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俗に言う“キャラクターが立つ”は具体的にどういう事なのか考察してみた

日曜日の更新。

前回から引き続いて、エロゲがキャラクター重視のコンテンツであるなら、そのことについてもっと掘り下げていこうと思う。

キャラが立つ=キャラが理解される

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そもそもキャラが立つとかキャラが魅力的だとかって見ている人の主観でしかない。鬼滅の刃だの、五条悟だの、大多数に注目を浴びているだけで、それが技術的な意味で真に魅力的なのかというのは人によるというのは言うまでもなく。

なのでここはいったん見る側の目線に立ってみる。

自分がキャラに対して「キャラ立ってるなー!」とか「このキャラ凄い魅力的だなー!」と思う時はどんな時だっただろう。

考えてみれば、それはいつだってキャラクターを理解した時だった。

キャラの本質(ポジション)を理解できた時

ただ本質の理解をしただけで、次に取るキャラの行動が予想出来ないワクワク感があった。

これがキャラ立ちの真実だと思う。

理解、安心、未知数

分解するとこの3つ。特に『未知数』は重要で、単にそのキャラの事がわかっているだけではキャラ立ちとしては弱い気がする。

要するに「べ、別にあんたのためにやったわけじゃないんだからね」というツンデレを作るだけでは理解と安心だけにとどまり、未知数な部分でのワクワク感は得られないということ。それだとただのテンプレどまりで終わる。

それに加えて未知数な部分、奇想天外なことをするという要素を+するだけで、キャラ立ちというのは比較的作りやすくなるのではないかと思う。

これを自作品に当てはめて考えたら結構いた安心感だけのヤツ。

「安心はできるけど、行動への期待はない」

もちろん全キャラクターにこれを当てはめる必要はないのかもしれない。むしろ安心感ポジションと、奇想天外ポジションはバランスよくいるべきだとも思う。

しかしながら安心するだけのキャラで埋め尽くされた作品というのは果たして面白いだろうか?

これがもっとも適用されるべきなのは言うまでもなく主人公だと思うし、一人も行動への期待を持てない作品というのはそれだけでプレイのモチベーションに関わる問題になる。

そう考えるとジャンプ作品の主人公は見ていて安心感があり、なおかつ奇想天外要素持っているタイプが多い。
(ナルト、ルフィ、悟空、夜神ライト、両津勘吉etc...)

エロゲでも人気とされる主人公は皆「何しでかすかわからない」だったり「いざとなればやってくれる」を持ってる。

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みなみけの保坂、東京グールの月山、デスノートのL。ハンターハンタのヒソカ。...etc

これら主人公よりもキャラ立ちしたキャラがサブや敵にいる場合なんかは、そのキャラが出てきた話が一番盛り上がったりもする。

セリフによるキャラ立ちは可能か?

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セリフについても少し触れておこう。

ネタになるような面白いセリフだとかは結果的にキャラが立ったあとに初めて生まれるものなのは言うまでもない。

デスノートの「計画通り」なんてセリフはあり触れてるし、デスノート以前にもあっただろうけど夜神月があのビジュアルあの性格で言うからこそネタになってるもの。

なのでキャラを立たせようと思ってセリフにこだわるのは安直だし失敗に繋がる一番の落とし穴だと思う。

海賊王に俺はなるだとかもワンピースが人気だからこそ代名詞として取り上げられているだけであって、そのセリフを言ったからルフィのキャラが立っているというわけではないのは勘違いしがち。

何を言ったかではなく誰が言ったかは頭に入れておきたい。
(noteでよくストーリーよりもキャラをと言うのはここが強い)

なだけに、この理屈はパロディネタを否定するものだったりする。

キャラ立ちに必要不可欠なものとは?

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キャラが立つは理解であり、安心感であり、奇想天外要素の付与

特に3つ目の何をしでかすかわからないワクワク感は要だという話はした。

これが出来る作品が少ないのは結局のところ面白い展開が思いつかないことに起因すると思う。

面白い展開やキャラが思い浮かばないからテンプレがあふれる。

テンプレートなツンデレは作れても、オリジナリティのあるツンデレを作るのは凄く難しい。

手っ取り早い方法は見た目だけテンプレにすることで、ビジュアルでそのキャラの性質がわかるようにすることだと思う。

金髪ツインテールと言えばツンデレ。黒髪ロングと言えば清楚。ポニーテールと言えば元気キャラorお姉さんキャラ。みたいな記号化。

ここらへんは意識的に誰しもがしてるし出来ているし、むしろ出来すぎてる気もする。

ただ見た目通りのキャラというのが一番つまらないので、そこどまりだと意味がない。

メガネをかけていて「ちょっと男子」と注意する神経質な委員長キャラ。

それがなぜつまらないのかはここまでの記事で言った通り、安心感があるだけでは行動が読めてしまい、奇想天外とはかけ離れているから。

やっぱり物語としてキャラに求めているのは、読み手の予想をいい意味で裏切る展開やキャラの行動であるべきだからね。

キャラ立ちの終着点

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これらを統合すると終着点がよく言われる『ギャップ』になる。

不良みたいな見た目をしてるけど雨でぬれる猫に傘をさす。

メガネをかけている委員長も裏ではオタク。

そういった裏の顔や〇〇だと思ったらそういうポジションか、みたいなことがキャラクター設定には必要ではある。

ただこれもまたテンプレートに過ぎない。

キャラのテンプレが存在するように、ストーリーにもテンプレはある。

しかしながらストーリーに関してはテンプレートでも面白くする方法があるんだなこれが。

さて長くなってきたのでそれは次回の記事でご紹介しようと思う。

ではではここまで読んでいただきありがとうございました。

→来週『誰にでも面白いストーリーが書ける方法』

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