絵が下手な人はなぜ絵が上手くならないのか?
可愛く描けたと思ったら……。
可愛くNEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!
何度自分の絵に叙述トリックかまされたかことか。
はい。
毎度おなじみ下手な絵を可愛くしていくシリーズです。
(タイトル回収だけしたい人は目次からどうぞ)
有栖川円華(偉い大人)
この絵はわかりやすくバランスが悪い。
(正直描いた直後は、うーん、よくわからんけど、まあ「悪くはない」んじゃない?)ぐらいに思っていたんですが……、
それから数日後、「とてつもなくバランスが悪い!」
大人キャラなのに、各パーツのバランスのせいで、めちゃくちゃ子供っぽく見えますよね。
とりあえずこれでいいや、と10月の終わりに仕上げてしまったキャラクターなんですが、直していかないとまずいということで。
ここまで歪んでいるとなると細かい修正というよりかは理屈からになります。
子供っぽく見える、ということは頭身が低いということ
つまり、頭がでかいわけです。
ただこのまま頭(髪の毛)を拡大しても顔が小さいだけの人になるので、まずは目に対して小さい輪郭を大きくしていく必要がありますね。
こういう時「髪の毛」「輪郭」「目」のどのサイズを調整すればいいのか、という判断はまあ……、慣れなのかな。
このへん順序を間違えると永遠とバランスが良くならないので気を付けたいところです。
一応目を小さくしてみると、
ほら今度は頭が大きくなった。
で、頭が大きくなったからって、今度は頭を小さくすると……
また目が大きくなると……。
この数ヶ月絵の修正作業どんだけやってきたか。実際にやらずともある程度わかってくるんですわ……。
とりあえずサイズ調整をしつつ、
目のデッサンが可愛くないので、そこも修正。
比較
童顔だけど、大人っぽいみたいな顔になってきました。
散々言ってますが、わかりやすい可愛さはディティールではなく萌えバランス、萌えデッサン。
わかりにくい可愛さってなんだ?
わかりにくい可愛さというのは、例えば以下のように「輪郭」がこの比率だと顎あたりがもちっとしているイメージになる、というデティールのこと。
ここを詰めてもう少しシュッとさせると、こうなる。
(なぜか表情まで変わってますが)このへんの微妙な修正っておそらく絵に対して長時間向き合っている人にしか修正できないし気づきづらい箇所なんですよね。おそらくこの記事見てる人も「ん? そんな変わった?」みたいに言われてもピンとこないぐらいのところ。
ただその積み重ねが絵を全体的に見た時の印象に繋がってくるものです。
恒例ビフォーアフター
とりあえず当初の目的である「偉そうな大人っぽくする」ということには成功しました。
元絵がひどすぎたのでまあまあこれぐらいでいいか、という妥協ライン。(あんまりやりすぎると可愛いってなんだ? とゲシュタルト崩壊する)
なぜ絵が上手くならないのか?
絵が下手な人が解説する「下手な絵」から「それなりの絵」にしていく過程
この記事を書いた数日後、たまにこのnoteで紹介するさいとうなおきさんが同じような話題に触れていました。
この動画で出てきた単語に「あー、それそれ。同じこと思う」と頷いたワードがあったんですが……、
それが「修正力」です。
どこが下手に見えるのかを認識できて、それを的確に直していく能力
というのが絵の上手い人の特徴で、その先に「1発で可愛い絵が描ける」があると解説されています。
これ動画では言ってませんが、もっとハッキリ言うと
「今現在の絵を可愛く修正できないといつまで経っても理想の可愛い絵は描けない」ということに近いです。
修正するということは、考えるということ
考えずに脳死で絵を描くということは「手癖」で描く事に他なりません。
それが良い手癖ならともかく、悪い手癖が何年も続くと目が慣れてしまって自分の絵はこれでいいんだと成長が止まります。
下手すると「自分の絵はこれが個性なんだ! これが良いんだ!」みたいに言い聞かせる形になるかもしれません。
よく「考えながら絵を描かないと上達しない」と言われますが、難しい理屈をあーだこーだ考えろ、ということじゃなくて、
どうすれば可愛くなるのかということを自分なりに模索する。自分の手癖を理解する。
それが考えるという行為に当てはまるんじゃないかなと思われます。
下手なことを認める
動画内でさいとうなおきさんも言っていますが、修正すると行為の根本にあるのは「自分の絵って下手じゃね?」という認識。
なので
「絵が下手な人が解説する「下手な絵」から「それなりの絵」にしていく過程」の記事だったり、
【閲覧注意】絵の下手な人が解説する「下手な絵」が出来ていく過程」の記事だったり。
下手を強調した記事を書いたことがありました。
あれって別に自虐じゃありませんし、ましてや「いやいや上手いじゃん」と言われたいわけでもありません。
「下手な状態からいかに理想に寄せていくか?」
ということを伝えるための強調だったんです。
これイラストだけに限らずシナリオでも言えることですからね。
「下手なこと、全然悪いことじゃない!」
悪いのは下手な状態で放置し続けること。
これでいいや、と妥協して逃げてしまうこと。
自分の手癖から目をそらすこと。
これらを克服するのは正直めちゃくちゃしんどいし、上手く行かないストレスとかでメンタルがボロボロになったりもします。
しかし、その先には確実に「成長」が待っています!
……なんてことはありません。
他人の絵に対する嫉妬対策
努力すれば報われる系の理想論言ってもなんのタメにもならないし、いかにもこの記事が「自分はやってます、あなたもこれやったほうがいいっすよ」(ニヤニヤ)みたいな嫌味っぽい記事になりそうなんでやめました。
ここで絵の記事書く時、いつも重要視しているのは1つ。
世の中には周りに気づかれないようめちゃくちゃ時間をかけて「あー余裕で可愛い絵が描けたわぁ、自分天才だわぁ」と言っている人間がいる
(※演出上の誇張は入っています)
なのでクッソ下手な絵からそれなりの絵にする過程をわざわざ載せているわけで。要するにカウンセリング記事です。
自分の絵が下手だって落ち込む人、結構Twitterで見かけます。
上手い絵を見かけたら嫉妬したりする人も見かけます。
こう思いましょう。
「あの人、すました顔でイラストをアップしてるけど裏でめちゃくちゃ頑張って描いたんだろうな(暗黒微笑)」
近くに天才がいたらそいつはネジじゃなくてロックリーです。
よしんば見た目がネジだったとしても中身はゲジマユのロックリーだと思いましょう。
それだけで嫉妬しているのがちょっとだけアホらしくなるのでオススメのメンタルコントロール方法です。
あ! 今自分嫉妬してる! そう思ったら速ロックリーです。あの人もあの人も全員ロックリーの顔に変換してください。
ちなみに最近自分が「この人マジでロックリーだな」と思ったのは、ロッスマの原画担当してるみこ先生。こんな可愛い絵が描ける人はきっとリアルではゲジマユで熱血な人なんだろうなぁ、と思ってます(風評被害)
ではではここまで読んでいただきありがとうございました。
次回「エロゲで学ぶ、魅力的なイラスト(CG)の考察」
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