【フリーゲーム】ティアマトの星影 プレイ感想
(5000文字)読むために必要な時間 13分20秒
皆さんこんばんは。
今回はこのゲーム「ティアマトの星影」のプレイ感想になります。noteで感想を書くのはこれで2作目。(前回→かみかくしの夜)
タイトルからして星がテーマのようです。
前情報として、「20時間近くのボリューム」がある、ということで、同じく長編作品を作っている自分としてはそれだけで前からやろうと思っていたゲーム。
長編作品において「長い」という感想はマイナスだと思っていて。やはりそこは長いと感じさせない楽しさ、もっと遊んでいたいと思える没入感が大事。そこに注目していきたいと思います。
※感想の注意事項
・感想を書く際にネガティブな批判意見などは極力しないスタイルですが、この部分が惜しい、と思ったところには少しだけ言及させてもらいます
・ヒロインの名前が一発変換で出ない漢字の場合「カタカナ」で表記させてもらいます
・感想はプレイしながらライブ感覚で書いているので半分「実況めいた」ものになりますがご了承ください。
メインヒロインが記憶喪失
フリーゲームやってると結構見かける(自分もそう)な設定。この設定は「楽に続きが気になる」ように出来て、かつキャラのバックボーンも作りやすい。
なだけに、記憶が戻るまでのもやもや感をどうカバーしていくかも大事になります(それがメインなら)
さすがにこのボリュームとなると、それはサブプロットになりそうですが。
主人公の二人称
かなり特徴的だと思ったのは初対面のヒロインに対して「こいつ」だとか「ヤツ」という二人称を使っている点でした。そこから主人公の精神年齢の幼さが見えます。本編を進めていくと、幼い女の子に対しても「お前」と言いかけるシーンもありました。
普通の人から口に出る二人称ではないですが、あるいは主人公はヒロインのことを「異性として見ていない精神段階」にあると解釈。自分は恋愛なんてしてる場合じゃない、あるいは資格がない。みたいなことを内的に秘めているのかな? など考察しながら進めていきます。
この子可愛い!!!!
三人目ぐらいに出てくるヒロインっぽい子ですが、猫と掛け合わせた出会い方が良かった。猫×ツン気な女の子の組み合わせは最高です。
ビジュアルもありきたりなツンデレ風味ではなく、ピンク髪で委員長キャラなのも新鮮な萌えがありましたね。
ただここにもちょっと矛盾を感じていて、「幼馴染っぽいのに、猫にじゃれる主人公の一面を知らない」ということでした。
主人公は従兄弟の家に住まわせてもらっている、みたいな立場だったので、他所から来たような存在なんでしょうか。
日常のさりげない矛盾からわからないことが増えていきます。基本的に主人公の態度は距離感が近いのに、主人公自身は自分に居場所がないと思っている、というところに矛盾を感じるんです。
この子可愛すぎ!!!!
序盤の段階ではやはりこの子が頭5つぐらいとびぬけて可愛いです。ビジュアルと設定が刺さりにささってしまいました。
とは言え√分岐のあるギャルゲ方式ではなく、一本道……。
この子の可哀そうなところは見たくない……、(でもみたい)
ヒロインの暴力行為に関して
昨今めっきり減ってしまった暴力ヒロイン。この作品ではライターさんの趣味なのか、幼馴染や委員長キャラのこの子まで結構暴力的です。その頻度も割とチャレンジャーと言えるぐらい多いです。
この部分の惜しさで言えば、「それは主人公だけの特別」である必要があると思いました。
この子、クラスメイトや主人公の友達にも暴力をかましているんですよね。そこが凄くもったいない。
暴力を振るうって行為はある種の「信頼」と言い換えられます。それを主人公以外にもやってしまうと特別性が無くなり、本当にただの傍若無人キャラになってしまう。
「主人公にはこういう態度をとってもいい」ではなく、「私は暴力をふるってもいい強い立場にある」というネガティブさが浮き出てしまうんです。
暴力ヒロインの扱いはシビアなだけで、上手く使えばとても可愛くなる要素だと思っているだけにこう書かせてもらいました。
主人公の悩みとヒロインの目的の合致
過去に事故で両親を失った主人公は、今の環境に「自分はここにいていいんだろうか?」と空っぽな自分に悩みます。
ここから、主人公の目的が「居場所を見つける」になります。
かなり漠然としていて、ふんわりした目標から、最終的なオチは「居場所は見つかるんだけど、失うものもある」という結末な気がしました。
つまりヒロインとの別れです。
一本道ということもあってなおさらそんなオチを予想してしまいました。ハッピーエンド展開なら「別のものに生まれかわってまた出会う」or「数年後化にまた出会う」とか。
この子可愛すぎ!!!!!!
テキストを読むに、主人公との関係性はそんなにあったわけでないのが驚きでした。この二人もまた幼馴染のような距離感なので、うーん?? という感じ。
主人公の悩みが「自分の居場所がない」に対して他キャラと一歩引いてる感じがまったくしないんですよね。
幸せの青い鳥みたいな感じで、「自分の居場所はこんなに近くにあった」みたいなことが最終的にやりたい感じなのか、どうか。
4人目のヒロイン
淡々とわけのわからないことを語り始めて「???」状態。それは主人公も同じようだったので、そのシンクロ具合に笑いました。
過去の事故によって今の現在が偽物、という可能性が出てきました。
エロゲでもよくある実は主人公も事故にあっていて、今は精神世界にいる的な展開ですね。
長編作品というだけあって風呂敷が広がってきました。オープニング見ていると時代背景飛び越えたりしてそうなのも気になります。
この子可愛い!!!!!
登場するたびに可愛いです。巫女服差分もめっちゃ良い。髪型も!
メインヒロインのマトちゃんを差し置いてぐいぐいヒロイン力を押し付けてきているけど、このままマトちゃんがヒロインレースで勝てるんだろうか……。
この子なんなの!?
この子が出てきた時のシンクロ率がやばいです。突然毒舌みが増して「え、どうしたの。主人公なんかしたっけ」と思えば、主人公も同じことを思っていて、やばい! 作者に良いように誘導されてる! と思わずにはいられない不思議な子。
専用BGMもあり、物語の中でひときわ異彩を放っていて、今感じている日常から異世界へ迷い込んだみたいな気分にさせてくれます。マトちゃんと面識がありそうな事から、もしかしたらこの子はマトちゃんと同族性という説も。
なんかこの子だけ図書室にいつも一人でいて、世界から隔絶されてる感じがするんですよね。
この子とのシチュエーションは世界の謎について少しずつ理解を深めるための重要なやり取りと言う感じがして、毎回この子の話はじっくり読んでしまう魅力があります。
この後ラーメン好きということも判明し、だんだんヒロイン力が増してきました。
この子可愛い!!!
ラーメン食べる差分があるならリュウカちゃんとの自転車二人乗りのCGも用意してよぉ!?
と思わなくもなかったですが、可愛いです。
本が好きとのことですが、それなのにラーメンを図書室で食べるということは、本以上に彼女はラーメンが好きなのでしょう。もしかしたら本はただの依存対象なのかもしれません。
この子、今のところ可愛いと思うポイントはこのキャラクター性でラーメンを食べるというギャップぐらいです。そのほかは毒舌で出来ているんですが、それが良い。
そこはエロゲーマーとして熟練者なので、この子がデレたら破壊力が凄い、という先の展開を楽しみにプレイ出来るのです。
あと登場するキャラが全員主人公に好意的、というのが都合が良すぎてリアリティを感じないので、こういう毒舌キャラはいると逆に安心できますね。
進展が緩やかに
足をくじいたリュウカちゃん。
そこは肩をかすんじゃなくておんぶでお願いします!!!!! そしてCGをお願いします!!!!
という欲望丸出しの心境でした。
ストーリーが停滞し始めたので三角関係とかあるのかなーとも思うんですが、みんな割と受け身というか、マトちゃんに「どうぞどうぞ」状態なのであとは物語の真実がどれだけ明かされていくかなのかな。
リュウカちゃんには病気の妹もいるので、そっちの話の回収もまだのままで、かなり話としては入り組んできた状態です。
この子可愛い!!!!!!
私服まで可愛い!!!! 髪型もあえて結ったバージョンなのが良い!
二角関係
マトちゃんにびーだまを買ってあげるシーンで、トエダちゃんが「キョウカちゃんには?」と言及します。
ちょくちょくそういう場面はありましたが、トエダちゃんは完全にヒロインレースから外れて後押し役をするみたいですね。良いですね!
まあここからキョウカちゃんが勝てる未来がないのは誰の目から見ても明らかなのですが……。
プレイヤーとしてはマトちゃんはまだまだ謎の少女という感じです。けれど対する主人公はどんどんマトちゃんの事を気にし始めます。
このプレイヤーとの差は、メインロインを主軸にしたゲームではよくあるんですよね。臨界点のアズラーイールもそうでした。
マトちゃんと詩織ちゃんの違い
ゲジゲジ先輩は草。
話が結構停滞してきたんですが、それでも詩織ちゃんとの話は前に進んでいる、という感覚がしてやはりじっくり読ませるものがあります。
なだけに、今のヒロインレースではやや詩織ちゃんが優勢かもしれません。リュウカちゃんと違い、この子は「理解してあげたい」タイプの感情移入の仕方なんですよね。
マトちゃんとポジション取りは同じ位置づけなんです。
ですが、詩織ちゃんの場合は主人公に色々と情報をくれる、というアドバンテージがあるので、プレイヤーとしても能動的に彼女と会いたい欲求が増すんですよ。
対してマトちゃんは主人公から離れようとするので、自らヒロインレースからは排除してくれ、と言わんばかりです。
この二人良いコンビ!!!
おそらく詩織ちゃんの孤独を理解できる人間が主人公ではないので、唯一の友人ポジションにリュウカちゃんが収まったことでちょっと安心感がありました。
演劇のシーン
このシーン、演劇の内容も良かったんですが、その後に詩織ちゃんが一番に感激しているところでグっと心に来ました。制作者としてその気持ち、よくわかります……!
エンディング
!?!?!?!?
こ、ここで終わり……!?
かみかくしの夜の再来……!?
ここから話の本筋(ネタバレあり)
クジラの設定はなるほどなーと言う感じで世界観を広げましたね。
シナリオの楽しさや興味の引き方で言えば本編よりもここが本質で、現代編そっちのけで「この二人幸せになって欲しい!」と思わせるパワーのある過去編です。
襲撃から救うためにヨナタンが奮い立つシーンは感動しました。あそここそ泣ける場面でした!
現代に戻ってきて
ジョナさんがヨナタンなことに驚きました。ええっ、主人公じゃなくてそっちにシフトするのかって、この部分は「ん? そうなるよね? ん? でもそうなると今の主人公は?」みたいに最初は混乱しました。
ヨナタン=主人公の前世だとばかり思っていたので、
し、主人公は……? みたいに若干置いてけぼりな感じがしたり。そう来たか……。
総評
まずボリュームについて言及すると、全体的な年月というよりかは1日1日の日常描写に力を入れている、という印象でした。
目まぐるしい展開の数々ではなく、一つのパートを丁寧に描写している感じです。
全体的な流れで言えばちょうど1月ぐらいの物語。+過去回想。+現在。
CGについて。全体のボリュームに比べるととても少ないですが、その分背景CGに力を入れたという事がわかります。キャラクターよりも作品全体の雰囲気、世界観のほうに尽力したかったのかなと。
個人的に良いと思ったポイントは、ティアマトちゃんのバックボーンです。ヒロインレースとかいう枠を超えて、過去回想で魅力をいっきに引き出してくれました。
小動物系ヒロイン好きなので、言葉少なにジェスチャーで感情を表すのホント可愛い。
あとは現代にいるヒロイン組2名ですね。
特にこの子はめっっっちゃくそ押します!
可愛すぎる! このデザインは果てしなく魅力的!
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