習志野高校の応援 *5 甲子園に出るとこれだけお金が掛かる! ~アスリートを応援するって、どんなこと? #6
甲子園1試合で係るお金はどのくらい??
前の投稿で、野球応援の遠征にはお金が掛かるという話をしました。実際に、どのくらい必要かご存じの方は少ないと思います。
そこで、公開!甲子園の決算書!
母校の島根県立出雲高等学校が、2016年夏の大会に初出場したとき、後援会のお手伝いをしました。寄付をされた方に配られた決算書が手元に残っています。
これを分析してみると、、、、1試合に係るお金はなんと約5,000万円!!
【内訳】
用具費: 1,516万円(ユニフォームや道具の新調費)
選手派遣費:507万円(交通費、宿泊費)
応援団費: 1,808万円
(入場料、交通費、応援ユニフォーム、グッズの作成費)
事務費: 812万円
(募金依頼状やお礼状の印刷、郵送費、新聞やTV広告など)
記念品・記録費: 269万円
応援ユニフォーム スクールカラーの濃緋色(こきひいろ)
応援グッズの帽子、メガホン、タオル
記録誌「68年目の甲子園」
1試合で4,000~5,000万円くらいが相場と聞いていましたが、まさにその通り。(甲子園常連校だともっと少ないかも。また甲子園までの距離にも左右されます。)
選手派遣費は高野連からの助成金でトントンでしたが、それ以外は全部学校負担!応援団に係るお金がずば抜けて大きいですね。
勝ち進めば進むほど、倍々にかさんでいく応援経費、、、選抜で準優勝の習志野高校は5試合戦ったので、ざっと計算して2億円くらい必要だったのでは?
大応援団が相手チームに与える「圧」
出雲高校の場合、「生きているうちに甲子園に行けるとは夢にも思っていなかった!寄付させろ!」という問い合わせが、後援会の体制が整う前からぞくぞく届いたと吹奏楽部の顧問さんから聞きました。(私の姉も問い合わせた一人)
甲子園決定から初戦までわずか14日で、1億もの寄付金が集まったのには驚きました。
応援団の様子(記念誌から引用)
応援バスが36台も連なったと話題になりましたが、(熱闘甲子園で特集されました)36台しか集まらなかったというのが本当のところ。50台集めたかったと後日伺いました。
JRで駆けつけたOBも多く、相手チームから見た出雲高校アルプスは脅威だったようです。
■出雲の応援は一体感/智弁学園・小坂将商(まさあき)監督
選手たちは落ち着いて試合に臨み、投手の足元を狙ってしっかり打てていた。出雲の応援は一体感があり、2点目を取られていたら、雰囲気は変わっていただろう。先発の村上は低めに球が決まり、力まずに投げていたのがよかった。(2016.8.8 朝日新聞島根版より引用)
甲子園で戦ったのが1試合だったことで、1億円の余剰が出来ました。その余剰金で施設整備や他の部活の振興に係る経費に充てることが出来ました。後輩たちにも恩恵がありましたね。
甲子園に出場するということは、莫大なお金がかかりますが、かかった分だけ、物心ともに大きな財産が残った例として、出雲高校をご紹介しました。
加えて公立高校が甲子園に出るというのは、学校のある地域を元気づけてくれる側面も。
そのあたりも含めて、次に進みます。
習志野高校の応援 *6 へつづく