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事業計画書の叩き台にAIを使う意義とは?
【100日後にスタートアップ起業日記その19】
こんにちは。しまゆずです。
現在、医療×AIテクノロジーのスタートアップを目指しています。
今日も起業日記を訪問していただきありがとうございます。
前回記事はこちら。
現在、目下ピッチの準備でバタバタなので、今回は少し時間を戻して、始動に応募した時のお話です。
なぜこの連載記事を書くのか?
「始動」の目的は、Thinker to Doer - つまり、考えるだけの人から、実際に行動を起こす人を育てること。
私自身、これまで「いつか起業したい」と思いながらも、結局行動に移せなかった経験があります。きっと、この記事を読んでいるあなたも同じような経験をお持ちではないでしょうか?
「どの分野で起業すべきか分からない」
「失敗が怖くて一歩を踏み出せない」
「アイデアはあるけど、実現可能性に自信が持てない」
そんな方向けの連載記事です。
この記事のキーポイント
AIを活用した市場調査で、従来の10倍のスピードでインサイトを得られる
TAM/SAM/SOMの算出プロセスをAIが支援し、市場規模の把握が可能に
競合分析も、AIの支援で多角的な視点から素早く実施できる
「市場規模っていったい何から計算すればいいんだ...」
始動の最初の事業提出の時点で、医療×AIのスタートアップを始めようと思い立ったはいいものの、最初に直面したのがこの壁でした。医師として働いていた私には、市場分析やビジネスモデルの構築方法がまったくわかりませんでした。
そこで、私が思いついたのがAIの活用でした。今日は、実際に私が行った市場分析の過程と、そこでのAI活用についてお話ししたいと思います。
市場分析が変わる:従来の10倍のスピードで情報収集
まず驚いたのは、検索AI Feloを使った情報収集の速さでした。従来のGoogle検索では、複数のキーワードを組み合わせて少しずつ情報を集めていく必要がありました。
しかし、例えば検索AIに「医療機関におけるAI活用の市場規模と、直近5年間の成長率について、信頼できるソースからの情報を教えてください」とプロンプトを投げると、複数の市場調査レポートやニュースソースから、関連する情報を瞬時に整理して提示してくれます。
また、それらの情報をもとに、ファクトチェックも同時に行いました。
こちらは、Gensparkを用いています。
Gensparkについての記事はこちら。
また、市場規模を確認できないような新しいテクノロジーなどは、フェルミ推定を用いて算出するようプロンプトに書くことで、大まかな市場の確認が可能です。これを手掛かりに進めていきました。
TAM/SAM/SOMの算出が格段に効率的に
市場規模の算出で特に悩んでいたのが、TAM(全体市場)、SAM(実行可能市場)、SOM(獲得可能市場)の計算でした。
AIは、この計算プロセスを系統立てて支援してくれました。例えば:
TAMの算出では、「日本の医療機関数」「医療従事者数」「医療費の推移」などの基礎データを即座に提示。さらに、それらを掛け合わせる際の計算根拠まで示唆してくれました。
SAMについては、「導入可能性の高い医療機関の特徴」「予算規模」「地域性」などの要素を考慮した絞り込み方を提案。これにより、より現実的な市場規模の算出が可能になりました。
SOMの計算では、競合状況や自社のリソースを考慮した現実的な市場シェア予測まで、段階的に考えることができました。
※市場規模の考え方は複数あり、現在は自分の事業のSOMから最終的なTAMを算出しています。
競合分析も多角的な視点で
競合分析でも、検索AIの支援は非常に効果的でした。例えば、「医療AI分野における主要プレイヤーの強みと弱みを分析してください」という質問に対して、以下のような多角的な視点を提示してくれました。
特に印象的だったのは、私が気づいていなかった潜在的な競合の存在を指摘してくれたことです。直接の競合だけでなく、異なるアプローチで同じ課題を解決しようとしている企業の存在も浮き彫りになりました。
もちろん、検索に引っかからないようなスタートアップに関しては壁打ちなどの情報をもとにホームページの情報を入力したりしましたが、ここもAIの力を借りています。
ビジネスモデル構築のヒントも
私は始動応募時点で、やろうとしていたことは決まっていたので今回は使いませんでしたが市場分析の過程で、AIは様々なビジネスモデルの可能性も示唆してくれます。
水平思考や、異業種の課題などとあわせて深掘りすると、意外なビジネスモデルが生まれるかもしれません。
情報の検証は慎重に
ただし、AIを活用する際の注意点もあります。AIが提示する情報は、必ずしも最新のものとは限りません。私の場合、以下のような手順で情報を検証していきました。
Feloが示した情報源を直接確認およびGensparkでファクトチェック
実際の起業家の壁打ち
壁打ちのアルムナイの方へのヒアリング
この検証プロセスを通じて、より正確な市場理解が可能になりました。
AIをチームメンバーとして活用する
当然ですが、生成AIは「完璧な市場分析レポート」を作成してくれるわけではありません。しかし、市場を理解するための第一歩として、また、多角的な視点を得るためのツールとして、非常に強力な「チームメンバー」となってくれます。
特に、限られたリソースでスタートアップを始める場合、AIの活用は時間と労力の大幅な節約につながります。それにより、私たちは本来注力すべき、実際の顧客との対話や製品開発により多くの時間を割くことができるのです。
最後に
皆さんも、市場分析やビジネスモデル構築にAIを活用してみませんか?その経験や発見を、ぜひコメント欄でシェアしていただければと思います。
それではまた次回!
フォローとフィードバックのお願い
というわけで、18回目、いかがでしたでしょうか?
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それではまた!
過去回(数がかさんできたのでまとめました。)
著者プロフィール
医療×テクノロジーのスタートアップを目指すDoer。2023年3月からChatGPTに出会い、AIにのめり込み、現在は経産省主催のスタートアップ支援プログラム始動10期に参加中。この記事は、実際に起業を目指す中で学んだ知見を、同じ志を持つ仲間と共有したいという思いで書いています。