「ヒロイン力が高い」を解説する
ちらっと前回の記事の最後の方でも触れたが、
主人公がヒロインに惚れる、
またはヒロインが主人公に惚れるキッカケや過程はとても大切で重要な部分だ。
そしてそれこそが「ヒロイン力」「主人公らしさ」に繋がる。
ちなみに、ヒロイン力をググっても出てこなかったので、
造語として「もっとも主人公にふさわしいヒロイン」と定義したい。
ヒロイン力が高いとは?
ヒロインにはそれぞれ固有の属性がある。
それは作者から与えられた最初の武器だ。
妹、幼馴染、ツンデレ、クールキャラ、食いしん坊。なんでもいいが、その時点でヒロイン力はすでに決まっている。
さらに属性は掛け算なので、妹でツンデレなんて組み合わせをした日には誰も勝てない。
万が一奇跡が起こるとしたら、それはシナリオ上におけるヒロイン力だ。
ツンデレの妹と
昔命を助けられた幼馴染では主人公に対する想いが全然違う。
いわゆる後者はメインヒロインになりそうな設定と言えるだろう。
ここで重要なのはヒロイン力が高い=主人公らしさも相対的に上がるということだ。
もしヒロインを可愛くしたい! もっと他のヒロインよりも魅力的にしたいと思っているならヒロインではなく主人公との繋がりを強めるべきだろう。
主人公に命を助けられた、という繋がりと
主人公にいじめから救われた、という繋がり。
どちらが上かは人によるが、この部分の格差によってヒロイン力は決まる。
それによってヒロインがどこまで主人公に対して尽くせるかの基準が生まれるからだ。
命を助けられたという過去があればヒロインも主人公に対して命をはることを厭わないだろうし、いじめから救われたのだとしたらヒロインは他の人がいじめられているところに割り込める勇気をもらっているだろう。
そういう風に、ヒロインというのは主人公に影響されてヒロイン力を発揮していく生き物だということを知っておきたい。
影響された速さ
ヒロインが主人公に尽くすなんてのは当たり前で、
そんなものはヒロイン力として大前提にあるものであると言いたい。
長期連載、または長編作品だと、ヒロインが主人公にどれだけ影響されたかでヒロイン力は決まってくる。
これには限界値というものが存在し、
限界値に達したキャラクターはそれ以降主人公への好感度が下がらない。
この限界値に達しているキャラこそがメインヒロインになり得る資格を持っている女だ。
最近の作品で言うと、
リゼロの「レム」や五等分の花嫁の「三久」がそうだろう。
どちらも作品内ヒロインで一番人気で、そこにはある共通点がある。
それは一番最初に主人公に影響されて、自分の中で変化があり、最終的に好感度マックスになるのが一番早かったヒロインだ。
・影響を受けた速さ
・主人公と出会ったことでどれぐらい変わったか
・その後どのタイミングで主人公に一途になり、ポジションに着けるか
以上の3点が「もっとも主人公にふさわしいヒロイン」通称ヒロイン力の高い女になれるかのキーポイントとなる。
つまるところ複数人ヒロインがいる場合、
仕掛けるのが早いヒロインが有利で後続であればあるほどフリになる。
後続組は「あのヒロインが動いたから自分も動こう……!」という酷く受け身なアタックになることが多く消極的に映るからだ。
対して惚れるのが早いヒロインは能動的に主人公にアタックするし、それが見栄えとして健気に見えてプレイヤーの心を掴むことになる。
ヒロインレースで勝つのはだいたい先頭を走った女なのだ。
捕捉しておくが、作品内ヒロインレースと、作品外ヒロインレースがあり、今話しているのは後者の「読者の中で誰が人気になれるか」の話である。
先週ニセコイの記事を書いたと思うが、最終的に千棘というキャラクターが大勝利する結末だったが、それに対して喜んでいるファン層はひじょうに少ないという現実。
ヒロインレースは作品外の評価が重要なのだ。
番外編 男でも……?
また、今期放映中のヴィヴィフローライトアイズソングとかいうクソ長いタイトルのアニメではおっさんであるにも関わらず視聴者にヒロインと呼ばれちゃってる男もいる。
(毎週のようにAIヒロインのヴィヴィの前に現れ、助けられるため)
こんな風に「ヒロイン」とは性別ではなくポジションであることがわかる。
幼馴染ヒロインが弱い理由
幼馴染は最も主人公からの影響を受けないポジションだからだと思う。
見ている側からすればすでに主人公から色んな影響を受けたまま、止まってしまっている存在だ。
つまり変化のないキャラクターということになる。
しかし男子の願望的には朝起こしてもらったり、喧嘩などの諍いもなく、ひどく都合のいいポジションなので一定の需要はある。
需要はあるのに1番にはなれない。
生まれながらにして敗北者のような属性だ。
負けヒロインを作らない努力
(※ゆずソフト人気投票でレナというキャラだけ人気がないが、この理由はレナをヒロインではなく主人公にしてしまったがためだと推察する)
分岐ありのエロゲを作っている人がこの記事を書いているとは思えないが、せっかくヒロインを生み出したのなら、他のヒロインに負けないぐらいのヒロイン力を与えてあげよう。
「惚れる速さ」「どれぐらい変わったか」「最終的に誰より早く一途になり、どのポジションにつけるか」を調整すると良い。
そして最後に主人公との繋がりだ。
こんな出来事があったのなら惚れても仕方がない、ヒロインの人生を変えるほどの行動を起こした、など。
ヒロインは自分からヒロインになるのではない。
主人公の行動によってヒロインに昇格するのだ(男でも)
日曜日→「日常シーンがつまらなくなる理由」
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