼は「父親に追い出された」というわけではないんです。彼が「父親の視線に耐えられなくて飛び出した」という部分です。

 物語の中で、彼はどのような成長をするのか? 逆説で考えます。

「家族から向けられる視線に対して、それを受け止められる自分になる」

 これはマルコが「物語を通して得ていく成長の要素」です。

 ここを前提にみると。

 彼は「自分と同じ孤独を内包する人物」であれば「自分を拒絶しない」という願いを持って「ヒロイン」のもとに現れています。

 これ言語化してみると、ちょっとグロテスクな話題にはなるんですが。

「この人は僕(マルコ)を傷つけない。安心安全の人物である。僕を怖がったり、拒絶しない。理想の人と友達になる」

 拒絶されることを恐れているマルコ。そんなマルコですが。作中のなかで、マリーに対して自信満々に振る舞っている。頼りのあるヒーロー像として描き出されていること。というのは、多少の違和感は残りますよね。

 じゃあ、この違和感を消し飛ばすには。彼が「マリーを盗み出す」という挙動のさいに「背負う」というシーンがあります。このときに彼が緊張していること。マリーのために自信満々に振る舞っていること。態度とは裏腹に高い心拍数を示していること。
 など、マリーの能力をもってして描写してしまう。そうすれば、マリーの能力も示しつつ、マルコの「見た目からは分からない」緊張感等を表現できそうですね。

 彼はずっと思っている筈です。友達になれるだろうか。僕の孤独を埋めてくれるか。それが「異性か同性か」なんてのは些末な問題なんですね。彼はこの友達を作って、彼の孤独を埋めようとしています。本当は彼が成長するべきシーンは「家族と向き合う強さ」にほかなりません。

 さて。ここで翻ってマリーを見てみましょう。

 依頼文の部分からみるにマリーは「家族」と非常に良好な関係を築いていました。マルコとは正反対ですね。
 設定自体が「二人は対比的」な要素があることは。物語としての「展開上」の相性の良さはあります。

 マリーは「家族」のためにも、生還を果たし、黒幕を暴き出すことを望んでいます。


 ほら。見えてきましたよ。この二人のキャラクターの設置によって「期待される反応や挙動」についてです。

 家族を思って動き出す「マリー」。
 自分の孤独を埋めるために動き出す「マルコ」。

 描き出されている設定から見るに「成長するキャラクター」としての要素があるのはマルコのように見受けられます。

 現状の情報量ですが。「マリー」というキャラクターが「何かしらの不満」だったり「改善するべき性質」があるようには見えません。むしろ、前世の記憶を保持している(孫や娘までいらっしゃったんですから。老練って奴ですな)という部分から、精神的な年齢や徳も高いと期待しています。

 となれば、ヒーローの課題(家族を信頼できない。自分を恐れている父の視線に耐えられない)に対して、導き、癒やし手として振る舞うのが「ヒロイン」なのだろうと予想できます。だって、黒幕を追求するとき。家族の為に戦うヒロインです。マルコはそんな彼女の姿勢に「感銘」を受けるか。「家族に拒絶されていないヒロイン」に怒りをおぼえるか。それは、シナリオのさじ加減ですが。

 マリーが「マルコの考える理想の孤独な人物」でなかったとき。マルコにまた課題が与えられるでしょう。

 この物語の本質は「ヒーローがヒロインによって家族との関係や孤独感の解消に良い影響や成長を与える」という要素があります。

 この要素だけで見るならば、主人公の「解決するべき課題や欠点」による所から、物語を始めてしまうのも一つの手法だとは思います。

 これはあくまでも「現状の情報」から拾える「ヒーローの課題」によって、書き出しの出発点を決めるという方法です。

 おなじようなアプローチで「ヒロイン」の課題を浮き彫りにして、その課題から物語を開始することも可能でしょう。

 現状の情報では、ヒロインに「課題」となる要素を見出すことはできませんでしたので。ヒーローの視点で書くのがすんなり行くかも。とは思います。

 ここで今、タイトルに立ち返ってみると。

『悪役転生物語 ~どろぼう少年と人形使いのプリンセス~』

 サブタイトルに「どろぼう少年」の方が先立っているんですよね。もっとも、大きな「成長する主役」としての要素は「どろぼう少年」にもたせていたのかもなぁ。と思いました。

 上記の件は「書き出しを考える方法」として、智子なりの起点です。

 例示として。自作を紹介します。

『20-3-19 オソガル少年の嫁取り物語 ~乳のデカい女をもとめて~

 第20回の書き出し祭りの参加作品です。

 オソガル少年は仰天する。

「姉さんでも結婚ができるのか」

 姉から男ぶりたくましい筋肉の塊を紹介された。
 姉が里を飛び出し、数々の武芸者の中から、これと認めた男を里に連れ帰ってきた(多分……誘拐)のだ。
(中略)
 迷惑な姉が人々に祝福されて大人の仲間入りをした。

「僕も結婚しよう。そうしたら、里の大人達の仲間入りだ」

 歳も十を越えると、自立心が芽生える。
 それだけのことだった。

『20-3-19 オソガル少年の嫁取り物語 ~乳のデカい女をもとめて~』本文書き出し

 一〇歳の少年。オソガルは「あの姉でも結婚できたのだ。そしたら、村のみんなが総出でお祝いしている! 俺も認められるために結婚したい!」という願望を持ちます。

 結婚したら一人前に見られるから!

 という、発想自体が一〇歳なりの未熟さがあるんですが。それ自身も作中の成長の要素として設定したという部分があります。

 こういう風に「主人公の欠点や成長する課題」を書き出しの起点と考えやすくなります。

 という部分から、御作の「自分のキャラクターがどんな成長をするのか?」というのは、深堀りして考えていくと。また別の書き出しがふわっと浮かび上がるかもしれませんね。

 しかし! しかしですよ!

 そもそもですが。御作の「演出」における。主人公たちがどんな能力を持っているのか。を示すイベントや構成というのは「エンタメで優先される」描写だったりします。

 なので、その「演出上の能力の提示」を損なわない形で「マルコの課題」にフィットした演出を考える必要があります。

 これがねぇ。なかなか難しいんですがね。でも、物語の「アクション」から始めて、読者の興味を引く構成。という「エンタメに必要な演出の技術」を御作は有していることは間違いありません。

 連載に向けて、お考えなんでしょうかね。あれこれと試行錯誤しながら、練り上げていって欲しいと思います。

 作品の本質的な部分として「智子好み」の内的な課題を期待できるエンタメ作品の書き出しではあるので、強い期待を寄せています。おはげみください。

 感想は以上です。



4-12 いわく付け屋

タイトル感想

 智子がうなっている。お仕事ものとしての期待があります。曰くをつけるの意味はわからんですが。

タイトルから予想するターゲット

 お仕事ものを期待する層ではないでしょうか。だって、屋ってつくとね。そうですよね。

タイトルあらすじ感想

 けっこうエグいですね。ホラーか。オカルトホラーなんですが。呪い代行というのもよくわからんですね。どの程度の力の話なのか。ローファンタジーとしてバリバリに戦う異能もの。なのか。そんな超常現象なんか在りませんよ。っていうなかでのオカルト世界観なのか。主人公にある程度力があるという設定であるならば、女性の存在がヒトコワとして輝きそうです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 オカルトを嗜好するターゲット及びお仕事ものとしての選好があるんじゃないでしょうか。智子のお仕事ものの養分にさせてください。

本文感想

主人公   :私(山本)
主人公の能力:呪術等を扱う力がある。
世界観   :ローファンタジー。主人公がそれらの異能に関する話題に触れている。
異変・事件 :事務所にやってきた。井上さんの依頼。
問題・課題 :金銭面的な問題であること。
決意・覚悟 :まだわからない情報量(タイトルあらすじでは金額に惹かれて、依頼を受ける。という情報が定時される)。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):まだ、不明な領域ではある。それは、主人公が「対応できる範囲」の力であるとか。呪術に携わるうえでの能力が未知数であるため、物語のテイストがまだわからない。

 ナラティブでも触れた領域ではあるんですが。今後の物語の方向性を「確か」にする情報がまだ不足している感じがしました。というのも、主人公の能力が不明であるため。井上さんが持ち込んできた仕事に対しての危険度が測れないためです。

 作中のムード自体を見るならば、不穏さや「井上さん」の服装であったりするところから、非常に「興味は持てる」構成でした。

 しかし、物語のジャンルが確定しないままなので、次のページであったり、期待する展開が続くかどうかまでは判断できかねる情報量でした。

「曰くつける」仕事をめちゃんこ見てみたかった。そこを見たい読者も多かったんじゃないですかね。主人公がどんな能力を持っているのか。そこまで知ることができたら、印象は変わりそうでした。

 感想は以上です。

4-13 星山蒼空の戦闘姫

タイトル感想

 わからん。まるっきりわからんってことはないんですが。その人名なんですかね。人名じゃない。なにかの四字熟語だったり? ここで、智子の物知らずが発揮ですよ。もしも、人名とかなら。それこそまた意味合いが変わってきそうですけど。
 
 人名の戦闘姫。となるだけで、ボーイ・ミーツ・ガールに早変わりです。とはいっても、男性の名前か女性の名前かもわからんですな。

タイトルから予想するターゲット

 戦闘姫とあるので、何かしらバトルものを選好する読者へのアピールになっていそうです。

タイトルあらすじ感想

 けっこうガチガチのバトルものでしたね。しかし、主人公自身はそれに『巻き込まれる』という受け身の姿勢の主人公ですね。しかし、ガタイは良い。いや、もうめっちゃ目つけられるでしょ。
 星山蒼空は少年だったんですね。少年に使役される戦闘姫となる。
 
 おん?
 
 TSか? 女の子になっちゃうんですか? 私の勘違いですかね。TSは根強いジャンルとして存在感を放っていますね。どうなのかな。主人公はどうなるんだろう。姫になっちゃう?

タイトルあらすじから予想するターゲット

 バトルもの。主人公の態度含みでみた時に、物語への決意まで描写することになるんじゃないかな。とは思いました。

本文感想

主人公   :不動勇士
主人公の能力:イケメン! だけど、脳筋! ゲームの説明きかないタイプ!
世界観   :ローファンタジーの世界観。
異変・事件 :不明(世界のルールを理解し、星山蒼空からの提案を受けた時に葛藤や物語が始まる)
問題・課題 :主人公を戦闘姫としようと、人々が殺到する。
決意・覚悟 :不明(あらすじにはアオリ文としてあるが。本文には「主人公の決意・目的」はまだ示されていない)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):まだ作品の魅力とされるであろう「戦闘姫」としてのバトルや、今後向き合わざるを得ない敵対者達との対峙等が見えていない。セットアップの段階の作品でした。なので、彼が「どんな力」を持ってして、局面を打開していくのか。カタルシスを得るのかは予想がし辛い作品でした。

 セットアップにかかる作品でした。彼が「戦闘姫」としての契約をしていない段階での不利益であったり、戦闘姫として戦うこと等の作品上のルールを示すことで、独自性を構築しようとした書き出しだと思いました。
 
 序盤の「異次元存在」達が人間を捕食する側としてのやり取りや「捕食」を永続的にするための試み等から、舞台装置(異次元に作り出された作品中の舞台)等への推測がある程度立つものです。
 
 おそらくですが。星山蒼空という少年は「異次元存在」に絡む「怪しいキャラクター」になるんじゃないかなぁ。と期待しながら読んでいたんですが。本文ではそこまで踏み込んでいなかったので、もう少し読んでみたい印象の作品でした。
 
 物語上の報酬(世界からの脱出とか)が見えてこない段階で、他のキャラクター達が「主人公」に殺到する理由等(主人公が優秀であり、彼と契約できれば有利に立てる。というのは分かる)がまだ掴み取れない所があります。
 他のキャラクター達が「ゲームに参入する理由」がまだ見えてこない中、置いてけぼりな感じはあります。
 
 この点はおそらくですが。「異次元」に絡め取られてから「一週間」経っているという演出上の描き方も原因がありそうです。

 感想は以上です。

4-14 弾丸なんか、イヌも喰わない。

タイトル感想

 夫婦喧嘩は。のもじりですよね。弾丸というものを価値のないもの。くだらないものと揶揄しているんでしょうか。反戦をテーマとした作品だったり?

タイトルから予想するターゲット

 まだわからんですな。どんなターゲット層なんでしょうか。

タイトルあらすじ感想

 ああ。クライムサスペンス。ノワール。ピカレスクロマン。そういったジャンルのような作品だ。面白そうです。
 かっこいい。かっこいいのをお願いします。
 あと、できるだけ暗い。陰惨なのを。だけど、最後には救いを。
 要望もりもりだわ。
 
 台湾ってそんな物騒な国なんですか!?

タイトルあらすじから予想するターゲット

 ハードなサスペンスを嗜好する読者達に届けようという作品だと思います。個人的には全年齢じゃなくて、大人のサイトで思う存分な筆致で暴れて欲しいなぁ。と思うレベルのムードでした。だって、ねえ。特殊清掃ですからね。なろうではできない表現やレーティングがありそうです。大丈夫ですかね。人体欠損とかレーティングの問題で目つけられたら、なろう運営のさじ加減ですぐにアウトですからね。気をつけてください。多分大丈夫だとは思います。ええ。そう信じています。

本文感想

主人公   :黒川 アザミ
主人公の能力:特殊清掃に従事する従業員。地雷系ギャル! 推理力や弾道を予測する動体視力など。
世界観   :2032年と近未来の台湾で行われる。ピカレスク・ロマン?
異変・事件 :シュイグイという人名から自分の過去の因縁を知る。
問題・課題 :不明(いきなり銃を取り出す類であれば、そらね。危険性はありますよ)
決意・覚悟 :家族の豹変の謎に関する手がかりを見つける。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):未来の台湾を舞台に非合法な組織に属している人達の社会を舞台にした物語。黒川アザミという「地雷系ギャル」が抱えている「家族の謎」を探求していく。ハードなアクションあり。

 物語の局面や特殊清掃に関する話題から「ミステリーの探偵」のような洞察等を持ってして、イベントが進行していく作品とは思っていませんでした。なので、少々驚きの読後感があります。
 
 書き出しで「ミステリーの探偵ばりの洞察力」を能力として示した時に、その期待感を常に担保しながらこのあとの物語も展開していくものと予想しています。
 
 彼女は以前から「家族の豹変」等について、独自に調べていた。とかいうことがあるんでしょうか。それとも、組織ぐるみで「黒川アザミ」をバックアップする組織として死海幇が存在するのか?
 
 彼女の能力を示し、その能力でイベントを打開する。という「映画とか映像作品」に関する演出構成としての力を発揮した作品のように思います。

 次のシーン以降は、彼女が所属する死海幇に関するバックボーンであったり、特殊清掃を通して、他勢力の抗争や権力争い、しのぎに介入する理由付けなど。彼女の仕事のディテールが掘り下げられていくのでしょうか。
 
 現状としてはまだ「映像的」な部分や、物語の動機の表明にとどまっています。エンタメ作品というのはやはり、そういう側面があるので。掴んだ読者の興味を失わせないために、次の話でまた膨らんでいくのだろうと予想しています。
 
 感想は以上です。

4-15 倫欠探偵・真名板鯉子 ~めちゃくちゃ死ぬ殺人事件~

タイトル感想

 わからん。倫欠というのがわからんです。倫理が欠けてる。ってことでしょうか。
 探偵さんがいるのに。めちゃくちゃ死ぬんや。いわゆるバカミス? ってやつなんですかね。 

タイトルから予想するターゲット

 探偵という文言から。ミステリ読みのための作品じゃないでしょうか。

タイトルあらすじ感想

 ああ。やっぱり、倫理観が欠如している探偵ってことか。けっこう短めのあらすじですね。書き出し祭りでミステリーとなると、主人公の能力を示す(謎解きのちから)か。突飛なキャラクター性を開示して「キャラクター」への興味を持ってもらうか。という方向性になると思います。どっちの本文になるんでしょうね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 ミステリー読者のための作品です。タイトルからも予想していた通りの順当さは強みですよね。

本文感想

主人公   :末前桑津
主人公の能力:ヴァイオレンスな護衛の能力。助手としての探偵のサポート。
世界観   :特殊な舞台装置のミステリーを楽しむパラレルワールド。
異変・事件 :警察からの招集依頼。
問題・課題 :不明(謎解きを行う上での対立者は不明)
決意・覚悟 :事件の解決をする。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):特殊な舞台装置で展開される。「男女バディもの」としてのミステリー作品。倫理感が皆無の世界観で、ミステリーをやる。というもの。

 ミステリー作品の書き出しとして見た時に、基本的にいつも「主人公の能力やキャラクター性を示す」とか「魅力的なミステリーを示す」などを考えていました。というのも、基本的に「ミステリー」をやろうという時に「突飛な世界観」であると、それだけで「ミステリー」の謎解き要素がぶっ飛ぶみたいなものがあります。
 
 でも、これも「ノックスの十戒」にある「中国人を出してはいけない」といったような「魔法が使える人」等を登場させることで「ミステリーの謎解き」という要素を覆さないようにね。という考え方です。
 
 しかし、違います。この作品の魅力は「倫理観が皆無にならざるを得ないような特殊な舞台設定」自体が魅力と据えています。その世界観の「ルール」の中で、探偵と助手という男女バディものとしての魅力と、ミステリー作品としてのジャンルをかけ合わせてきたように思います。
 
 智子には「作品上の狙い」とする魅力は十分に伝わる作品です。しかし、智子が「ミステリー」を嗜好する読者ではないので、この書き方がターゲットに訴求できているか。は良く分からんです。
 
 キャラクター小説としては、十分なアピールを感じ取った作品です。

 感想は以上です。


4-16 海に飛び込んだ元バ美肉人魚VTuberが本物人魚と歌をうたう話

タイトル感想

 ローファンでしょうか。バ美肉というのがVTuber関連の言葉であることを最近の智子は知りました。ヤンデレを調べる時にVTuberや配信者へのガチ恋勢がヒットして、VTuber云々の文化を勉強した智子です。その方が本物人魚と歌を歌うってことなので。ローファンなんじゃないか。

タイトルから予想するターゲット

 VTuberネタっていうことで、ネット小説のジャンルとしてあることは存じています。そのジャンルと人魚を組み合わせる。
 ターゲットが見えてこないですね。強いて上げるならば、VTuberというコンテンツを楽しんでいる人達というところでしょうか。

タイトルあらすじ感想

 おおおお。けっこうあれですね。ハートフルな話でしたね。傷ついたヒロインが回復していく話ですね。VTuberとか配信業ってやっぱ大変らしいですからね。皆の虚像を演じ続ける。孤独な仕事だとは思います。それらによって、傷ついたヒロインが人魚達に回復してもらう。
 個人的にはけっこう好きな物語の形式です。傷ついたヒロインないしヒーローが力を取り戻す話は古今東西ハズレ無しです(以下、妄想。更には力を取り戻した主人公によって、人魚たちの窮地を救うとかね。もう熱いわ!)。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 配信文化に慣れ親しんだ層の多くを取り込める作品だとは思います。私はあんまり詳しくなかったんですが。けっこう多くの方々がVTuberというのに親しんでらっしゃるのはわかってきたので、需要はある設定だと思いました。
 
 多分、本文のムード次第でしょうが。祭りの中で跳ねる作品じゃないでしょうか。
 
 一般読者の票が集まる類の作品だと思っています。

本文感想

主人公   :俺 鱗木 唱(一人称視点、男性)
主人公の能力:お歌が上手!
世界観   :ローファンタジー
異変・事件 :人魚との出会い
問題・課題 :不明(外的な課題としては不明であるが。彼の内的な課題。ルッキズム的な差別意識の内包。受け入れ等は明確)
決意・覚悟 :不明(提案にとどまっているので、次話でセットアップが完了しそう)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):人魚との交流によって、主人公の回復が期待される作品です。

 タイトルあらすじで期待していた通りの作品でした。傷ついたヒーロー像の回復の話というのは、みんな大好きなテーマではあるので。タイトルあらすじで予想した通りであり、満足した読後感です。
 二年前の事故。とか引きこもって一年とか。明らかに時制に「一年」の開きがあるので、ここも何かしらの物語の伏線となる要素があるのかも知れません。
 
 ターゲットに届く作品というのが、一番大事なので。良い書き出しだったと思います。
 
 しかし、VTuberをしていた「男性V」を主役に据えては居るんですが。VTuberとして大活躍をしているシーン等を見れているわけではありません。VTuberという文言で期待していた読者層の「クリティカルな期待値」を満たしているかどうかは正直分からないです。
 
 智子がね。やはり、VTuberに親しんできていないため。ここらへんはまだ勉強中です。
 
 感想は以上です。


4-17 死に戻りの悪役令嬢は拗らせ王子の護衛執事に溺愛される 〜ループの果てに〜

タイトル感想

 死に戻りのループジャンル。悪役令嬢とあるので、作中作転生作品でしょうか。執事のほうに溺愛されるんか。

タイトルから予想するターゲット

 女性向け作品にちがいありません。多分。ループの果てとあるので、どがんなるんでしょうね。

タイトルあらすじ感想

 乙女ゲームの世界。作中作転生。ナタリーが悪役令嬢ってわけなんでしょうね。物語の目的としては『破滅を回避する』という物語の大目的を示しました。
 求められる情報が過不足なく揃った感じがありますね。
 ヒーロー役が「王子じゃなくて執事なんだ」というのは智子の経験値の不足からくる意外性なのでしょうかね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 ちゃんと、書き出し祭りのタイトルとあらすじから。届けるべきターゲットに届いている。という安定感のある作品だと思います。
 第四会場の中でここまでストレートな悪役令嬢転生はなかなかないので「これだよ。これこれ。こういうのが読みたいんだよね」というターゲット達の票が集まるんじゃないかな。
 4-5も悪役令嬢ってなってるけど。彼女はパイロットだしな。

本文感想

主人公   :ナタリー・モードゥス(前世の名前は城之内未来)
主人公の能力:ループして、やり直しを行うこと。
世界観   :乙女ゲー作中作転生の世界観。溺愛とあるのでラブロマンスも期待。
異変・事件 :不明(ナタリーが変化するきっかけとなるイベントはまだない)
問題・課題 :護衛執事イグニスによる「暗殺?」等か。
決意・覚悟 :不明(本にはひどく無気力である)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):死を回避する。という物語の目的が示されていて。当面の目的となりうるものが「病死」を回避することになる。しかし、主人公はまだ「能動的な態度」を見せていないので、スピード感としては緩やかに展開していきそうです。タロットカードの解釈も活用しながら、転生の度にPDCAサイクルが展開する。みたいな物語なんでしょうかね。

 面白そうです。スピード感を落としながら、物語上の「主人公の願望」等が「間接的に表現」されている描写もあったりしました。
 恋人が居ると思わせたかった。とか。色々あるようですが。わざわざその時の「心中」の描写を曖昧にしたり、相手がいることを示すなどの部分から「ヒーロー」も「転生者」であるとか。色々と想像が膨らむネタにもなりそうです。
 
 だけど、イグニスルートの解析とかも必要になるでしょうから。転生者は主人公一人なんでしょうかね。女神とのやりとりで「世界観も設定も壊さず」にと明言しているので。
 
 タイトルにもあった。こじらせた王子だったり。護衛執事だったり。という「ラブロマンス」のパートナー達の情報が少なめではあったので、ラブロマンスを基調とする作品というよりかは。主人公の「内的な課題」に近いものがありそうです。
 ここを優先した場合、エンタメ読者の反応が「芳しくない」ということが多々あります。
 
 この作品もその力が発揮されていそうです。
 
 感想は以上です。

4-18 箱入り魔王様の非合法なお見合い

タイトル感想

 お見合いで非合法ってなんか。ちょっとドキドキしますよね。そういったドキドキ感を提案する非合法なワードでしたね。箱入りってきくと、女性につく枕詞だと思うので。魔王様は女性かも。最近のエンタメはですね。魔王様はだいたい恋してもらうことになります。

タイトルから予想するターゲット

 魔王という言葉が馴染んで、飲み込める読者層です。ゲームライクなファンタジーの文脈を理解している人々。かつお見合いなので、ラブロマンス的な楽しみ方を心得た人々への訴求作品でしょう。 

タイトルあらすじ感想

 主人公は魔王の側近のロヴィなんですか。てっきり魔王が主人公だと思っていたし、魔王は男性ですね。ということは、女性と縁がない。もしくはあんまり興味がなかった魔王のために「お見合い」をセッティングする話なんですね。
 
 セットアップが見えた段階のあらすじですね。お見合いに際して、どんなてんやわんやがあるのか。本文でそのムードが示されるということですかね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 タイトルで予感したものと相違ないターゲット層です。

本文感想

主人公   :グレイギース
主人公の能力:不明
世界観   :魔王等が存在するゲームライクな文脈の世界観
異変・事件 :不明
問題・課題 :不明(魔王の母親など出生に絡むものがなにかありそう)
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):まだ、良く分からない領域の作品です。5歳の少女とラブロマンスを繰り広げるようなことは多分ないとは思いますが。お見合い相手として連れてこられた三人の女性たちとの交流のなかで「魔王の出生」に関する部分で、なにかしらの展開がされるもの。と予想はしました。

 視点を「お見合い当事者」ではないロヴィに制限していることから、物語上の「抱えている外的な課題」(魔王様のお世継ぎ問題!)は描写されていくのですが。この物語を通して「主人公たち」がどんな成長を果たすのか。というのが見えづらい視点ではあります。
 
 例えば、これがさらわれた女性たちの視点で描けばもっと「恐怖等の緊迫感」に満ちた作品になるでしょうし、その恐怖の中から魔王を含めた男性たちへの洞察自体が作品の魅力にもなりうる作品です。
 
 しかし、作中の語り手が「ロヴィ」と限定されていること。魔王の出生に関する秘密を彼が握っていること。等の「設定の抜き」によるもので、読者の引きを作ろうとしている作品です。
 
 物語上の課題や緊迫感を設定するとしたら「出生の秘密」を魔王が知りたがっているとか。それを知られるとすべてが破綻するとか。それくらいのインパクトがあればまた違う印象の読後感になったかもしれません。
 
 感想は以上です。

4-19 この世界に未来があるのなら

タイトル感想

 作中世界はあんまり、未来に希望が持てないような世界観なんでしょうかね。

タイトルから予想するターゲット

 ジャンルやターゲットはまだ見えてこないですね。でも、物語上の「ストレス」に一定の耐性がある読者は選んでそうな気がします。だって、なんか世界観がね。苦しそうなタイトルですから。

タイトルあらすじ感想

 おおお。タイトルからは全く想像していないタイプのあらすじがやってきました。ほーん。スキル等があるということなので、今では一般的になってきたであろう。ゲームライクなスキルが組み込まれた社会のファンタジーです。
 
 譲渡されたスキルで未来に待ち構える課題に対して、対峙していく。
 
 明確なセントラルクエスチョンがあらすじで示されました。設定がハードですからね。長文タイトルにするにはあまりそぐわないタイプのムードの作品かもしれません。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 現代のエンタメにある「スキル」等の能力自体の運用等が肝となります。それらの設定やルールを飲み込んでいるエンタメ読者達に向けた作品です。

本文感想

主人公   :私 (イズミ)
主人公の能力:瞬間記憶。事務員でありながらも、戦闘訓練を受けていて、銃器も扱うことができる。
世界観   :パラレルワールド? 現代と同水準程度の文明世界で「スキル」が組み込まれている世界観。
異変・事件 :薬を飲まされること。
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):スキルを含めた社会の格差等について。等を「管理職」に当たる年代の主人公に落とし込んで、物語として展開していくこと。なろうファンタジーではない分、また一つ特徴的な「独自性のある世界」を作ろうとしている印象があります。

 不思議な世界観の作品でした。基本的に「スキル」等を前提においた作品等というのはいわゆる「ナーロッパ」とされるような世界観で、展開しているものという考えがあります。
 
 舞台装置からして「ナーロッパ」ではないんやな。という部分もあって、飲み込むのが最初は難しいムードでした。
 
 作品の「大テーマ」としての「スキルによる格差社会への不満」等。社会秩序を破壊しようとする敵対者。という役割が明確であること。そして、主人公は「その秩序を守るオッサン(管理職につとめるオッサン)」が主役です。このことも特筆する魅力の一つであろうかと思います。

 社会的な差別や身分構造まで、含めて書いていくのだとしたら。結構ハードな作品になりそうです。

 感想は以上です。



4-20 紅茶館の女給は探偵のまねごとを(感想依頼あり)

タイトル感想

 おお。探偵のまねごと。というので、ミステリー的な期待があります。女給さん。という言葉が大正ロマン的なニュアンスを持ってるので、その時代区分ですかね。

タイトルから予想するターゲット

 大正ロマンで女給さんが探偵する。みんな大好きでしょ。エンタメコンテンツ全般に訴求はしそうです。かっちりしたミステリーってわけじゃなくて、ゆるいミステリーくらいなんでしょうか。まねごとっていうんですから。

タイトルあらすじ感想

 いやいや。智子が想像していた。ゆるふわキュルン。みたいなふわふわしたミステリーじゃなかった。ガチモンの安楽椅子探偵の女給さんじゃないか!
 けっこう激しめなムードですね。イメージは違いましたが。面白そうです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 タイトルからも期待するように。ミステリーを選好する読者に向けた作品であると考えます。

本文感想

主人公   :ミツキ
主人公の能力:知りたがりな美月。推理の能力がある。
世界観   :大正ロマン風のムードの作品世界。女性向けの作品世界。伯爵を含めた男女バディものとしての期待になりそう。
異変・事件 :帝都機密秘匿警察に協力をすること。
問題・課題 :この心中未遂事件についての事件の真相を追っていくこと。
決意・覚悟 :能動的な探偵としての活躍をする
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ミステリー的な楽しみ方です。伯爵とか、イケメンが並ぶので、美しい世界観を期待する要素も高い作品です。

 当初は安楽椅子探偵なのかな。と期待していました。タイトルも『紅茶館の女給は探偵のまねごとを』とあるので、場所の物語としての性質があるものと勝手にミスリードしていました。

 場所の物語というのは「人にフォーカス」するのではなくて「物語の場所にフォーカスする」作品です。

 てっきり最初は「紅茶館に持ち込まれる難事件」を知りたがりのミツキが、もりもり謎を解いていくといったような「安楽椅子探偵」のような構成の作品だと思いこんでいたからです。

 作中でも提示される「紅茶」のシーンなども、印象的な例示が多いので、謎解きや、キャラクター達の比喩にも絡むのだろうと考えています。この部分からも「紅茶館」が舞台の主となる場所であり、すべてここで展開されるもの。と思っていたら「事件の現場行くんや!」という驚きも多少ある作品でした。

 しかし、物語の「展開」に対しての期待値が裏切られたか? というと、そこまでのものではないのですが。ちょっとした修正は求められたように思います。

 女性向け作品の文脈の中での特徴だとは思うんですが。

「侮られている女性」が「活躍をする」という部分は、一つのカタルシスに該当する要素はあるとおもいます。まねごと。という言葉が「謙遜」であったり「男性たち」の侮りを誘発するというのは、構成としての狙いのようにも感じました。

 感想は以上です。

 次の通り、おかわりの感想依頼を受け付けたので次の通り回答します。

こんばんは。4-20「紅茶館の女給は~(省略)」の作者です。 スペースでの感想&noteの感想を有難うございました!!もし余裕があれば感想のおかわりをお願いしたく思います。

依頼文より

 余裕を作ってきました。智子です。100作の通読スペースを終えた智子は妙なテンションです。諸々の他の原稿のためにも、木曜日(9/26)と金曜日(9/27)は予定をあけてきました。勉強になる時間でした。勢いのままにお代わり感想御用意していきます。

感想で述べられていたタイあらによるイメージと本文のギャップの程度に関して深堀してお聞きしたく、

依頼文より

 ああ。ここ。気になりますかぁ。うーん。これは人それぞれだとは思うので。あまりご参考にはなりづらいかも。とは思っていますが。言及してみましょうかね。

 御作の作品については舞台装置(紅茶館)自体が「ミステリーとしてジャンル分け」部分から整理すると、広がりがあり、期待できる要素が大きかった。というのはあります。

 事件を持ち込んでくる。という部分から「安楽椅子探偵」としてのジャンルを期待できるタイトルあらすじでした。

安楽椅子探偵(あんらくいすたんてい、アームチェア・ディテクティブ、Armchair Detective)とは、ミステリ用語。現場に赴くなどして自ら能動的に情報を収集することはせずに、室内にいたままで、来訪者や新聞記事などから与えられた情報のみを頼りに事件を推理する探偵、あるいはそのような趣旨の作品を指す。狭義では、その語の通り、安楽椅子に腰をおろしたままで事件の謎を解く者を指すが、実際にはもっと広く曖昧な範囲を含む。

Wikipediaより

 さらには「謎解きをする人物が探偵ではない」という要素も含めると「コージーミステリー」の系譜も期待できそうでした。

探偵役が警察官私立探偵などの職業的捜査官ではなく素人であること
小さなコミュニティ、あるいは人里から離れた場所が舞台となっていること
直接的な暴力表現、性的表現を極力排除していること
などが特徴としてあげられる[1]。そのほかに、探偵役は高等教育を受けた女性、おせっかいで博識な人物や警察関連の仕事に従事している人物が身近にいる、事件の被害者は悪事を働いていた人物、といった傾向があるとされる[2]

特徴

 色々な要素も相まって、作品に対して「安楽椅子探偵ないしコージーミステリー」の期待。を持っていた部分があります。

 死体の話題が出てくるわけですから。コージー・ミステリーとしての期待感は消し飛ばすべきだったんでしょうが。智子自体がミステリーにさほど詳しくはないので、あらぬ方向の期待感のまま読んでいた。という所はあります。

「安楽椅子探偵」の作品として、類題を何作か上げてみます。智子が読んだことがあるのはここらへんだったりします。

 漫画の方ですね。私は実家に全巻あります。Wikipediaに類題としてあったので、引用します。

 現在は改題して、シリーズで78冊目ともなる作品です。

 確かに案内を見てみれば「なるほど。安楽椅子だな」という部分です。困っている人がいたら、ほっとけない。というお節介焼きのヒロインが事件を持ち込んで、主人公のヒーローが「部屋から出ずに、ヒロインが集めた情報をもとに推理を展開していく」という要素が「ナラティブ」な作品でした。

 もちろん、部屋から出ることもあるんですよ。ヒロインとは別働隊で動き、窮地に飛び出してくれる。といったヒーロー的なシーン等も魅力としてあります。このシリーズが智子は大好きなんです。

 ライトノベルで話題とするならば。ちょっと古いんですけど。
 神様のメモ帳でしょうか。

 確かアニメ化もされてましたね。


公式サイトより引用

 ニート探偵といってはいるんですが。アリス自体が「絶対に部屋から出ない!」という決意を示す作品であり、彼女が「部屋から出られない」という制限自体が「安楽椅子探偵」としてのジャンルにのっかった作品でした。

 彼女にも「部屋を出ることができるようになる」という、引きこもりとしての課題を与えるなど。成長としての要素も持たせるなど、青春ものとしての期待感もありました。

 私が今、思いつく「安楽椅子探偵」といえば、この経験値から「ある程度偏向」した期待感が存在していた。という部分はあります。

 もしも、タイトルとあらすじで示す「ミスリード」を厭うならば「安楽椅子探偵」に誤読される要素を排除する。とかで十分対応可能かとは思います。

 ギャップについて気にしていらっしゃるとのことなのですが。

「もう、安楽椅子じゃないなら読まない!」

 とかまで、言い出すレベルの厳密なミステリー読みの方じゃない限り「ミステリーだし」と読むとは思います。

 このギャップが「ミステリージャンル内の細分化された要素」程度であれば、心配しなくていいんじゃないかな。とは思っています。

 根本からメインジャンルが変わってるわけじゃないので、心配は必要ないと考えます。

 またさらに余裕があれば、展開や物語のヒキの面でよかった部分と気になった部分について(情報量の過不足など)お訊ねしたいです。お時間あれば何卒宜しくお願い致します……!!

依頼文より

 余裕は作るもんですからね。智子は余裕を作ってきましたよ。

 感想では言及したかおぼえていないんですけど。ある程度「お約束」ともなるような作品上の描写を含ませているのは、期待感としてありますよね。

 先ほど紹介した。『Q.E.D. 証明終了』は基本は安楽椅子探偵の要素としてみることができる作品なんですけど。ヒロインが「あれこれ集めまくった情報」をもとに、ヒーローが「謎が解けた」ということを、表明する時に必ず。『Q.E.D.』と明記するのです。この文言が出たあとは、次のページで展開されるのは「謎解き」のシーンである。という「お約束」なんですね。

 金田一少年の事件簿とかだったら。あれじゃないですか。

「じっちゃんの名にかけて」

 とか? 金田一少年はあまり読んだことがないので、分からんですが。

 推理を披露するとき。とか、何かのターンのように、情報を提示していくときなどのように。

「読者に対して、今から思索の時間だよ」といったように、ビジュアルでわかりやすく提示している書き方は「ミステリーっぽさがあっていいなぁ」と思っていました。

 彼のお目当ては紅茶――ではなく、その紅茶を淹れる女給との会話。さらりと着物にエプロンを着こなす彼女・美月と『砂時計が落ちるまで』の間、街にありふれた事件のさわりを伝えれば。その真相について、彼女は自分の考えを話してくれるのだ。

あらすじより

「美月ちゃん、砂時計が落ちきるまでよ。良いわね?」
「ふふ。有難うございます、館主あるじさま」
(こうして心配性な方ですから、ご迷惑はおかけしないようにしなければ)

本文より

 砂時計の落ちる間に。という視覚的にわかりやすい表現で、ミステリーとしての「ターン制バトル」のようなルール(謎解きの材料、謎解きの時間など)をビジュアルで示しているのはいい方法だと思います。

 しかし。これは「前段」の「安楽椅子探偵」としての期待感にもつながる部分ではあるんですが。

 この砂時計がルールであるとするならば、砂時計が存在しない場所で彼女は「雇用主の意を汲んで、謎解きをしない」という考えがあるように読者は推測していました。

 これはルールだと思っていたので、現場に行く。という部分が「提示されたルールにそぐわない」と感じた所もあります。

 言葉を意に介すことなく礼治は踵を返す。それを追うように紅茶館から二人が出たところで、砂時計の最後の一粒が落ち切った音がした。

本文末尾

 ここもそうなんですよね。主人公が「謎解きのルール」から逸脱したように見えた描写も、読後感や「持っていた先入観との乖離」に悪さ(智子にとって)したように感じた一文でした。

 もしも、砂時計が。謎解きの合図であるとか。ならば、砂時計持ち歩いちゃうとか。外の現場検証の際にも「紅茶淹れるん?」とかの部分でどうしても気になる点はありました。

 情報量の過不足について。

 実はこの点はよく分からんです。ミステリー×イケメン(女性向けのスパダリヒーロー)との絡み自体を「作品上の魅力」と据えているのは明らかなので、あんまり「謎解き」にかかる部分の情報をさほど興味を持っていない読者であるので、ここはすんません。分からんです。

 一通り、おかわり感想依頼をご対応しましたが。どうでしょうか。

 実際のところ、大事なのって「感想のサンプルを目一杯集める」ことなので、まだ感想依頼を受けてる方とかいらっしゃれば、もりもりお願いしてみるのもいいんじゃないでしょうか。

 多分、私が「安楽椅子探偵もの」のミステリーばかり摂取してきた。というのも、誘導の遠因の気もします。案外、皆気にしない情報量の可能性もあります。

 感想は以上です。




4-21 女よ殴って世界を掴め

タイトル感想

 これはわかりましたよ。女子プロボクサーの話に間違いありません。試合のあとには夫の名前を叫ぶ感じだと思っています。

タイトルから予想するターゲット

 拳闘ものしか浮かばない。ボクシングに興味ある人への訴求だと思ってしまった。

タイトルあらすじ感想

 ほらほら。やっぱり、ボクシングだった。タイトルいいですね。ちゃんとあらすじとマッチしていた。読者の期待に応えた誘導です。
 主人公が「フェミニンな扱いを嫌う」という部分を「ボクシング」という競技になにかしらの転化をする。という構成です。
 
 変化する主人公。というのを明確に示せたあらすじであるので、その期待を本文で満たして欲しいと思います。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 女性向けでしょう。あとは、スポ根的なものを好む読者層にも訴求できそうです。主人公の不満の書き方やアプローチの仕方次第で、女性たちの共感をもぎ取っていくことができると思うので、ちょっと注目したい作品です。

本文感想

主人公   :アキラ
主人公の能力:ボクサー
世界観   :ローファン(現実世界のトランスジェンダーや性別移行に関する実態や運用とは離れている故に)
異変・事件 :ダークメンター(悪い誘いをする先輩)による「トランス女性」へのボクサーとしての転向
問題・課題 :トランス女性に対しての「差別的な言動」が課題ともなるか。内的な課題にフォーカスするならば「アキラ」が認識している「男性らしさ」への認知を認識すること。
決意・覚悟 :女子ボクシングのチャンピオンベルトを通して「男らしさ」を体現する。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):アキラが抱えている「女性を殴り飛ばすこと。フィジカルで虐げること。によって、性的な興奮をおぼえる」というある種の「加虐趣味(サディスティック)」な認知との向き合いや、外部からの批判との戦い等を作品として期待するものです。

 文章が達者であること。故に、大なり小なりの矛盾があろうとも「読み進めてしまう」位には読める作品です。むしろ、整っているからこそ「主人公が何を抱えていた」のか「何と向き合っていこうとしているのか」といった部分で「アキラが見出した男らしさ」と「性的な快感」との認知に向き合うことが作品上の主流のテーマになりそうだ。とは読み取りました。内容は明確なので、作品の今後のムードや展開への一応の方向性が見えるようには書かれています。
 
 しかし。感想のスペースでも触れてはいるんですが。「トランスジェンダー」の部分が「ファンタジー」に成ってるので、そこの部分で没入感を失う読者も一定数居るだろうとは思います。
 単著とか書籍とか。編集や校正が絡むと「修正」を求められるかも知れません。なので、もしも、この作品で何かしらの公募等を考えているならば。いくらかトランスジェンダーに関する部分は整理していくことが求められるかもしれません。
「いやいや。こいつはファンタジーですけん!」
 と押し込めるなら、このままでも十分良いとは思います。

 日本のトランスジェンダーの問題と。外国(キリスト教圏)のトランスジェンダーの問題は宗教観の違いからして、問題の性質がちょっと違ったりもします。
 このテーマで一本書こうとするならば、周辺情報として、関連書籍を漁ってみるのもいいかと思います。
 
 感想は以上です。

4-22 魔導書に名前を付けようとしたら全力で拒否られた件について

タイトル感想

 魔導書とあるので、ファンタジー世界でしょう。名前をつける習慣自体がなにか。物語の展開としての意味合いがあるのだと思います。

タイトルから予想するターゲット

 ファンタジーを好む人達の物語ではないでしょうか。なろうテンプレ的な要素をタイトルでは示していないので、独自性のある世界観やルールを提示するタイプの作品かもしれません。

タイトルあらすじ感想

 ローファンかよ!
 勝手にハイファンのイメージもってました。
 
 まだ、この情報量じゃジャンルが見えてこないですね。拒否をされて、どんな展開があるのか。本文を待ちたい情報量です。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 エンタメ作品を嗜好する読者ターゲットだとは思います。方向性がまだ見えてこないので、本文のムードやテーマ次第でしょうか。

本文感想

主人公   :俺・中湖晴人
主人公の能力:魔導士としての素質がある
世界観   :ローファンタジー(現代日本)
異変・事件 :命名を断られること
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):独自世界観のある「魔導士」という「世襲制の仕事」があるようであり、その継承のシーンを「ホットスタート」形式に切り抜いた書き出しです。しかしながら、主人公の現況を表すセットアップにとどまっているので、今後何を魅力として、提示しているのか。はまだ分からない情報量です。

 ナラティブに書いてあるとおり。まだ分からない情報量です。しかし、この作品のようにセットアップや、主人公の現況や、魅力的な「ファンタジー」としての要素を展開すること自体を作品の書き出しとして、魅力として押し出している作品は少なくありません。
 タイトルにもなるような「魔導書に名前をつける」という行為に対して、どれほどの意味づけや象徴があるのか。はまだわかっていません。おそらく、作品の展開のなかで「バディ」とも期待される魔導書の化身の名付け自体が、大きなギミックとなっている作品だと予想しています。
 
 感想は以上です。


4-23 初恋と受験、どっちが大事なの?

タイトル感想

 ええ。仕事と家族。みたいな問いのテンションですね。気になる問いです。

タイトルから予想するターゲット

 初恋や受験とあるので。受験シーズンにあたる。中学生ないし高校生あたりでしょうかね。
 大人であれば、通った道くらいなので。多くの人は想像しやすいテーマかもですね。
 
 初恋は何度だってできますから!!

タイトルあらすじ感想

【この作品にあらすじはありません】

 あらすじないですねぇ。これは時間に追われたか。戦略か。
 
タイトルあらすじから予想するターゲット

【この作品にあらすじはありません】

本文感想

主人公   :下地
主人公の能力:受験を控えた高校生。身長にコンプレックスがある。
世界観   :現代日本。学生のラブロマンス。すでにくっついたあとの物語。
異変・事件 :不明(強いて言うならば、デートのお誘いについてなのでしょうが。まだ明確ではない)
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):受験シーズンであり、受験を前にしている主人公達の恋模様の話題。

 正直まだ。良く分からない作品です。イメージはつくんですが。受験を前にして、恋に現を抜かすなどけしからん! けしからんぞ! ラブコメ空間爆散ビーム!
 みたいな作品であることは分かるんです。分かるんですが、もっと不穏さとかでもあれば「スリル」が見え隠れするようには思うんですが。
 
 現状は「綺麗なラブロマンス」に見えています。
 
 ここでヒロインが「あたしは女将になるから。あなたは婿になるの。大学なんていかなくていいじゃない!」みたいな「主人公と意見が真っ向から対立する」というような話である可能性も十分にありえますよね。それを「さり気なく、彼が受験を落ちるように誘導する」とか。なにかそういう「破滅を誘引する女性像(ファム・ファタール)」としての力があるのかも。といういけない邪推が浮かびました。
 
 ストレートのラブロマンスであること。を魅力の担保としてそれを好む読者と「波乱のある物語」を求める読者とで、評価は分かれそうな作品です。
 
 感想は以上です。


4-24 【ハーレム系勇者のパーティーメンバー】なんて、こちらからお断りです!!

タイトル感想

 お断り。という文言から「女性キャラクター」がお断りを叩きつけてるんやろな。と思いました。となれば、女性主体の作品なんでしょうね。

タイトルから予想するターゲット

 男性向けハーレムの作品の舞台装置に反発する。という構成ではあるんですが。基本的には男性向け作品のターゲットなんじゃないか。とは思っています。

タイトルあらすじ感想

 おお。おお。ヒロイン視点の作品でしたね。勇者という文言から、ゲームライクなファンタジー作品の流れをくむものなんですね。あれってこと、は女性向け作品なのか。
 
タイトルあらすじから予想するターゲット

 男性向けの舞台装置で女性向けのラブロマンスを書く。という話なんですね。ラブロマンスの作品なんだとは思います。意欲作ですね。このテイストで票は集まるんでしょうかね。結果がすごく気になる作品ですよね。

本文感想

主人公   :私 ニーナ (一人称視点)
主人公の能力:王都に五名しかいない、A級冒険者
世界観   :冒険者ギルド等の話題があるので。RPGライクなファンタジー。
異変・事件 :ニーナがパーティを抜ける!
問題・課題 :ニーナは勇者の真意(勇者がニーナのことを大事に思っていること!)に気づけるか? ラブロマンスのすれ違い! 王道!
決意・覚悟 :不明(あらすじを見るに、勇者がどうにかしてパーティに引き戻そうと努力する)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):二人のラブロマンスを楽しむのです。お互いの「気持ち」を素直に明かすことができるか。二人の試練ですね。

 面白いです。好き。
 これで、感想を終えたとしたら。自分の身にならんので。どうして面白いのか。を考えてみます。
 
 ラブロマンスで「すれ違い」を描いていく時に「一人称視点」によるヒーローとヒロインの視点を交互にすることは「ラブロマンス」の作品の技術として浸透した方法です。
 
 一人称による制限のある部分から「お互いにどのような勘違いをしているのか?」という部分を、本文で読者に理解させたうえで「ええい。じれったい。はやくくっついておしまい!」と、もじもじした気分にさせてくれます。

 この基本的な技術を、正当に活用して、読者を誘導した作品です。上手でした。

 感想は以上です。

4-25 花薫の姫神

タイトル感想

 おそらくファンタジーですね。姫とか神とかでると。ハイファンのイメージがつきますね。

タイトルから予想するターゲット

 なろうライクのファンタジーを好む人達へのターゲットではないと思います。なろうライクなら、もうちょっとタイトルに情報を載せていくとは思います。いや、そうはいっても、違うタイプの作品もあったし。案外、違うかもです。

タイトルあらすじ感想

 おお。やはり、ハイファンタジーでしたね。キャラクター自体が「何か望みを持っている」という、やりたいことが明確なタイプです。その望みが「外に出る」というもの。
 
 実際、書き出しではあるので。外には出るんだけど。殺されはしないんでしょうね。長編につながるまた展開があるのか。本文を待ちたい作品です。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 タイトルでも予想していたとおり、ハイファンタジーを好む読者層の作品だと思います。

本文感想

主人公   :シシ 
主人公の能力:姫神として、人々に恐れられる力をもった少女であること。
世界観   :神代か古代の日本をイメージした言葉が並ぶので、和風ファンタジーとして作り込んでいる。
異変・事件 :不明
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明(あらすじには死を願うこと等が描かれている)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):古代和風ファンタジーが読みたい人。圧倒的な力をもったヒロインの精神的な「もろさ」等を読みたい等。二律背反的な主人公のギャップを楽しめそうな作品です。

 書き出し祭りの「面白そうな書き出し」を描こうという時に、ファースト10で整理していくことを始めていますが。このファースト10が埋まっていなかったとしても、面白くなる作品はもちろんあります。
 
 そして、その作品の一つが4-25であると思います。
 
 舞台装置とキャラが仕上がっているだけでも、リーダビリティは担保される作品だと感じました。
 キャラが仕上がっている。というのは「見た目とか。能力の話題」だけではなくて、彼女自身が「どんな環境にいて、どんな苦しみを持っているのか」というのを類推できる言葉や地の文の描写を撒いていること。
 そういう部分で、キャラクターが「仕上がっている」と表現しています。
 
 書き出し祭りの100作品目を飾るにふさわしい作品だったと思います。
 
 感想は以上です。

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