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【フリーゲーム】桜影に揺蕩う プレイ感想

(6100文字)読むために必要な時間 17分20秒

今回はこちらのゲーム! なんとBL。

先に言っておきますが……。

BL耐性、まったくありません! 

それもそのはず。BL(ボーイズラブ)とは美少女ゲームのコンセプトを真逆にしたゲーム。

ですが今日このゲームをプレイするのはとても楽しみでした。

なぜなら、これはTwitterで募集した際にフォロワーさんからオススメされたものだからです。

エロゲーマーにBL作品を送り付けてくる!? それがめちゃくちゃ面白くて、よし絶対にこの作品を最初にやろう! という意味で楽しみにしていたというわけ。

今回の記事の面白いところは企画っぽくなっているところで、

BL耐性のないエロゲーマーがBL作品をやったらどういう反応になるのか?

これが自分でもどうなるのかわからなくて、わくわくしています。多分この記事を読んでいる方も「エロゲーマーでも楽しめるBL作品……!?」となると思われます。

ちなみにイケメンは大好き。自作品でも主人公はイケメンじゃないとダメ。

オススメ攻略順は東雲→千早→紺らしいので、その順番でやっていきます。

面白そうな母キャラ登場

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ジョジョ顔負けの説明口調で現れてしょっぱなから笑いました。
さっそくエロゲーマー的見方をすると、母親キャラが出てくる作品って大抵良作なんですよね。

なぜならそれだけ主人公のキャラクター相関図が広くなるから。

SSのセリフにもある通り、まさしく主人公の立ち位置を開始1秒で説明してくれました。

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ギャグを交えてしょっぱなから「これはBLゲームです」ってプレイ層の狙いを定めてくるのがいいですね。

か、可愛すぎる……

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どうもこんにちは。もっぱら絵を描く時に「片耳」を出したくなる者です。アシンメトリーさが良い!

胸のない「見た目女の子」キャラは、実は男だったパターンなんてもはやあり触れているので、この子もそうかもしれない。

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ふっつーに少年だった。

ここまで可愛くても疑いなくふっつーに少年認定される世界観だった。

ここ最近見たデザインの中でも群を抜いて可愛かったのですがそれは……。

さて、ここから「攻略対象」が現れます。
エロゲーだとヒロインという明確な呼称があるんですが、BLだとそれがないっぽいんですよね。なんかちょっと堅苦しい……。

正当派

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正当派っぽいのに、眼帯一つすることでめちゃくちゃ主張強くなりますね。

次!

キレイ系

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見た目的にはこの人が一番好きかな! 長髪結構好きだし、男女ともに人気出そうな見た目。

やり手

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秒で逝かされそう。

そしてジャンプなら後で裏切るタイプや。

やっぱりゆかりきゅん!

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……この子可愛すぎません?

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主人公も同意見なようです。

東雲√

√に入ってさっそく1おっふいただきました。

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完全に照橋さ、限界オタクと化した主人公をよそに、一歩も二歩も先をリードする東雲。しかし電気を消そうとしたところで、東雲がスッ転んでしまう!

ズレた眼帯を直そうとするも、直した位置が逆!

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ああああああっ、めちゃくちゃ失礼かもしれないけどこのセリフを全部女の子で変換してしまうぅぅ……。そしてもし女の子だったら萌え死んでいたのに、と思ってしまうぅぅう……。

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一人称名前になって草と思ったけど、これ苗字か。さすがに男で一人称自分の名前はキツいか。

そしてあらわになる眼帯無しの素顔。

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こういう描写見るとBLゲームだけど、ちゃんと特定の層に向けた萌え(?)ポイントをしっかりとらえて演出されてるなぁ、と感じますね。

この人……一番好きかも。

普段なら正当派なタイプって、ギャップが感じられなくてあんまり好きになることがないんですよね。最初から最後までイメージ通りと言った感じで。

ただ√に入ってみると意外と天然だし、表情変化乏しい感じのキャラで(そこが可愛い)

某雑誌のネタがあって草

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(なぜ貴様はその画像を持っているのか)

このゲーム基本的にギャグ調でテンポよく進んでいくのでエロゲーマーでも今のところスッゴク楽しめてますね! 当方僭越ながらネットのパロネタにも多少詳しいので細部で笑えます。

ゆかりきゅん!

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まったくもって同意見である。

そして主人公くんのこの顔も好きである。

ウィィィイイース、どうも、東雲でーす!

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いよいよギャグキャラ一直線になっていく東雲攻略対象。

もはや攻略しているというよりかは作者からの「こういうキャラやで! 好きになって!」という狙いを感じる。

そこがBLゲームなのに嫌悪感がないという一番の理由であり、好感が持てるポイントなのかもしれない。

以前Twitterで流れてきたんですが

「BLゲームはキャラを好きになる間もなく否応なく恋愛させられるから苦手」

的な意見を見たんですが、「桜影に揺蕩う」はキャラを好きにさせてから、という手順をしっかり踏んでいると強く感じますね。

√確定したあとに出てくる他攻略対象

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えーっ! この人「ありんす」系のキャラだったの!? 3人の中だと一番関心がなかったけど、そのタイプなら全然ありだなぁ。

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と思いきや口調ころころ変わるやないかい。

やっぱゆかりきゅんなんだよなぁ

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やっぱゆかりきゅんなんだよなぁ!

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それにしても東雲のような表情変化が乏しいタイプのキャラクターはボイス欲しくなりますね。ヒロインなら脳内変換余裕なんですが、男キャラは全然引き出しがないので、東雲が無表情の時はどうしても寂しく感じます。

その点紺みたいにキャラが濃いと、ある程度脳内保管が効くという。

ボイス無しのゲームって結構プレイヤーの脳内変換の引き出しに依存するのかもという発見。

切実に欲しくなる表情差分

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なんだろう……BLゲームをプレイしているはずなのに、いつの間にかデティールを求めるようになっている自分がいる……。

でも、知りたいんだ! もっと細かいところまで!

わかりみが深いシーン

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ちなみにこのゲームをプレイしているのもお酒飲んだ翌日で、「おかゆ食べたーーーい!!」という想いからお粥が食べたくなりました。
(お粥大好きで一時期狂ったように主食にしてた人間)

昔あった幼馴染(女)が実は男だったパターン

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過去回想に出てくる子誰なんだろう(ぽけー)とプレイしてたんですが、普通に考えたら東雲ですよね……。

ここからの展開は面白かった! 攻略対象が主人公を避けるんだけど、主人公が全力でそれを追いかける展開。

か~ら~の~。

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「どうしてそこまで頑張れるのか」→「好きだから」

ここはもう王道の中の王道。わかってても良いなーってなる展開。

頑張る主人公にすごく感情移入できるし、それに対して「そこまでやるなら」とようやく振り向く攻略対象の貞操観念の高さも良くて。

そんで東雲の乙女さ全開よ!(笑)

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なぜこんなにもディスプレイの前でニヤニヤしているのでしょうか?

そしてこのゲームはどこまで行っても薄暗いシリアスを寄せ付けないギャグ性を持っていますね?

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なんですと?

こちらこのゲームをプレイしてからゆかりくん推し全開ですが何か。あとこの顔で「男」だと言い張るんなら一度脱いでもらいたいものですね。よしんば生えていたとしても毛のほうは生えてないと嬉しいです。あと攻めなのはいいんですがキョコンであるのは解釈違いというか(以下略)

良い話だった

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この人こんな厳格な見た目してるのに、作者のどうあがいてもギャグにしたい気質のせいでめっちゃ良い人なの本当に草。

エロゲーマーとして母攻略√までもが欲しくなってしまいますね。

伏線の回収がしょうもなさすぎる!(笑)

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千早√

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あざとーーーーーーい!

女の子ならキャラクター性としてよくありますが、男でこれはあざというと言わざるを得ない!

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あざとくなーーーーーーーい!!!!!!!(笑)

やる気のないギャルがしつこく注意してくる先生にキレたみたいなテンションで来ましたね。

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これは東雲√でも思ったんですが千早の脳内再生がめちゃくちゃ難しい。どういう系統のキャラか見たことない感じなんですよね。

ギャルとオカマの中間ぐらいで再生されるのはエロゲーマー故なのか……。

男の風俗でも説教するジジイいるの……?

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あまり第一印象は良いとは言えない感じなのは、東雲√との落差でもありますね。

あっちが最初からグイグイ系だったので、今度は主人公に寄り付かない感じなんでしょう。

この辺はエロゲもBLゲーム変わらない!  つまり、ここから千早がデレるor主人公を認めるようなエピソードが来るわけで、そこに期待をしてゲームを進めます。

あ、今なんかキュンと来た……。

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この千早と言うキャラクターには、主人公と近しい距離感であって欲しくないのかもしれない。

ちょっと大人で、達観してて、諭すような。

こういうキャラクターが主人公のピンチで助けに入ってくれるともう惚れちゃいますわな。

まさかBLゲーでこの気持ちを味わうとは

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前世の嫁が出てきた時のあの気持ち、まさかBLゲーで味わうことになろうとは!!

まだノベコレ作品で味わったことなかったのに!!

やっぱり分岐ありのゲームはいい。

この√では絶対に深く繋がれない、という業の深さが感慨深く胸に突き刺さってくる。前世ではあんな仲だったのに……。

言うまでもないですが現世でもゆかりくんは可愛いですね。prpr。

お気に入りの描写

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季節を感じられる描写があるとぐっと世界観に入り込める。

案外季節をテーマにしてるのに描写が薄かったりするゲームも多いので、ちゃんと季節に関連したイベントがあるとテンションが上がりますね。

幻想を抱きがちな学生のころあるある

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これまんま学生のころに友人に言ったことがある身としてはちょっと恥ずかしいですね……。

大人になってからはドキドキするような体験なんてないですわ(白目)

依存タイプいい

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エピソードもなく割とちょろい感じで主人公になびいちゃったんですが、それはそれで全然あり!

なんと言っても今まで一歩引いてたはずの距離感が、気づけば向こうからどんどん来るようになったなつき方! これは男キャラクターと言えど「萌え」と言わざるを得ない!

このままずっぽり主人公くんがいないとダメな人間に堕落していって欲しい。

アゥァァア!?

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……(一度深呼吸して)


ア゙゙ゥァア゙゙!?


紺√

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この人はどういうキャラなのか……。口調がまったく安定しない……。得体の知れなさではナンバーワンの彼ですが、主人公に対して最初からデレデレなのは好感ポイントではあります。

まあ……大抵の場合それはのちの前振りだったりはするんですが、果たしてどうだろう。

このキャラクターの真髄は「本当の紺」が垣間見れる瞬間にあるような気がします。

これだよ!!! これなんだよ!!!(光るなら)

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これこれ!!

「昔幼馴染だったけど相手に気づいてもらえない切ない展開」を本当はギャルゲーで見たかったんだけど、このゲームはBLゲーなんだああああーーー!!!

こんなにも自分が望む王道展開がたくさんあるのに、なぜこのゲームはBLゲーなんだあああああ!!!

大草原不可避

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このゲーム本当にシリアスって言葉を知らないなぁ!?

さーて、面白くなってまいりました。

このゲーム最大の修羅場と言える修羅場と言ったところですね。

偉いぞ主人公!

キ

食べ物を粗末にする系のギャグが苦手なんですが、こういう描写が一つあるだけで「あ、作者さんまともな人だった……」って安心できるので良いですね!

あと金持ちなのに主人公が極度の貧乏舌だというキャラ付けも一緒に行えていて、大変すばらしいシーン。

拍手を送りたい

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この√一番好きかもしれない。

単純に展開のさせ方が上手いし、主人公が追いかける側ではなかったのも他との違いが出ててよかった。

主人公がまたいいよね。性格とか、向き合い方とか。

総評

このゲームの上手いと思ったところは
「選択肢が出てくるまでは攻略対象のことが一切わからない」というところ。

最初に3人紹介された時点では、ビジュアルしかわからないんですが、√に入るとキャラクターの内側があらわになり「へぇ、君こういうキャラだったのか」といい意味でギャップが盛りだくさん。

そしてなんと言っても安心感と勢いのある「ギャグ」

もしかしたらフォロワーさんも、自分がギャグ好きと知ってこの作品をオススメしてくれたのかもしれません。確かに好みといっちするノリでした。

悪人までもがギャグ空間によって、ちょっと憎めないヤツになっちゃいますからね。

主人公の性格がとてもいい

何を隠そうエロゲの主人公に激怒した回数は少なくありません。

R18作品なのになんで小学生がエロゲの主人公やってるんだ、とメロスも激怒して、ガンジーが助走をつけて殴るレベルの主人公を数々見てきました。

それほどまでに主人公に対しては辛口評価をくだしてしまう質なのですが、

本作の主人公、とてもいい!

基本的にツッコミ的立ち位置なんですが、なかなかに主人公としての臭みがありません。それなのにちゃんとキャラクターとしての存在感は強いし、このへんは攻略対象との掛け合いが上手い証拠でしょうね。

この主人公の織り成すギャグはどことなく憎めない感じがしていい。努力の方向音痴というか。

バカなんだけど真っすぐなのがGOOD!

「次期当主」のボンボンという設定も好み。金持ちな主人公っていう設定は気持ちの余裕がある、とも読み取れるのですんごい感情移入がしやすいんですよね。

これまでフリーゲームで主人公をプッシュしたことはありませんでしたが、このゲームの特徴としてはここを取り上げておかないとですからね。

懸念していた「BL」に対しては

性的に直接的なCGなどがないので、そこまで抵抗感はありませんでした。

ただところどころで挟まれるBLらしい生々しさはやっぱりこれがBLゲーだなぁ、と思わされます。BLというものがあまりにも当たり前すぎるのにも最初は戸惑いました(笑)

正直もっと抵抗があるかもしれないと心配していたんですが、露骨なBLというよりかは「必要なBL」だと感じさせてくれるので受け入れやすくはあるんですよね。

ちゃんとストーリーがあって、攻略してからBL要素を入れていくという丁寧さは大いに評価出来たポイントの一つでしょう。

BLの貞操観念ってどれぐらい貴重なものなのか?

これがエロゲーならヒロインの処女性って滅茶苦茶重要なもんですけど、攻略対象が他の男に抱かれててもプレイする人はなんも思わないんだろうか。あるいはむしろアリ! みたいに妄想するんでしょうか。

腐女子の方々はなんでも妄想できると巷で聞いたことがありんす。

絵のパワーもあるかもしれない

本作品は絵がめちゃくちゃ上手いわけですがそれでBLへの抵抗感も弱まっているのかな? と少し思いました。

結局カッコよければ全てよし、なのかも。

全体を通して表情差分が少なかったのはちょっと残念なところなんですが、逆にそれが「想像の余地に任せます」という風にBLの緩和に繋がっているところもあると言う。

ほらこれがいいんでしょ、みたいな見え見えな赤面差分とかもありませんでしたし。

こんな人にオススメ

まず自分が「コメディ」が秀才とオススメされたわけですが、本当にそれは強く感じました。キャラの立て方も上手い。

軽いノリが好きで、ストーリーもちょっとかじりたいって人にオススメです。主人公の性格や精神のブレがないので、ストレスなく進めることが出来ます。

ゆかりくんに一目ぼれした人は漏れなくプレイしてください。

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