記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

第二十二回 書き出し祭り 第一会場 の感想

表題の通りです。

あいさつ

 こんにちは、智子です。暑い日だったり涼しい日が並んだりと、忙しい気温です。乱高下する気温に抵抗するには。抵抗力です。抵抗力を高めるためにヨーグルト等の発酵食品や、バナナの摂取を推奨されています。智子の家の冷蔵庫にはバナナがぎっしりです。
 黒ずみはじめたバナナの主張が激しくなってきました。
 皆さんいかがお過ごしですか。智子は元気です。


記事について

 書き出し祭りという企画に掲載されてる作品の感想をご用意しています。一〇〇人の書き手の方が集まって「匿名で物語の書き出しの面白さを競う」といった企画です。

 詳しい説明は主催者の「書き出し祭り事務局」様の概要を御覧ください。

扉絵について

 今回も月猫さんのサイトからです。いつもありがとうございます。


感想について

 智子は基本的に「エンタメ」を読んだり、書いたりしています。
 いつもならば。読んで、一通りの感想をご用意する。といった形でしていたんですが。今回もちょっとやり方を変えてみます。
 感想を配信します。
 というのも、音声による配信は「読み手の生の反応」が返ってくるコンテンツではあります。
 それが良いか悪いかはわからんですが。「意味が通りづらい文面であったり、読者がどこで詰まったのか」というのは、一応音声で残しておこうと思ったからです。
 さらには感想を残すために一通りは読むことになるわけですから、配信も含めてコンテンツとなるならば、書き出し祭りについての盛り上げに寄与するか。とも考えました。

 でも、スペースのログを聞く人ってのも、本人くらいしかなかろうとは思いますが。

 お試しってやつですな。

1:スペース機能で感想を配信します。

 なお、その配信時に感想の記事を残していく。という一挙の作業にしようと思っています。なので、一つの作品に対して残す感想や時間はおおよそ30分程度でしょうか。なので、長尺になるとは思いますし、退屈なものだとは思うのでログを残しておきます。

2:感想を書き終えたら、記事を公開します。

3:感想の依頼等があれば、感想を追記します。

 感想のおかわりシステムです。

『会場番号-付番 作品タイトル』

 を明記の上、感想依頼を投げてください。あれはどうなん? これはどうなん? みたいな、感じで質問等もあれば。感想が書きやすいですね。なにか疑問点等あれば含めて、感想依頼を投げてみてください。

感想作成のテンプレート

 感想を作成するにあたって、次の項目をチェックしながら書き出しの序盤を考えてみます。ジャンル等によって、埋め方は違いはあるんでしょうが。基本的に「エンタメ作品」の文脈ならば、これらを埋めたほうが面白くはなるよね。という考えからこの項目でみていきます。

主人公   :その作品の主人公はだれであるのか?
主人公の能力:主人公はどのような能力や特性をもって、課題に対応するのか?
世界観   :その作品のジャンルやムードを確定できる情報はあったか?
異変・事件 :物語が動き出すためのトラブルは確認できたか?
問題・課題 :異変や事件をきっかけとし、物語全体のテーマや。主人公が乗り越えるべき課題などは示されているか?
決意・覚悟 :上記の異変や事件に対して、主人公が決意や覚悟等を示せたか?
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):世界観とも類似する要素であるが。作品をどのように楽しむのか? それを読者に提示できたか?

主人公   :
主人公の能力:
世界観   :
異変・事件 :
問題・課題 :
決意・覚悟 :
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):

感想の構成について

 一部記事の内容が重複するのですが。先日公開した「タイトルあらすじ感想」も含めて、感想の中に並べていきます。

サイトURL


第二十二回 書き出し祭り 第一会場

感想一覧


1-01 東京因習村大学

タイトル感想

 強烈なタイトルきましたね。東京でありながら因習村。なに仰ってるんですか? さらには大学という言葉があります。全部が噛み合わない。こういう組み合わせで、読者の興味を強烈にもぎ取っていきましたね。

タイトルから予想するターゲット

 因習村という言葉から。私のイメージするところは、田舎に残る因習との対峙等の舞台装置を絡んだ。サスペンス的なものでしょうか。今はオカルトの方がイメージ強いかもです。しかし、東京と大学という文言が一筋縄ではいかない要素です。大学の話題でもあるのかもしれない。
 
 となれば、高等教育を受けた(大学の空気感やキャンパスライフ等を実態として受け取れる人々)方々であり、かつ因習村という「サスペンスやオカルト」としての期待を持つ読者層。

タイトルあらすじ感想

 予想していた通りの印象です。タイトルから与えた印象を崩さないあらすじは読者の期待値をそのまま「正常」に引っ張ってくれます。この期待値を外さない形で、本文が提示されると、場所のバフもあって非常に大きな注目を集めそうです。

 屋敷蛍と空路木憐博士の「バディ物」としての期待を持ちました。どうなんでしょうね。バディ物に詳しくはないので。片方のバディが「上位者」であるパターンって、馴染むものなんでしょうか。そこら辺は見えてこなかったです。
 
 あらすじから期待される「読みたい」と思わせるシーンは。

「因習村に介入」だったり、バディの活躍部分を「どのように読ませてくれるか?」というところが垣間見えたら、満足度が高そうです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 エンタメ小説の枠だとは思います。ディフォルメされた作品よりかは、エンタメ文芸寄りの読者ターゲットになりそうです。現実世界を舞台としているが。突飛なことはできない。硬派な作品イメージです。しかし、人名の命名規則からして特徴をもたせようという風潮もあります。
 魅力的(もしくは欠点だらけの)なヒーロー「空路木憐博士」の魅力で作品をひっぱりそうな印象です。読んでみたいですね。

本文感想

主人公   :屋敷蛍
主人公の能力:不明(双子の弟が存在する等の出生にかかる背景が重要)
世界観   :現代日本。
異変・事件 :山村研究室の解散(マッチポンプ)
問題・課題 :卒業をするために空路木研に協力する。その際に、自分の「因習村の過去」との対峙が求められる。
決意・覚悟 :卒業する
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):因習村等のジャンルを嗜好する読者達を意識している。当事者の視点から「因習村」というコンテンツに切り込んでいく。

 ターゲットが明確であること。概ね、タイトルあらすじで示していた期待値を満たした読後感だとは思いました。

 当初は博士の突飛な行動力とかで、実際に活躍するシーンなんかで作品のイメージや雛形が示されるものと思っていました。

 しかし、本文で見るに、舞台装置及び主人公のバックボーンにかかる描写の比重が高い印象でした。

 そうはいっても、この方法でも「博士」に興味をもった読者の期待値は十分に満たす位に、イメージはついた作品でした。

 物語には「動機」が必要であり、その危険な冒険に乗り込む理由です。今回の場合は、主人公の「屋敷」君が「学校を卒業したい!」という理由をもとに、自分の生い立ちにかかるものと向き合うことが求められます。

 本文の中で因習村要素として二つあります。

 それは「恵良逝一郎」という「双子」の因習が一つ。
 もう一つは「屋敷蛍」という「双子」の因習も一つ。

 この部分が主となる「屋敷君は卒業できるのか?」というセントラルクエスチョンとは別に、自分のバックボーンと向き合う事になっていく。という有機的につながる別のストーリー軸の提示もありました。

 因習を忌避する主人公。因習を好む(好むといっていいんでしょうかね? 非常に当事者意識を尊重する)博士。は対立的な組み合わせではありますが。卒業はせねばならない。という、一種のアカハラ(アカデミックハラスメント)めいた関係性のスリルも含めた作品でした。

 博士は因習村を作ろうとしている。主人公と博士の思想が利害等の対立含みで、展開していきそうです。

 感想は以上です。

1-02 伝説の偽聖女様

タイトル感想

 聖女という単語からして、ウェブ小説の女性向け作品のキャラクターだと思われます。ファンタジー作品であることを予想しました。

タイトルから予想するターゲット

 女性向け作品としての「聖女」に関する物語。タイトルにまで振るので、主としてのキャラクターだとは思います。女性向けでしょうかね。ローファンではなく、ハイファンタジー世界での「なろう的」な文脈のある聖女もの。でしょうか。偽物っていう部分がまだよくわからんですね。一筋縄では行きそうにないので、そのジャンルを読み慣れた人達への「変化球」的な遡及だと予想します。

タイトルあらすじ感想

 すごくいいあらすじです。主人公がどの環境にあって、どのような境遇に陥るのか。イベントの主要な点を示しています。それらは「追放ざまぁ」ものとしてのテンプレ的な動きではあるんですが。主人公が「物語上の決意」を示す。という所まで見せています。
 
 女性向けのなろうテンプレを書きたい。というのであれば、ターゲットに強く訴求できるいい情報量のあらすじでした。
 
 この作品の期待値からするならば、ターゲットの需要を満たすために「女性向けの作品」として、外すことなく本文を提示しつづけることが大事でしょう。タイトルとあらすじから外れない期待値があるので、本文が楽しみな作品です。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 女性向け作品です。「ざまぁ追放もの」という奴です。そういった作品群のターゲットは「類例作品を読んできている」など目の肥えた読者であると想像します。

本文感想

主人公   :ナターシャ
主人公の能力:薬学の研究
世界観   :なろう転生の世界観。聖女が男。視点は現地人でかつ。パワフルな女性像の作品。
異変・事件 :早乙女 朝日を匿う決断
問題・課題 :万能治癒薬の研究にかかる障壁等が主。
決意・覚悟 :命を落とすことのない世界のために、研究を続ける。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):パワフルな女性主人公が活躍しつづける作品である期待を持たせている。それのための伏線ともなる各界へのパイプを十分に有したキャラクターの情報も示した。

 面白い作品です。それはコメディとしてのムードや、パワフルに活躍を予感させてくれる女性キャラクターの像は、女性向け作品の「ターゲット」に刺さるものです。
 かつ、彼女が行動原理としている。物語上の目的も明らかにされていること。それを起点に様々な障壁があらわれることを予想できます。
 早乙女 朝日君の登場によって、「目的の実現」への足がかりとなることを予感します。
 更には「逃げ出した聖女」を匿うという部分から、皇太子とことを構える。という方向性の対立なども期待できました。
 しかしながら、読者への驚きを優先するために。朝日君の性別を秘匿するなど、の部分から。もしも、ラブロマンスとしての期待感を読者に与えたいのだとしたら。少々その「色気」に関する情報は薄いようにも感じました。
 恋愛感情を与えないタイプの男女バディものとして、構成をしているのであれば。心配することなく、このまま書き続けていく作品だと思います。

 もしも。朝日君の導入によって「ラブロマンス的要素」もサブテーマとして仕込みたいならば。どちらか片方が頬を染めておく(主人公側だったら トゥンク! みたいな感じ)。みたいなものも含めておくと、予感として期待できそうです。
 
 感想は以上です。

1-03 当て馬だと気づいた転生令嬢は原作通りに追放されたいのに溺愛されてます

タイトル感想

 説明的なタイトル。原作という言葉から「作中作」への転生を予想しました。溺愛という文言や。転生令嬢。という部分から、ラブロマンスを主体とした作品であることを期待しました。
 
 実は「当て馬」としての、作中作でのテンプレを智子は馴染みがないので、本当はもっと情報がありそうです。智子の「ジャンルへの馴染み」によるものです。
 
 多分、物語の「セントラルクエスチョン」になるであろう。「どうして追放されたいのか」という部分もフックになっていそうです。

タイトルから予想するターゲット

 バチバチに女性向けです。溺愛を嗜好する。という部分から、ヒーローからの強気の求愛を受け取るなど。ジャンルとしての期待があるでしょうか。

タイトルあらすじ感想

 一文目から勢いがありますね。エクスクラメーションマークがつくと、それだけで「コメディ」としてのムードが強くなった気がします。

 タイトルで示していた。「追放されたい理由」を適切にあらすじで説明しています。読者の欲しい情報でした。これらの目的を達成したいのに、ヒーローたちの求愛がなりやまない。ああ、困っちゃう。というラブロマンスです。
 
 ちゃんと作品の魅力や「楽しみ方」が十分に伝わるいいあらすじです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 女性向け作品。ヒーローが複数いるタイプの逆ハーとまでは言わないですが。ラブロマンスを嗜好する読者層への遡及でしょうか。
 しかし、ムードが特徴的なのは「コメディ」的な要素も期待できそうなあらすじでした。

本文感想

主人公   :シルヴィ
主人公の能力:漢方を主体とした薬学の知識興味。
世界観   :作中作のなろう系。女性向け作品。
異変・事件 :ディアト・ガイヤール(アニエスへの当て馬役)からのデートのお誘い
問題・課題 :本編の筋通りに、イベントを進行させる。
決意・覚悟 :ランダルス修道院への追放を目指す
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):一般的な作中作転生としての「ストーリーの筋を知っている」という強みを活かしながら、物語に介入していくこと。

 基本的に求められるであろう「作中作転生」に関しての情報を書いて、舞台装置の構築を意識した作品のように思います。
 
 物語上の障壁として「溺愛される」ことが「ランダルス修道院」へのルートから外れる危険性等が具体的に見えるか。というと、ちょっとイメージがし辛い情報量でした。
 
 というのも、ディアトに溺愛されるルートが発生したとして「ランダルス修道院」への追放のフラグを消し飛ばす(なにか問題起こしゃ修道院送りっしょ? ヤッパ持ってカチコミかけりゃいいんすよ!)ようには見えてこなかったためでしょうか。
 
 邪推や。予想程度ではあるんですが。
 
 作中に「婚約者候補」という文言があることからも、ルードルフというヒーローとディアトというヒーローを交えた三角関係を予感させるもの。であれば、ランダルㇲ修道院への追放フラグをへし折る危険性はあるのかもしれない。と思いました。

 感想は以上です。

1-04 ゾンビを食べよう!

タイトル感想

 わからん! ゾンビを捕食したい。という需要があるかわからんですが。ゾンビものってあれですよね。パンデミックのイメージではあったんですが。パンデミックでゾンビ捕食する。みたいな作品でしょうか。

タイトルから予想するターゲット

 わからん。わからんですが。パンデミックものなどへの受容体をもっている読者であるかと思います。

タイトルあらすじ感想

 わからんですな。文体や記号の使用などから。エンタメ的な作品であることはイメージしやすそうです。どういう作品になるんでしょうね。ゾンビという部分から「現代を舞台にしたローファンタジー」の可能性も十分にありますし。ゾンビが存在する「異世界」ということでハイファンタジーにもなります。
 どっちにしても「ゾンビの肉を精肉する」という部分が、作品の肝となる要素です。
 
 まだ、作品のジャンルや方向性が見えてこない領域でした。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 エンタメ作品を嗜好する方は気になって触るんじゃないでしょうか。文芸というよりかは、メディアミックス等を念頭において「コミカル」な作風を好む人達への訴求に近いかもしれません。

本文感想

主人公   :僕 神崎留音(一人称作品)
主人公の能力:不明
世界観   :ローファンタジーの世界観ないし、全く別世界の話題なのかもしれない。
異変・事件 :『新鮮なゾンビを食べたくないか?』というメッセージから。
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):特異な世界観を構築することに成功している。それらの舞台装置自体を好み、小学生達が巻き込まれるサスペンスへの期待があります。

 読み物としては面白いです。しかし、タイトルとあらすじから予想していた作品のムードとはずいぶん開きがあります。この部分で、読者がネックになる可能性は十分にある読後感だとは思いました。

 小学生の子どもたちがサスペンスに巻き込まれる。という部分から、キャラクターの成長を意識していくのが物語だとみるならば、小学生が主人公である。というのは期待できる要素ではあるんですが。
 
 作品の世界観自体が、ローファン的(怪獣とか恐竜っぽい名前)なので、カニバリズムの疑いがあるものという部分が「作品世界の中でのタブー感」がどの程度なのかが、掴み取れていない感じはあります。それに関しても、特段の描写がないまま引きとなってしまっています。
 
 続きを読みたい! という作品は、方向性がある程度示された作品であろうかと思います。現状はちょっとまだ、見えてこないようにも感じました。
 
 感想は以上です。

1-05 天使のためのエチュード

タイトル感想

 一読:わからん。わからんです。天使は分かるんですが。エチュードがわからん。

 エチュード調べました。

1 美術で、絵画・彫刻制作の準備のための下絵。習作。
2 音楽で、楽器の練習のために作られた楽曲。練習曲
3 演劇で、即興劇。場面設定だけで、台詞 (せりふ) や動作などを役者自身が考えながら行う劇。

 美術とか芸術関連の用語らしいです。

 三種類の意味があるようです。

タイトルから予想するターゲット

 一読:エチュードがわからんので、わからん。

 調べました。芸術関連の用語なので、そういった。芸能関連をテーマとした作品になりそうです。天使という文言から、天使の対象は女性のようにも推測できそうです。
 舞台は現代。文芸枠のターゲットを狙っている作品でしょうか。

タイトルあらすじ感想

 タイトルからは予想していなかった方向性でした。文芸枠よりかは「エンタメ」枠の作品でした。キャラクターの立て方が「智子好み」とする構成でした。

 主人公自身がなにかしらの不満を持っていて、それらの不満をどのように解消されるのか。という部分が「物語上の問い」として設置されました。非常にあらすじに苦心されたように思います。いいあらすじですね。

 惜しむところは「智子が音楽関連にまったく詳しくない」という部分があるので、専門的な用語がでたら「雰囲気楽しむわ」と、頭が空っぽになるかもしれません。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 主人公の不満や満たされなさの変化を期待できる存在として「指揮者の女の子」が登場しています。なので、異性愛的なバディとしての期待をもたせるとして、男性向けの作品像になりうると思っています。
 そこら辺の方向性や期待は、本文の中でどのような描写がされるか次第で、作品への期待度の舵取りは変わりそうです。
 
 年頃の男と女が並んだだけで、ラブロマンスを期待してしまうのが読者の傾向なので、それの描かれ方が気になる作品です。

本文感想

主人公   :俺 鍵山ケンジ(一人称)
主人公の能力:ピアノがお上手
世界観   :現代日本
異変・事件 :アカリというヒロインにオーケストラに誘われる
問題・課題 :難しい曲をやりたい! だけど、技術的に難しい。
決意・覚悟 :それのためにオーケストラに参加し、協力を決意する。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):音楽に関するライトノベルとか。サブカルのジャンルの一つの物語。

 読後感としては、勢いのあるものを読んだ感じがします。
 しかし、主となるキャラクターの鍵山ケンジ君についてですが。
 彼が抱えていた「100点満点の演奏」という課題に対して、書き出し全文で「課題を解決してしまう」という、見せ方、演出であるため読後感としては満足感があります。
 短編としての整理に近いものがあります。
 
 現状、ヒロインのアカリが「主人公を導くメンター」としての気質を見せているため。成長を示すキャラクターが「主人公」だけの印象にとどまっています。
 
 もしもこの作品が「続きがある」という期待感を高めるためには「アカリ」自身にも何かしらの『成長要素や課題』としての描写があれば「アカリ」も主人公なのだ。という印象の誘導を可能としたかも知れません。

 報酬が不明というのも、読後感に影響がありそうです。

 今回の場合は「ANGEL」という高難度の楽曲を「演奏した場合」に得られる報酬が明示されるならば「物語への動機づけ」としても補強できそうです。

 おそらくですが。予想というか推測というか。

 音楽に詳しくないタイプの読者であるから、及ばない心理や挙動があるのだとして見た時に。

 オーケストラをしている人達はだいたい「ドラゴンボールのサイヤ人」みたいな習性があるってことでしょうか。
「強い敵がいたら戦いたい!」
「難しい楽曲があったら、その楽曲をクリアしてみたい」
 というような、戦闘民族顔負けの挙動があるもの。それが標準装備という意味合いなのかなぁ。位に色々汲み取って読んでいました。

 感想は以上です。

1-06 ヨロイマとカシオ

タイトル感想

 わからん! 人名でしょうかね。検索しても仕方ないかも知らんので、検索しません。

タイトルから予想するターゲット

 人名か。どこかの企業を対象としたルポ風味の作品とかでしょうかね。タイトルから作品がイメージできないので、ターゲットは不明です。

タイトルあらすじ感想

 ああ。やっぱり人名なんですね。二人にフォーカスした作品のようです。ヨロイマとカシオの性別であったり、パーソナリティが全くみえてこないです。おそらく、意図的に情報を排除しているようにも予想します。
 
 排除すること自体をギミックとしているか。検討しないで「一人の人物」として眺めて欲しい。という意味なのかもしれません。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 あらすじの内容からみるに。ヒューマンドラマ的な物語を期待できそうです。ドラマとして考える時「外的な課題」と「内的な課題」としての両立がもっとも期待されるタイプの作品ではありそうですが。
 文芸的なネタに近いんじゃないかな。とは思う情報量でした。これで、バチバチのエンタメ作品だったら、それはそれで気になるところです。

本文感想

主人公   :カシオ
主人公の能力:小説家
世界観   :現代日本
異変・事件 :授賞式で、ヨロイマと出会ってしまい、嫉妬の芽を作ってしまう。
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :不明
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):文章自体は達者であるし、二人の関係性を叙述していくうえでの比喩を重ねる等も、効果を発揮している。

 読み物として。短編としてまとまっている印象の作品でした。もし、長編として展開するのであれば。このあと、獄中から話題が展開するなど。新しいセットアップから始まる書き出しなのかもしれない。と予想しています。
 ざっと、時制を戻してヨロイマという人物を幼い頃からフォーカスしていく作品だったとしても、不思議ではないようにも思います。
 
 ヨロイマというキャラクターが「美しく魅力ある男性」として描かれている。
 
 カシオという「女性」を「ゲーム内の表記」にも誘導をあわせて、お互いが男性であると錯誤するように書いていること。
 
 などから、読者への「驚き」とかの部分を文末で描写をしようとした。という作品かもしれません。であれば、あらすじの時点で「性別」がわかりづらい形で用意しているのも、それらの一つとして組んでいるのだと思いました。
 
 感想は以上です。

1-07 星ノ海ヨリ敵来タル!! 全種族全人類総動員大反抗作戦!!!!

タイトル感想

 絶対SFですよ。楽しそうじゃないですか。ビックリマーク多いとそれだけ勢いを感じますね。

タイトルから予想するターゲット

 SFジャンルを嗜好する読者層であろうかとおもいます。スペース・オペラになるのかな。いや、オペラじゃないですね。侵略されてるので、SFなのか。

タイトルあらすじ感想

 あああ。読んでて驚きました。ハイファンタジーでSFやってるんですね。タイトル読み直してみたら「全種族」とありましたね。てっきり智子は「地球」だと思っていました。タイトルが漢字が多くて、目が滑ったように思います。
 他の人も結構似たような読みしてるかも。タイトルで「熟読」したらハイファンタジーでのSFというのは分かるんですが。わからんかった。
 
 梗概としてのあらすじを提示した作品です。ハイファンタジーとSFって個人的に今きてます。ファンタジー世界への知悉や共有できる世界観を読者や視聴者達が増えている時代だからこそ、SFとの親和性は高い時代だと思っています。過去の書き出し祭りでも似たような提案の作品がありました。智子に深々と刺さっています。
 
 あらすじではまだ作品のムードが伝わらないので、本文で読者はふるいにかけられるかもしれません。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 SFってターゲットわかんないです。わかんないんですけど。ファンタジー作品を読み慣れている人達からすると、身近な舞台装置にはなっています。
 漫画原作とか。コミカライズ映えするタイプの作品のようにも思います。
 これは、新しい流行になるんじゃないかな。期待しています。

本文感想

主人公   :俺 シド(一人称)
主人公の能力:『星渡り』の末裔。鉄騎兵の操縦に卓越していること。
世界観   :ハイファンタジー世界の中で、宇宙とかSFが混じっている作品。男性向け作品としてのムードが存在しています。
異変・事件 :自由都市レーベンの消失
問題・課題 :不明(あらすじには、全種族を交えての共闘が予想される)
決意・覚悟 :不明(同上)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ハイファンタジー世界で、ロボットでバチバチに戦う! ヒロインが存在することから、男性向けのカタルシスも用意されていそうです。

 面白い作品だと思います。物語の危険度が高く設定されていることは印象強いです。さらには、あらすじで「梗概」としての情報量があるので、今後のログラインや、障壁も予想がつくことは続きを読みたくなる安定感がありました。
 本文で示されていた。「シド」が現地民にとって「妬みや嫉み」の対象となっていることも。物語のハードルやカタルシスを高める要因になっています。
「主人公達への高いハードルを示している」
「活躍する主人公たちのキャラクターやヒロイン」等も描いている。

 という部分から「対象読者」が読んだら「あらすじで期待される困難に立ち向かっていく」ということをイメージしながら、ページをめくっていける作品だと思います。
 
 感想は以上です。

1-08 お婆ちゃん先生の言う通り お山には狐も狸も鬼も巫女も魔法少女もいる(感想依頼あり)


タイトル感想

 智子のおねショタセンサーが反応したタイトルです。おばあちゃんはあれでしょ? のじゃロリでしょ? お願いします。
 狐や狸など。並ぶ言葉が「和風」テイストです。今、出版界隈は「和風」を推しているので、その時流に乗った作品になりそうです。そのセンサー、智子にもください。

タイトルから予想するターゲット

 狐や狸。鬼。巫女。魔法少女。という部分から、結構「読者層」が広いイメージですね。和風ものは「基本的に女性向け作品」としての期待が強い単語ではあるんですが。おばあちゃん先生。だとか「魔法少女」だとか。ある主、広いジャンルに転化できそうな単語も見受けられます。
 エンタメジャンル全般の読者への間口を広くしようとした意欲作かも知れません。

タイトルあらすじ感想

 全然違った。おばあちゃんのじゃロリじゃなかった。

 ほおおお。主人公男なんですね。いやいや。想像ですよ。全く根拠のない想像ですけど。
 主人公は「転性」TSものになるんかね。どうやって、女子校に入学するねん。とは思いましたが。読者への興味としてのそれなのかもですね。
 
 タイトルでも予想していたように。「舞台装置」としては「女性向け作品っぽさ」があります。
 故に、その舞台装置で。魔法でTS(主人公が魔法少女になる)みたいな。驚きを提案する作品でしょうか。
 
 もしも、そうならば。あらすじでも「百合先生」という名前も暗喩なのかなぁ。と思いました。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 内容だけ見れば。男性向け作品としてのそれには見えるんですが。まだギミックとして隠してる物がありそうなので、本文を読むことで「ターゲット」が変わりかねない作品のように思います。

本文感想

主人公   :田畑龍之進 
主人公の能力:抵抗力がある。素質がある。男性としての力を見込まれる。魔法少年(コスチュームは魔法少女)かわいい男の子になる。
世界観   :ローファンタジー
異変・事件 :「青いフリフリの魔法少女のコスチューム」事件。
問題・課題 :不明(巫女や鬼女等の他のキャラクター達の目的や動機がまだ不明であるため)
決意・覚悟 :不明(同上)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):粗野な振る舞いの目立つ少年が、めっちゃかわいい魔法少女のコスチュームを着用して戦う。

 少年が魔法少女になっちゃう話題といえば『悲鳴伝』シリーズの四国編でもありました。
 男の子が可愛い格好する。のは、一つの立派なジャンルです。しかも「やんちゃな子」が「魔法少女のコス」させられるんです。羞恥と責任の二つで葛藤して、なお、それでも魔法少女をする。
 といった部分を美味しいものとして、楽しむ人達がいます。私はその空気を感じた作品ですね。もっと、魔法少女になってからの主人公を見たかったどす。あと、恥ずかしがってるのも見たかったどす。

 感想は以上です。

 次の通り、感想依頼を受け付けたので追記していきます。

1-08 お婆ちゃん先生の言う通り お山には狐も狸も鬼も巫女も魔法少女もいる  やはりTSにすれば良かったかなと反省してる1-08の作者です。間に合いましたらおかわりお願いします。

依頼文より

 ええ。間に合いますよ。確認してみましょう。

 どういうお考えからTSが良かったか。というのはわかりかねますが。

 あれです。TSするのと。女性装の少年というのでは「ジャンルや期待」がまるっきり変わってくるので「TS」にしたら、問答無用で読者が食いつく。というものではないのは意識したほうが良いかも。

 こういう風な「構成とかキャラ」に関する部分まで踏み込むときは「下読み」の前に「作品上の狙いやターゲット層。何を魅力とするのか?」という部分を聞き取ってから、読み込んだりする。というのはご承知おきください。
 書き出し祭りはその仕様上、確認をせずに「タイトル、あらすじ、本文」の三点から得られる情報をもとに、あれこれ考えたりしています。

 見当違いの部分もあったとしても、甘い目でみてやってください。

 特にナラティブが弱い(ない)とのことでしたが、登場人物を絞り(狸を後回しにして)犯人(鬼女)にもう少し目的など語らせた方が良かったかなと思いますがいかがでしょうか?

依頼文より

 おお。スペースまで聞いていらっしゃるんですね。

ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):粗野な振る舞いの目立つ少年が、めっちゃかわいい魔法少女のコスチュームを着用して戦う。

記事より

 この部分についてを気にしてらっしゃるようですね。

 最初に結論を申し上げますが。

「気にしなくて良い領域。下手にいじると悪くなる」という感想です。

 これこそ、作品上の「設定したい魅力」の項目なので、ある程度決め打ちや推測で感想を整理していきます。

 まず、御作がこの作品で「魅力」として据えようとした設定はなにか?

 推測ですよ?

「たくさんのファンタジックなキャラクター達の登場」

 を読者に約束する魅力の一つとして「タイトル」からしてアピールにしている作品なんです。

 じゃあ、そのアピールを見たときに「読者は期待している」部分は決定的です。

 誰が狐か?
 誰が狸か?
 誰が鬼か?
 誰が巫女か?
 誰が魔法少女か?

 狐狸妖怪の類。そこに魔法少女という現代ファンタジーの要素を絡ませた作品テイストであること。御作はその作品を読みに来ている読者のために書かれた本文なのです。

 もしもですが。狸の部分を端折ってしまうと、それはそれで「タイトルとあらすじで興味をもった読者へのサービス」がなくなってしまうので、余りよろしい方法ではないと思います。

 ちなみに智子の中での「狸」のイメージは豊満でグラマラスな女性のイメージだったので、ビジュアルイメージにギャップの新鮮さを感じながら読んでいました。削るのは惜しい項目ですよ。

 御作に限らず「舞台装置や設定」に独自性を打ち出し、読者の興味や魅力を引きつけようとする作品があります。今回の書き出し祭りでも似たような狙いの作品は多くあります。御作もその一つです。

 もしも、現在の「本文」に関して手を加えるとするならば。タイトルのアピールの方法から変えていく。ことになります。

 実際のところ。

 現状の本文は「タイトルとあらすじに誠実」な本文の情報量ではあります。

 しかし、リーダビリティとして智子が重要視する部分としては。「主人公がどんな活躍をして、どんな報酬を得られるのか?」という部分が明確な作品の方が「方向性をもって予想しやすい」のはあります。

 御作で考えるならば。「鬼娘を追いかけて、クラスメイトを助ける」という「大きなアクション」のあるイベントの導入が本文のラストにつながっています。さらには、魔法少年としてのコスチュームチェンジも発生です。

「お前が魔法少女(少年)かい」

 というツッコミを心の中に持ちながら、読んでおりました。

 どのキャラクターがどの札なのか。という部分を満たす本文には成っています。なっているのですが。

「どんな活躍をしてくれるのか。どんな課題があるのか」

 という、アクションのある動きの展開ではないから。私が申し上げたような「ナラティブが弱い」と表現しているんですね。

 このあと、田畑君がどんな活躍をするんでしょうか。肉弾戦の魔法少女なのか。キラキラキュルンとしたフェミニンな能力なのか。
「どうやって」
 という部分がまだ見えてこないだけです。これというのは「二話目」以降で読めるだろうと読者としては判断できる領域です。

 作品中の一番の魅力や売りを最も早く、読者に「書き出しで表現」する。という要素で見るならば、御作の演出とか構成について、現状の方法に手を加えるのならば、抜本的に「タイトルとあらすじの情報」から整理していく必要があります。

 故に、この作品の本文はある程度「最適化」された演出である。という作品です。

 だけど、このあとですが。智子は「書き出し祭りの投票に関する記事」を用意するんですが。

 書き出し祭りの一番大事なところって「自分が好き! と思う構成やキャラを表現できたとき」の周囲の反応や、票の動向をチェックすることが大事です。

 自分の好きなもの。と皆が好きなもの。のギャップを捉えていく作業だとは思うので「御作の好きな演出や構成」の表現は成功していて、その要素で「リーダビリティ(続きを読みたい)」と思わせることができたか。という部分で、結果を待って、修正していく案件だとは思います。

 あんまり心配することはありません。あなたの作品は面白いですよ。というか、あんなに属性山盛りの作品や舞台装置が面白くないってことはないんですよ。だって、おばあちゃん先生が童女の狐ってだけで、ダボハゼのように食いつく人達たくさんいますよ。

 感想は以上です。







1-09 サモナーさんはなんか変

タイトル感想

 智子はわかってるんですよ。サモナーってあれですよね。召喚するみたいな。なんか、智子はゲームには詳しいんだ。
 なんか変。とあるので、サモナーさんを描写するキャラクターが存在しそうです。

タイトルから予想するターゲット

 サモナーという単語からも。ゲームライクな文脈の作品になりそうです。そういった「ゲームライク」なハイファンタジーを好む読者層のための作品だと思います。

タイトルあらすじ感想

 結構短めのあらすじです。キメラな外見。とあるので、読者にある程度の「共有できる情報」を求めるタイプの作品のようですね。キメラってあれですよね。合成獣っていうんですっけ。なんか、いろんな動物がくっついてる奴。
 そんな形で「召喚」するサモナーは「普通ではない」とのこと。
 主人公の周辺情報としての「羊飼い」の生業から、新たな物語としての展開を示唆しています。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 テンプレート的なジャンルの構成ができるわけではないですね。男性向け女性向け問わず、広く訴求するタイプの要素だとは思います。「旅立ち」などを「冒険的」なストーリーラインは基本的には「男性向け」としてのそれがあります。しかし、男性向けとしての「魅力的な報酬」などの提示はないので、どちらにでも舵を切れるタイプの物語になってそうです。
 
 本文を読まねばわからんでしょうかね。

本文感想

主人公   :不明(地の文ではこの人とある)
主人公の能力:サモナー。まわりからはキメラの兄さんと呼ばれている。
世界観   :ハイファンタジー世界観。ジョブの補正概念があるので、ゲームライクファンタジー世界を念頭においている。ダークファンタジーを意識している?
異変・事件 :不明(主人公が何か変化をする兆しとなる事件はない)
問題・課題 :不明(あらすじにも、アオリはあるのでなにかありそうです)
決意・覚悟 :不明(何を頑張るのか。あと少しで示される)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ダークファンタジーの世界観でゲームライクシステムだったりの「現代のファンタジー」をやろうとしている。パロディ等も含めて、ネットミームも期待できそう。

 感想としては。舞台装置自体に強い魅力を見出そうとしている作品。主人公の「この人」にかかるイベントや、それらにまつわるシーンを描いている。描写が諸々細かいイメージがある。それは「この人」がいる世界を「読者と同じ目線」で地の文に表現しようとしている。
 
 視点が「読み手」に近い形式。友達が話してくれるような文体。
 この語りの形式自体も、作品の魅力として構成している狙いがありそうです。

 この凄惨な世界を描写することを徹底している。というのであれば、逆説的にその世界に対して何かしらのアクションを起こす作品なのでしょうかね。今後の展開がまだ読めない情報量の作品でした。

 感想は以上です。

1-10 宵闇に茅蜩が囀らなければ

タイトル感想

 一読:智子は漢字に弱くもないが。強くもない。読めない。茅蜩が読めない!
 
 調べた:茅蜩(ひぐらし)おお。ひぐらしですか。うん? でも、囀るとありますよ。ひぐらしって子鳥でしたっけ?

 ひぐらしは鳥ではありません。

 とまあ、読めば分かるんですが。タイトルでもそうなんですけど。「合わない組み合わせ」をもたせることで、意味を与える。みたいなおしゃれな技があります。そのおしゃれなタイトルなのか。普通にミスなのか。わからんですね。

タイトルから予想するターゲット

 わからんです。エンタメ枠ではないタイトルのようにも見えました。ターゲットが見えないし、どの層に読んで欲しいのか。おそらくですが「茅蜩」が読める読者を求めてるかもしれません。
 
 あわせて、虫の鳴き声に対してアンマッチな「さえずり」を当てていることに疑問を持てる読者でしょうか。であれば、読書を精力的に行っている方々へのターゲットかもしれません。

タイトルあらすじ感想

 驚きのあらすじでしたね。どちらかというと、エンタメ寄せの作品でした。主人公に外的な課題をメタンコもりもりに負わせて、それと対峙するタイプの作品です。それらの、主人公の変化を促すのが「レンタルカノジョ」ってわけなんでしょうか。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 レンタルカノジョ。有名どころの作品で知った位です。あれはたしか、男性向け作品としてのそれだったので。タイトルからは「男性向け作品」としてのそれは汲み取れませんでしたね。
 男性向け作品なのかもです。

本文感想

主人公   :僕 矢島遥斗(一人称視点)
主人公の能力:不明
世界観   :現代日本
異変・事件 :レンタルカノジョの「姫川愛梨」さんとの出会いによって「質問される側」としてのスイッチがある。
問題・課題 :期限が設けられた付き合い。
決意・覚悟 :不明(あらすじを見るに、母親の真意を探るため?)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):期限のあるラブロマンスとか。セントラルクエスチョンとしては「主人公は希望を持ち直すことができるか?」という期待感を追うように、読んでいくことになります。

 前提条件としての「レンタルカノジョ」のシステムを知悉している。概要を知っている読者を前提とした作品のようには感じました。本文中では示されていない「動機」であったりが「あらすじ」で補完されている様子です。

 主人公に対してヒロインが能動的に質問を繰り出したりすること。等も、作中の「受動的なヒーロー」像をさらに助長してくれる組み合わせだったように思います。
 
 このムードを好んだ読者は、次のシーンでも「アグレッシブ」なヒロイン(余命宣告されてる)によって、主人公がどのように変化を促すのか。強い興味をもって読み進めるタイプの作品だと思います。

 男性向け作品のヒーローというのは基本的に「受動的」なキャラクターが多かったりしますよね。自分が動かなくても相手が動いてくれる。そして、物語の終盤で能動的なヒーローに転じる。といったような変化を持つキャラクターだったりします。

 この作品も「能動的なヒロイン」と「受動的なヒーロー」という盤石の構成で動き出すイメージでした。

 感想は以上です。


1-11 青の侵略者の懺悔

タイトル感想

 わからんですな。侵略者の懺悔とあるので。なにかしら、告白みたいなものがあるんでしょうか。

タイトルから予想するターゲット

 侵略とあるので。物騒なイメージですが。このタイトルだけでターゲットを確定できるようには感じ取れません。どうなるのかな。

タイトルあらすじ感想

 あらすじだけ見れば、ラブロマンスとしてのそれだと思ったんですが。世界連邦政府。という文言から、SFとか。ローファンタジーとしての舞台設定が期待できそうです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 ムードだけで言うならば。コメディ色の強い、女性向け作品でしょうか。私は「女性」なのかどうかも。ちょっとわからんので。女性なのかな。

 ラブロマンス的な後悔と「世界連邦政府」というギミックがどう絡んでいくのか。あらすじ段階では見えてこない領域なので、どういう楽しみ方をするのか。本文で開示されそうです。

本文感想

主人公   :私 雫 (一人称作品)
主人公の能力:不明
世界観   :コメディライン。未来の舞台。ラブロマンスの空気感。
異変・事件 :相月 凛の告白宣言による、ストレス。
問題・課題 :不正アクセスでしょっぴかれそうになる。(あらすじにも連行とありますね)
決意・覚悟 :不明(セントラルクエスチョンとの関連性がまだ見えてこない)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):一人称視点の女子高生。コミカルな表現で、読者との一体感(アイデンティフィケイション)を担保している。コミカルなラブロマンスを期待できています。

 あらすじにも「感嘆符」や「疑問符」の使用により、コメディな表現であることを期待していました。実際、本文もその期待を満たすムードでした。

 主人公のコンプレックスにかかる部分から「恋愛」に関するストレスの話題なども「エンタメ的」なラインを感じています。
 
 あまりにも、先の想像がつきづらい世界観です。どうなるんでしょうね。
 
 この先行きの不安感を消し飛ばす。構成としての安定感があります。
 
 というのも「セントラルクエスチョン」として置かれているであろう。
「雫は自身のコンプレックスを乗り越え、意中の人に告白をすることができるのか?」
 というラブロマンスとしての課題を明確に示しているので、その要素とSFの「世界連邦政府」の組み合わせに「興味」をもたせることに成功している作品です。
 
 セントラルクエスチョンがしっかりしていると、どんな組み合わせであったとしても「気にはなる」という作りでした。
 
 感想は以上です。

1-12 こちら警視庁異星人捜査課

タイトル感想

 お仕事もの。智子が今懊悩しているお仕事ものですね。捜査課とあるので、宇宙人SFを交えた警察もの。

タイトルから予想するターゲット

 MIBみたいな。宇宙人交えた作品をイメージしました。エンタメ作品を嗜好人達に向けた作品のように思います。結構男女問わず、受けるネタだと思います。

タイトルあらすじ感想

 おお。バディものですね。作品のテイストも十分伝わりました。タイトルから興味をもった人は続けて読む作品だとは思いました。
 
 気になる部分があるんですが。「語り手」の私(私達の世界の常識をもって、作品を語る存在)は本文でも存在するんでしょうか。
 
 それもギミックとして活用するのか。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 メンターとヒーローのバディを期待できます。ビバリーヒルズ・コップとかも。バディ物です。その空気感を楽しめる方々への訴求作品です。SFと組み合わせましたか。面白そうですね。

本文の感想

主人公   :若い刑事(山田という名字)
主人公の能力:不明(メンターに育てられるため)
世界観   :SF(ムードはギャグテイストかつお仕事もの)
異変・事件 :饕餮とあだなされるイグナスカ星人の事件
問題・課題 :政治的な要素から、検挙ができない。しかし、政治的な問題を超えて、事件解決に動く。
決意・覚悟 :? (不明。おそらく地の文を省略する形式の文体であるため、描くのが難しい)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ダジャレコミコミ。メンターによる「だまさん」による導きと、ひらめきによる物語の展開。

 短編として見るならば、物語上の起伏は整然としています。メンター(賢者ないし指導者)としての振る舞いを「だまさん」に認めるシーンが多々あり、その導きによって「主人公の山田」の「成長」によって、物語が展開していること。などから「物語の始まりから終わり」までを「外面的に」描くことに終始した作品でした。

 基本的に会話文で展開する作品であるため、内面の心情等を描くことができない文体であることは特徴的です。

笑うだまさんの頬を涙が流れて行った。

本文末尾より

 上記の描写部分から。文体としてのルールを徹底している。徹底しているけども、それが「短編」としての読後感にとどまったようにも感じます。

 続きが読みたくなる。という長編ないし中編などの部分からみると「続くんかね?」という。読後感としては不安感が残るラストでした。

 しかし、全体としてみるならば。メンターという「だまさん」の指導によって、熱血なイケメン刑事が「自身の犠牲とともに機転を働かせ、事件解決に寄与」する。というのは、物語の「犠牲的なヒーロー」としての力を発揮する成長要素の一つを感じ取ることができました。

 感想は以上です。

1-13 小雨、決行(感想依頼あり)

タイトル感想

 わからんですね。決行とあるので。何かしらの物語上のアクションを期待できる作品なのかもしれません。

タイトルから予想するターゲット

 わからんです。これで、わかったら。智子は天才ですよ。

タイトルあらすじ感想

 わからんですね。兄の死因をぼやかしているのはどういう意図か。重要な要素だとは思います。
 主人公が物語を通して「何と向き合うのか」という方向性はガッチリ見えているあらすじです。スクールカウンセラーの香が何者であるのか。そこはまだ見えてこないです。主人公を導く存在となるのか。破滅への誘引となるのか。
 作品のテイストがまだ見えてこないので、本文次第で印象は変わりそうです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 おそらくですが。「自殺」とか、希死念慮とかにかかる物語なのかなぁ。とは思いました。兄の死因から始まる「ヒューマンドラマ」としての期待が持てます。スクールカウンセラーと思いを共有していくという部分から「ラブロマンス」的な期待だったりを持ったりするんでしょうか。いやでも、タイトルがちょっと物騒ですからね。現時点ではよくわからんですね。

本文感想

主人公   :僕 リョウくん。
主人公の能力:不明
世界観   :現代日本。
異変・事件 :スクールカウンセラーとの出会い。
問題・課題 :スクールカウンセラーが主人公の「希死念慮」を阻もうとする。
決意・覚悟 :「小雨の日に兄の足跡を追体験」すると決意する。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):主人公が「希死念慮」(お兄さんを理解するため)を抱くが。それが阻まれること。主人公の願いが失敗することを期待する向きの作品です。主人公の視点のみの「制限のある文体」で作られているので「抜きの設定」の部分にも興味を持たせたがっている。

 作品のムードや方向性を確定させるための情報は十分に示された書き出しでした。
 
 死んだと明示されている兄について、考えや足跡を追っていこうとする。ということなんでしょうかね。
 
 最終的な行き着く先として「不穏な結末」にかかるものを提示しています。
 
 それらの不穏さをはねのけようと、周囲の大人たちがあれこれと気にかけているシーンが「僕」の視点から、描かれているようです。

 あらすじにも記載されていた「スクールカウンセラー」との関係性に期待や焦点をあてていた読者の方であれば、本文では「スクールカウンセラー」がどんな影響力を発揮するのかはまだ見えてこない段階だったので、少々の物足りなさはあったかも知れません。

 あらすじの書きぶりからすると。周囲の大人たちとは違う反応を示したスクールカウンセラーというようにも見えました。今後の動きとしては、それらを担保するイベントがつながるんでしょうか。

 姉が手配したスクールカウンセラーというのも、妙なつながりを感じるところですし。どうしたもんでしょうね。想像をしようにも「制限のある視点」故に、まだ語られない物が多い作品でした。

 感想は以上です。

 次の通り、感想のおかわり依頼がありました。

 あいあい。こんばんは。間に合いますよ。感想依頼の駆け込み寺。智子です。賑やかしですけん。よくきてくださいました。

 特別、感想のおかわりについて。質問等がないようなので、何かしらひねり出してみましょうかね。

 作品中の狙いとする要素だったり、それらに関しての効果であったりとか。考えてみたいと思います。

 御作の狙いとする部分が「制限のある視点」という部分は意識して、読者にも「主人公の一体感」を与えたいという考えもあるんじゃないかなぁ。と思っています。

 物語の構成として見たときの話なんですが。
 御作は日常の世界に特化した作品なんですよね。

 御作の「日常の世界」は、兄がいなくなってしまった世界。そして、家族がそれらに順応しつつあること。に不満を持っている。周囲の大人達も彼を心配している。

 リョウ君は2ヶ月前の「兄の死」から「兄がいない特別な世界」に物語が展開しています。そして、2ヶ月経った現在「兄がいない日常の世界」が描かれるのです。

 物語はいつだって「変化」に対するストレス等から生じていきます。いつか、その変化も「日常の世界」に集約されていくことになります。

 今回の場合は「その日常の集約」に不満を持っている。主人公が憤りを持っている。という所が「物語上の葛藤」となります。

 御作の「特別な世界」とはなにか? スクールカウンセラーの香との交流を通して、主人公の「暗い欲望」を防ぐことが可能か。という所がこの作品の「セントラルクエスチョン」ともなる部分です。

 こういう部分を含めて、読みとするのだろうと思ってます。

 しかし!!

 智子はねぇ。ちょっと「穿った読み手」だったりするので。この作品について「不穏さ」を感じています。

 まず。一人称視点であること、主人公は「制限のある視点者」であること。

 周囲の大人たちは「リョウくんになにかしらの異変が起きていること」に気づいています。

 しかし、彼の視点からは「家族との不和や衝突」とされるシーンは描かれていません。彼が不満に思っていることは書かれるのですが。それを「表立って」衝突することはありませんでした。彼の内省的な独白のみに「兄」の存在が示されています。

 地の文において、母親が「目玉焼きを五個作っている」という表現についてから、実在はしてたんだろう。とは思えるんですが。

 なにか、作為があるのだろうか。といろいろ穿った目で見ています。

 あれは六月の終わりごろの平日。なんの変哲もない火曜日。
 小雨が降っていた。
 その週末の新聞。普段は見ないお悔やみ欄は、八十代、七十代、そしてひとりだけ三十代だった。僕はそこを切り取って、机の引き出しに入れた。

本文より

・「喪中(兄の死のあと)に結婚式(八月挙式)あげるか?」

 結婚を理由に「兄は死」を選んだとか? 何かしらの要因として「リョウくんに家族は理由を伝えていない。伝えられない」とかでしょうか。

・兄の年齢について

 上記の引用でも「三十代」と明記しています。

 あれあれ? 他にも年齢を類推できる情報を与えている文章がありました。

「リョウくん。お姉さんを、わたしにください。必ず、幸せにする」

 義兄になった人は、とてもいい人だと思う。今後、僕が兄と呼ぶべき彼は。
 十四も年下の僕へ頭を下げたんだ。

本文より

 わざわざこれ書きますかね。という印象です。

 妹はやらんて言ってみようかなって言っていた。ちょっとだけ本気だったよね。知ってる。

本文より

 これは「亡くなった兄」の言葉です。ということは、家族構成としては「父、母、兄(第一子)姉(第二子)僕(第三子)」となりますね。

 智子のインセスト・タブー(禁断の愛)のセンサーがパツーン! と反応しましたよ! まだ、反応するのは早いですね。兄と姉できてたんでわ? だめですね。智子は村山由佳(インセスト・タブーばっかり書いてる作家さん!)の読みすぎです!

 駅前の店で何度もいっしょにラーメンを食べた。美味しかった。数Aがぜんぜんわからなくて、聞いたら「俺んときとぜんぜん内容違うなあ」て言って、いっしょに勉強し始めた。

本文より

 このイベント自体が「いつの時制」かは分からないんですが。数Aって言ったら、高校数学の序盤の範囲ですよね。となれば、僕は「高校生」なのだと類推します。さらには「数A」を一緒に勉強している兄。という情報が付与されました。

 さあ。ここで考えてみましょう!

 僕はまるでずっと昔からそうだったみたいに、十畳の部屋をひとりで使っている。(中略)
 本棚には付箋だらけの六法全書。きっと来年には情報が古くなる。それでも、きっとずっとそこに置いておかれるんだろう。今年の初夏の香りのままで。

本文より

 数Aの勉強を一緒にする30代のお兄さん。さらには部屋も同室だったとの情報開示です。六法全書があるということは「司法修習生を目指す司法浪人生」だったのかもしれません。司法書士を目指している可能性もありそうですが。とにかく何かしらの「法律」に関する勉強を繰り返していた方のようにお見受けします。

 あれは六月の終わりごろの平日。なんの変哲もない火曜日。

本文より

 司法試験って夏(7月)でしょ……なんか。お兄さんがどうして理由も言わずに。というのが、よぎる。

今年の夏休みの課題は僕ひとりでしたんだ。だからきっと間違っている。

本文より

 主人公の年齢を類推できる情報が少ないところですが。この一文は彼が高校二年生以上の学年であることを類推しました。一年生の時に数Aの話題がでたんでしょうね。

 この作品が「示そう」としている魅力って。二つの軸があるんでしょうね。

 一つ:主人公は「小雨の日に兄の跡を追う」という決意を示していて、それらの決意に対して「阻もう」とする「スクールカウンセラーの香」の活躍を期待する向き。

 二つ:兄はどうして死んだのか? という、兄が秘匿していた情報を暴こうとする主人公の動き。

 二つ目については「能動的な示し方」ではなくて「読者が気づくかどうか」というような情報の撒き方に徹底しています。

 感傷的な情報提示に見せかけつつも「高校生の弟と同室の三〇代の浪人生の兄」という情報が提示されています。
 ここで、姉の結婚相手が「14歳上」という書きぶりも「どういう意図」を持って書かれたのか。興味がわく領域だったりします。

 智子がこの作品にたいして「一番の不穏さ」を感じているのは次の部分です。

 そう言って僕の前へ差し出して見せた名札には、スクールカウンセラーって書いてあった。中澤香。平成初期の女優みたいな名前だと思った。週に二回くらい学校へ来て、生徒の悩みとかを聴く人の肩書き。

 なんでだよ。

 少し考えて、姉さんが挙動不審気味にそわそわしているのを見て、僕はちょっと笑った。いいよ。そう思うなら思えばいい。僕がおかしくなってしまったって。ぜんぜんおかしくなんかないのに。

本文より

 ここなんですよね。主人公が「おかしくなっている」と家族が心配しているとのことなんですが。どのような変調をきたしているのか。どうして、同居の両親が相談をしないのか。多くの疑問が沸き起こるシーンです。

 作品のムードや描き方において「主人公」と「同居の家族」が面と向かって「兄の死」について話題にしていないんですよね。ここの描写を見たときに「兄って本当に存在してるの?」とかそういうレベルで違和感を感じてしまいました。

 でも。母親や父親の「目玉焼き」や「新聞」の描写から「兄は実在してるだろう」位には修正できたんですが。

 おそらく、感傷的なムードを描くことに徹しているからこんな書きぶりになっているんでしょうかね。だとしたら、智子の「穿った目線」の結果なので、あんまり気にすることはないとは思うんですが。似たような読後感の方っていらっしゃらないんですかね。

 こればっかりは智子が気にしすぎな感じはしそうです。

 色々と鵜の目鷹の目で、作品をぞろっと眺めての感想ですが。
 まとめます。

 作品の狙いとして「兄がいない日常の世界」に対するストレスと。それを解消してくれる「スクールカウンセラー香」の登場によって、物語が変化することを「期待」して読みにきた。所はあるのですが。「兄がいない」という日常を「これでもか!」といった情報量で書き連ねています。タイトルとあらすじで興味を持っていた読者の「読みたいところ(香との対談)」というクリティカルな欲望は満たさない作品でした。

 じゃあ、どうしてこんなに「日常の描写が多いのか?」というと「兄の死にまつわる情報」も含めて「読者の興味」として整理しようとしているからこの情報量として描いたんじゃないかなぁ。と予想しています。

 しかし。感傷的に書くあまり「智子」のような不審の目で眺めてくる。厄介な奴もいたりします。私のように「警戒」しながら読んでいる読者なので「タイトルとあらすじで期待した通りの欲望(香との対談)まで、描いていないもの」について、ちょっと警戒しますよね。

 本当に「期待する読後感」にフィットしてくれるかな? という部分で、心配にはなった作品ではありました。

 個人的にはですが。特別「兄の存在や兄の死について曖昧にする」理由がないなら、そうそうに「智子のような読者」を取り込むためにも「兄の死による家族との衝突」という「セントラルクエスチョンの提示」に踏み切ったならば、智子の圧倒的支持のもと得票を得られた作品だと思います。

 特別、感想の指定。依頼がなかったので。作品の狙い等を考えてみました。

 感想は以上です。




1-14 偽アポリナリアの書

タイトル感想

 わからんです。なんだろう。ファンタジーのイメージです。

タイトルから予想するターゲット

 硬派なファンタジー作品を好む人達でしょうか。

タイトルあらすじ感想

 梗概としてのあらすじですね。おそらく作品本文はレオンが飛び込んで、一悶着というところまででしょうか。
 スチームパンクの世界観で、トラブルを持ち込んでくるオートマトンによって、物語が展開していく。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 スチームパンクを好む層。キャラクターの性別やビジュアルまでは見えてこない。相方が少年型のオートマトンというのもあって、男性向け女性向け問わず飲み込めるキャラクター像。
 
 あらすじがかっちりしているので、おそらく公募の作品として組まれているようにも思います
 
 であれば、「単著としてのある程度の書籍としての水準を満たした文体」を期待する読者ターゲットのような気がします。ちなみに智子は「物語さえ面白けりゃいい」という気分で、文章に当たる人間なので。そこら辺の判断はまったくできません。

本文感想

主人公   :ギルギ (おかっぱ頭の少女)
主人公の能力:錬金術師の弟子。
世界観   :架空の19世紀欧州。魔法のある世界観。
異変・事件 :レオンの登場
問題・課題 :不明(あらすじに記載があります)
決意・覚悟 :不明(同上)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):キャラクーの置かれている状況や、関係性というものをかなり丁寧に描きながら、ファンタジー世界を構築しようとしている。あらすじがしっかりしているので、それを追うように展開してくれる安心感はあります。

 智子の考える「書き出し」というと、アクションが展開されて、スピード感のある作品であること。が期待されるのですが、本作はそういった「イベントを起こす」ことを急いでる様子はありません。
 主人公のギルギの部屋の描写。養父の描写。など、オートマトンに絡む描写を重ねることで、レオンの登場時に「技術的に高い水準のオートマトン」に驚きを覚える。といった「溜め」の描写でもあるし、ギルギが育ってきた「日常の世界」の描写の側面を持たせています。
 空を見たことがない。という話題もあらすじのそれとリンクするので、作中「提示される報酬」としてのそれが明示されてもいます。
 読者への「与えようとしているカタルシス」等が明示的ではあるので、このスピード感でも「十分続きが気になる」といった安定感を感じました。

 感想は以上です。

 ご丁寧にありがとうございます。金糸雀風琴についての言及があるということは、スペースの録音をお聴きになられたんですね。こう。なんか。ちょっと恥ずかしいですね。

 実在するものなんですね。仰る分で調べてみました。仰る通り、見た目としてはオルゴールのような小ささですね。

 歌を忘れたカナリア。という言葉だったか。歌だったかは知ってたんですが。歌を覚えさせる。というとんでもない発想の楽器があることに驚きました。面白いことを知りました。ありがとうございます。

1-15 にゃんにゃんにゃんこの世界征服日記

タイトル感想

 猫でしょ。猫ですよ。

タイトルから予想するターゲット

 猫好きですよ。猫好き以外にいませんよ。世界征服という単語もあるので、ローファンタジーとしての世界観を好む読者層であるとは思います。

タイトルあらすじ感想

 わからん! にゃんこ喋るんか。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 ファンタジーを読む人達。かつ、動物ものとして選好する読者もターゲットになりそうです。
 
 一時期、下読みで「アニマルもの」を貪るように読んでいた時期があるので。懐かしいです。

本文感想

主人公   :吾輩 ミレニアム・アストリアル 
主人公の能力:猫に転生した元魔王さま。身体が未成熟であるため、まだ魔力を使いこなせていない。カワイイというコンテンツを魅力としようとしている。
世界観   :ローファンタジーの日本。異世界から現代日本への転生。
異変・事件 :蛍が魔法少女であることが判明する。
問題・課題 :ミレニアム・アストリアル(三毛猫転生)と魔法少女は陣営的に対立するもの。
決意・覚悟 :世界征服をする。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):コメディライン。愛らしさ。動物の視点。魔法少女等の様々な要素が期待できる書き出しでした。

 動物の愛らしさや。動物が何かしらの意思を持って介入する物語。というのは、いくらか見たことがあります。
 
 ありますが、ここまで色々ミックスされたものを見たことはないです。
 
 エンタメはやはり組み合わせではあるので、こういう組み合わせでも面白くできるのだな。と驚きながら読みました。
 
 本文の中で、新たな場面の展開が存在していることは強い印象があります。
 
 タイトルとあらすじの時点で読者は「猫がどうやって世界征服するのか?」という興味で本文を追っています。
 
 その中で「三毛猫はかつての魔王の転生した猫である」という情報が開示されます。
 
 さらにはその力を使いこなせていない。という情報がでれば「じゃあ、その力を使いこなすために物語が展開する」と予想したとこと。
 
 蛍ちゃんが「魔法少女である」という情報が飛び出してきます。
 
 最後には「魔王」を騙るキャラクターの登場ということで、更に引きを持たせています。
 
 拡大していく情報で「読者に予想をさせて、予想をずらしつつも、期待を裏切らない」という構成を繰り返し続けている。
 
 次のページを読む時は「魔王を騙る存在」など、さらに興味を釣り上げていく作品だと思います。
 
 感想は以上です。


1-16 転生モブ令嬢にシナリオ大改変されたせいでヒロインの私はハードモードになりました

タイトル感想

 転生とシナリオ大改変という言葉があるので。作中作の転生作品であることは想像できました。ハードモードになった「私」の物語であることも予想できます。

タイトルから予想するターゲット

 なろうの「作中作転生」としてのテンプレを好む読者層への訴求作品です。

タイトルあらすじ感想

 なろうテンプレである「作中作転生」としての舞台を整えたあらすじです。主人公の方向性(悪役令嬢への注目)からの不意打ち(モブ令嬢の妨害)という、アクションを示すものでした。
 
 主人公を常に苦境に追い込む。というのは創作の基本であり、その窮地をどのように回避していくのか。それを期待させるあらすじでした。問題を解決していく「プロセス」を楽しむのが特徴であるので、困難は大きければ大きいほど期待値は高まります。
 
 悪役令嬢の書かれ方も「手を組む」みたいな、引きで読者の興味をもたせよう。という作戦かも。本文で明らかになることでしょう。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 タイトルからも分かる通りの「女性向け作品」としてのテンプレをこのむ人達への訴求作品です。

本文感想

主人公   :マリナ
主人公の能力:作中作転生であるので、ルートの知識を持っている。
世界観   :作中作転生。
異変・事件 :モブキャラにルートを変えられている。
問題・課題 :絶縁宣言により、好奇の目にさらされる。
決意・覚悟 :不明(なにかしらの恋心や恋愛に関することに前向きという様子でもない)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):作中作転生を好む読者への訴求作品。ヒロインと悪役令嬢という「パワーのあるキャラクター」同士の展開が期待されるところを、モブキャラ(真意不明)で展開されている。この部分を「独自性」として提案していこうとしている。

 感想としては。タイトルに記載のある通りの本文にしようというのはわかりました。
 しかしながら、ヒロインが「何をしたいのか」という「方針」がまだ見えてこない段階で、舞台装置の説明にとどまっている印象でした。

 智子のように「悪役令嬢とか作中作転生」であるとかに詳しくない読者への誘導や補足もずいぶんあるように感じた描写です。

 今後の展開への方針。主人公の決意や決断。等にかかるイベントは次の話以降で触れていかれるようになるのかもしれません。

 タイトルあらすじの段階でもそうなんですが。悪役令嬢とバディでも組むんじゃないか。と思いながら、読んでいたので。そこの確認もとりたい作品です。あと、数話読んで「作品のナラティブ」までチェックしたいです。
 
 感想は以上です。

1-17 我儘姫は猫さまを拾ってから大変です!

タイトル感想

 猫ですね。猫が話題なのか。物語のアクションをタイトルにしたものです。猫を拾ってから物語が動くのでしょう。
 我儘姫とあるので「主人公にも課題」があるタイプの作品。我儘の漢字を開かない理由はなにかあるんでしょうかね。

タイトルから予想するターゲット

 わからんですよ。姫とあるので、ファンタジー作品を選好する方も興味を持てそうですが。姫という比喩自体は現代でも十分に使われる単語ではあるので。ちょっと、まだわからんです。だけど、タイトルの字面とかから。動物ものを愛好する人達には届くでしょうか。

タイトルあらすじ感想

 わからんですね。だけど、面白い情報ではあります。タイトルにもあるように「猫を拾った」という時点から物語は展開している様子です。猫を拾ってから、パワーバランスや優先度が変わってしまった。というのを表しているあらすじです。
 
 どのように変化したのか? 姫はなにを変わらざるを得ないのか。という読者の興味を「記号」で表現するという方法でした。面白い試みです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 わからんです。猫だから、アニマルものの選好ですかね。舞台もわからないので、ジャンル読みをしている読者はとっつきづらいかもしれませんね。

本文感想

主人公   :レティシア(七歳の幼……淑女)
主人公の能力:決断力
世界観   :貴族とうの話題があるので、ハイファンタジー世界。
異変・事件 :猫を拾う
問題・課題 :レティシアは我儘である。そして、それに自覚的でもある。
決意・覚悟 :不明(自覚的ではあるが、その行いを直そうとはしていない)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):猫の愛らしさを愛でる。堪能する(ついでに、お姫様が成長する。家族が仲良くなる。使用人と和合する。など)。

 主従が逆転しかねない位に描写への力(レティシアのバックボーンと猫のを愛でるシーン)が違うのを感じました。
 
 ナラティブにも書いたんですが。猫の可愛らしさ等を堪能するために、叙述の上でのひっかけなど。読者を楽しませようという向きが感じられます。
 
 タイトルあらすじでは「もっとコメディ」に振り切ったものを予想していたのですが。序盤は「雨」のシーンも相まって、予想以上に重々しいムードから始まり、タイトルのビックリマーク(感嘆符)から予想していた読者は驚いたかもしれません。智子は驚きながら読んでいました。
 
 しかし、最後まで読んだら、予想外の情報が飛び出てきて、これからの「レティシア」の生活の変貌ぶりを期待できる引きでした。

 猫喋るんか。喋る猫に翻弄されまくり何でしょうな。

 感想は以上です。


1-18 石油王に見初められまして

タイトル感想

 金持ちに見初められる。もうそれは、夢ですよ。私も金持ちに見初められて婿になりたい。石油女王いないですか? 無理ですか? 宗教的に無理ですか? 多様性でおせませんか?

タイトルから予想するターゲット

 スパダリパワーを感じるので。潜在的には女性向け作品のようには感じました。コメディ的なタッチにも見えました。

タイトルあらすじ感想

 いやいや。え? スケール変わりましたね。ロボットものじゃない。タイトルで「女性向けかな」と興味を持った女性読者達を振り切る勢いの舵取りです。
 
 効果あるだろうかねぇ。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 タイトルで「女性向け」と思わせておいて、急に「ロボットもの」という方向性に切り替えました。基本的にですが。女性向けとロボットってあんまりなじまないんですけど。書き方次第だとは思います。どういうテイストの作品になるんでしょうかね。スパダリパワーは残るんだろうか。
 まだ、ターゲットは迷子です。だけど、意欲作にも感じています。

本文感想

主人公   :私 雪丸風花(一人称)
主人公の能力:一般の方。海上自衛隊を志す女子高生。
世界観   :現代日本。ローファン。気風の良い女性の視点。コメディ。
異変・事件 :不明(主人公の方針や課題と向き合うきっかけとなるイベント。受動的なイベントであるので、影響がない場合も十分にあります)
問題・課題 :不明(同上)
決意・覚悟 :不明(同上)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):コメディです。女性の一人称視点であること。ミリタリーものとしての戦闘シーンを期待する人等も対象としていそうです。

 読み物としては、軽快で読みやすく面白みがある作品です。しかし、物語に「受動的に巻き込まれていく」様式の作品であるため。
 「読者が読み続ける興味や理由(雪丸風花の物語上の目的や課題など)」が設定されないまま、展開されていることは、対象読者(女性の一人称のコミカルな語り。ロボットものを嗜好する読者)以外を引っ張る構成上の強みがないようには思います。

 主人公が「物語の当事者である!」といったような主張が薄いように感じたので、こういった読後感になっている印象です。

 彼女が部下を率いて、銃器の号令をかける。という立場になるまでのプロセスを楽しむ作品ではあろうかと思います。彼女がどんな決意をもって、その立場に至るのか。といった部分の話題になるだろうところで、引きでした。

 展開が遅いと読者はじれったくもなるのですが。こうも早いとそれはそれで追いつくのも必死でした。

 語りとしての部分は軽妙であるので、続きがあるならばすいすいと読まされる作品ではあると思いました。

 感想は以上です。

1-19 悪魔

タイトル感想

 悪魔ですよ。悪魔的なやからが登場するんでしょう。

タイトルから予想するターゲット

 わからんです。どのジャンルにもなりそうなので。この単語で読者の選考は難しいでしょうね。

タイトルあらすじ感想

 梗概としてのそれでしょうか。だけど、情報としては「冒頭のシーンの要約」した内容にとどまりました。
 まだ、この時点では「ジャンル」が固まらないですね。
 
 悪魔という情報を追い求める学園ものなのか。
 
 悪魔とファンタジー的な対峙を果たす物語なのか。
 
 ムードがわからない情報量のあらすじでした。どっちに転がるんでしょうか。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 女性向け作品というほどのものではないんでしょうけど。共感性を得られる読者は女性となりそうです。悪魔というものが「どんなふうに対峙するのか」次第で、物語のテイストは変わりそうなので。現時点では判断が難しいかもしれません。

本文感想

主人公   :私 式見律(一人称作品)
主人公の能力:好奇心なのかも。
世界観   :ミステリーの世界観。
異変・事件 :水無月さんから手紙
問題・課題 :殺人事件と思われる現場に居合わせる。
決意・覚悟 :不明(主人公がその水無月さんからの依頼をどのように受け止めるか。まだ不明なため)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):多分、ミステリーとしての楽しみ方が期待できます。悪魔や天使という文言にどのようなメタファーが込められているのか。という読者への回答も期待されます。

 この作品のナラティブ(事件に巻き込まれるとか。無実の証明であるとか)としての、一番の見どころに関する情報が「書き出しの後半」で示されるため。タイトルとあらすじ時点で「ターゲットが見えてこない」かつ「どういう目線で序盤を読んでいく」のかを分からないまま読む時間が多い作品です。
 
 ミステリーなのだ。と、わかってしまえばもう一度読み直して整理するなどはあるんですが。ここが「ターゲットが不明。ナラティブも不明」という時間が長ければ長いほど、後手に回っている印象の作品でした。
 
 作品について予想ですが。
 
 寮長がこの物語においてのなにかしらのギミックを果たしているように思います。寮長の指示によって「30分」の遅刻が発生している。

 なにか関係あるでしょ。と邪推しております。

 感想は以上です。

1-20 没落令嬢と下僕で禁断のスローライフを(感想依頼あり)

タイトル感想

 なんか、だめ。えっちぃ。禁断っていうのが何をさすんでしょうかね。暴食とか? 主人公は二人いるのでしょう。令嬢と下僕。下僕ってきくと男性のイメージがありますよね。さらには禁断。なんかえっちぃかも。

タイトルから予想するターゲット

 どちらにもころべそうですね。禁断という単語が「エロティカ」の方なのか「他の要素」であるかでしょうか。令嬢が主人公というので、ファンタジー作品を嗜好する読者をターゲットにしていそうです。

タイトルあらすじ感想

 けっこう。ストレートな女性向け作品でしたね。没落令嬢。残務整理。事務処理にたけた女性ヒロイン。昨今に求められる女性向け作品としての構成をもたせたうえで「敵意をもつ下僕」との共同生活。どうして、敵意なのか。はたして、本当にそれは敵意なのかな? というふうに邪推する位にはラブロマンスの空気感がある作品でした。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 女性向けです。紛れもない。

 女性向け作品の中で「身分差による禁断の恋」としての要素を満たすうえで、没落した令嬢に「身分差」による縛りって存在するんかな。とは思いました。そこのディテールをどのように組んで、読者を世界観に巻き取っていくか。本文のムード次第でしょうか。

本文感想

主人公   :エミリア・バートン
主人公の能力:なろう女性向け三点セットとも言える。優秀な責任感のある女性像としての能力。
世界観   :異世界恋愛のムード。
異変・事件 :不明(あらすじに示される禁断の恋! にかかる要素はまだないため。あと数話で対比的に好印象をあたえるイベントが存在するのか?)
問題・課題 :エミリアがクロードにめっちゃ嫌われてる。
決意・覚悟 :新しく手に入れた新居で平穏な暮らしを実現するためには「男性」の下僕が必要である。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):ラブロマンス的な空気感を満たすためにも、二人の「敵対的(クロードからの一方的な敵意)なムード」を緩和し、どのように距離を詰めていくのか。が興味を持たれているシーンであろうかと思います。

 面白かったです。面白かったので、面白かった理由を考えていきます。
 
 どこに比重を置くのか。明確な作品ではあります。
 
 基本的に異世界恋愛のジャンルというのは「ファンタジーのラブロマンス」であり、どこに課題や障壁を置いているのか。というのは、作品ごとに「ディフォルメ」される要素が変わってきます。
 
 本作は「男女間のフィジカルの差」による、パワーバランスを念頭においたうえでの、キャラクターの配置が発生しています。
 
 女性を使用人として配置すること自体が「環境上の問題」が発生しかねない世界観であること。物語を通して、そのような危険と向き合っていくことを書き出しでアピールした作品です。
 
 異世界恋愛の物語の「対象読者」の「好む思想や展開」を整理していくと。一定程度「保守的」な思想を内包した読者層です。
 
 故に、スパダリが好きですし、それを約束する作品は好まれる傾向があります。
 
 クロードはその「フィジカル」の強さを発揮して、主人公エミリアを「守護する存在」としての期待を持たれることも「男性らしさ」の一つとして、受け入れられる作品だと思いました。
 
 現状、1から20まで読んでいたのですが。ラブロマンスをメインのテーマに据えている作品(サブで。というのは何作か見かけたのですが)は、本作だけのように捉えています。
 
 結構、女性向け作品の票を集めるんじゃないかな。と予想しています。
 
 感想としては以上です。

 画像の通り、おかわり依頼があったので、次の通り感想を追記していきます。

1-20「没落令嬢と下僕で禁断のスローライフを」の作者です。詳細な感想をありがとうございました。とても嬉しかったです。

依頼文より

 詳細な感想というか。初読時のぽんと思いつく話題だったり。書き手として読みながらの「エンタメ作品としての描写の意図」についての推測などです。楽しんでもらえたならよございました。

おかわり感想として、次話以降における注意点、このポイントは押さえるべき、読者はこういったことを期待している等のアドバイスがあればよろしくお願いします。

依頼文より

 おおう。なかなか、ハードルが高いことをおっしゃいますね。このおかわり感想依頼に答えるために、智子なりに色々と整理してみます。

・注意点について

 注意点というか。基本的に「読者が一話で期待したムードを覆さない」というのは大事だと思います。一話を読んで「続きを読もう!」と思った読者は「同じカタルシスを継続してくれること」を期待しています。

 この作品が用意しようとしている課題というのは。エンタメ作品としてディフォルメされた作品世界でありながらも「生々しい男女のフィジカルの差」を物語の起因にしています。

 それをぶち壊すような「男女のフィジカルの差を覆しかねない超常的な力」を導入したりすると、作品世界の前提条件を崩すことになりかねません。

 例えば、貞操の危機を考えずにいられるような「女騎士の登場」「努力の範疇で男性たちをなぎ倒せるようなフィジカル」等です。もしも、それを手に入れたならば「ヒーロー」をそばに侍らせる理由がなくなるからです。

 もちろん、物語の「ラブロマンス」の揺り戻しのために「ヒロインがフィジカルの差を帳消しにする力を手に入れて、ヒーローがそばにいる理由をなくす。なくすが、それでもなお、そばに居たい」という、お互いの感情の動機づけだったりするために「最後のイベント」として組むのは十分ありだとは思うんですが。序盤で一話で示した「前提条件」を覆すようなことは注意したほうがいいかもしれません。

・このポイントは押さえるべき。

 序盤で示した期待を満たしつづける。という面で見るならば、彼らに提示されている課題を、描写のはしばしに残したり、予示は意識しておくことでしょうか。

 私が御作の書き出しで掴んだ。作品への期待というのは。複数あります。

 ヒロインが「フィジカルの面」でヒーローを頼らざるを得ない。という役割分担です。
 物語上の「外的な課題」は基本的に「フィジカル」等を起因とするないし「ヴァイオレンス」な要素は孕んでいそうです。そして、それを解決するのも「ヒーロー」の役割であることは変わらない要素だと思っています。ここは「ナラティブ」に近いレベルで「作品のお約束」とまで期待できる要素に昇華されるものだと思っています。

 ヒロインは書き出しの冒頭で「愛人契約」を持ちかけてくる男性に張り手を見舞う位の剛の者です。いつか、その態度は「ヒーロー」の苦労を加速させるものであるのは容易に予想がつきます。そして、そのことを「ヒーロー」から咎められたり、二人の意見の衝突の原因にも成りかねません。物語を通して、ヒロインは「柔よく剛を制す」といったように、ヴァイオレンスな決断力以外の方法で、課題と向き合う力を得られる可能性を書き出し本文からは示されたように思います。そして、その「獲得した力」は次なる課題への布石となるのではないでしょうか。

 次なる布石というのは。ヒーローの抱えるバックボーンです。おそらく、ジプシー的な性質をもたせた「放浪の民」としての部分を生かした物語を期待しています。彼が被差別民としてのバックボーンを持ち合わせていて、ヒロインの護衛も兼ねるとなれば。地域住民との軋轢は簡単に予想されます。その軋轢に対して立ち向かう方法は「ヴァイオレンス」な力ではないでしょう。その時に「ヒロイン」と「ヒーロー」がどのように活躍し、地域の住民達ないし、今後出会うキャラクター達と関係を築いていくのか。その部分は注目したい領域です。

・読者はこういったことを期待しているについて

 多くは上記の点で触れたものですが。実は、気になっている要素はあります。

 女性向け作品における「スローライフ」というジャンルへの期待値が智子はまだ掴み取れていません。

 という部分から「女性向け作品でアピールされるスローライフ」というものを色々漁ってみました。

 多分ですが。掴んだとは思います。

 このスローライフというのはおそらくですが。序盤の書き出しで登場するものではなくて。作中のムード(のんびりした生活や権力との距離など)や舞台装置(人里離れた。田舎等)を約束するジャンル構成なのだと思っています。 

 その点で言うならば「スローライフ」の舞台となる「新しい引越し先」での生活環境等はまだ見えてきていません(あらすじにはあるんですけどね)。
 もしも、この作品が「転生」ものだったりするならば。生活環境の改善等を含めた「技術チート」によって、周囲の環境を改善したり、人々の生活を向上させるなどの「恩恵を与える存在」として描かれるのですが。今作の主人公は「異世界人のキャラクター」なんですよね。
 なので、あらすじにあった。

実家を処分した後、荒れ果てた家にたどり着いたエミリアは新生活をスタートさせるが、今までの道理が通じず、ないもの尽くしの毎日に戸惑うばかり。

あらすじより引用

 この部分の課題に対して、ヒーローとヒロインが両方二人三脚でやっていく。ないし、その足りないものの調達のために「地元住民」達との融和であったりとかも予想しています。

 現状は「スローライフ」ものとして見ると、舞台装置である館の情報が出ているだけです。

 スローライフに期待して、読みに来た読者のためにも2話ではそうそうに「住居にどんな問題があって、どのような解決方法を示そうとするのか?」という「スローライフ」としてのナラティブを確定するために急ぐ必要があるのではないか? と思っています。

6万字ほど書き溜めはしているのですが、この方向性でいいのかなあ…と迷いもあるので。亀の歩みじれじれ路線ではあります。

依頼文より

 おお。連載を視野にいれて書いているんですね。書き出し祭りは連載含みで高い効果を発揮できますから。ガリガリ書いて、スタートダッシュを図ってしまいましょう!

 その六万字については方針が見えてないので、上記の意見も「こんな意見があるんやな」位に思ってください。もっとこのジャンルに詳しい読者が書き出し祭りにはたくさん居るはずなので、感想依頼を受け付けてくれている方を見かけたら、もりもり感想依頼を投げてみましょう。スローライフに詳しいひと。スローライフを読みたがってる人達の需要が見えてくると思います。

 ジレジレについてですが。ラブロマンスはジレてこそだと思います。

 さらには、上記でも触れている。ヒーローの被差別の民としてのバックボーンを作品のムードが重くならない範囲で、書いていくのだとしたら。ジレジレのほうが都合いいんじゃないかなぁ。とは思います。だってね。もう、ジレジレじゃなかったら。ラブロマンスすぐに終わっちゃうから!
 スローライフ。という性質とジレジレは相性は良いとは思うんですけどね。このために「女性向けスローライフ」はいくらかあらすじとかキャッチコピーや本文を漁ってみましたが。「ラブロマンス」要素自体を薄くしていることを明記した作品も結構ありました。

 多分、ジレジレは問題ないとは思いますが。こればっかりは、詳しい読者達の反応を伺いながら。というところかと思います。

 感想は以上です。連載に向けてお励みください。

 お返事を頂戴したので、追記しておきます。


1-21 死にゆくものより、最期の復讐《テイコウ》を。

タイトル感想

 タイトルにルビふりってできましたっけ。どうだったか。と思って、調べました。できないっぽいですね。だけど、復讐に抵抗を指しているので、何かしらの暴力的なイメージがあります。

タイトルから予想するターゲット

 わからんです。異世界なのか。現代なのか。どちらとも取れる情報量ですよね。

タイトルあらすじ感想

 いじめに関するテーマの作品でしょうか。何をもって抵抗とするのか。そこら辺を本文で明かしてくれることでしょう。日記だから、二人称形式ですかね。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 いじめ問題に興味がある読者層でしょうか。漫画作品とかでも「いじめ問題」にフォーカスした作品は多いので、一定の需要があるテーマですよね。

本文感想

主人公   :自分 アカリ(仮名 一人称の文体。女性)
主人公の能力:不明
世界観   :現代日本。逃避行に関する物語。
異変・事件 :シンジからの誘い。
問題・課題 :不明
決意・覚悟 :楽しく死んでみよう。という決意。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):旅物語の導入としてのシーンであると予想しています。二人の達観した姿等が、どのように変化するのか。などを気にしながら読んでいくことになる。

 面白そうに見える。その理由は「先を予想させてくれる」程度には情報が撒かれていることは強い要素だと思います。
 
 おそらくですが「俺の日記」というものが、作中どこかでアカリに開示され、アカリに変化を促すなどの前向きな動きが見えてくる可能性も予想しました。
 
 シンジがメンターとして、アカリに対して何かしらの強い影響を与えてくれるのでしょうか。
 
 今後、死ぬ予定の男性であるため。何かしらの「イベント」への「足踏みする理由がない」キャラクターです。どれだけとんでもない事件でも何でも起こせるというのは、舞台装置としても強いと思いました。
 
 感想は以上です。

1-22 生贄令息が死んでしまいそうなので、私が死ぬことにしました

タイトル感想

 令息とあるので、ファンタジーでしょう。死ぬ云々とあります。生贄をしなせるわけにはいかない。ということで、代わりに死ぬということですね。世界観自体も大事な作品になりそうです。

タイトルから予想するターゲット

 令息云々とあるので、女性向け作品の文脈からの着想の作品に思います。

タイトルあらすじ感想

 おお。みじかい。夢を見ている? 状況の説明に終始するタイプの作品かもしれません。本文で世界観や舞台装置をどの程度飲み込ませることができるか。が大事になりそうです。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 やっぱり、女性向けでしょうかね。

本文感想

主人公   :私 リラ(一人称視点)
主人公の能力:癒やしの聖女とありますが。それとは別に「料理部」としての能力もありそうです。
世界観   :女性向け作品の「聖女もの」。犠牲的なヒーローの登場も示されたので「ラブロマンス」を期待できる構成。
異変・事件 :ヒーローの自己犠牲的な生贄の話を知る。
問題・課題 :不明(この次の話数の中で舞台となる世界が抱える課題を示されると予想)
決意・覚悟 :生贄の男性を死なせない。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):舞台装置は聖女ものであるので、生贄となるヒーローとのラブロマンスを基調としつつ「聖女」として求められる役割の開示など。一定のお約束を読んでいく期待感でしょう。

 主人公のリラが、物語への参入を「能動的に決意」するというシーンで物語の引きとなりました。
 これは、物語の全体的なログラインは見えていない段階ですが。ヒロインの行動方針を示す事ができた。というのは、リーダビリティに寄与する要素だったと思います。

 本文には今後の展開としての「ナイフ」と「バーナー」はとても気になる要素でした。もしかして、出張料理部やるんでしょうか。ヒロインが「異世界」でどのような強みをもって、活躍するのか。そのギミックの一つのようにも感じました。
 
 感想は以上です。

1-23 緋翼炎理のブレイブバード

タイトル感想

 なんかちょっとかっこよさげなタイトルじゃないですか。真っ赤な感じ。よく意味はわかんないっす。ブレイブって勇気って意味でしたっけ。羽。空を飛ぶ物語でしょうか。

タイトルから予想するターゲット

 いや。わからん。戦隊モノにも思えるし、工学等を駆使した「空飛ぶ物語」とも言われてもおかしくないです。
 だけど、多分ですが。勇気とか決意とかを含めるならば。男性向けのヒューマンドラマになるんじゃないでしょうか。

タイトルあらすじ感想

 おおおお。面白そうなあらすじですね。良いあらすじです。世界観も伝わるし、主人公(ヒロイン)がどのような課題に直面しているのか? そして、その課題を打破する人物との出会いですね。とてもいいです。
 これは読みてぇ。タイトルではぴんときてなかったんですが。あらすじには強い力があります。男の子はこういうのが好きなんだよ。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 明らかに男性向け作品です。女性から「少年」と呼ばれる。それは男性向け作品ですよ。男の夢満載。傷ついた女性をサポートする少年。もう、最高に男性向け。楽しみにしています。

本文感想

主人公   :グローリア
主人公の能力:落伍者の軍人。能力を失った軍人。
世界観   :ハイファンタジー世界。
異変・事件 :『自由意志』に敗れる!
問題・課題 :翼が半分なくなる。軍人として求められる水準の飛行能力を獲得していく努力。
決意・覚悟 :復帰を目指している!
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):グローリアの翼を取り戻す。飛行能力を取り戻し、彼女の自信も取り戻していく物語。

 面白かったです。タイトルとあらすじで予想していた期待を見事に満たしてくれた作品です。
 傷ついたキャラクターが「傷を回復し、また障壁に立ち向かう!」というストーリーラインは古典的ではあるし、使い古された「王道」ではあるんですが。こういうネタはみんな大好きなので、いくらでもこすり続けて、書き上げて欲しいです。智子は続きが読みたい作品です。

 この作品が「外的な課題」のみに終始した作品ではないだろう。というのも、感じられる描写がある作品でした。

 グローリアはどうして「人々からの称賛を得られる軍人でいたかったのか?」
 少年はどうして「つばさを得ようとしているのか?」

『自由意志』との対峙、対立、リベンジが果たして本当に「グローリア」の回復につながるのか?

 など、多くの期待を持てる作品です。

 感想は以上です。

1-24 越すに越されぬアタカとは〜あるいは時計師が竜を討ち滅ぼすまで〜

タイトル感想

 わからん。わからんですよ。竜という単語があるので、ファンタジーであろうかとは思います。

タイトルから予想するターゲット

 竜を退治する。男性向けのファンタジーなんですかね。竜を滅ぼすという課題となにをリンクさせてくれるんでしょうかね。

タイトルあらすじ感想

 なんですって。執筆用BGMを持ってきましたね。ちなみに智子は「音楽に詳しくない」のです。難儀かもしれません。
 聞いてみました。音楽じゃなかった。いや、音楽なのか? 妙な中毒性があります。
 
 https://syosetu.com/site/rule/ 利用規約的に「まえがき部分に外部URL」の貼付がグレーかもしれません。大丈夫ですかね。
 
 第14条 禁止事項 12の(エ)
 アダルトサイト、ワンクリック詐欺サイト、ウィルス等の有害なコンピュータプログラム等を流布させることを目的とするサイト等当グループが不適切と判断するサイトに誘導するテキスト等の情報(単にリンクを貼る行為を含む。)。
 
「サイトの管理者が恣意的に判断できますよ」という規約ではあるので、祭りの運営に確認するなどしたがよろしいかもしれません。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 わからんですよ。タイトルはファンタジーっぽさがありますが。提示されているBGMは勧進帳のBGMですから。和風ファンタジーなんですかね。まあ、本文公開を待ちましょう。

本文感想

主人公   :僕 一人称。(クワンジュ)女性とのこと。
主人公の能力:時計師。基本的な文筆の資格等。
世界観   :和風ファンタジーです。仕事の斡旋等から。ギルドとか。現代のなろうファンタジーの諸々を「和風ファンタジー」に流し込んだムード。独自の世界観です。
異変・事件 :ムサシからの冒険の誘い
問題・課題 :アタカ討伐にかかる諸々の障壁。
決意・覚悟 :アタカを討つぞ! という目的がある。
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):竜退治の物語。文章自体が「和風ファンタジー」のそれとして、ムードを確定させているので。このムードを保ったまま。和風ファンタジーを楽しませてくれることを期待している。

 面白かったです。竜退治というのは古今東西。皆大好きな物語の設定です。

 竜退治とあるので「僕 クワンジュ」はてっきり、男性であり、男性向けのヒロイックなファンタジーであるかと思っていたので、主人公が女性であることを中盤で示された部分で、驚きながら読んでいました。
 
 現状、アタカという竜がこの地方を困らせている。というのを、十分に伝えたうえで「高いハードル。危険性」を示しているからこそ「アタカの討伐」という仕事に主人公が乗り込むこと。という引きは十分な誘導があり、続きが気になる作品でした。
 
 和風ファンタジーというのが、現状「出版社が推したがっている」という話を耳にしたことがあるので、この向きで作品を書き続けて、新しいムーブメントにできるならば。需要を作っていく。新機軸の作品となるんではないか。と思いました。
 
 感想は以上です。

1-25 凡ては過去の積み重ね

タイトル感想

 なんか。含蓄ありそうなタイトルですね。努力の話ですかね。

タイトルから予想するターゲット

 故事成語。とか。なにかしらの「教訓話」に近いものかもしらんですな。でも、わからんです。どこをターゲットにしたんでしょうかね。

タイトルあらすじ感想

 三味線でミケってのも皮肉ですな。面白い話をしてくれる。ということなので、短編連作のそれを意識できそうなあらすじです。主人公自身がなにか課題を抱えていて、三味線堂のミケによる導きがある。といった感じでしょうか。

タイトルあらすじから予想するターゲット

 和風テイストのファンタジー作品でしょうか。「おめさん」のパーソナリティが見えてこないので、短編連作としてのそれ。なので、エンタメ読み。男女わけることがない広めの間口の作品かもしれませんね。

本文感想

主人公   :ミケさん。アタシ(二人称視点)
主人公の能力:語り手としてのそれ。
世界観   :現代ファンタジー。
異変・事件 :不明(短編連作なので、都度設定されるもの)
問題・課題 :不明(同上)
決意・覚悟 :不明(同上)
ナラティブ(読者に約束する楽しみ方):タイトルあらすじでも示していたように「短編連作」での語り口であることを期待しています。

 小話として面白いものではあったんですが。この「語り」の仕様自体を「ギミック」としているのならば、次の短編は「違う文体(相談者が筆談ではない)」になることを示しているので、短編ごとに「文体が変わってしまう」かもしれない。という不穏さはある作品でした。
 
 短編連作としての書き出しを示した作品であることは十分に伝わっています。
 
 タイトルとあらすじで「短編連作を読みたい」と考えている読者には届いているので、適切に票が積み上がっていくタイプの作品だとは思いました。
 
 感想は以上です。

いいなと思ったら応援しよう!