【フリーゲーム】ハッピーエンドに花を添えて for Browser
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こんにちは。今日はこのゲームです!!
ふりーむ!ゲームコンテスト 恋愛アドベンチャー部門:金賞受賞作品
全編ヒロインのキャラクターフルボイス付き!
ボイスありの作品を選んでいるわけではないですが、怒ると死にます。に引き続いてとなると最近のフリーゲームはもうボイスありが前提なのかもしれない。強い。
※感想の注意事項
・感想を書く際にネガティブな批判意見などは極力しないスタイルですが、この部分が惜しい、と思ったところには少しだけ言及させてもらいます
・ヒロインの名前が一発変換で出ない漢字の場合「カタカナ」で表記
・感想はプレイしながらライブ感覚で書いているので半分「実況めいた」ものになりますがご了承ください
結構ロリボイス
始める前はお姉さん系のキャラクターかと思っていましたが、プレイしてみると結構ロリ声の女の子です。
サブキャラにもボイスがあり豪華
チューベローズ? 何そのエッチな名前の花。
お花屋さんに通う主人公はヒロインの女の子から花をいくつも買っているらしく、花言葉の意味を会社員のお姉さんに教えてもらいました。
その全ての花言葉が「恋愛」に関するもの!!
たくさんある花言葉を全部知ってるのはすごすぎない……? どんだけ乙女なのこの会社員の水野さん。もしかしてヒロイン小夜ちゃんのお姉さんだからとか? 色々と察している部分とポジション的にそんな気がする。
という予想は見事的中!
最近冴えてるぅ! やっぱり自分は探偵ではなくエロゲーマーなんですよ。
わかってる!!!!
わかりすぎている。
女の子を一番かわいく見せる方法! それは嫉妬! 上手く姉妹というポジション使ってきました。
それにしても開始5分ほどで両想いになり、10分で付き合い始め「ここからどう話を広げていくんだろう?」と気になりつつ進めます。
その後主人公のお部屋に小夜ちゃんと二人きりになります。
まったり雑談しながら、
クラスの男子に注目されるという技
わかってる! わかりすぎている!
クラスの男子に注目されるってヒロインの価値を高めるための方法として有効な手なんですよね。
だいたい商業エロゲの場合、こういうおっとりした天然系ヒロインの近くには「気の強いヒロイン」が防御役としています。これはヒロインの処女性を守るために、この子がいるから安心ですよっていうアプローチ。主人公の悪友がひどい目に合うのもそういったポジション付け。
ちょっと黙って! 今小夜ちゃんが話してるから!
ん? なになに?
萌えへの誘導の仕方が上手すぎる……!!!! 天才?
ライターさんの誘導テクニックが凄すぎて、小夜ちゃんが計算して男を落としにかかってる魔性の女に見えてきました。
天才!!!!!!
どうもこんにちは。妹の次にツインテールが好きな者です。
ポシェットを持たせるデザインもいいですね。それだけでぐっとお出かけ(デート)している感じが出るので。
小夜ちゃん最初のイメージはお姉さんだったんですけど、こういうデザインや性格の純粋無垢っぽいところは年相応というか、姉の水野さんとの差が出てていいですね。
動物でキャラ付け
水野さんが犬派なの凄いわかります。主人公もそう言っていたんですが、ここらへんキャラクター性を上手く表現出来ている証拠だと思いました。
猫の名前予想
捨て猫を飼うことになりました。
ここはエロゲーマーとして(全く関係ない)ボカされたところはずばり予想していかねば、と思いネコの名前を予想してみました。
小夜ちゃんの性格を考えて、大好きな主人公の「正人」という名前から取る気がしたんですよね。
なのでまーくん(ちゃん)とかどうですか!!!
ぜんぜん違いました。
凄まじく方向性の違う名前で笑いました。このへんも小夜ちゃんの天然なところが表れてて「あー、そう来るかー」みたいな感じで萌えポイントの一つでしたね。のちに名前のネタバレをしますが、このネーミングセンスほんと好き。
主人公が名前に対してなんにも言及しなくてさらに草だった。
なんか一言あってもいいやん……。
わかってる!!!
本当にもうプレイヤーの期待を裏切らない!!
温泉と言ったら浴衣! フリーでこんな丁寧な作品早々ないですよ。
このへんの丁寧さはさすが金賞作品といったところ。
水野さん視点の胸糞展開について
ヒロインの小夜ちゃんが男性恐怖症になるきっかけ
これが思った以上に重くてビビりました。
最初に感じたことは「この作品でこの表現をするのか……」という驚き。
次に小夜ちゃんはよくこんなことがあって主人公のこと好きになれたなぁという驚き。
最後に水野さんの男を見る目の無さ!
ここからは勝手な考察になるんですが、水野さんは「かっこいい自分」を失ったことから、誰でもいいから求められたいという欲求があったのかもしれません。
そんな弱い精神状態が浅はかな考えを産んでしまった。男の人を家に泊めることにあまり躊躇いがなかった。そこまでは納得できたんですが、
その後主人公と出会って、
水野さん……。
「ちょろいよ!!」
元カレで酷い目にあった後に、主人公のことを簡単に信用してしまった!
これもし主人公が元カレのように打算的な人間だったら、完全に同じ過ち犯してるよ……!
このへんの描写はサブキャラクターなので端折ったのかもしれませんが、もっと野良犬のような警戒心の水野さんを、主人公が持ち前のイケメンっぷりでどんどん警戒心を解く、みたいなエピソードはあっても良かったかもしれません。
過去回想で見えたのはあくまで「主人公の言葉だけの外面」で、行動で示すエピソードではなかったのでより水野さんのちょろさ具合が浮いてしまいました。
それこそ猫がプロットに組み込んできているので、主人公が警戒心の強い猫(水野さん)に対して傷つきながらも頑張って接しようとしてくる。
要するに「どうしてあなたはそこまで私を気にするの?」風のエピソードがあると主人公のカッコよさに拍がつくと思いました。
ここらへんは主人公の主張をあまり強くしない、という意図もあるのかもしれません。
酔った勢いで告白する展開
プレイ当初はどう話を膨らませるのかまったく予想がついていなかったんですが、まさか姉と妹で三角関係をやるとは。
ここでタイトルのハッピーエンドに花を添えて、という主題が気になり始めます。これ……ハッピーエンドになるの?
もしこの状態からなるとすれば、ハーレムエンドになるわけですが、そうなると小夜ちゃんがお姉ちゃんの恋心を察する必要が出てくるんですよね。
小夜ちゃん? 察せる?
水野さんの時も思いましたが、視点変更でウィンドウの色変わるのナイスですね。エロゲでは当たり前にあるんですが、フリーでは初めて見たかも?
小夜ちゃんわかってた
ここめちゃくちゃなるほどなーってなりました。
水野さんの引っ越しの伏線が物語全体でじわじわ機能してるの凄い……。
1度目は「小夜ちゃんの引っ越しだと思わせ」
2度目で「実はお姉ちゃんの引っ越しだった」
3度目で「実はその引っ越しもただ会社に近いから、という理由ではなかった」
何気ない伏線なんですけど、プロットとしての出来がとてもキレイ。
よくストーリーが濃いとかいう表現しますけど、あれの本質って「プロットが入り組んでいてよく出来ている」だと思っていて、まさにこの作品いいなー、ちゃんと考えられてるなーと感じた部分がここ!
いよいよラストエピソード
半年以上付き合っている二人がまだキスすらしていないことに対して、姉の水野さんが言及します。
いや、そこはあんな事件があったんだから慎重になってもいいじゃん、と思うんですが。
主人公も同じ気持ちだったようです。そうだよね?
ふと、最初から水野さんは二人の恋愛に対してかなり首を突っ込んできたのを思い出しました。その時点で水野さんは主人公のことを好きになっていたので、もしかしたら自分の気持ちを断ち切るキッカケのようなものが欲しいのかもしれません。
早く一線を越えて諦めさせてくれ、という水野さんの心情。
なんか水野さんって割とメンタル弱そうで普段のギャップからちょっとそこに萌えを感じる。妹の小夜ちゃんもそうだけど、二人とも一度付き合ったら主人公に依存しちゃいそう。
ンニャ!!!!!!!??????
どうもこんばんは。妹とツインテールの次にマフラーが好きな者です。
ここまで来るとさすがとしか言いようがない。可愛いをわかりし者が制作メンバーにいますね?
可愛いをわかりし者、います。
タイムどこ……?
停電というシチュエーションは凄くいいんですが、その手前でタイム(猫)がいなくなるという不穏な伏線があったせいで全然そっちに気持ちがいかず……。
過去のことがあるだけに、同じ過ちを繰り返して欲しくないよ……。ここからまたペットロス展開はきついよ……。
あっさりいました。
良かった……。
このシーン、なんで入れたんだろう?
ホラーゲームでよくある手法
タイムが無事に家の中にいて安心したあと「ふぅ……よかった」と見せかけて小夜ちゃんがトラウマを発現させます。
なんとなくタイム(猫)がいなくなったのは、「不安にさせておいて、安心させる」→「本命」をやるためだったのかなと。
もしそこまで考えて雰囲気づくりをシナリオライターの方がやっているのだとしたら凄いですよね。
観客の感情コントロールが上手い。
ハッピーエンド
項目:ラストエピソードのところで、三角関係にもうひと悶着あるかな、と思ったんですが、そこはさらっと流してエンディングに。
水野さんは結局ハーレムに加わる形にはなりませんでしたが、主人公の独白で「ハーレムは地獄がみえている」的なことを言っていたので、これがハッピーエンドの形ということなんでしょう。
シナリオ終わり!
ここからめっちゃ長い勝手な考察が入るのでご注意ください。
シナリオ
序盤は小夜ちゃんのトラウマの謎と萌えに振り切り、中盤で過去が明かされ、終盤はトラウマの克服。
テンポもちょうどよく金賞を受賞されたのもうなずけるシナリオになっています。
恋愛の説得力に関してはお互いが一目惚れで始まったのも相まって割とアバウト。主人公もまた舞台装置的なキャラクターなので主張は少なかったです。
三角関係はなんだかんだ最後はスルーされてしまって、小夜ちゃんの性格なら水野さんに対してなにかしらのフォローがあってもいい気がしました。
エロゲーマー的に見ると、後日談かエンディングあたりで本命じゃない子のほうが「別にいいじゃーん」みたいなノリで主人公に抱き着いたりして「ちょっとやめてよ!」と本命ヒロインと二人でほのぼのと主人公を取り合う、みたいなのは鉄板なんですよね。収まりがいいから。
でも水野さんは妹を優先して自分が傷つけばいいと思ってる感じの、案外メンタルが弱いヒロイン。こういうところ見ると「ああ、姉キャラしてるなぁ」と思います。
物語的に小夜ちゃんよりも水野さんが主人公に惚れた事のほうが説得力があったので、なにか報われるエピソードが欲しいと感じました。
可愛さでは圧倒的に小夜ちゃんなんですがキャラクターとしての深さは断然水野さんなんですよね。
小夜ちゃんは過去にトラウマがあった、というエピソードがメインすぎて、現在の主人公とのつながりってそこまでありません。あくまで点としてで、太い線になっていくのはこれからかな、という感じ。
でも水野さんは全編通して小夜ちゃんとも主人公とも関わりのある人物で、物語としての動きが激しい。おそらく一番主人公っぽいことをしているのに、エンディングではサブキャラとしてスルーされているという扱いが気になってしまう原因なのかな。
小夜ちゃんは最初から最後まで可愛いという印象の一本道だったんですが、水野さんは最初とクリア後でだいぶ印象が違います。
暗い過去があることで同情は起こるんですが感情移入とは違って。
どちらかと言えばその過去があってそこからどう行動したのかで感情移入することに、姉妹二人を見ていて気づかされます。
面白い作品には変化があるの記事や、実況しやすいフリーゲームでも書いた「変化」の違いで、
小夜ちゃんは出オチパターン(最初可愛い) 水野さんは最初全然興味なかったのに、気づいたら興味を持っていたパターンでした。
二人の差がこのゲームは面白い!
人気度で言えば絶対小夜ちゃん派が多いとは思うんですけど、シナリオ重視する人は水野さん選ぶんじゃないかなーっというヒロインの人気考察が捗ります。
ボイス、BGM関連が秀才
3.4年前のイメージで、フリーゲームの声優さんって結構素人みを感じるって印象だったんですが最近やるフリゲの声優さんは本当にお上手で、全然演技の出来に気を取られることがないんですよね。
単純に作者さんのチョイスとか羽振りがいいのかな。
今回の声優さんは特に「立ち絵の向こう側」まで演技をされててよかったです。
例えばこのテキストの場面なんかも、立ち絵以上にキャラクターの顔がボイスから読み取れるんですよね。キャラクターの小夜ちゃんが訴えかけてくる様がぐっと伝わってきます。
そんでまたBGMがめっちゃ良いんですわ。
ピアノ大好き人間なので、ピアノをメインにしたBGMをチョイスしている作風に凄くシンパシーを感じました。
イラスト
なぜここをピックアップしたのか。
それはこのイラストを描かれている方の谷間の描き込みに熱意を感じたからです。小夜ちゃんのトラウマ克服シーンでも胸の谷間が詳細に描かれていて若干緊迫感が和らぎました。
CGも立ち絵の差分もたくさんあって、大変満足。
あとがきでも笑わせてもらい、
個人制作してるとこういうやり取り微笑ましく感じます。
シンプルにおしゃれで可愛いシステム面
個人的に右クリックでメッセージウィンドウ消せるのありがたい……。
あとウィンドウの透過度も変えられるのもありがたい……。
目が悪いわけじゃないんですが、文字が白でウィンドウも透明だと文字が見づらいってこと結構あるんですよね。
多分全体的な立ち絵を見せたくそういう風にする人が多いんでしょうけど、読みづらくて……(ので助かります)
長くなりましたが以上で感想を終えます。
またこの方の長編作品がリリースされたらぜひプレイしたいなぁ。
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