面白い作品には変化がある~その2~
自作ゲーム『ダブルカタルシス』
ヒロインの個別√のオチだけが決まらずに手をこまねいています。
オチと言うのは、そのストーリーのテーマであり、最終結果。
そして何よりも「プレイヤーの予想を裏切る」ものである必要があります。ただの驚きではないですよ、なるほどそう来たか! という納得させる驚きです。
前記事で紹介した「こう思っていたのに、実はこうだった」もそれにあたります。
『ダブルカタルシス』は奈緒、カナリア、みいな、月乃、と4つルートがあり、その一つである月乃√のオチだけが決まってない状況。
そこで……。
色んな作品をプレイ(読んだ)
その中で面白かったもの、そしてその作品のどんなところが面白かったのかを噛み砕いた結果。
オチについては勉強できませんでした!
なかなかラストシーンをビシっと決める展開のコツは掴めませんね……。
その代わり続きをプレイしよう! という意欲を高める技を発見しました。
それが前回も言った通り「キャラクターへの印象の変化」です。
落差という名の爽快感
宝石の国の主人公「フォス」
最初は元気はつらつキャラでした。
落ちこぼれで何もできなくて、足引っ張ってばかりで……。
そんな主人公ですが、
物語が進んでこうなります。
ジャンル的に言えば闇落ちに当たるかもしれませんが、このキャラは複雑なのでちょっとカテゴライズが難しい。
このすさまじい変化のギャップこそが、主人公を好きにさせました。
いうなれば「元気はつらつキャラ」だけだった主人公が、重大な事件(ストーリー)に巻き込まれて、変わってしまう。
つまり「〇〇だけ」のキャラが、より複雑化したキャラに生まれかわるのが宝石の国の主人公「フォス」です。
このキャラクターは「もう昔のフォスには戻れない」。
それぐらいに切羽詰まった出来事が起こり、引き返せないような目的が出来ました。
この時点でストーリー的にはすでに面白いですよね。
しかもここからまだキャラとして進化します。
落差を期待させるだけでいい
前回ご紹介した『僕らのノベルゲーム』で強烈に思ったことが、期待感。
プレイ前にチラっと流し見程度に見た感想の中で
「意外にもシリアスな一面がある」
みたいなことが書かれていて、それだけでこの作品面白そう! と思いました。
この作品は序盤で主人公が「大好きなノベルゲー作るぞ!!」って超テンション上がってるんですよ笑
このテンションの上がり具合が高ければ高いほど、その落差に注目するというのは、ストーリーを追う上では一番重要です。
この先「この滅茶苦茶ハッピーな主人公が不幸になる」という結果を知っているのに、その過程を楽しみにしているわけですから、
「ああ、やっぱり物語って、変化を楽しむものなんだなぁ」
ということを『僕らのノベルゲーム』をプレイして、心底思ったわけです。
宝石の国もまたそれと同じで、最初のころの主人公は「凄いことを成し遂げよう!」って無意味にポジティブだったのが、物語が進むにつれて冷静に、賢く、だけどどこか危ない空気をはらんだキャラに様変わりしていきます。
「主人公は不幸にしろ」だとか「どん底に突き落とせ」なんてのは脚本の書き方でもよく言われている手法。
これをやるだけで平面的だったキャラクターが立体的に変わるんですよね。
見えるジェットコースター
ああ、このまま行ったらものすごい速さで落ちていくな、という。
・これからヤバイ雰囲気になるぞ、という示唆が必要
・ギャップを強めるために最初のフリ(幅)は露骨に
この「見える」というのがすごく重要で、続きを期待させる要素としては、次にどうなるかがわかりやすくないといけないんだと思います。
目標=進むべき(先)コース
展開=道中の落差
結果=ゴールと言う名の達成感
物語ってよく起承転結で例えられますが、この3つさえ押さえれば面白くは出来ると思います。
なので
目標のわからない物語は不安だし、
落差がないと平たんでつまらない、
結果がぼんやりとしていれば達成感もありません。
わかりやすくが、大事ですね。
1000字を超えたので、このへんで。
次回は『キャラクターの名前が覚えられる作品とそうでない作品の違いはどこにある?』です。
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