【フリーゲーム】たとえ明日が晴れなくても。 プレイ感想
読むために必要な時間 14分0秒(4800文字)
今回プレイするゲームはこちら。
2019年の作品なんですが、これほどエロゲに近い作品があっただろうか。
『もしも明日が晴れならば』というあの名作エロゲを彷彿とさせるタイトル。これはやらざるを得ん! ということでエロゲーマー魂に火がつきました。
さっそく本編のほうプレイしていきたいと思います。
これは、知れるはずもなかった"運命"を知ってしまった少年の、一つの世界の物語。
割と珍しい三人称視点
自分のプレイするエロゲではほぼほぼ見ないし、フリーゲームでも最近なにかあったかなぁ。小説(ラノベ)とかだと情景描写が楽になるから「初心者は三人称視点にしておけ」みたいな教訓があったりするんですけど、ADVって色々すでに描写されてるから三人称って珍しい。
そんな理由もあってか、小説チックに感じます。
既に、恋人持ちだと……?
多分タイトル画面の女の子ですね。
そして現れる謎の少女
銀髪&白髪は最高です。どちらかと言えばこの子目当てに始めました。
そしてボイス有!!!(もはやフリゲでボイスついてても驚かない)
ちょっとハスキーな感じ最高なんですが。
き、きょうかん……?(狂癲)
やばい、バカにはできないゲームかもしれない。
そりゃまあ……警察に通報しますね
しょっぱなから謎をぶち込んできました
この少女が何者かはわからないけど、現時点で主人公の未来を知っている人物になる。で、強姦殺人をするのが「誰か」はまだ確定してないし、仮に主人公だったとしても動機がない。
ちょっとまだ情報不足なところはありますが、未来を変えることがオチになるのか、未来を知ることがオチになるのかでテーマとかも変わってきますしね。
ゲームタイトルを今一度見返してみると、割とハッピーエンドではなさそうではある……。
主人公がめちゃくちゃ焦っております
普通ならいったんは流してもいいところだと思うんだけど、もしかして何か心当たりでも?
意外と海外映画風に「主人公悪人だった」説がどんでん返しであるかもしれない。
ヒロインktkr!!
今思ったけど、あの銀髪の子の目的は何なんだろう?
強姦殺人をさせないため、というのは目的としてぼんやりする。
それなら「ヒロインを救うために、主人公を陥れる」の方が明確だし。
一体彼女は誰の味方で、誰の敵なのか……。
タイトルとヒロインの名前をかけてきますね
そして、この惚気!!!!
なんだろう……。
まだキャラクターをモブというか、映画の最初に出てくるカップル程度にしか思えないせいか、凄く……リア充爆発してほしい……。いや、三人称視点のせいなのかな。
結構恋愛ADVやってて嫉妬することってあんまり無いんですけど、ストーリーよりも先に「イチャイチャ」が来るとこういう感情になるのかもしれない。
ただこの主人公に待ち受けている未来はそこまで明るくなさそうですからね。
先の展開が楽しみ。
誕生日プレゼントに彼氏の写真見せては草
ウエちゃんはなんというか、特殊な性癖の持ち主なの……?
アスハちゃんもどこかおかしい……
ギャグでやってるのか、意味深な描写なのかわからないぞ!!!???
あるいは大学生特有のノリなのかもしれない。陽キャ怖い。
この流れから強姦殺人に行くのか……?
白銀チャンktkr!
すみません。
……はい。
(※我々の業界ではご褒美です)
あーあ……。
現時点での主人公の印象。
最悪です……。
そこで女の子殴っちゃったらいよいよ強姦殺人する素質持ってますよ、のアピールになってしまう。
やっぱり主人公、なんらかの自覚があるのではないだろうか? 普通「あなたこれから強姦殺人犯になりますよ」っていう女の子が現れたら鼻で笑ってスルー、あるいは何度も来るようなら警察に通報が出来るはず。
もうこの時点で主人公の思考回路が常人ではない……。
わたくし、エロゲーマーとして女の子に酷いことをする主人公は許せませんことよ。
おっしゃる通りでございますわ。
ああ、痛々しい、主人公許すまじ
どう見ても意味不明で頭がおかしいのはティアナちゃんの方なんだけど、主人公が主人公らしからぬ言動をするせいで相対的にティアナちゃん側についてしまうよね。
なにかどんでん返しがあるはず……。
そして流れるよさげなBGM
ここからどん底に落とすための前振りにしか思えない……。
そして気づいた。
主人公よりもヒロインのことが好きになれていない
え? 女の子殴るような主人公より!? ……と、驚かれるかもしれない。
この違和感はなんなんだろうと考えてみると、アスハちゃんって、主人公に基本全肯定なんだ。多分その一点が序盤からずっとモヤモヤしてて、イチャイチャしていることではなくて全肯定の部分でこの子に不気味さを感じているんだと自己解釈した。
一応主人公がティアナを殴る理由ってあるにはあったし、そこを「人間臭い」と評価することが出来る。最低だけど。
でもアスハちゃんって主人公に都合が良くて、ひどく人形的なんだ。
主人公が女の子を殴ったことに対して、ぺちーんてビンタして抱きしめるぐらいはしても良かった。そこでちゃんと主人公の事を叱ってくれる人であったほうが主人公も救われるんじゃないだろうか。
あるいは主人公の独白で「許されるよりも、叱られたほうが楽だったよタハハ」みたいに入れても良かったかもしれない。
二人とも人間味を感じないから本当に映画のワンシーンでバカップルして、ハプニングに巻き込まれて死ぬキャラに見えてしまう。
もしのちへの布石として「そういう風に見せている」のだとしたら見事にハマっている。
自殺しようとした主人公、
元気が出たのでティアナ探しの旅に出る
主人公よ、まだ何も起きてないぞ……。
まだ何も起きていないんだ。今のところ。
何もしていないのに、ただ「頑張れる気がする」という精神論で立ち上がっている状態に過ぎないのだ……。
起きました。
トラック!?
強姦殺人じゃないってことは普通に運命変わってない……?
にしてもお義父さん。いの一番に主人公に電話かけてくるだけの余裕はあるの……? 普通それどころじゃなくない……?
両親との接点が相当深いということはわかる……
ここらへんも主人公に都合が良くて、やっぱりキャラクターを不気味に感じてしまう。
この世界、本当に現実……?
いよいよ訪れた展開に頭がこんがらがってきました。
しかし!
運命はまだ動いていなかった!!!
からの……。
え!? ちょっと待って……!!!!!!
まだ運命動いてないのに、運命変わっちゃったよ!!!
この書き方だと即落ち2コマ的なギャグになっちゃうので説明しますと……。
「運命は動き出す」と「運命が……変わった!?」の間で、ヒロインが主人公を説得するイベントがあったんですけどまさかその後すぐに運命が変わるとは思ってなくて……。
だって那由他ほど変えられない運命を見てきたティアナちゃんだよ?
何も起こってないし、何もしてないよ……?
主人公が行動に起こしたことって「ティアナちゃんを殴ったこと」「自殺しようとしてやっぱやめたこと」「ティアナちゃんを探そうとして見つからない」
この3つ!!!! 何も起こってないよ!!!!
なんなら主人公のイメージあんまり回復してない!!!
こんなんで運命変わっちゃったら、そりゃこんな顔にも那由他。
…………。
主人公に一回殴られたの忘れちゃったの……?
総評
……申し訳ないことに
感想というよりほとんどツッコミを入れているだけになってしまいました。
ストーリー全体として運命を変えるというワードにものすごく引っ張られ、それをさらに強調するティアナちゃんの那由他という桁数。
もうそれは凄い行動力で、抗えない運命にあらがっていく!! みたいなのを想像してしまって、気づけば物語が終わっていました。
ティアナ「運命が……変わった!?」
このセリフで笑ってしまったのは自分だけですか……?
「もうすぐ運命が動き出す」なんて言われここからまた一波乱あるのか!?みたいな期待を膨らませていただけに衝撃的だった。
動きよりも「セリフ」にスポットが当たる
物語として一番の動きは「アスハちゃんが命をかけてウエちゃんを助けた」
これは間違いないはず。
なので、そんなアスハちゃんがウエちゃんに何かを言うなら「友情物語」として成立するんですが、アスハちゃんが説得しないといけないのは主人公だったというポイントでテーマとしてズレを感じたんですよね。
この交通事故、アスハちゃんが主人公を助けるじゃダメだったんだろうか。
精神的に病んでいく過程としてアスハちゃんの両親が主人公を責め立てたりするエピソードがあっても良かったとも思う。それぐらいしないと「強姦殺人をする主人公の精神状態」を正当化出来なくなってしまう。
この事故事態も原因が主人公にあるか? と言われると、トラックの運転手が大きな原因で、
本当に主人公の精神状態が危うかったらトラックの運転手に復讐しようとする思考回路になるはずなんですけど、そういうことも無く、
そういう意味でもう少し主人公には危うい精神状態をキープしてもらって、その様子をハラハラしながら見たかった。
全体を通して主人公に良いイメージはないんだけど、周りのキャラクターは主人公に優しく、都合がいい。そのことから最初はバーチャル世界的な見方をしていました。でないと主人公の好感度の回復って難しいと判断したので。
事実として残るのは「女の子を殴った」「女の子を強姦および殺害しようとした」
うーん……。
アスハと主人公のイメージは最後まで変わらなかったんですが、ティアナちゃんはもしかしたらものすごくぽんこつなんじゃないだろうか、と最初と最後でかなり印象が変わり、そのギャップから凄く好きになれたキャラでした。(絶対作者の意図と違う)
あとがきを読んだ考察
作者さんの執筆スタイルがリアル思考だからかも
あとがきを読んでいると、現実世界を物語にそのまま描くことにこだわっているような文面がありました。
必要なことを描写しないのは、あえてなのかな。
これ……、前回のさよキャでもそうだったんですが自分が「物語を物語として見る」プレイスタイルのせいであんまりキャラクターに寄り添って考えられないんですよね。
特に本作品は三人称視点で、キャラクターの心情が1~10まで描写されるわけでもなかっため、プレイしててキャラの言動に対して不思議に感じる部分は多くありました。
個人的にはアスハちゃんが主人公をめちゃくちゃ好きなのは伝わってきたので、だからこそ主人公に惚れるキッカケ、馴れ初めエピソードは絶対に欲しいと感じた部分。
せっかくウエちゃんというポジションがいるし、三人を会わせて、「二人の馴れ初めとか聞きたいな~(ニヤニヤ)」みたいなのから自然な導入が出来たんじゃないかな、と思ってしまう。
ただ、ですよ。
偶然にもさよキャも導入がデートから始まり、馴れ初め無しなんですよね。
恋愛モノの醍醐味って時には鈍感主人公で引き延ばすこともあるぐらい「好きになる過程」を描くことで、普通にラブコメが好きな人なら確実に書くというか、書きたい部分のはずなんです。
なのに、この2作品にはそれがない。
とういうことから「過程」よりも「結果が全て」と暗に言ってきているような気がする。
振り返ってみるとどちらも最後の結果に描写を詰め込んだ感じがしますからね。
前回のさよキャの感想で「物語が始まっていない」と評価したのも過程がなかったからだろうし、そういう意味ではある種リアルな2作品。
余談
まさかのシークレットゲームのかりんだった!
シークレットゲームは自分の人生に深く影響を及ぼしたゲームなので、めちゃくちゃ「へーーーー!!!!」ってなりました。
全然気づけなかったけど、ありがとう明日晴れ……。
こんな人にオススメ
展開としてはとても王道で誰にでもオススメできる作品です。個人的にはラブコメというよりシリアス寄りの作品で、最後にほんのりいい話に落ち着く感じ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?