世界観の整合性で作品をリアリティに
そこはかとなくごきげんよう。
ストーリー、キャラクターと来て、そういえば世界観についてまったく触れてすらこなかったと思い立った。
(サムネイルの誤字についてはご了承ください)
改めて考えてみると世界観なんて曖昧な言葉で、なんだそりゃと思った。
世界観が良いって、なんなんだろう?
一言に「自分たちが済んでいる世界とは別の価値観を持った世界」と言える。
では「未来から来たロボットがいて色んな道具が使える」は世界観と言えるだろうか?
それは世界観ではなく作品コンセプトに当たると思う。関連記事↓
便利な道具が使えるという要素はあくまでのび太くん周辺の小さなスケールであって世界ではない。これは作品をどういう風に面白くしていくかという方向性、コンセプト材料だ。
世界観というのはもしもボックスでこんな世界だったら、と全人類の価値観や認識を設定することを言う。独自文化のようなもの。
日本では家の中じゃ靴を脱ぐのは当たり前で、海外では履いていることが当たりまえ。みたいなね。
(最近コロナの影響で山形のスリッパが爆売れしているらしいけど)
世界観の良さを表すもの
リアルかつ身近となると「銃社会」がわかりやすいだろう。
『世界観が良い作品』を目指す上で重要なのはこの一発のインパクトだと思う。
このnoteを読んでいる人は大抵ゲーム制作者の人だと思うので、自分の作品の世界観を出来れば一言で想像してみて欲しい。
〇〇社会、〇〇時代、〇〇期。
それがそのゲームの目玉であり看板になる。
ジャンプで人気連載する漫画の世界観を見れば一目瞭然で、どれもこれもインパクトがあり、独創性がある。
今期アニメで言えばシャドーハウスなんかは奇抜な世界観だった。
身体から煤がでる全身黒塗り(影)の主人がいる。
その主人の顔となる人形がいる世界(何ペアも存在)
全身黒い人間がいるというだけでなんだそりゃと気になる世界観。
煤人間というだけで強烈な個性だ。
起承転結の意味
例えば海外でコロナが蔓延しているのは、「家の中で靴を履いたり」「ハグやキスが当たりまえだったり」という文化によるところが大きかった。
世界観が良いを具体的に言えば「こういう文化があったら、当然こういうことになるよね」という自然な流れのことを言うと思う。
面白さの一つとして展開に納得するというものがあり、それは特殊な文化から繰り広げられる当たり前の展開をみたときに感じやすい。
日本に住んでいました。突然クラスの男子に銃で撃たれました。というのは急展開に驚くのであって、納得できない。
これが銃社会で突然クラスの男子に銃で撃たれました。になると予想の範囲内なのに「まじで起こるのか?」という驚きと納得に変わる。
これは整合性による面白さだと思う。
物語における「起承転結」が大事とは、それ自体ではなく、リアリティを出すためには整合性がいるよ、ということだ。
もし律儀にここは起で、ここは承で……なんてやってる人がいたら、なんのために起承転結があるのかを意識したほうがいい。
ぶっちゃけ整合性を意識すれば、起承転結なんて自然と出来てるもの。
妙に起承転結だけを意識してガチガチな作品にすると、よしんばお手本のような作品は出来上がっても果たして面白いのか? という壁に突き当たると思う。
ダメな作品は矛盾を放置する
現代にあやかって「常に色んな病気が蔓延している世界」を作ってみるとする。
すると色んなことが起こる。
・常にマスクをしていなければいけない
・外出が出来ない
・平均寿命が縮まる
・人とのコミュニケーションが減る
・医療技術が発展していない
・あちこち薬品臭い
などなど上げ始めたらきりがなくなるが、色んな問題が出てくるわけだ。
で、ダメな作品というのは世界観やキャラを設定した上で当然浮上してくるであろう問題をスルーする。
いわゆる「ツッコミどころの多い作品」になる。
ゲームを作る上で実況者を意識して狙ってそういう作品を作る人もいるが、中には真面目に作ってそうなる人もいる。
なので想像力が無い人に独自の世界観は作れない。
絶対にどこかで矛盾が生まれ、整合性はぼろぼろになる。
自作品を作る上で大事なこと
これは「面白い作品」を作ろうと思ったら必ずぶちあたる壁だ。
エロゲーマーことわたくし妹尾まいは、自作品を何度も何度も読み返してこの一点だけを意識している。面白くなるかどうかはベースで決まっていると思っているから。
この矛盾潰し、整合性管理をやると作品の質は上がるんだけど、世界観が特殊であればあるほどに色んな問題が出てくるし、矛盾を見つけてしまう。
おおよそ作品が完成しない人やエタる人は理想が高い以上に想像力がありすぎるんだろうと思う。
なのでそれを誇りつつ、自覚しよう。
想像力がありすぎると作品は完成しない。
というわけで、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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