とっても素敵なお誕生日会に感情を支配されたオタクの聲
賑やかで、明るくて、冗談が好きで、
人を喜ばせるのが上手な一人の女の子が。
沢山の人々に支えられて迎えた二度目のお誕生日会。
こうして長い文字にて物事を表現するのは初めてであり得意でもなく、なんとも拙い文章ですが精一杯の愛を込めたのでぜひ読んでいただけたらなと思います。
また、3月7日当日を除いた前後日譚は別のnoteにまとめています。以下をご参照ください。
2020年3月5日
二日後に誕生日を迎えるこの日、初めての単独イベントは流行り病による社会情勢に抗えず「中止」を告げられた。
沢山の関係者の協力のもと企画を進めていたはず。
誰よりも名取さな本人が楽しみにしていたはず。
それは代わりに配信された当日のYoutubeライブから痛いほど伝わった。
たった二日、もう当日まで目と鼻の先なこの日に告げられたのは、ギリギリまで開催を諦めきれなかったからであろう。
悔しさに涙を流しながらも
「来年は絶対に開催しよう」
そう誓った誕生日だった。
2021年3月7日
一年後、さなのばくたん。丁寧なお誕生日会は無事開催された。
流行り病こそ収束はしていないがなんとか感染者数も減少。
席をひとつずつ空ける、発声を禁止する、等の条件付きではあるがイベントは大成功。
チケットの抽選に落ちてしまったぼくはその時こそショックで寝込んだが、名取の「インターネットでも楽しめるように」という心遣いは十分に発揮された。
会場近辺でのコラボイベントに参加し、当日物販に並び昼に新幹線で帰宅。
自宅のPC画面を前にぴかぴか棒を握り全力で泣いた。
「来年こそは絶対に現地」
そう誓った誕生日だった。
そして迎えた2022年。
まさかの全員当選という夢みたいな当落発表を経て、連番で取った友人の分と二枚のチケットを握りしめ、ここ、ラ チッタデッラに赴いた。
「身分証忘れて取りに戻るので遅れます...先に行ってて...」
「バカたれ~~~~!!!!!!」
そんな出オチの会話をしつつ一足先に着いたぼくは、タワーレコードにてさなコレ2の受け取り列に並ぶ。
去年は店内でその日発売の曲が流れ尻もちをついたが、今年は去年の分が流れていた。前回は一部先行公開がされていたからだろうか?
無事受け取りを済ませ合流。
開場までの時間つぶしとして近くのファミレスで昼食を摂り、ヴィレヴァンを歩き、エロイーズカフェに並ぶ。
『スタンプカードはお持ちですか?』
「いえ、もう揃ったので今回は大丈夫です。」
『ではコースター揃ってないのありますか?』
「(え、それ聞いてくれるの...?)えっと、じゃあ青で」
『ふふっ、聞いただけですからね』
店員さんはそんなことを言っていたが、絵柄はしっかり青だった。
何?その親切対応...ありがとう...
カフェは昨日も行ったので、今日は2Fで撮り損ねた箇所の写真を撮る。
そこそこ並んだこともあり、カフェを出るころにはちょうど開場の時間だった。
チケットを見せてエスカレーターを昇る。
するとそこには目を見張るほどたくさんのフラワースタンドが立ち並んでいた。
本当に多い。個人せんせえ、合同せんせえ、企業せんせえ。
どう見ても個人VTuberとは思えない量だった。愛されてるな、名取。
そしてその中には自分も参加した合同フラスタが。
「綺麗だ...」
素直にそう思った。
イラストは他のせんせえに頼み、自分はデザイン案とお金を出した。
企画を立案してくれた肥料せんせえに感謝。
これが肉眼で見れているのも現地チケットのおかげだ。
(以下、肥料せんせえ制作備忘録)
沢山のせんせえの波に飲まれながら順々に様々なフラスタの写真を全て撮っていると、
「ちょっと!!!?!?」
肩を叩かれそちらを向く。
そこには確かにあった。
ぼくが個人で出したフラスタだ。
こんなに沢山の人がいる中に、自分の名前とイラストパネルが飾ってある。
ぼくがもっとも愛を込めた贈り物。
名取が「好き」と言ったフラスタを、次は絶対自分から贈りたいと思い続け形にした。
自分の絵を載せて、大々的に名前を表に出す自己顕示に少々尻込みはしたが、その佇まいをみて確信した。
贈って、本当によかった。
このことはほとんど誰にも言ってなかったので驚かれるのも無理はない。
というか少し期待していた。びっくりするかなって。
ぼくのフラスタを行き交う皆が撮影している。
「芋嬢せんせえのだ!!!!」
そんな声が聞こえた気がして肝を冷やす。ぼくのです。すごいでしょ。
自分のが一番輝いて見えた。
それはそうとみんなのフラスタも例外なく美しい。
知ってるせんせえ、海外からのせんせえ、ぼくがフラスタを作るにあたり相談に乗ってくれたせんせえ。
みんなの愛にあふれている。
一通り撮影して周り、飲み物を買ってCINE11へ。
うぉっ...現地だ...
席はど真ん中。正面から推しを見守れるいい席。
バッグからぴかぴか棒とピカピカブレードを取り出し待機🍆
スクリーンは増え座席は空けずに詰めていても尚ほとんどの席が埋まっている。
せんせえってこんなに居たのかと感嘆する。
名取さなを創りあげる世界はぼくが思っていたよりも広かった。
大画面には映画前の注意事項をパロったような映像が流れていて。
時間になり、やけにおしゃれなOP、カウントダウンが始まる。
3
2
1
始まるんだ。
そう再確認させる演出のあと、華やかな新衣装を着飾った名取さなが
「Chu Chu Yeah!!!」
あ゛ッッッッ!!!!!
発声禁止の場でそんな声が出そうになるもグッと堪える。青空のラプソディ、大好きな曲。
去年はここで新曲エッビーナースデイだったため今年も新曲から入ると思っていた。
不意打ちだ。履修しててよかった~~~...
「ちぐはぐなコミュニケーション?
でも別に構わない
明日から平和なら!」
「あー!どうしてまた素直になれなくて
自分のことでチュルルッチュルッチュ火吹く」
「ブギーなリズムではしゃぐアリーナ!」
名取、歌めちゃくちゃ上手くなったな。音域も広い。
そのうえ踊れるなんて...
というか選曲が良すぎる。
青空のラプソディ、もとい小林さんちのメイドラゴンという多幸感に溢れた作品が今名取さなに「似合う」と思えるのが嬉しすぎる。
まだ始まってすぐなのに目頭が熱くなった。
そうして一曲目を歌い終えると、余韻に浸る暇もなく聞きなれたイントロ。
テーマソングきた!これで勝つる!!
コールしたい。
そんな強い気持ちを右腕に込めブレードを振る。
これはただのイベントじゃない。"お誕生日ライブ"だ。
そう主張するようにこのメロディーが示す。
そして気のせいでなければダンスが上手くなっている。
かなりの練習を積んだのが垣間見えて......
「せんせえありがとう
誕生日できたよ」
ダメだ...
この歌詞には一年たった今でも弱い。
今年も無事開催出来てる、それは当たり前のことじゃないんだな。
「今年も!始まりました!さなのばくたん~~~!!!」
息を切らしつつも普段の調子で喋る名取に安心感を覚える。
光る会場とデカいスクリーンを見て、今年は現地にこれたんだなと実感する。
「続きまして、スクリーン11!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
心の中で叫ぶ。名取~~~!!!!来たぞ~~~~!!!!!!
現地だからこそできるこの意思表示。かなり楽しい。
「ばくたんレストランに行ったよ~ってひと!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「HillValleyに行ってポップコーン買ったよってひと!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「バイトしてる名取と写真撮ったよ~ってひと!」
「(オタクなので一緒に撮るのはちょっと...)」
発声が出来ないことがこんなにももどかしいとは。
ここでYoutubeの冒頭無料配信は終わりらしい。ここからは金を払ったおれたちのターンだ。
作っていただいたステージ、新衣装の紹介をして。
従来の衣装の紹介を...
するはずがトルソーを残して衣装がなくなっている。
突然照明が落ち慌てる名取。
再び明かりがついたそこには
「なんでナースがメイン衣装なのにわたしを最初に出さないわけ?!」
「どうして王の衣装を使わないのだ?!」
「去年チッタの名取といえばわたしだったのに・・・」
突然意思を持った衣装たちからの反逆を受ける名取さな(本人)
満足げな名取さなさんの周りに…別の名取さなさんが?!
って、こういうことだったのか。どういうこと?
ちゃんと衣装ごとに性格があるのがまた良い。
制服さんが好きです。
「さなちゃん、衣装をたくさん増やすわりには一回しか着なかったり
雑に扱ったりしてるよね。」
ごもっともである。
「怒る権利があるのは2~3回しか着られてない巫女服さんだろ!!!」
これもごもっともである。
おそらく画面の外では魔法少女とメイド服が指をくわえて見ていることだろう。
どうやらこれから各衣装さんの主張に我々が応え納得させなければいけないらしい。
ではまずはナース(お洋服)さんのターン。
「私にはやりたいことがあります。
それは、お外に出ること~~~~!!!!」
それを言われちゃあ…すぐペンラ振っちゃう。
ナース服で出歩くのはおかしいからっていつも着替えられる。
確かに言われてみればそうだ。ナース服は外の世界を全然知らない。
そう思うとナース名取って結構不憫?
そうして少し同情してやったところでぶっこむ大喜利コーナー。
畜生が代
お恥ずかしながら、あの大喜利フォームにはめちゃくちゃ馬鹿正直な回答を送信してしまった。
Q.一番遠い旅行先は?
A.沖縄(修学旅行のため)
つまらなすぎる。
地獄の企画、なんて思っていたがなんだかんだしっかり笑えた。
面白いものを厳選しているであろうが、言うなれば"よくある"お題にこうもさなちゃんねるを見出せる回答ができるせんせえ方には素直に感心した。
「終電を逃して家まで歩いて帰った時が一番遠かった。」
青のペンラと拍手に包まれる光景に思わずこの情勢で出してはいけない声が出そうになった。
お疲れさま。そうとだけ伝えたい。
9割がヤラセな時間停止モノの残り1割のほうが起こったりサモエドが乱入したりなどしてトラブルに見舞われつつも、せんせえ方の統率力に救われ笑いへ変えていく。
"さなちゃんねる"の醍醐味を目の前で味わいその一部になっている。
幸せだ。このときを大切にしたい。
「せんせえに贈りたい曲があります!」
「新曲、曲名は"モンダイナイトリッパー"」
「sasakure.UKさんに!作っていただきました~~!!」
咄嗟に手で口を塞ぎ声を封じる。
ささくれさん…?あの?
ささくれさんだって?
相変わらず、誰に頼んだらオタクが喜ぶのかをすべて理解しているとしか思えない人選。ぼくも作ってもらいたい。頼む。
そうして始まったイントロ。嗚呼、ささくれさんだ。
「さ レディゴーってフリックしてうおお~っとキてシビれてブワってやっていく!」
語彙が名取らしさを上手く表現している。
それはそうとこの曲、歌う難易度が今までとは桁違いじゃないか?
あまりの楽曲の「良さ」に"音"として聞き入ってしまった。
「ワタシノナリタカッタワタシノミライフ!」
今、ミシン針を10本ほど胸に突き刺されたような感覚が。
ひととき振る右腕を止めてしまう。
「"アリガトウ"にデッカくてビックバンしちゃいそう!?」
デッカい感謝。
爆発するアリガトウにこちらも負けじと投げ返す。
曲が終わるとすぐさま王様衣装のターン。
玉座、足が床に届いてませんけど。
「諸君!頭を垂れよ~~!!!垂れてるか…?
いや、ぁでもいいか、面を上げよ~~~!!!!!!」
やけに個性の強い王様の主張はというと
「我の言うことを聞いてほしい!!」
傲慢な。
とは言ったものの、つまりはC&Rがしたいらしい。
わかる~~~~やりたい~~~~
しかしながらご存じの通り発声ができない、なら拍手とペンラで精一杯気持ちを表現しようという魂胆だ。やってやろうじゃねぇか。
C&Rリハーサルをし水分補給もしたところで新曲、
"だじゃれくりえぃしょん"
「さなちゃんねる王国、特製のダジャレ集から一部紹介しよう。」
マルチーズの心臓ドッグドッグ
そりゃウツボの思う壺
マスカラをつけてますから
手帳とってちょ
"メッセージ性"の概念を捨て去った歌詞。ごめんなさいやしきんさん。うちの王が失礼しました。誠に申し訳ない。
とはいえ流石はやしきんさん、歌詞以外は完璧の出来にしっかり会場は盛り上がっている。ネット勢のコメント欄は冷えに冷えていたようだが。
「こうべをたれよ いや でも おもてをあげよ」
王登場時のセリフはこれのことだったのか。
さりげなくMCトークの中に歌詞の伏線を張る女。
「このきもちをどうにか 伝えたくて
アリさんあつめたよ 10匹 プレゼント」
「ありがとう!」
まただ。決まって一度は入る感謝のこの言葉は偶然か必然か。
後日譚にはなるが、この曲の歌詞に使われているダジャレのほとんどがやしきんさんにお任せしている中、一つだけ名取が指定したダジャレが入っているらしい。はて。どれのことやら。
歌いきったら用済みと言わんばかりに床が抜けボッシュートされた。
なんだったんだ。
そして最後に制服さん。
心なしかトーンの上がった声と謙虚さのある性格、かわいいな。
でも聞いた話によるとこいつが一番攻撃的らしい。こわいな。
そんな制服さんの主張は
「青春やりた~~~い!!!!」
どうしてその主張に答えればというと、なんとお手元のスマホにて選択肢を選んで名取さんを攻略するらしい。
そこまで"双方向性"を表現するとは…
バックモニターに映る二次元バーコードになんとか重なり邪魔をしようとするも身長が足りない。ぴょんぴょんしている。ちっせぇな。
そんなこんなで始まった名取さん攻略作戦だが、なんとも突き放したり冷たく当たったりとやけに当たりの強い選択肢がちらほら。
もちろん俺くんの脳の7割くらいはそちらを選ぶ。せんせえなもんでよ。
そんなこんなで宿題を見せる代わりにお命頂戴致すことになり、最後の晩餐くらいはと買ってきてやったセンブリ茶を飲ます。
「最後の晩餐で健康になっても意味ないけど;; ウェッ…」
いい気味だ。
メチャ・ハッピー
コミュニケーション!
よし、楽しく話せたな。
こうしたさなちゃんねるらしい関係性を表した曲といえば。
「これって、私たちだけの、特別な関係なのかも!!!!」
アマカミサマだ。
大好きな田中秀和さん、只野菜摘さんの作品、一年たった今でも足を向けては寝られない。
この曲に関して、多くは語らないが、"一番好き"とだけ。
「アリガトなんです」
表情がズルい。
これにてすべての衣装を納得させることに成功したみたいだ。
これでよかったのか?
親のBGMより聞いたBGMの安心感に浸りながらも帰ってきた新衣装名取
「(お洋服より)名取の方が好きだよ~~というひと!」
誰も振らず静まり返る会場。
やっぱこれはやっておかなくちゃ。
「楽しいばくたんでございますが、次が最後の曲となっております。」
この言葉で初めて気づいた。スマホの画面を確認し、始まってもう1時間半近くがたっていることに。
30分くらいの感覚でいたがそう思えるほどの楽しい時間を過ごしていた。今来たばっかり〜〜ってやつ。
そして、もうずっと楽しかったばくたんが終わってしまうという不安が。
と過ったが、不思議とそれはなかった。
充実し、満足していたんだと思う。
楽しみにしていた"さなのばくたん"から、期待以上の幸福を得て「終わらないで」という気持ちを「楽しかった」が勝っていた。
そう感慨深く浸っていたところだというのに
「作曲はッ………..さんと、clocknote.さんがやってくださいまして」
なんて?
機材トラブルか、音声が途切れて聞こえなかった。
「作詞は!名取さなで~~~す!!!!イェイイェイイェイ」
さなコレ2の告知にて既に出ていた情報ではあるが、「初の挑戦」に期待と応援を込めてペンラを振る。どんな曲になったのかが楽しみ。
そしてまた先ほどの機材不調がしゃしゃり出てきてしまった。
音の途切れが酷くなるにつれ心配と不安で胸が締め付けられるも、会場のせんせえ方が笑って場を和ませてくれた。
ていねいに言い直してくれたが、ハムさんとclocknote.さんが共同で作ってくれたとのこと。BIG KANSYA…
「では、聞いてください。"メチャ・ハッピー・ショー"!」
ゾワッッッ…と鳥肌が立った。タイトルだけで情緒を壊しに来るな。
オタクはデカい唐揚げとかわいい女とタイトル回収が大好き!!!!!
言い回しに確かな名取を感じつつ、企画の段階から楽しんでいたこと、それでも緊張してちょっとこわい、でも素敵にできたらいいなと。
すべて名取の本心からなる歌詞に心打たれる。
「見ててねせんせえ」
初めて聞くメロディーに耳を傾けていたはずなのに、突如滑り込んできた"よく聞きなれたフレーズ"に尻もちをついて気絶してしまう。
見てるよ名取。
「まだまだ続いてくストーリー」
こういったことに触れていいのかわからないが、"VTuber"というHOTながらもどこか不安定さを感じる存在にいつかいなくなってしまうのではないかという漠然とした憂いを常に抱えているが、こうして本人から言葉にしてくれるとただならぬ安心感が湧き出てくる。
「貰ったものがおおすぎて
返しきれないんだ」
こっちのセリフだ。
「本当にありがとう!!!!」
その叫びを聞いてまたもや涙が溢れてしまう。
一蓮托生。ずっと応援していきたい。それがぼくたちにできる最大のお返しだから。
「おめでとう
"ありがとう"っていうね
だいすきもいうよ」
こういった日じゃないとなかなか言えない。
だから今日くらいは何度だって言いたい。
ありがとう。大好きだ。
心から出るこの言葉を、いつか大声で叫べる日を待っている。
「"このショー"がおわっても続いてくストーリー」
最後の新曲も歌いきり、とっても素敵なお誕生日会の幕は閉じた。
「アンコールありがとうございま~~~す~~!!!!!!!」
やっぱそうこなくっちゃ。
見慣れたナース服には先ほどと違ってクリーニング済みのタグが無くなっている。
お洋服さんではなく、名取さな(本物)だ。
機材トラブルに見舞われ動きのない画面に対し、まるでバラードでも聞いているかのようなエモいペンラの波。
それを撮影するシャッター音がぽつぽつと聞こえる中突如鳴り響く
パシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャ
シャッター連写ニキを賞賛する笑い声と拍手。
そんなせんせえ達のフォローに救われ何事もなく再開。
突然始まった重大発表とやらに度肝を抜かれたが、以下箇条書きでまとめさせてもらう。
モンダイナイトリッパーMV制作決定
だじゃれくりえぃしょん配信開始
もごご単行本化決定
もごごオンラインイベント開催
情報過多。
メチャ・ハッピー・ショーで大泣きした後に仕入れていい内容ではなかったが、どれも嬉しくばくたんが終わっても楽しみがあることに感謝。
もごご単行本化は特に、ピンポイントで望んでいたためつい拍手してしまった。
「名取が用意したばくたん、楽しんでいただけましたか…?」
当たり前だろ~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!
少なくとも今年度一番といってもいい。本当に楽しかった。
それはこの日に限らず、楽しみに待ちたくさんのお店を回った期間全てを含めて。
そして、まだやってないあの曲を最後に、さなのばくたんは終わりへと向かっていく。
聞きなれたイントロはどんな曲よりも"エンディング"を感じさせ、どんな曲よりも"名取さな"を象徴している。
ファンメイドとして提供してくれたもっちゃんせんせえ。
それをファンメイドのままにせず受け入れてくれた名取さなのおかげでここまで大きくなれた。
この曲は間違いなくたくさんの物事を引き起こしたトリガーになってくれていると信じている。
「わたしここまでこれたよ
本当にありがとう」
もう何度も言われ続けてきたが、歌うたびに重みを増すこの歌詞にはいつ聞いても勝てず幾度となく涙を流し、この時もまた嗚咽を漏らしカウントがなされた。
今までを積み重ねてきたたくさんの配信のサムネイルが次々と流れる。
会場は愛にあふれたピンク色に染まって。
たくさんの拍手に囲まれながら。
さなのばくたん -メチャ・ハッピー・ショー- は正真正銘、幕を閉じた。
「以上をもちまして、本日の公演は終了いたしました。」
目元を抑える手を放し、ペンラを青にする。
「また、お座席にお忘れ物の無いようお気を付けください。
以上!ヘルエスタ王国第二皇女、リゼ・ヘルエスタがお送りいたしました!
名取、メチャ・ハッピーなショーだったぞ…!」
過言ではなくこの一年、3月7日をモチベーションにして生きていた。
このショーが終わった先のことを何も考えていなかった。
ばくたんの為に仕事をして、フラスタはどんなものにしよう、プレゼントは何にしよう、当日はどんな服を着ていこう、と。
あらゆる原動力をばくたんに握られていたため、燃え尽きではないがすっぽり心に穴が空いたような。
それでもまた来年を楽しみにする気持ち、この後に企画されているいくつかのイベント。
そして何より、このショーが終わっても続いてくストーリーに心躍らせ、また1年頑張ろう、そう思わせてくれる名取さなに今日1番の拍手を贈り、この泣き顔を誰にも見られまいと足早にチネチッタから逃げる。
しばらくしてもう一度チッタデッラに戻り、人の減った最高に綺麗な夜景を撮って後にした。
”さなのばくたん”が終わったことにしっかりケジメをつけ、次のステップへと踏み出すためにも。