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Thank you, my twilight


昨日2025/2/1、the pillowsというロックバンドが解散しました。
「発表」でなければ、事前の予告もなく、前日の1/31にLOSTMAN GO TO CITYツアー最終日を終えた矢先の「報告」でした。

私が彼らの音楽に出会ったのは10年前。

最初はベタベタにFunny Bunny、ストレンジカメレオン、My Footで力をもらい、ライブを通してFreebee honey、Come on, ghostに痺れ、New Animalの孤独に咽び泣き、
Patrisiaやムーンマーガレット、プロポーズにときめき、
ライブで聞いていなくてもBriliant Crownやメロディーに心打たれ。

夢中になったとか、のめり込んだとか言うと申し訳なくなる浅さですが、
常に頭の片隅で生き様を支えてくれるような存在で、年に1〜2度ライブに行っては心の芯を補強してもらっていました。
コロナ禍までは。

歴浅ゆるゆるBustersの塔

彼らや周囲の方々が、暗い情報の海から事実を掬い取ることに長けているわけではないことを差し引いても、私には見ていて心が痛くなる発信が増え、あるライブでの個人的に解し難い言動を境に、距離を置いていました。
コロナ禍だから仕方ないな、と自分に言い聞かせて。

彼らも不安なのだと。
「そんな大変な時期もあったね」と笑い飛ばせる頃に、また、と。

その「また」は、思っていたよりもずっと、あっけなく無くなりました。

the pillowsはプライベートでも仲が良いようなバンドではありませんし、
ギターボーカルの山中さわおさんは特に、好き嫌いや信念が激しくまっすぐで強い人なので、(そこが良かったところは多々ありますが)
いつかぽんと解散するかもなあ、なんて考えたことはありました。
でも同じぐらい、何だかんだ物理的に続けられなくなるまではやってくれるだろう、と身勝手に期待していました。

ブログを読んで、色々と事情があり、
突発的な判断ではないことは良く分かりました。

バンドとしての終わりを決めてから一切予告しなかったことも、
彼らというかさわおさんらしい誠実さ、暖かさを感じました

https://fan.pia.jp/the-pillows/

ただ、記憶の中の最後のthe pillowsは、
何のしがらみも無くかっこいい姿であって欲しかったな。
サポートのベースが挨拶して、Pちゃんが「みんな今日はきてくれてありがとう!」をして、シンちゃんがオチが無いようである話をして「今日はよろしくお願いしまぁす」して、それにさわおさんが軽くつっこむ空間は、最後まで存在しただろうか。
今回のツアーだけでも観に行っていたら違ったのかな。

そんな感情もお見通しのようなブログには舌を巻くしかありません。

彼らの個々の活動は続いていくとお知らせには書かれていましたが、私は山中さわおさん、真鍋吉明さん、佐藤シンイチロウさんの3 人が奏でる音楽や、3人が生む空気、3人の温度差が好きだったので、恐らく今後追いかけもしないでしょう。
自分に都合のいい、情のない、ファンとは思えない思考でしょうか。
そう思われるかもしれないし、そうは思わないかもしれないし、両方を同時に思われるかもしれません。
ただただ彼らがこれから、ご自愛しながら、長く満足に過ごせますようにと願うばかりです。

私の中で1番印象的だったライブは30周年の横浜アリーナです。
25周年はまだ知らなかったので、好きになってから円盤だけ見て、ずっとアニバーサリーに憧れがあって、念願叶っての参戦で。
「木曜日になっちゃった。申し訳ないけど仕事辞めて来てくれ」って、
事前にライブで言われたことも、
Swanky Streetの爆笑事件も、
最後のさわおさんの「でも、君たちのことは信じたいよ」も、
文字通り「Don't forget today!」な時間でした。

昨晩はそんな30周年の円盤を観て、
時限爆弾のようなセットリストで前後不覚になるほど泣いて、
(Swanky StreetからのAbout a rock'n roll band→リトバス→Ready steady go!からのアンコール一発目ストレンジカメレオンはさあ……)
「もしかして皆………無職?」
でやっぱり笑って、
観終えてからカラオケで疲れ果てるまで彼らの曲だけを歌って、
目も冷やさずに寝ました(おかげで今日は目ない)。
甲斐あって、解散の衝撃にはだいぶ整理をつけられたと思います。

コロナ禍から今までの苦い気持ちは変わりませんが、
彼らの音楽が心の支柱であることも変わりません。
the pillowsのいない世界で、the pillowsに貰った気持ちを抱えて、the pillowsが紡いだ音楽を愛し続けます。

私は彼らの気分を見抜けなかったし、
私は何も壊れても良いとは思えないけど、
彼らは鮮やかに消えたことを「悪くない」、と、
彼らにふさわしい道を選んだ、と、思っていると信じたいです。

Thank you, my twilight.


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