占いに行ったら、
この記事に「占いに行ったら、」というタイトルをつけたけど、実際には占いのことよりも、この半年のしんどさについてしばらく整理しようと思って、その第一弾としてこれを書いている。
全然楽しい話じゃないし、ほぼ自分の心の整理のために書くから乱文になると思うし、最後まで書けるかわからないけど、思考の道筋を辿りやすくするために、書く。
まとまりのない暗い話になるかもしれないので、一応注意書きです。
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占いって一般的にどれくらいの人が行くものなんだろう。
あんまり良いイメージはないのかもしれないし、わたしもぶっちゃけそんなに信じてない。
でもそれと不思議に矛盾することなく、わたしは、というかわたしの家族は、ごくたまに占いに行く。
ちっちゃい頃から、突然「今から占い行くで」と言われるタイミングが数年に一度ある。
占いに行くときは、当たり前だけど、何かに悩んでるときだ。
先日おじいちゃんが倒れておばあちゃんのお世話をどうするかで家がゴタゴタになり、そこに前から解決してなかったゴタゴタが絡んで、もうゴタゴタカチコチのお団子状態になってしまった。
今回は、そういう訳でもう体力も気力も限界だからとりあえず話を聞いてほしい、という状況だった。
お母さんと二人で、前にも行ったことのある占い師さんの所へ向かう。
ちょっと事情があって、時間がギリギリになってしまったので二人とも焦っていた。
お母さんが「駐車場探してくるから先行っとき」というのでわたしだけ一足先にお店へ向かう。
古い喫茶店の横の細い階段を上ると、薄暗い部屋にたどり着いた。
中にはおばあちゃんとおばさんが一人ずついて、おばあちゃんが占い師、おばさんがお付きの人だ。
コロナ対策のアルコール消毒を促され、店内に入る。
こんにちは、と挨拶して、えーとどうしたらいいんかな、と戸惑う。
おばあちゃんの前の椅子におそるおそる腰掛け、もうすぐ母が来ます、と伝える。
おばあちゃんは一瞬じっとわたしを見た後、生年月日を尋ねた。
わたしが答えるとお付きのおばさんがなにやら手元の紙にメモしていく。
サルトリクウボウです、とおばさんからおばあちゃんに暗号が伝えられる。
申酉空亡がなにかはよくわからないけど、それを聞いたおばあちゃんはちょっとにやりとして、いい年だね、と囁いた。
何もわからないままに、ありがとうございます、とお礼を言ってみる。
就職のことが気になってるんです、と言った。
おばあちゃんからちょっと怪訝そうというか、拍子抜けしたみたいな間を感じたけど、すぐに「もっと勉強したい?」と聞かれた。
唐突でびっくりした。
あぁ、とか、まぁ、とか言うとおばあちゃんは「もう一年勉強したら」と言う。
そして、「友達とか勉強にいっぱい未練が見えるよ、就職先は一番行きたいところにはならないね」と言った。
変な話だが、不思議とそんなにショックは受けなかった。
正直絶対に入りたい所があるわけでもなく、なんとなくどこでもいいから就職出来ればいいや、と思ってたから。
それより、勉強に未練がある、という方が気になった。
わたしは昔から大学という場所に強い憧れがあった。
無事第一志望の大学に進学できてとても楽しかったし、勉強自体嫌いじゃないし、院進するか悩んでたことが実際にある。
でも同時に、進んだ専門の勉強を好きな気持ちはあるけど、正直研究者としてやっていくだけの適性も覚悟もお金もないこともわかってた。
だから結局景気の良いうちに就職してしまうことに決めたのだ。
(まぁ、コロナで最悪になった訳だけど、来年の方が凶悪だろうし)
そこに「勉強への未練がある」と言われたのでちょっとドキッとした。
このnoteを書いている今は就職先が決まっているけど、正直今も何が正解だったのかはよくわからない。
それは就活のことに関しても、家のことに関してもだ。
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占いで言われたことは、その他にも当たっているような、外れているような、信じたいような、信じたくないような感じだった。
でも、男女ともに友人はいい人ばかりと言われたのは本当にその通りだと思うし、一番うれしかった。
結局占いって何を言われるかよりも、言われたことの何を受け取って、どう人生の舵取りに活かしていくかだと思うので、友人関係については今後も大切にしていきたいなと素直に思う。
お母さんが到着して、本題のおじいちゃんおばあちゃんと家のことに話が移る。
実は同じ占い師さんに、何年か前に家族のことを見てもらったとき、今年おじいちゃんが危ないと言われていた。
今回もやっぱりおばあちゃんよりもおじいちゃんの方が危ないみたいな雰囲気で、でも二人とも良い施設が見つかるだろうということだった。
あとはまぁ、占いというかほぼ一般的なアドバイスって感じのことを言われ、時間が来たのでお会計をして占いは終了した。
最後に占い師のおばあちゃんは、「とにかく色んなことにチャレンジを続けなさい」と言って、就活上手くいくといいねと励ましてくれた。
その日一番素直な気持ちのお礼を返して、お店を出た。
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帰り道にお惣菜を買って、まぁ、良くなるように願いながらやっていくしかないねーとお母さんと話しながら家に帰って、遅い昼ごはんを食べた。
まだ夏の初めだったので、夕方だったけど明るかったのを覚えてる。
ご飯を食べたあと、「買い物に出るけどあんたは家にいるやろ?」とお母さんに尋ねられた。
もうすぐ試験だったので家で勉強するか悩んだけど、なんとなく頭も痛かったし、外に出た方がすっきりするかもしれないと思って一緒に出ることにした。
まずおばあちゃんの家に寄って、処方箋を回収してから病院とスーパーに行くことにする。
ちょっと取ってくるし待ってて、と言われ車でお母さんを待ちながら音楽でも聴こうとしていたときだった。
家に入って行ったはずのお母さんがすごい勢いで戻ってきて、後部座席の窓ガラスを叩いた。
どうしよう!きてきて、はよきてどうしよう!どうしよう…!!
お母さんが酷く動揺しながらわたしを呼んでいる。
その瞬間、頭に浮かんだのは、ゴキブリでも出たんかな、というアホみたいな考えと、おばあちゃんになんかあったかなという可能性だった。
嫌な予感がした。
あぁ、この引き戸を開けたくない、と思いながらガラガラっと戸を引くと、目の前に血塗れのおばあちゃんが倒れていた。
本命の就職試験の二日前のことだった。