手巻きが楽しいバンメトート風蒸し春巻「Banh Uot Ban Me Giang Vuong」
初訪 2022.05 更新 2022.08.10
ここ数年感じるのが、高まる“蒸し春巻”の人気 。
在住者・旅行者を問わず「蒸し春巻 食べたい!」の言葉をよく耳にします。
ベトナム料理で巻ものといえば生春巻のイメージが強いですが、現地での生春巻は、屋台のおやつ的存在。小腹が空いたときに食べるサイドディッシュとして、米麺ブンやバインセオと一緒に売られています。
それに対して、専門店があり食事として楽しむのは、蒸し春巻の方が主流。生春巻よりも厚みがあり、蒸した生地ならではの もちっとした食感が特徴的です。
米粉の生地はどうやってできているかというと、
どの蒸し春巻も基本的には同じで
1/お米を水に浸し粉砕する
2/水を足して濃度を調節
3/目の細かい布を張った専用の蒸し器に、お玉を使って生地を薄く広げる
4/蓋をして蒸す
5/竹のヘラのような棒を使って生地を取り出す
以上の工程で、でき上がり。
あとは、巻くか、たたむかなどによって変わります。
そして、今回取り上げるのは "巻かない" バインウットの方。
といっても王道の上のせスタイルではなく、自分で巻くユニークな手巻スタイルです。
バンメトート風蒸し春巻とは
ベトナムの中部高原タイグエン(Tay Nguyen)に位置する、地方都市バンメトート(Buon Ma Thuot)。この地域で親しまれる「バンメトート風蒸し春巻(Banh Uot Ban Me)」が、今回の手巻きスタイルの蒸し春巻。
好きな具材を手巻き寿司のように包み、数種のタレで味変しながらひたすらお腹いっぱいになるまで楽しむというエンタメ要素のある料理で、食後にお皿を積み上げていくのも、どこか回転寿司のような楽しさがあります。
人気店「ザンヴオン」へ
このバンメトート風蒸し春巻。ホーチミン市内でも食べられるお店が数店舗あるのですが、中でもイチオシなのが今回のお店「Banh Uot Ban Me Giang Vuong(バインウットバンメ・ザンヴオン)」。
バンメトートのほかホーチミン市内にも3店舗あり、どの店舗も人気の様子。今回は特に、アクセスの良いホーチミン市1区の店舗をご紹介します。
場所は、ファッションストリートとして知られるグエンチャイ(Nguyen Trai)通りの近く。
フエンシー教会(Nha Tho Huyen Si)のちょうど目の前にあり、食事のついでに教会を覗いてみるのもいいかもしれません。教会についてはこちら
2021年にオープンしたこの店舗は新しく、ローカル店の中ではきれいな印象。奥では一枚一枚生地を蒸して盛り付けている様子が見られます。
席につき注文を済ませると、早速蒸した生地が到着。
バンメトートでは、生地がくっつかないよう器用にお皿をずらして積み上げる様子がユニークでしたが、こちらはきれいにスタンドに収納されていて、崩れる心配もくっつく心配もなく且つ衛生的。
スタンドの生地が減ってきたら自動的にスタッフが補充してくれるので、あとはもうとにかく食べ続けるだけ。最後に食べた枚数を計算してくれるので、スタンドに残った生地は食べ切らなくてもOKです。
それでは、スタンドから取り出して手巻きスタートです。
エビでんぶのかかったネギ入りの米粉生地。
このぷるっとした蒸し生地ならではの質感、伝わるでしょうか。
具材は好みに合わせて、
メイン具材(下の写真中央列)と添え野菜(写真上段)を選んで組み合わせるスタイル。
メイン具材は各3万3000vnd(約190円)、野菜類は各8000vnd(約50円)、4種のつけダレは無料で付いてきます。
メインの具材はほかに、
ベトナムのポークソーセージを炭火で焼き、薄切りにした「ネムヌン(Nem Nuong)」。酸味のある発酵豚肉ソーセージを同じく炭火焼きにした「ネムチュアルイ(Nem Chua Lui)」などもあります。
つけダレはこちらの4種。
写真左下から時計回りに、
01・ニンニクとチリが入ったヌクマムダレ(Mam Toi Ot)
02・子どもでも食べやすい甘めのヌクマムダレ(Mam Ngot)
03・コクのあるポークソース(Sot Thit)
04・クセ強めの魚の発酵ダレ(Mam Nem)
個人的には、01のヌクマムダレがオススメです。
さて、生地の上に好きな具をのせて巻いていきます。
生春巻よりも柔らかな蒸した生地なので、巻くのは少々コツが必要。
特に紳士たちはうまく巻けずに破れてしまうことが多いらしく、もう一枚かぶせてなんとかすることから、お客さんの間では "ブランケットケーキ(bánh trùm mền)" という別名もあるそう。
不細工な仕上がりもまた食卓の笑いに変わりそうです。
むちっとした生地に包まれた香ばしい焼肉とハーブ、そこにきゅうりやマンゴーが入ることで後味もさっぱりとして、いくらでも食べられそうな勢い。
グループで訪れて、高く積み上げたお皿と一緒に記念撮影。
なんてのもいいですね。
余談ですが、タレの中にあったオレンジ色のポークソース。
実はちょっと苦手だったので(笑)何が入っているか気になり、スタッフに「これは何ソース?何が入っているの?」と聞いてみたところ、逆にこのソースをいたく気に入った人と思われて、お土産を用意してくれました。
や、やさしい子。。
メニュー
最後に、最近リニューアルしたメニュー写真を貼り付けます。
このメニューは、写真が豊富で英語併記もあるので、指差し注文が簡単そう。
こちらは野菜とドリンク類の頁。
ベトナムプリン(バインフラン)やヨーグルトで〆るのもいいですね。
賑やかなビンタン区店
アクセスのいい1区店のほか、よりローカルな雰囲気が味わえる大型店のビンタン区店もあります。
タンディン市場から車で約5分の場所にあり、近くにはカフェや貝屋、クラフトビールのお店などたくさんのお店があるので、ハシゴしたい人はこちらの店舗もいいかもです!
Banh Uot Ban Me Giang Vuong / バインウットバンメ・ザンヴオン
[1区店]
住 10 Ton That Tung, Q.1, HCMC
電 028・7309・6468
営 9:00〜21:30
休 なし
FB
[ビンタン区店]
住 86/23 Vu Huy Tan (M4 Duong so14), Q.Binh Thanh, HCMC
電 028・7309・5468
営 9:00〜21:30
休 なし
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